フランスのパックス法(PACS)制定秘話04●何度も「これは負け戦だ」と思った

前回の映像で「政治とアクティビズムは違う」と示唆的な発言をしてくださったマルテルさんですが、パックス制定に至るまでには、何度も「これは負け戦かもしれない」と思う局面に立たされたのだとか。今回はその辺のお話です。
07●何度も「これは負け戦だ」と思った
08●政治的な妥協の積み重ね
それにしても凄いですね~。反対者が街1000人出てデモ行進をしたりとか、全国の市長会の3分の1から反対を受けたりとか。その中で、いかにマジョリティに刺激を与えずに打開策を見出すかに専心したかという苦心が伝わってくるトークでした。
そうしたことを「妥協」とは捉えずに「打開策」と捉えるべきだというマルテルさんの発言も、とても示唆的なのではないかと感じました。→FC2 同性愛 Blog Ranking
トランスって?13●関西クィア映画祭「トランスペアレント」上映後トーク03●親とは?子育てとは?

妊娠して子どもを生むFtMトランスジェンダーが19人出てくる映画「トランスペアレント」。1月25日に第4回関西クィア映画祭で上映されたわけですが、上映後のトークでは日本で実際に子育てを経験した坂上レイさん(FtM)と、森村さやかさん(MtF)が体験談を語ることで、より親しみが感じられる好企画でした。
今回は、「性同一性障害特例法」の制定時から活動に関わってきたという、森村さやかさんから。法律の問題点に関する指摘です。
03●森村さやかさん~性同一性障害特例法の問題点
04●親とは?子育てとは?
ひびのまことさんもトークで語っているように、この映画は幅広い人たちに「親とは?」「子育てとは?」ということを改めて考えさせ、発見することを促しています。
セクシュアル・マイノリティであることによって、いわゆる世間でいうところの「当たり前」の状態を「当たり前」とは感じられないからこそ、自らの方法論を「発明」する。
そしてその体験談の共有は、多くの人々に新鮮な刺激を与え、新たな「発見」をもたらすことにもつながっていく。だから「セクマイのこと」について考える事って、面白いんですよね。→FC2 同性愛 Blog Ranking
Ronとakaboshiの直撃トーク★既婚者ゲイに聞く!「同性婚する」ってどんな感じ?08●ゲイとレズビアンで友情結婚しちゃう?

中村さんの結婚式ビデオを見ても、各国の同性婚事情を知識として知っても。結局僕には、なかなかリアリティのあるものとして「同性婚」を感じることが出来ませんでした。「だから」というわけでもないのでしょうが、「Ronさんと結婚してみよっか~」なんて、軽い冗談のように語ることもできてしまうわけで・・・。
14●ゲイとレズビアンで友情結婚しちゃう?
こういうことを話すことすらままならない国が現に今もあったり、時代が違えば日本でも、できなかった時代があったのでしょう。そう考えると、これって牧歌的な光景だなぁ~と、自ら映像を見ていて感じてしまいました。(←僕のボケボケした話の聴き方が、という意味で。)→FC2 同性愛 Blog Ranking
フランスのパックス法(PACS)制定秘話03●政治と解放運動とは違う

今回の映像が、話の中で「肝」の一つに当たるのではないかと思います。カトリックが多く、1981年まで同性愛が「犯罪」と法律で規定されていたフランスにおいて、どうやって1999年にパックス法(民事連帯契約法)を成立させ、同性パートナーが「結婚に準ずる」権利を獲得することができたのでしょう。
当時、ジョスパン政権の政策顧問として、パックス法制定に実際に関わったゲイ当事者・マルテルさんが経験談を語ります。
05●政治とアクティビズムとは違う
80年代の「HIV/AIDS」の社会問題化が、実際に権利がなくて困っている同性愛者たちのライフスタイルに社会の目を向けさせることに繋がったのですね。また、「政治」と、いわゆる「解放運動(アクティビズム)」は違うという発言が、とても印象に残りました。このようにして諸問題を整理して考えることで、物事がシンプルに見えてくるような気がします。
06●概念ではなく実質的な権利を勝ち取るために
もちろん、フランスの事例がそのまま日本に当てはめて考えられるかと言ったら、ことはそれほど単純ではありません。法制度や社会状況、時代状況が違います。養子縁組や事実婚の社会的な受容のされ方が、すでにフランスの「パックス以前」の社会とは異なる様相を呈しています。
ただ、マルテルさんが最も気をつけていたという「政治とアクティビズムは違う」「概念ではなく実質を」という姿勢は、これからの日本の「運動」にとっても、重要なキーワードになってくるような気がします。→FC2 同性愛 Blog Ranking
LGBTの紙媒体★掲載チェック27●キューバの同性愛事情、AERAでレポート

■見出し
『資本主義的退廃の象徴がいまや キューバ「性の革命」』
■リード文
革命50周年を迎えた社会主義国キューバ。収容所送りされることもあった同性愛者に対して、権利拡大の動きが広がっている。
…紹介されているのは、キューバで歌姫「ファラ・マリーナ」として有名な、ラウル・プリードさん(42)。「父は共産党員で、私が同性愛者だと知ったとたん、浴室に閉じ込め、小窓から食事を与えるようになりました」という発言を紹介するなど、同性愛者が「反革命的」とされてきたキューバの歴史を、彼の半生とともに紹介しています。
記事では他にも、昨年の6月には性別適合手術が無料で受けられるようになったことなどを伝えています。2000年に映画化された亡命キューバ人作家、故レイナルド・アレナスの自伝『夜になるまえに』
はアレナスが同性愛者として祖国で受けた弾圧を描いている。弾圧が最も激しかった時代に青年期を過ごし、収容所生活も経験。1980年、亡命希望者がハバナのペルー大使館に殺到したのをきっかけに、フィデル・カストロ議長(当時)が「マリエル港からならボートで出国できる」と発表。約12万人が亡命した「マリエル事件」の際に米国へ渡った。
ラウルさんの養父(53)も事件当時、「出国しようと思えばできた」という。彼も同性愛者だ。「でも、子どもたちのために残った」。そしてラウルさんを含む、8人の捨て子を育てた。
ラウルさん自身は同じ頃「女装をして街を歩いた」だけで、「同性愛者矯正施設」に何度も入れられた。それでも中学は卒業し、病院の清掃係として働き始める。成人してからも、ファラ・マリーアが原因で10回以上刑務所に入ったが、祖国を離れる気はない。「私は自由人。周囲がどう思おうと自分らしく生きるだけ」
同性愛者への偏見=ホモフォビアはまだ根強いが、ラウル・カストロ現議長の娘で、「国立性教育センター」所長をしているマリエラ・カストロ氏の努力で最近、状況は好転している。
昨年5月の反ホモフォビアデーには、キューバ史上初、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスセクシュアル(LGBT)の権利尊重を訴える[公式イベント]があった。
また、キューバの国会では現在、LGBTの権利保障のための法改正審議を進めているのだとか。主な議題は「家族法」と、戸籍の性別登録に関する改正なのだそうです。
引用はこれでも一部です。丁寧に取材された記事であり、読み応えがあります。すでに最新号ではなくなっているので店頭では手に入りませんが、木村カエラが表紙の号を、図書館などでぜひ探して読んでみてください。→FC2 同性愛 Blog Ranking