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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2009-01
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たかがテレビ059●それでいいのかNHK!

 こちらの記事で触れたNHKスペシャル『女と男~最新科学が読み解く性』の第一夜を見たのですが、悲しいことに予想通り。旧来の「男」「女」のパターンを疑うことなく踏襲した番組作りで、いったいいつの時代の価値観で作ってんだよ!って感じで笑えました。(本当は笑ってちゃいけないけど。)まるで、昭和中期の高度経済成長の頃の時代に戻ったような時代錯誤感。

 「脳のメカニズム」を理由に男女の違いを短絡的に語ると、原因はすべて「先天的なもの」だという誤解が生まれると思うんですよね。

 本当は、社会にすでに蔓延しまくっている「男らしさ」の強制と「女らしさ」の強制が、「後天的に」それぞれの個人の脳を「それに適応するように」発達させているとも言えるわけで。また、それに適応できずに苦しんでいる人がたくさん居るということに何の配慮もないまま、短絡的で無邪気すぎる番組作り。これはひどい。

 簡単にまとめると、「競争・攻撃」中心で生きる男性的な生き方は限界に来ているから、「コミュニケーション能力に長けている」とされる女性的な能力を男性も身につけましょうということなので、そのメッセージには賛同できるのだけど・・・。それって「男」「女」の対比で語らずとも、「競争重視型人間」と「コミュニケーション重視型人間」の対比として描けばいいことなんじゃないの?って思うんです。「男女」で語る必然性を感じない。現代は既に、そんな単純な区分けでは語りきれない複雑性が、社会のあちこちで見えてきている時代のはずなのに。

 「男100%」「女100%」では語れない、例外やグレーゾーンの存在=多様性に全く触れずに放送したこの番組・・・かなり罪深いと思う。そうだ、きっとこれは昭和のテレビ番組のパロディーだったに違いない。そうですよねNHKさん?

 この番組については詳細をまた後日、改めて書きます。FC2 同性愛 Blog Ranking

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たかがテレビ058●NHKスペシャル「女と男~最新科学が読み解く性」で、セクマイの存在がどれだけ語られる?

 ♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~♪

 工藤静香姉さんが「昭和の階段 Vol.1」でカバーしたり、桑田佳祐も歌ったりしている『黒の舟歌』をはじめ、男女間の「すれ違い」や「わからなさ」を描き出した表現は数あれど、「同性同士のすれ違い」とか「わからなさ」を普遍的なテーマとして描き出すものって、あんまり思い当たりませんねぇ。

 こういうところからも「パートナーシップや恋愛は男女間のものでしかない」という前提が強制されているような気がして、同性/両性愛者としては疎外感を感じることにすら既に「慣らされてしまっている」わけですが。NHKが今夜から3回にわたって放送する『女と男~最新科学が読み解く性』の事前PRを見ても、「う~ん、この番組って自分のことは含まれてなさそう」という感じを、僕なんかは受けるわけです。

★放送予定

第1回 惹(ひ)かれあう二人 すれ違う二人
1/11(日) 後09:00 >> 後09:50  NHK総合


…人間社会の基本構成要素である「女と男」の”仕組み”を科学的に解明する。3回シリーズの1回目は男女が引かれ合う恋のメカニズムに迫る。その鍵は快楽をつかさどるドーパミンという脳内物質だ。ドーパミンが大量に分泌されることで恋する2人が結び付いているのだが、ドーパミンの大量分泌は体への負担が大きく、長続きしない。そのため、”恋愛の賞味期間”はせいぜい3年という。また恋心が長続きしない原因は男女差にもあることが米国での研究で分かってきた。男女関係を長続きさせるには、その違いを意識し、相手の気持ちを理解する努力が欠かせないのだ。

第2回 何が違う?なぜ違う?
1/12(月) 後10:00 >> 後10:50  NHK総合


…人間の歩んできた道筋をたどりながら、医学や教育分野などで始まっている性差に注目した新たな潮流を伝える。男女平等の国・米国の小中学校で、男女別授業を行う学校が増えている。男女の性差が生じる成長期に、それぞれの性に合った教育をしようという試みだ。また医学の分野でも病気の男女の違いを重視する動きが広まっている。これらの背景には新たな男女差が次々と見つかっていることがある。特に脳は性ホルモンなどの影響で性差が生まれていることがはっきりしてきた。脳の男女差は「男女それぞれで得意なことが違う」ことを意味する。男女に役割分担ができたのは狩猟採集時代の生き残り戦略にまでさかのぼる。

第3回 男が消える?人類も消える?
1/18(日) 後09:00 >> 後10:00  NHK総合


▽滅びつつあるY染色体▽生殖技術をめぐる最前線▽性の揺らぎによる影響ほか
…染色体から男女の性差に迫る。遺伝子学上、女はXX、男はXYと性染色体が区別されている。だが最近の研究から、男を構成するY染色体が消える可能性があるという学説が浮上。生殖技術をめぐる最前線を紹介し、性システムの危機への対応策を検証する。

 まあ、究極の「風見鶏メディア」でもあるNHKとしては、旧来のように「男と女」ではなく、タイトルに「女」を先に持ってきたことだけでも「先進的イメージのアピール」に相当するのかもしれませんが…どうせなら「男」「女」という枠組みでは語りきれない人間の性の多様性と複雑さについても、こういう企画の中できちんと語り、向き合ってほしいです。

 性がグラデーションなのだとしたら、「心の性」や「身体の性」や「誰を好きになるのか」が「100%男ですっ!」「100%女ですっ!」と言い切れる人って、それほど多くはないと思うんですよね。むしろ少数派なのではないかと。しかし、この番組のようなアプローチって、その「少数派」に向かって番組を作っているような気がしてならないんです。そして、その「少数派」を「多数派」だと思わせるカラクリに加担して、旧来の価値観を補強してしまうような気がします。しかも「科学」という権威づけを伴って・・・。それって結構危険だし、性の多様性に向き合う方向に進んでいる人類の歴史に逆行することではないでしょうかね?

 人と人とが「すれ違ったり」「分かり合えなかったり」するのって、単純に「自己」と「他者」との違いがもたらすのだという認識さえ持っていれば、いいのではないかと思うんです。「性」に原因を求めるのって、どうも違うんじゃないかという気がしますし、そういう語り方は結果的に「セクマイ」の存在を排除した短絡的なものになりがちです。排除しないのだとすれば必然的に、複雑な語り口にならざるを得ないでしょう。

 そこらへんの「複雑さ」に対して、どこまで真摯に向き合った番組なのか?あるいは、向き合うことを放棄した怠惰な番組なのか?・・・注目です。FC2 同性愛 Blog Ranking

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