パフナイト★94●セクシュアリティと政治'08-03●尾辻さん落選のショックをバネにして~「共生ネット」始動

こちらとこちらで2回にわたり尾辻かな子さんが「昨年の選挙戦をふりかえる」様子をお送りしてきましたが、今回は2人目のパネリスト、共生ネットのミナ汰さんのお話です。実はミナ汰さんたちって全共闘世代のすぐ後で、「政治へのアレルギー」がものすごく強かった世代なんだとか。では、怒涛のようなトークが始まりますよ~!
06●尾辻さん落選のショックをバネにして~「共生ネット」始動
ミナ汰さんが代表を務めている「共生ネット」とは、ロビイングを主な目的として今年になって設立された、出来たてホヤホヤの団体です。メンバーの年齢層やセクシュアリティは幅広く、もちろんノンケさんも、たくさん居ます。僕は夏頃から参加しているのですが、メンバーが多種多様で「いろいろと入り乱れている感じ」に居心地の良さを感じます。
特に、こうした活動は「若者がやるものだ」という先入観を打ち破ってくれるところが画期的なのではないかと思います。人生経験が豊富な方たちが多い分、より「生活に密着した視点」が獲得できているような気がします。会についての詳細は公式ブログがありますので、そちらをご覧ください。
→“ 共生社会をつくる” セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク
活動に興味を持たれた方は、まずはメーリングリストに登録されることをお勧めします。議員訪問などの予定の共有や、情報交換に参加することができます。出来たばかりの組織なので、まだ体制も固まり切らずにヨチヨチ歩きですから、今が面白い時なのかも~。
→ご参加のお誘い
また、当ブログでは7月に開催された共生ネット初の公開イベント「カミングアウト、どうせするなら国会で!」の模様を取材し、YouTubeで公開しております。興味のある方は御覧ください。
01●カミングアウト、どうせするなら国会で!セクマイ流 社会参加の試み
02●はじめての議員訪問は超~緊張!
03●携帯フィルタリング問題~有益なセクマイ情報を遮断させないために
04●杉並区議会・すぐろ奈緒議員の質問「性的マイノリティーの方々への理解と支援について」
05●10年、20年というスパンで考えて。

1人1分ずつで社会や政治状況に対する思いの丈を尾辻さんにぶちまけ、国会への手土産にしてもらおうという企画で、参加者それぞれの溜まっていた思いが吐き出され、大いに盛り上がりました。なによりも、実際の生活に根ざした「生の声」がたくさん出たというのが面白かったし、素晴らしい機会だと思いました。あのイベントは選挙戦中、僕にとっての最大の思い出になっています。(文字起こしはこちら。)
その時、ミナ汰さんもアピールを行った1人だったわけですが、当時の映像を見返してみたら面白かったので紹介させていただきます。今と比べるとキャラクターが・・・かなり突っ張っていたようです(爆)
パフナイト★尾辻かな子さん国会へカミングイン?●ミナ汰さんの一言アピール
・・・原点はここにあり。→FC2 同性愛Blog Ranking
スポンサーサイト
LGBTの紙媒体★掲載チェック16●週刊女性に「性同一性障害のカップル結婚!」の記事

丁寧な取材がなされたようで、文字量も多く読み応え抜群。最近ではトランスジェンダー当事者芸能人のライフヒストリーに関する記事はよく見かけるのですが、市井に生きる人々の場合、ここまで詳細に書かれたものは珍しいかもしれません。しかも「結婚」について触れているのは尚更。
鹿児島に住む若松慎さんと麗奈さんは、FtMとMtFのトランスジェンダー同士のカップルとして、10月17日に婚姻届を提出したのだそうです。記事では2人の生い立ちから、性別違和に悩んだ日々、それを受け入れて互いに出会うまでの過程を、数々の写真を掲載しながら描き出しています。
慎さんは鹿児島市内で飲食店『おなべラウンジ心之介』を経営。麗奈さんは『おだまLee男爵』のママなんだそうです。文中、僕が特に面白いと思った箇所は次のところ。(P41より抜粋)
「付き合い始めたころは、性別変更っていう制度はなかったんですよ。同性婚は日本ではできないから、結婚なんてあり得ないと思っていた」と慎さん。一方の麗奈さんも、「私は男のままで結婚するのは嫌だったし、書類上でも、私が旦那になって、彼が妻っていうのも嫌じゃないですか」
だが、時代は動いた。性別は変更可能になり、性同一性障害という存在も、認識されつつある。
「病気じゃないのに病気って言われることに、抵抗はありますよ。オレらは病気じゃなく個性。 でも病院に行けば、窓口は精神科なんですよね」(慎さん)
「もっと違う言い方にすればいいのに、って思うことはありますね。今はテレビで椿姫彩菜ちゃんや、はるな愛ちゃんとかが出てきて、生きやすくなっていますけど」
(中略)
「今でも偏見はいっぱいあります。 例えば10人にカミングアウトしたら、受け入れてくれる人は5人いるかもしれない。でも、あとの5人は偏見の目で見る。だけどね、今までは1人もいなかったんだから、5人いればいいじゃんって。そういう意味で素直になってもいいんだなって。 」

人間には多少の「偏見」は付き物だし、むしろ、いろんなものに対して偏見があるからこそ、それに気付けたことで成長を実感できるのが、人として生きることの楽しみの一つなのかもしれませんね。
それにしてもこの記事。内容はすごくいいのに見開きページの見出しが・・・「孫を抱かせてあげられないけど、オレには子宮はいらなかった」ってのはどうよ?。女性週刊誌って基本的に読者ターゲットが「子育て中の主婦」だから、しょうがないのかもしれないけど・・・「多様なライフスタイル」を志向するようになっている世の中の流れに付いて来ているとは、とても思えないセンスですねぇ。→FC2 同性愛Blog Ranking