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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2008-09
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akaboshiコラム002●ネットを捨てずとも、テレビを見よう

 これまで、いわゆる「LGBT権利獲得運動」の活動の場では、決まり文句のように「マスメディアでは、偏ったイメージばかりが流布されていますっ!」というアピールが行われてきた。

 実際にそういう面もあったことは事実だが、実はそう言っている人たちほど「テレビなどの大衆メディア(とされるもの)」を見ていないようなタイプが多く、大して知りもしないのに思い込み(「偏見」)で言っていたという側面も、大いにあったように思う。(かつての自分もそうだった)。

 一年前に引っ越しをし、パートナーがやたらとテレビを見る人なので当初は仕方なく、日常的に見るようになったテレビ。半ば強制的に、昨年からの「おネエタレントブーム」や、昨今の民放バラエティー番組での「ニューハーフタレントブーム」に触れるようになり、やがて気付いたのは「テレビのバラエティー番組って、実は革新的だなぁ」ということ。

 バラエティー番組ではタレントは「キャラ」を演じる必要があるのだが、視聴者は馬鹿ではないのでそのキャラの裏側にある「その人の本当の人間性」をブラウン管を通してしっかりと見ているものだ。そして、やがてキャラの新奇性に慣れ、その人そのものに親しみを持ち、受け入れていくのだ。どんな特異なキャラで登場したタレントも、必ずそういう過程を経る。テレビには、理屈を超えた部分で「その人そのもの」を受け入れさせていく力がある。

 その流れの中に今、LGBT当事者として食い込み、そのことを「ネタ」として活用しているのが「おネェタレント」と「ニューハーフタレント」だ。彼ら、彼女らの活躍によって2008年の日本においては、テレビや新聞・雑誌で毎日のように有名タレントの「カミングアウト・ストーリー」が取り上げられている。

 しかも、一度ブレイクすれば波及効果としてバラエティ番組以外での出演も増え、「LGBTである自身のことを受け入れるまでの葛藤」について、ドキュメンタリーやトーク番組で「笑い」の文脈を越えた形で真面目に描かれたりもしている。特に、好感度の高い人気タレントの「知られざる過去」として紹介されると、視聴者的な感覚としては「我がこと」のように感じられ、共感できるという効果ももたらしている。

 LGBT当事者タレントのカミングアウト・ストーリーは今、たしかに「ブーム」的な様相を呈してはいるものの、そうした土壌の上に、たとえばアメリカの大統領選における争点としての「同性婚」に関するニュース等が飛び込めば、以前よりもずっと親近感が持たれることになるだろう。また、そうした番組がきっかけとなってインターネットでLGBT関連用語を検索すれば、無数のサイトの存在を知り、そのまま個人レベルで発信されている情報に関心を持ち、リアルな出会いに繋がったりもするだろう。こうして「LGBTフレンドリー」な人は、確実に急速に増えているのだ。ネット普及以前の発想のままで、いつまでも物事を語ってはならない。

 もう、LGBTが隣人としてのリアリティーを持って感じてもらえないような時代は終焉している。

 「活動の場」で使う言葉はいいかげん、そうした現実を受け入れた上で時代に即した形で発せられるべきだろう。そうでなければリアリティーを持てなくなり、市井の生活感覚から乖離して空回りするばかりだ。つまりこれからは、時代の変化をしっかりと認識した上で、なおも残る制度上の不公平を改正するために「共感を喚起する言葉」を発明する必要があるのだ。既に日本のLGBTの「活動」は、そういう段階に突入している。

 自分の興味・関心にピンポイントに接することのできるネットにハマるのもいいけれど、きまった「お気に入り」のサイトばかりを見ているようでは視野は広がらない。たまには「今」のテレビを見てみよう。特に、下世話だと感じられるような娯楽番組の中にほど、作り手による「多くの人の共感を呼び覚まそう」とする戦略が、あの手この手と仕組まれているので参考になる。

 忘れてはならないのは、「笑い」とは、その多くが既存の価値観を転倒させた時に生じるものであるということ。つまり、時代状況に対する批評が、そこには秘められているのである。侮ってはならない。

 人はけっして「頭(理屈や理念)」だけでは動かない。 「テレビなんて下品なものは見ない」「お笑い番組なんて意味がない」と誇らしげに語り、さも物事をわかったような気になっている「インテリ根性」って、べつに誇ることでもないんだなぁと感じるようになったのが、引っ越してからこの1年間の自分に起こった、最も嬉しい変化だった。 


●テレビ関連情報 
これから1週間だけでも、以下の番組に「LGBT当事者タレント」が出演する。(ネットのTV番組表の関東地区版を検索。僕がテレビで「LGBTであること」を本人が語っている場面を見たことのある人たち限定。)

はるな愛さん出演番組
・・・MtFトランスジェンダーの「ニューハーフお笑いタレント」として、松浦あやさんのモノマネで大ブレイク中。2年前にゲイであることをカミングアウトしたお笑いタレントの前田健さんがブレイクしたきっかけも、松浦さんのモノマネだった。 
■タモリのボキャブラ天国大復活祭スペシャル!!
 フジテレビ 09/28(日) 後07:00→後09:48
■人生変えた言葉物語55
 日本テレビ 09/29(月) 後09:00→後10:48
■ リーダー's ハウ トゥ Book
 テレビ朝日 09/29(月) 深12:45→深01:15
■爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル
 フジテレビ 09/30(火) 後07:00→後10:30
■超話題!あらびき団90分拡大スペシャル!
 TBSテレビ 10/01(水) 後11:59→深01:29
■全国一斉!日本人テスト SP(仮)
 フジテレビ  10/02(木) 後07:00→後09:54
■逃走中
 フジテレビ  10/02(木) 後10:00→後11:24
■昭和×平成
 日本テレビ 10/05(日) 前11:45→後12:45

椿姫彩菜さん出演番組
・・・MtFトランスジェンダーの「美人モデル学生ニューハーフタレント」としてブレイク中 
■はなまるマーケット
 TBSテレビ 09/30(火) 前8:30→9:55
■2008年度上期検定
 フジテレビ 10/06(月) 後07:00→後08:54

假屋崎省吾さん出演番組
・・・パートナーの男性と豪邸に住んでいることを、昨年初頭からあちこちのメディアで公言中。
■人生変えた言葉物語直前SP
 日本テレビ 09/29(月) 後03:55→後04:53

クリス松村さん出演番組
・・・フィットネスクラブのインストラクターとして、ピンクレディーのダンスを取り入れていたことから注目されてブレイク。「男が好き」とあちこちで公言中。 
■関ジャニ∞のジャニ勉
とちぎテレビ 10/01(水) 後07:30→後08:00
■関ジャニ∞のジャニ勉
 テレビ埼玉  10/02(木) 後06:30→後07:00
■出没!アド街ック天国
  テレビ東京 10/04(土) 後12:30→後01:25

KABA.ちゃん出演番組
・・・ちょっと「トランス気味」な中性キャラと、男性的なキャラが交互に見え隠れするところが持ち味。共演する男性タレントに「熱い視線」を送ることをネタとして活用中。
■おもいッきりイイ!!テレビ
 日本テレビ 10/02(木) 前11:55→後01:55
■あっぱれ!!さんま新教授
 フジテレビ 10/05(日) 後01:00→後01:45
■日曜ビッグバラエティ
 テレビ東京 10/05(日) 後08:00→後09:48

美輪明宏さん出演番組
・・・1960年代、まだゲイが「ゲイ・ボーイ」と呼ばれていた時代から、そのことを表に出して活動を展開。かつては『薔薇族』のようなゲイ雑誌の中だけで同性愛者としての本音を語っていたようだが、最近では自身が司会を担当するトーク番組などで「同性愛者としてのライフヒストリー」を何度も語っている。 
■ハウルの動く城
 日本テレビ 10/03(金) 後09:00→後11:24
■スペシャルな午後 国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉特別編
 テレビ朝日 10/04(土) 後01:59→後03:55
■国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉スペシャル17 愛の話…不思議な話…
 テレビ朝日 10/04(土) 後07:00→後08:54

マツコ・デラックスさん出演番組
・・・辛口コラムニストとして、「おネェタレント」とは一線を画した独自のスタンスで活躍中。全国放送のTBS「ピンポン!」ではそれほどでもないが、TOKYO MX「5時に夢中!」ではゲイとしての日常や本音を包み隠さず語っている。 
■5時に夢中!
 TOKYO MX 10/01(水) 後05:00→後05:55
■ピンポン!
 TBSテレビ 10/03(金) 前11:00→後01:00

●また、民放だけではなく今年になってからは、NHK教育テレビでもLGBT当事者の出演番組がスタート。タレントではなく「市井に生きる人たち」を主人公にしてシリーズ化するという意味では、昨年のダウンタウンのバラエティー番組『リンカーン』に「Brass MIX!」が登場したシリーズ以来。

■ハートをつなごう ゲイ/レズビアン第2弾
教育テレビ 9月29日(月)、30日(火) 午後8時~8時29分
再放送 10月6日(月)、7日(火) 午後1時20分~1時49分

■ハートをつなごう LGBT第1弾
教育テレビ 10月1日(水)、2日(木) 午後8時~8時29分
再放送 10月8日(水)、9日(木) 午後1時20分~1時49分

■ETVワイドともに生きる LGBT
教育テレビ 11月1日(土) 午後9時30分~午後11時30分

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