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2008-07
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東京国際レズビアン&ゲイ映画祭02●「シェイクスピアと僕の夢/Were the World Mine」監督・プロデューサーTALK


 11日(金)に開幕した第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

 アメリカ映画『シェイクスピアと僕の夢/Were the World Mine』の監督・プロデューサーをゲストに招いたオープニングイベントの様子はこちらで紹介しましたが、今回は上映後に行われたQ&Aセッションの模様を紹介します。

 「ネタバレ度」の低いトークとなっていますので、映画をまだ見ていない人、これから見ようと思っている人が御覧になっても、大丈夫ですよ。司会はドラァグ・クイーンのマーガレットさんです。

「シェイクスピアと僕の夢」監督・プロデューサーTALK01
  

「シェイクスピアと僕の夢」監督・プロデューサーTALK02
  

「シェイクスピアと僕の夢」監督・プロデューサーTALK03
  

 主演の2人をキャスティングする際に「ゲイ当事者であること」にこだわったというのは納得です。「ノンケが演じるゲイ映画」を見ていて感じる不自然な描写とか、無理して演じている誇張された感覚が、まったく感じられなかったですから。

 しかし一方では「ゲイ映画」という旧来のカテゴリーから、いかに飛躍することが出来るのかにもこだわったという監督。やたらドギツイSEXシーンとか、やたら誇張されたコミカルさとか。やたら不幸のどん底へとズブズブ落ちていったりとか。そういう「どっかで見たことのあるゲイ映画」のパターンにハマりそうでハマらない緊張感がキープされていたからこそ、最後までドキドキしながら見ることができたんだなぁと気付きました。細部にまでこだわりと愛情に溢れた、素敵な作品でしたよ。FC2 同性愛Blog Ranking


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トーマス・ガスタフソン「シェイクスピアと僕の夢/Were the World Mine 』●MOVIEレビュー

 「恋心」を思い通りに操れたら。

 めくるめくようなミュージカル場面もふんだんに出てくるが、不思議と「ミュージカルっぽい不自然さ/いやらしさ」をまったく感じさせない展開と、物語の奥行きの深さに驚いた。これは名作!

第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で19日(Sat) 18:50~上映あり。人気作なので前売り購入はお早めに!→tickets info

 ゲイの高校生が主人公。学園中のアイドルである超イケメンのラグビー選手に恋しているのだが、その憧れの彼は女性と付き合っている。つまり、ノンケなのかもしれない。片思いに悶々とする日々。

 授業でシェイクスピアの『真夏の夜の夢』を演じることになり、「妖精パック」の役を割り当てられた主人公。妖精パックと言えば目覚めた時に最初に見た人を好きになる媚薬を用いて、登場人物たちの「恋心」を混乱させるイタズラ者だ。稽古にいそしむ中、主人公は偶然、その媚薬の製造方法を知ってしまう。そしてもちろん、憧れの彼に使って、彼の恋心を自分に向けさせるのに成功する。

 そればかりではない。主人公は町中の人々を「同性愛者」にしてしまおうと、手当たり次第に媚薬を使う。町中にゲイやレズビアンが溢れ帰り、ついには市長までもがゲイになったものだから、「同性婚」があっという間に解禁になる。有頂天になる主人公。

 憧れの彼も、自分にメロメロになってくれて幸せな時を過ごす。しかし主人公は、やがて空しくなるのだ。「これは媚薬のチカラであって、本当に彼が自分を好きになってくれているわけでは無いのではないか」と。さらに気付くのは、周囲の「異性愛者」の幸せな生活をも、自分の満足のために破壊してしまったのではないかと。

 人は「他力本願」では満たされない。

 元祖・シェイクスピアの『真夏の夜の夢』では、男女の2組のカップルが「妖精パック」の媚薬の魔法でパートナーを入れ替えられ、その混乱ぶりが喜劇として描かれている。

 その魔法を「異性愛者を同性愛者にする」ことに使用するという物語設定自体、監督やプロデューサーがゲイであるからこそ持つ発想だろう。しかし、夢をただの夢物語だけでは終わらせず、他力本願(この場合は媚薬の魔力)で手に入れた幸せでは、人は決して本当の意味では満たされないのだというところまで描き出したところが、単なる「ゲイ・ライツ」のプロパガンダ映画に堕落せずに済み、物語に普遍性を与えている秘密だろう。

 シェイクスピアには「出来なかったこと」を実現した作品!?

 ひょっとしたらシェイクスピアが『真夏の夜の夢』で本当に描きたかったのは、ここまで根底から世の中の秩序をひっくり返してみる物語だったのかもしれない。そんなことまでも深読みさせてくれる映画だった。

 シェイクスピアがあそこまで世界を「外から俯瞰した視点で冷徹に分析し、批評する」ことが出来たのは、やはり彼が同性愛者(あるいは両性愛者)であることから醸成された、世間の常識を根本から疑って見つめなおす「ひねくれた感性」によるものだったんだろうなぁということを、再認識した。

 この映画、劇場ロードショー公開をぜひ実現してもらいたいと切に願う。FC2同性愛 Blog Ranking


●You Tubeより~Were the World Mine - Sneak Peek 2
  

『シェイクスピアと僕の夢 / Were the World Mine 』
2008 / USA / 96min / Language: English
監督:トーマス・ガスタフソン
プロデューサー:コーリー・J・クルークバーグ
第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で2回上映
7月11日(Fri) 18:15~ @新宿バルト9
7月19日(Sat) 18:50~ @スパイラルホール

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 今年で17回目を迎えた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。いよいよ11日(土)から開幕し、初日の上映は2作品とも満員御礼でのスタートとなりました。僕は今回、イベントの模様を取材しておりますので、シリーズで紹介して行こうと思います。

 18:15からのオープニングイベントは、新宿二丁目からは目と鼻の先にある「新宿バルト9」で行われました。若干時間が押してから始まったオープニングアクトでは、GO GO BOYが客席後方から登場し、会場を一気にヒートアップさせます。(その模様は、客席が映ってしまうために残念ながら映像では紹介できません。笑)。

 トークの司会はドラァグクイーンのマーガレットさん。ゲストとして、オープニング上映作品「シェイクスピアと僕の夢」の監督と、プロデューサーが登壇しました。まずはその模様から。

第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭01●オープニングトーク
  

 僕の「ゲイダー」によると、会場を埋め尽くしていた観客の8割は、おそらく「ゲイ(あるいはバイ男性)だったのではないかと思われます。男性率が非常に高かったです。それにしてもこの映画祭は、作品の特性によってわっかりやす~く、ガラッと観客層が変わりますね。(この後の「後悔なんてしない」の場合は、韓流スターの熱狂的ファンらしき女性たちに占拠されていましたし。笑)

 さてさて肝心の映画は・・・面白かった!これ本当にオススメ。シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をモチーフに、ビジュアル的にも内容的にも見所満載の作品で、最後までドキドキハラハラしながら見続けることができました。実行委員の話によると、チケットの売れ行きは好調のようで、スパイラルホールでの19日(土) 18:50~の上映分の前売券は残りが少なくなっているそうです。お求めはお早めに! FC2 同性愛Blog Ranking


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