東京国際レズビアン&ゲイ映画祭04●「誓いのKiss?/Kiss ths Bride」監督C・ジェイ・コックスさんTALK

撮ったものからどんどん紹介している第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のイベント映像。今回は、開催2日目である12日(土)に新宿バルト9で上映された『誓いのKiss?/Kiss ths Bride』の上映後トークです。
監督のC・ジェイ・コックスさんは2006年の同映画祭で上映された『ラターデイズ』を作った人でもあり、会場には「『ラターデイズ』を観てファンになった」というお客さんも多数、来場していたようです。前作ではモルモン教徒と同性愛というテーマをぶつけるという、シリアスな内容のドラマだったのですが、今回は一転、突き抜けた明るさが印象的なラブコメディー。

01●はじめての来日です。
02●セクシュアル・アイデンティティーは固く決めなくてもいいんじゃない?
03 ●質疑応答つぎつぎと。
いろんな意味で思考が揺さぶられ、やわらかくなれますよ。「楽しめる」という意味では自信を持ってオススメできる映画。ぜひ!→FC2 同性愛Blog Ranking誓いのKiss? / Kiss the Bride 【ジャパン・プレミア】
7月12日(Sat) 16:00~ @新宿バルト9
7月20日(Sun) 18:15~ @スパイラルホール
★NEWS!
7月20日(日)18:15のスパイラルホールでの上映後には、主演俳優のフィリップ・カーナー (Philipp Karner, Matt役)さんと、ジェイムズ・オシェア (James O'Shea, Ryan役)さん、そして監督を交えてのトークが行われることが決定したそうです。
マルコ・S・プッチオーニ「あたたかな場所/Shelter(Riparo - Anis tra di noi)」●MOVIEレビュー

人は贅沢で滑稽な生き物だ。安住の地を見つけたと思った途端に、自らその環境をぶっ壊す。エゴを貫くために。
移民の少年が、ひょんなことからレズビアンカップル(アンナとマーラ)の家に居候することになった。アンナはその状況を積極的に楽しめるのだが、マーラは家に「男」が居るという現実を受け入れられない。光と影のコントラストを意識的に強調した画面作りが、登場人物の棘棘しい繊細な心のざわめきを描き出す。
●YouTubeより~"Riparo" trailer 90"
★第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映
7月12日(Sat) 18:40~ @新宿バルト9
7月20日(Sat) 13:45~ @スパイラルホール
【後援】イタリア文化会館 Endorsed by Italian Cultural Institute

真面目に働く少年。次第に明るさと元気を取り戻す。少年に対してなかなか心を開かなかったマーラも、次第に少年と心を通わせるようになり、新しい日常に慣れて行く。垣間見える希望。しかし、そのほんのひと時だけだったのかもしれない。この日常を「あたたかな場所」だと感じることが出来たのは。
少年はレズビアンのマーラに恋をした。
マーラが「レズビアン」だということが、なかなか理解できない少年は「君には癒やしてくれる男が必要だ。それは僕だ」と積極的に求愛する。押しの強さに辟易しながらも、次第に少年に惹かれて行くマーラ。そして2人は関係を持ってしまう。
その事実は、アンナにバレてしまう。もう「あたたかな場所」は戻らない。アンナの嫉妬により少年の就職口は奪われ、再び放浪生活に戻らざるを得なくなる。「移民」とは、なんという儚い立場なのだろう。
アンナとマーラが、その後どんな日常を過ごすことになるのか映画では描かれない。しかし、相も変わらず「退屈」を紛らせながら、2人で生きていくのだろう。

片や、安住しているはずなのに、実感できずに倦怠の沼に引きずり込まれているレズビアンカップル。
どちらも、浮ついて漂っていることには変わりない。「あたたかな場所」を求めつつも、掴んだならばすぐに捨て去りつつ。
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たかがテレビ053●新ドラマ『学校じゃ教えられない!』の主役はゲイ!?

さっそく、家にあったテレビ情報誌「ザ・テレビジョン」を見てみたら、たしかに水木一樹は「禁断の恋に悩む秀才くん」と紹介されており(←やっぱ禁断かよ!というツッコミもしておきますが。笑)、人物設定の欄には「勉強もできルックスもそこそこだが、親の期待を裏切り女子高に入学。幼なじみの吐夢が好き」と書かれています。吐夢というのは、主人公ととても仲の良い、女が大好きな明るい男の子なんです。
この物語は、平成版「毎度おさわがせします」とでも言ってしまえるような、学園エッチコメディー。格式と伝統のある女子高に、男子5人が初めて入学することによって巻き起こる騒動が描かれます。その一人がゲイ(あるいはバイ)って・・・思い切った設定だなぁ、しかも実質的な主役ですよ主役。
先生役は深田恭子さん。第一話ではとりあえず、5人が入学してそれぞれに女の子と知り合っていく様子が描かれていたのですが・・・。第二話以降、いよいよ主役がゲイ(あるいはバイセクシュアル)であることも、物語の「一つの要素」として絡んでくることになりそうです。
今年はスゴイですね。前期の『ラスト・フレンズ』に続き、今期も民放の連続ドラマの主役級に、セクマイが登場することになりました。しかも今度の場合は「コメディー」ですから、明るくカラッと爽やかに、自然な感じで描かれそうな予感がします。今後の展開と、描かれ方に注目したいと思います。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さんWe're OK!114●野々上愛さんとトークin高槻06●HIV/AIDSとコミュ二ティーの課題。社会全体の問題。

日本のHIV/AIDS対策は、感染拡大をなかなか抑えられずに「遅れている」と言われています。特に男性同性愛者、そしてMSM(ゲイというアイデンティティーを持ってはいないけれども、男性とSEXをする人)に感染が多いという現状があります。
予防・啓発キャンペーンを、どのように進めていくのか。ゲイ・コミュニティーでは多くの人々によって日々、様々な取り組みが試行錯誤で行われています。社会にとって緊急の課題となっているこの問題と、どう向き合って行くべきなのか。野々上愛さんと尾辻かな子さんが、それぞれに語ります。
06●HIV/AIDSとコミュニティーの課題。社会全体の問題。
トークの中でも出てきましたが、ノンケ(異性愛者)の間でも例外なく感性は拡がっています。特にノンケの場合には、「ゲイ・コミュニティー」ほどはHIV/AIDSに関する予防・啓発キャンペーンが届きにくいという現実があるため、検査に行く確率も低く、危機感が低いという現実があります。また、「ゲイの病気であって、自分には関係ない」という偏見を持っている人も多いということも、誰にも身近な問題だという意識が持たれにくい原因となっているようです。
HIV/AIDSの問題を考えることは、「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」や「性をタブー化する」この社会の問題点を、いろいろと浮き彫りにする契機にもなります。ゲイ・コミュニティーには、そういった意識で情報を発信している方がたくさんいて、ゲイ雑誌や個人サイトなどで日常的に学ぶことが出来ます。そうした情報に接するとき、「コミュニティー」の存在意義と大切さを実感します。→FC2 同性愛Blog Ranking
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭03●「後悔なんてしない/No Regret」主演イ・ヨンフンさんTALK

韓国で2006年に公開され、ゲイを描いた商業映画として大きな話題を呼んだ『後悔なんてしない』。いよいよ19日より新宿バルト9で公開されるのに合わせ、第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の初日に先行上映があり、主演俳優イ・ヨンフンさんのトークが行われました。(司会はオープニングそして「シェイクスピアと僕の夢」に続いてマーガレットさんが担当。)
01●マーガレットさんとのプレス用写真撮影
02●この映画に出たことを・・・「後悔なんてしない」!?
03●突然の電話
04●内緒話の中身
05●「胸毛ください」
★『後悔なんてしない デラックス版 [DVD]』

バカですよね~。「同性愛」ってのは映画としては一つの「売り」になるわけですから、わかりやすく打ち出せば良かったのに。そこをボカしたものだから、せっかくの「ボーイズ・ラブ市場」を刺激することも出来ず、さらには主演俳優の来日時の発言によってゲイの心を捉えることも出来ず。散々な結果に終わってしまいました。

また、「ボーイズラブ」や「韓流」というキーワードで動く層に向けても、アピールが行われているようです。「同性愛を描いている」ことは、紛れもなくこの映画のセールスポイントの一つなわけです。主演俳優も、そのことをまったく恥じていません。俳優としてのキャリアにも、まったくマイナスになってはいないようです。
・・・韓国映画界。この映画のヒットで確実に変わったんですね。→FC2 同性愛Blog Ranking