まずは「人」ありき ~ぷれいす東京活動報告会で、sakuraさんの発表を聴いた午後


会場に入ると、最後尾の席には見知った顔が!。ブログ「明日はもっといい日に」のDASS君ではありませんか。GBrつながりのオフ会で会い、その後パフナイトの伊藤悟さんのイベントでも会った彼。きっとsakuraさんからの例の誘いがあったのでしょう。
報告会の方は、シンプルかつスピーディーに進みました。8つの部門ごとに発表が行われるのですが、各部門に10~15分という制限時間をあらかじめ設け、時間オーバーは原則的に許さないという条件のもとで担当者は喋ることになるわけです。時間内に要点をわかりやすく詰め込むために発表者はスピーチに工夫を施しますし、なにより緊張感が持続するので、聴く側としても飽きずに耳を傾けることが出来ます。これはなかなか良いルールだなぁと思いました。
sakuraさんは「Gay Friends for AIDS」というプロジェクトが昨年度行った活動を報告しました。相変わらず喋り始めたら淀みなく怒涛のように言葉が流れ出し、しかも短時間に収めるというルールが更に彼のテンションをヒートアップさせ、時に自虐ネタで笑わせるテクニックも駆使しながらあっという間に終わったという感じ。あとでDASS君と「スゴかったねぇ~。それにしても、いつ呼吸してるんだろうねぇ~」と感想を述べ合いました。sakuraさん本人には「今日やっと何をしてる人なのかが理解できた」と素直に感想を告げたら、一瞬凍ってたような気がしますが(爆)事実なんだからしょうがないですゴメンナサイ。
あ。あと、飛び入り参加したフジテレビアナウンサーの佐々木恭子さんの話も聴くことができました。なんでも彼女は個人のレポートとして数年前から海外のHIV関連の取材を始めているらしく、担当しているワイドショーの枠内で何度か放送されているそうなんです。取材は現在も続けていて、次は6月9日~11日の3日間にわたって「とくダネ!」の枠内で放送される予定があるそうです。特に11日には日本国内の同性愛者に取材したものも放送されるようなので、見逃さないようにしなくちゃです。こうした硬派なレポートを続けているアナウンサーって貴重ですね。ぜひライフワークとして取り組み続けて欲しいです。

思えば僕は、これまでいろんなコミュニティー活動を見てきたけれど、最初のきっかけはいつも、その活動を楽しんでいる「個人の魅力」だとか「個人の熱意」に惹かれて見に行くようになり、自然にその活動内容を理解するようになるという流れで進んできているような気がします。つまり、まずは「人ありき」なんです。
その順番が逆になってしまうと途端に義務のように感じられてしまい、自分にとっての喜びではなくなるので関心も持続しません。そんな法則があることを発見した、休日のひとときでした。sakuraさんを見に行くと、いつもこうして自分の「来た道」を振り返ることになるので不思議です。
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神戸LGBTIQプライドマーチ参加記17●続けることの決意

お待たせいたしました。神戸LGBTIQプライドマーチ2008の映像を、これから連続して公開します。5月18日(日)。三宮のスポーツカフェ45では12:30から、オープニングイベント「L.T.mini」が開催され、パレードの参加者たちが事前に交流する場になりました。
最初にステージに登場したのは、シークレットゲストの「ピンクレゲイー」。僕が彼らのショーを見たのは5月4日のクィアレインボーパレード福岡のアフターイベント「Liberty Night」以来2回目だったのですが、耳が不自由だという2人なのに音楽とピタリと合った完璧な振り付けを見ていると、気持ちが高揚させられます。キラキラの衣裳は早替わりで3パターンも見ることが出来ました。(★「ピンクレゲイー」のショーは「ぜひナマで見て欲しい」という本人たちの希望で、画像のみの紹介とさせていただきます。彼らのショーは今、あちこちのイベントで引っ張りだこ。なんと昨年は11回も踊ったのだとか。ぜひどこかの会場で直に御覧になってみてくださいね。)
続いて、BASE KOBEの繁内幸治さんからの挨拶。ミャンマーでの災害と、中国四川省での大震災でお亡くなりになられた方への黙祷も行われました。また、IDAHO KOBE関連イベントでは両災害の被災者のための募金活動も併せて行われました。
L.T.mini●繁内幸治さん(BASE KOBE)挨拶
続いて、参加者たちが「パレードへの思い」を語るコーナーになったのですが、時間が押し気味だったからでしょうか、司会の2人が客席を廻って目に付いた人にアットランダムにマイクを向け、希望者のみが語るというスタイルで行われました。しかし自ら名乗り出て語る人が少なかったため、司会者たちは「語ってくれる人」を見つけるのに右往左往。人探しに費やす時間が多くなり、結果的に「語らなかった人」が多くいたのが残念ではありました。パレードを歩く前にお互いがどんな思いを持って参加しているのか知ることが出来る、この企画自体はとても素晴らしいものだと思うので、たとえば端から順番にマイクを廻すなどして、一人でも多くの人が語ることの出来るスタイルにした方が良かったのではないかな、と感じました。(そのことによって生じる「発言を強制される感じ」を避けたかったのかな、とも思いますが。)
イベントの締めくくりとしては、司会も務めていた今年の代表、しゅんさんからの挨拶がありました。一時は開催が危ぶまれたという今年の神戸パレード。そのことに関する、ちょっと意味深な内容も含まれています。
L.T.mini●朝来駿一さん(代表)挨拶「続けて行くことが大事」
これまでの神戸パレードに参加したことのある人ならまず気付くのは、この会場にケンゾヲさんの姿がないことでしょう。運営をめぐって紆余曲折があったそうで、準備を重ねてきた実行委員の全員が、この日を気持ちよく迎えられたわけではなかったわけです。
しかし、そのことを隠さずにこうして皆の前でオープンに述べた姿勢は潔いと思いますし、それでも「続けて行くこと」を選択して開催した人々がいたからこそ、僕のような一介の参加者は無邪気に今年もいろんな人々と新たに出会い、パレードを楽しむことが出来たのです。
ケンゾヲさんも完全に手を引いたわけではなく、やっぱ愛ダホ!や前夜のカフェ・ライブ、そしてアフターイベントの映画祭などには運営側で参加し、責任を果たしていました。「レインボートライアスロン」と呼ばれるほど盛りだくさんで、運営する側には過酷なスケジュールが組まれていた今年のIDAHO KOBE。ボランティアベースでやっている活動ならではの問題点が浮かび上がったわけですが、それは各地でこうした活動を続けている人々が共通してぶつかりやすい問題でもあります。→FC2 同性愛Blog Ranking
やっぱ愛ダホ!18●IDAHO KOBE●やわらかく、少しずつ。

「性的マイノリティーの子どもたちのいじめをなくすための要望書」を、教育委員会に提出するための署名集め。そしてIdaho-netに全国から寄せられた「一言アピール」の朗読。4時間の長きにわたって三宮駅前で行われたIDAHO KOBEの街頭アクションは、16時に終了しました。
僕は14時からジュンク堂書店で行われた「カミングアウト・レターズへの思い」というトークショーの撮影に行っていたため、その間の映像を撮ることはできなかったのですが、16時の終了時刻に街頭に戻り、ずっと署名を集めていた森 秀和さん、トランスジェンダーの黒田綾さん、そして呼びかけ人のケンゾヲさんらに感想を聞きました。そこで出てきた話なのですが、どうやら昨年のアクションでは街頭で罵声を浴びせられたりもしたようなのです。さて今年はどうだったのでしょう。
愛ダホKOBE 06●今年のアクション終えてみて
昨年は肉声で行ったためにメッセージが届きにくかったと言う反省を踏まえ、今年は拡声器を用意。ドラァグ・クイーンのマーベラスさんやLGBTの家族と友人をつなぐ会など、より多くの神戸の仲間に参加を呼びかけ開催したケンゾヲさん。この日、用意していたチラシはすべて配り終えることになった結果に、とりあえずはホッとしていたようです。
ところで今年のIDAHOアクションで配られていたチラシは、ブログ「悠々自的。」でお馴染みの悠さんがデザインしたもので、明るい色調とやわらかいイメージが、手渡された人々に過剰な警戒心を持たせないで済む効果をもたらしていたように感じました。

前回紹介したこちらの映像で、通行人の方がゲイやレズビアン等の文字を指差して「これはなんなの?」と話題にしていたのも、このチラシのデザインがきっかけとなっています。わかりやすく「パッ」と目に入りやすいところに、伝えたいメッセージが的確に配置されていること。しかもさりげなく。・・・その目的を充分に果たせていたのではないかと思います。
さて。4時間の呼びかけで集まった署名は、175名分だったそうです。この数字、多いと見るか少ないと見るか・・・人によって印象にはバラつきがあったようです。BASE KOBEの繁内幸治さんがブログのこちらの記事に書かれたように、ジュンク堂でのトークにも参加したLGBTの家族と友人をつなぐ会の「幾子さん」は、『署名活動の際に、前を無関心に通過する多くの市民に対して、心が痛んだ』そうで、『ひどく心が痛んだので、急に休憩して心を落ち着けないととてもトークができない』と繁内さんに打ち明けていたそうです。★関連映像「愛ダホKOBE 05●厳しい現実」

なんにせよ、4時間もの長時間ぶっ続けで、往来の激しい場所に立ち続けて呼びかけ続けることは、かなりのエネルギーを消耗する活動です。この日のIDAHO KOBEの活動のために、広報から人集めまで準備をほぼ一手に引き受けて行ったケンゾヲさん、本当にお疲れ様でした。
「署名」には加わらなかった人たちの中にも、チラシを手にしたり、メッセージを耳にしたりして、「知る機会」や「考えるきっかけ」が、少なからず生まれていることを願って・・・。この後、僕は大阪のIDAHOアクションを見るために心斎橋の三角公園に向かいました。→FC2 同性愛Blog Ranking
辛 淑玉さんをはじめ充実の講師陣。パフスクール受講者募集中!

この6月からは、いよいよ第3期になる「パフスクール」が開講されるとのことで、関係者たちは広報に奔走中。当ブログにも「宣伝してください!」という依頼が舞い込みました。主宰者の方には本当にお世話になっているので、微力ながら協力させていただきます。受講者の申し込み受付は、すでに開始されています。今回はけっこう刺激的かつ実践的なテーマと、ユニークな講師陣が揃ってますね。
★受講の申し込みはメールでも出来ます。こちらのページを参照してください。■6月17日(火)19:00開催
「マジョリティを巻き込む法 ―黙っていたら殺される。声をあげれば叩かれる。それでも生き抜くために―」
講師:辛 淑玉 (しん すご)
・・・「そんなつもりじゃなかった」「知らなかった」ととぼけて言える人ほどやっかいな輩はない。「そんな人ばかりじゃないのよ」と加害者の罪を隠蔽する言葉が、なぐさめだと思っている輩とどう向き合うか。反対にひどい質問を投げかけてくる人たちは、本当に敵なのか?無知を説得するほど人生は長くない。ならば、理解し合える人たちとどう、手をつなげるか。手をつなぐ相手は、いい人や心安らぐ人ばかりではない。その現実と向き合いながら、確実な1ミリを次の世代につなぐために、共に考える。
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■6月14日(土)15:30~3回シリーズ
「選挙で「地域」を自分のものにしよう!」
講師:遠藤智子(えんどう ともこ)
・・・今の日本で、選挙くらい成果の上がる活動はありません。Personal is Political(個人的なことは政治的なことだ!)を実践するには最適。法治国家の市民たるもの、選挙で勝って「友だち」を議員に送り出し、「個人的な目標」を実現させようではありませんか!
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■6月21日(土)15:30~2回シリーズ
「『往復書簡 宮本百合子と湯浅芳子』を読む ~「Y.Y.カンパニー論」をサブ・テクストに~」
講師:黒澤亜里子(くろさわ ありこ)
・・・「Y・Y・カンパニー」は二人の旅行カバンの名前です。「Y・Y」には、百合子、芳子のイニシャルとにぎやかなおしゃべり、「カンパニー」には「仲間」「連れ」、「相棒」、少し大げさにいえば、結社、団体の「盟友」のニュアンスもありそうです。そこでは何が発明され、何が見失われたのか、一緒に考えましょう!
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■6月28日(土)15:30~5回シリーズ
「セクシュアル・マイノリティのためのカウンセリング入門」
講師:金城理枝(きんじょう りえ)
・・・人の話を「聴く」ことは、同時に自分自身を見つめる作業にほかなりません。単に「聞く」のとは違う技術が必要です。セクシュアル・マイノリティや、理解のある方、または支援や援助をしたいと考えている方を対象に、互いに深く向き合える関係を築きます。臨床家、研究者、心理専門職、教育関係者、対人援助職、学校関係者の方々も大歓迎!
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パフスクールでこれまでに開講されてきた講座「国に意見する方法」からは、実際に国会へ出掛けていき要望書を提出する、「セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」というチームが生まれたりしています。リアルな場で出会った人々による新しい動きが、少しずつですが社会への実践的な働きかけを開始しています。→FC2 同性愛Blog Ranking
やっぱ愛ダホ!17●IDAHO KOBE●生まれ行く対話。探り出す言葉。

ふだん街を歩いているとき。署名活動や街頭でのアピール活動をしている団体に出くわすと「うざッ!」と感じ、基本的に無視してしまう僕ですが、こうして署名活動をしている人のことをじっくりと撮影したりなんかしてみると、ふだんの自分のような人のことがとっても冷たく感じられます・・・人間って勝手ですね(爆)。
実際問題、通行人のほとんどは、ケンゾヲさんが呼びかけるメッセージを耳にしてもさほど関心を示さないまま通り過ぎて行きます。しかしほんの時折ですが、立ち止まって関心を示す人がいたりもします・・・その嬉しいこと嬉しいこと(笑)。数は少なくても確実に「興味を持った人がいる」ことが、リアルにわかる瞬間。その「出会いの瞬間」のドキドキと、生まれ行く様々な対話の光景を、ぜひ御覧ください。
愛ダホKOBE 03●署名活動・尾辻孝子さんの場合
映像に出てくる方が「IDAHO」のパンフレットに書かれた文字である「レズビアン」「ゲイ」「トランスジェンダー」「バイセクシュアル」「性同一性障害」等を指差し、「これはなんですか?」と聞いていたのが面白いと思いました。口に出せずに「これ」としか言えないんですよね。おそらくこの方の日常では、こうした種類の言葉を「口に出す経験」があまり無いのではないかと感じられました。まだまだ日本社会では、そうした人たちも少なくないことでしょう。
さて、前回の映像で「心が折れそう」と発言していたRYOJIさんですが、果たして署名は獲得できたのでしょうか?
愛ダホKOBE 04●署名活動・RYOJIさんの場合
こうして街行く人々に直接、顔と顔をつき合わせて説明をするというのは、「どういう言葉ならば相手に伝わるのか」を探ることのできる、いい機会なのかもしれないと思いました。特に「署名」という能動的な行為を他者にしてもらうには、その目的や内容をきちんと説明することが必要です。参加者たちはその辺を探るのに苦労していたようです。
愛ダホKOBE 05●厳しい現実
拡声器で喋るケンゾヲさんの横でレインボーフラッグを掲げているのは、ドラァグクイーンの「舞踏派詩人マーベラス」さん。今回のIDAHOやパレードのような活動には初参加なのだそうですが、常に道行く人々の視線を集める存在でした。
12時から開始された三宮駅前での署名活動。この後14時からはジュンク堂書店で行われたトークショー「カミングアウト・レターズへの思い」を撮影するため僕はこの場を離れたのですが、その間に、Idaho-netで全国の方々から募集した「性の多様性にYES!」の一言アピールが読み上げられたそうです。さて。4時間にわたって行われたアピール活動で、果たしてどれだけの署名を集めることが出来たのでしょう?次回へ続く!(←まだ引っ張るか!爆)→FC2 同性愛Blog Ranking