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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2008-04
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LGBTの紙媒体★掲載チェック12●『週刊新潮』のゲイ・レズビアン記事に見る、残念な認識の誤り



 4月17日(木)。朝刊各紙や電車の吊り革広告に掲載された「週刊新潮」の宣伝に次のような見出しが、少し小さめではありましたが載りました。目にされた方も多かったのではないでしょうか。

『NHKが放映する「ゲイ・レズビアン」特集番組』

 この見出しだけでは、批判記事なのか肯定的な立場から書かれたものなのかは判別できません。ただ、「ゲイ・レズビアン」という言葉を「客寄せ」的な意味で目立たせる形で使っていることは明らかです。しかし、この大きさの「中途半端さ」はなんなんでしょう(笑)

 日本の社会状況ではまだ「ゲイ・レズビアン」という言葉が、こうした一般メディアの活字として載っている情況が「日常」にはなっていません。かといって、それほど「珍しい」という感じでも無くなって来ているようにも思えます。2008年。今年はちょうどその「端境期」にあるのかなぁ・・・という感慨を持って、僕はこの広告を眺めました。

 実際、雑誌を購入して掲載されているP150~151を読んでみました。記事は完全なる「肯定的意味合い」のものであり、4月28・29日にNHK教育テレビで放送が予定されている「ハートをつなごう」のPR記事といってもいい内容のものでした。番組で「ゲイ/レズビアン」が紹介されることを「実に画期的なこと」という小見出しと共に紹介し、その収録を終えたNHK番組広報担当者、司会者の石田衣良氏、尾辻かな子さんなどに取材し、番組の宣伝に一役買っています。

 僕としては、せっかく週刊誌に載っているのだから「ちょっと下世話で娯楽色満載な」ケレン味のある文章を期待してしまったのですが(爆)、あまりにも真面目で誠実な書きっぷりに肩透かしを食らわされ、ちょっとズッコケてしまいました(←オイッ!)。メディアにはメディア毎の特性があって、読者はその「芸」を楽しみにして読むという面もありますからね。

 それはさておき。とっても真面目に誠実に書かれた内容の記事にも関わらず、大事な部分で大きなミスをおかしたままである点が気になったので、指摘しておきます。それは本来性的指向と書かれるべき箇所が2箇所、性的嗜好と書かれていたことです。まずはこの部分。(「週刊新潮」2008年4月24日号P150~151より抜粋)

 その他、取材VTRでは、高校時代に自分の性的嗜好についての「ムーミン谷とマイノリティ」というレポートを書いた女性と、その先生も登場。
「ゲイやレズビアンは個人的嗜好として切り捨てられてきた問題。スタジオ収録には台本が一切なく、自由な雰囲気で言いたいことが言えました」(尾辻氏)

 この引用箇所には2回「嗜好」という単語が出てきますが、最初に出て来ている部分は「性的指向」と書かれていなければ意味が通じないはずです。その後の尾辻さんの発言部分で「ゲイやレズビアンは個人的嗜好として切り捨てられてきた問題」だと言っているわけですから。

 同性愛を語る際に用いる「セクシュアリティー」とは「嗜好」(趣味=個人の趣味で選べるもの)ではなく「指向」です。その認識が世間に浸透していないから余計な偏見が生み出されているのです。その根本の部分を、記者や雑誌の校正担当者が理解していないのではないかという疑いを生じさせる間違いではないでしょうか。この間違いが、ここだけだったならばまだ「単なる誤植」で済まされますが、実はもう一箇所出てくるのです。番組の収録を終えた司会の石田衣良さんの発言を文字起こしした次の部分です。(「週刊新潮」2008年4月24日号P150~151より抜粋)

「前編は、ゲイの若者が自分の性的嗜好をいかにカミングアウトしたかについてのVTRが流され、後編は、それを周りの人がどう受け止めたのか、カミングアウトされた側の大学の先生や親に焦点を当てたVTRが紹介されました。(以下続く)」

 たしかに、音にすれば「せいてきしこう」となるわけで、発言者が「性的嗜好」「性的指向」どちらの意味で使っているのかは判別できません。でも内容的には「性的指向」のことを言っているのだということは、想像がつきます。しかしそれを文字に起こした記者は、どうやらセクシュアリティーの問題を「性的嗜好」であると認識してしまっているようです。(あるいは「性的指向」という言葉を知らないまま、自身がそれまで知っていた「性的嗜好」という言葉に当てはめて理解した気になって記事を書いているかのどちらか。)

 もしこれが、おちゃらけた感じで書かれているゴシップ風の記事なのだとしたら「しょうがないなぁ~」と笑って流せてしまいますが(←それもどうかとは思うけどね。爆)、ここまで真面目で誠実な態度で書かれている(ように見える)記事の場合、その分書かれている内容に対して読者は「信頼感」を高めて読んでしまいます。だからこそ、こんな根本的な間違いを記者や校正者がそのままスルーして発売してしまっていることが、残念でなりません。そもそも記者の名前すら書かれていない匿名記事なので、誰が書いたのかはわかりませんが・・・。

 同性愛者が、自らの根本に関わる問題を「嗜好(趣味)の問題」だとして片付けられ、本気で扱ってもらえずに苦しんできた歴史や現状に関して、もっとセンシティブな態度で記事を書いて欲しいと思います。FC2 同性愛Blog Ranking

たかがテレビ044●予定調和は旧来の価値観を補強するだけ。創造性の欠片も無い

 前回の記事で紹介したNHK教育「一期一会 キミにききたい!」を見ました。感想は、毎週この番組を見ているというRonさんも書かれています。あるイデオロギーを視聴者に押し付ける、NHK的で予定調和な説教番組なのかと思っていたらそうでもないらしく、時には「双方の意見が全く歩み寄らないこともある」らしいです・・・今回は違ったけど(笑)。

 12日(土)に放送された「化粧をしない女の子の話@女子大生モデルの生き方」は、予定調和な雰囲気がバリバリに漂っていたことを感じ、僕は見ていてフラストレーションが溜まりました(爆)。登場した「化粧をしない女の子」は化粧を「しない」だけであって、「したくない」わけではなかったんですよね。だから可愛いモデルさんが目の前にやってきてメイクの方法を教えてくれたり、カリスマ美容師のいる美容院に連れて行って髪をおしゃれにカットしてくれたり、至れり尽くせりのサービスを受けさせてくれたのですから・・・そりゃあ喜んで染まって行くでしょうねぇ(爆)。かくして彼女は、いわゆる「女の子の世界」であるキラキラした可愛いものを身に纏っていくことに対して、なんの躊躇も無く踏み入って行くことになったのでした。

 でも今回の設定、そもそもが不公平ではないかと感じました。だって「新しい世界」を教えるのは一方的に「女子大生モデル」の側からであり、「化粧をしない女の子」の日常の世界観とか、自称「オタク」であるという彼女の趣味の世界のことには大して触れられずに番組は進んでしまったんです。

 もしも個人と個人の出会いを「対等に」描きたいのなら、「女子大生モデル」の側も「オタク体験」をしてみるべきだし、「化粧をしない女の子」の気持ちを味わうために、スッピンになって渋谷の街を歩いてみたりしなくちゃ。「化粧をしないって、こんなに楽なんだ~」と感じるかもしれないし、「化粧をしないで女の子が街を歩くって、逆に世間の視線が気になってしまうことなんだ~」とか、別の角度からの発見があるかもしれないじゃないですか。両方試してみて、その上で「やっぱり化粧をすることって楽しいよね~」という考えに到達するのならばわかりますよ。ところが「女子大生モデル」の側は自分の世界観を崩すことなく、まず「女の子ならば化粧をすることありき」で番組が進行したのが、どうも納得できませんでした(爆)。

 さらに、女子大生モデルの側はMtFトランスジェンダーであり、そりゃあ人生経験を語らせたら物語的な強度が圧倒的に強いことは明白でしょう。「女の身体で生まれなくても『女の子であること』を求めて自分の努力で獲得している人がいるのに、どうして女の身体で生まれたあなたが、それを楽しまないの?」という主張が、モデルという彼女のルックスを伴って展開されれば説得力を持ちやすいことは、企画の段階から想定できてしまいます。・・・う~ん、これぞ予定調和(笑)。

 番組を見ていて、どうも僕は気持ちが悪くてなりませんでした。まるで女の子には「女の子の世界」っていう「同化」「同調」しなければならない世界があって、そこに入って行けない感性を持っていたら「おかしなこと」なんだ。「もったいないこと」なんだという圧力に満ちていると感じたからです。表現された映像から、番組の制作スタッフがその「根本の部分」には疑問を感じない種類の人たちなんだろうなぁと感じ、とても狭量な価値観によって制作されている番組であるように感じました。(だからといって出演者二人の個性を否定するわけではありません。僕は番組の「企画」「構成」「表現方法」を問題にしています。)

 この番組のコンセプトである「現実には知り合うことのあり得ない“対極”の若者2人 の出会い」を本当に遂行したいのならば、登場する若者どちらの世界観もちゃんと尊重するべきだし、そういう観点から「出会いの組み合わせ」を考えるべきではないかと思うのですが。現在のスタイルでは、どうも片方の世界観ばかりが強すぎて、結局は「若者だったらこうあるべきだ」という企画者側のイデオロギーが先行する番組になってしまいがちで、面白くはならないのではないかと思います。今回の場合、まるで出演者たちがカメラの前で「企画どおりに」単純な物語を演じさせられているかのようにも見え、痛々しくも感じられました。人間ってこんなに単純ではないはずです。FC2 同性愛Blog Ranking

YouTube映像が見られなくなっている理由

 いつも当ブログを御覧くださいまして、ありがとうございます。さて昨日(4月15日)より、当ブログからリンクしているYouTubeの「akaboshiアカウント」の自作映像すべてが見られなくなっている件について、説明させていただきます。

 4月10日にYouTubeよりメールがあり、こちらの記事で公開した 「パフナイト★ようこそ、まめたのパフタヌーン~最新学生事情10●アイスとコーン、分担して食べてます。 」 の映像が「この動画は、著作権法上の権利が侵害されたとの株式会社アートバンクによる申し立てにより削除されました。」と表示され削除されました。ネットで調べたところ、この会社はジャニーズ系の情報管理をしているらしく、消された映像に「関ジャニ」というタグを付けていたことを著作権法上の権利侵害と見做し、YouTube側に申し立てを行ったらしいです。

 ただ単にトークの中でパネリストが「関ジャニが好き」と言っていたから、後から見返すときに目印になるようにとタグを付けておいただけなのに・・・。釈然としないまでも、この時点での僕は「まぁ映像一つだし、べつにいいや」と思って看過しておりました。

 ところが4月15日になって、YouTubeのakaboshiアカウントが停止にされ、約630個あった自作映像もろとも全て見ることができなくなりました。また同じ会社から別の映像での「著作権法上の権利が侵害されたとの申し立て」があり、繰り返し侵害行為を行っていると見做され、YouTubeの裁量で「アカウントごと停止」という処置が取られてしまったようなのです。

 今回、指摘された映像はこちらの記事で公開した 「尾辻かな子さん外国特派員協会記者会見08●出来ちゃった結婚のイメージ転換のように」 です。映像の中で尾辻さんが、かつては「マイナスイメージ」で捉えられていた『出来ちゃった結婚』も安室奈美恵さんや木村拓哉さんの結婚により一気にイメージが変わったということについて言及したため、「キムタク」「木村拓哉」のタグを作っておいたことが原因だと思われます。

 どちらにしても、映像の中にジャニーズタレントの画像や歌や映像が含まれていたわけではなく、「言葉」として語られていただけなのに、著作権侵害だという申し入れが行われ、YouTube側の判断によって公開が停止されてしまいました。(発言の意味としても、けっしてタレントを中傷する内容ではありません。映像の中身を見ずに、ただ単に「タグが付けられていたから」機械的な処理が行われたのではないかと推測されます。)

 現在、「意義申し立て」のメールをYouTubeに出しましたが、返答があるかどうかはわかりません。このまま「akaboshiアカウント」は消されたままになるのかもしれません。その場合、このブログからリンクしている自作のYouTube映像は全て、「かつてこういう映像があった」という遺跡として、ワンフレームの画像のみが残ることになってしまいそうです。理不尽ですね~。

★著作権の問題等、これら関連事項についてお知恵のある方は、ご一報ください。
akaboshi07@mail.goo.ne.jp

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尾辻かな子さんWe're OK!103●大阪・枚方市での講演会「人間の性の多様性を認め合う社会に」<前>



 2月11日(祝)。大阪の枚方市で、サークル Cielarko(チェールアルコ) の主催による講演会が開かれ、講師として尾辻かな子さんが招かれ、会場には定員いっぱいの参加者が訪れて賑わいました。この講演会はメセナ枚方・ウィルが枚方市からの委託を受けて行っている「男女共同参画社会を目指す市民企画講座」に応募した7グループの中から「斬新な企画」ということで2つの企画が選ばれたうちの一つとして、開催されました。

 今回は主催者の挨拶、サークルの顧問である Jeffry T. Hesterさん(関西外国語大学教授)の挨拶、そして尾辻かな子さんの講演のダイジェスト版を御覧ください。

01●主催者(サークルCielarko)あいさつ~Jeffry T. Hesterさんあいさつ(前)
  

02●Jeffry T. Hesterさんあいさつ(後)
  

03●尾辻かな子さん講演ダイジェスト01
  

04●尾辻かな子さん講演ダイジェスト02
  

05●尾辻かな子さん講演03
  

 サークルCielarko(チェールアルコ)にとっては初めての企画ということで、準備の時間からスタッフの方たちが「必死そのもの」の表情で動き回っていた姿が初々しくて印象的でした。

 次回は、後半の模様を紹介します。ノンケの方、ゲイの方がスピーチを行い、参加者同士のディスカッションなどが行われ、観客は講演を聴くだけではなく「自らも参加する」意識を自然に持つことが出来たイベントとして、その方法には学ぶべきところがたくさんありましたよ。FC2 同性愛Blog Ranking

たかがテレビ043●NHK教育で化粧談義~化粧をしない女の子VS女子大生モデル

 もうすぐ4月28日・29日には「ハートをつなごう」が同性愛をテーマに取り上げることになっているNHK教育テレビですが、その前に今夜4月12日(土)はトランスジェンダーのモデルさんが出演する番組が放送されます。この情報はブログ「ゲイリーマンのカミングアウト的思考」から知りましたよ。
●番組情報
NHK教育「一期一会 キミにききたい!」
12日(土)22:25~放送
テーマ「化粧をしない女の子の話@女子大生モデルの生き方」
(再放送(火)24:45~)

 どんな番組なのかと思ってNHKのサイト見てみたら番組のコンセプトは、こんなんでした~。

一生に一度の出会い、「一期一会」。この番組では、現実には知り合うことのあり得ない“対極”の若者2人 の出会いを追いかけていきます。

・・・「現実には知り合うことのあり得ない」っていうコンセプトに「性同一性障害」の人を持ってきたのかよオイ!と突っ込みたくなる感じもしますが、もちろんそうではないですよね~NHKさん。きっと「女子大生モデル」と「会社員の女性」という組み合わせが「現実には知り合うことのあり得ない」ものとして、引き合わせられるんですよね~(←そうだとしたら「有り得ない」というのには無理があるけど。爆)

 さてこの番組、結果的に「化粧賛美」の方向に向かうのか、それとも「化粧をしない女の子がいてもいいよね」という方向に向かうのかが僕としてはと~っても気になります。ふだん会社でもよく思うんですよ、同僚の女性が毎日ばっちり化粧をキメて来ている姿を見るにつけ「毎日大変じゃないの?」って。けっこう時間も手間もお金もかかるだろうに。それが好きでやってる人ももちろんいるだろうけど、本音では「なんでこんなことしなくちゃならないんだろう、女性の身体をしているばっかりに」と不満に思っている人も少なからずいるだろうから。

 現にパフスペースに出入りしている人々って、けっこうスッピンの人が多かったりもしますしね(笑)。世の中に押し付けられる「女性」から解放されて自由に振る舞っている人の存在を知ると、逆に気になるようになりました。「女性」を身に纏うことを日常にしている人たちの本音が。

 それにしても「化粧をしない女性」の対談相手がMtFトランスの、しかも「モデル」をしている椿姫彩菜さんだということで、ある意味番組の方向性は決定付けられてしまっているような気がしますが(笑)、まぁNHKに先鋭的な表現を求めてもしょうがありませんから気軽な気持ちで見てみます。果たして「あぁ、やっぱりNHKだなぁ」と思うことになるのか、それとも「おっ!やるじゃんNHK」と思うことになるのか。判定はいずれに!?FC2同性愛 Blog Ranking

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