劇団フライングステージ「新・こころ」●PLAYレビュー

●劇団フライングステージ公式サイト
この劇団は「ゲイの劇団」と打ち出しているにもかかわらず(?笑)客席が程よく様々な人が混ざり合っている様子がなによりも「いいなぁ」と思います。劇団の歴史の厚みと、着実な活動が生み出す成果なんだと思います。
物語は、夏目漱石の「こころ」の台詞を、ほぼそのままにドラマ化した部分と現代の部分との入れ子構造になっているのですが、台詞には書かれていない「行間」の部分が俳優や演出の解釈によって舞台上に立ち上げられたとき、それはまさに好意を寄せ合う男と男同士の心理を描いた小説なんだということが、見事に浮かび上がっていました。
まるで映画「ブロークバック・マウンテン」を見ている時と同じような、もどかしさとかドキドキした感覚を味わいました。肝心の「言いたいこと」が相手に言えないからこそ、起きてしまう擦れ違い。恋愛状態にある時の悦びと苦しみ。しかも愛した相手が同性なんだということを、どう自分で解釈して受け入れたらいいのかを掴みかねている人の「宙ぶらりん」とした感覚が、ヒリヒリと伝わってくる台詞と演技。
でも、だからこそ、ほんのちょっとでもその気持ちが相手に伝えられたときの爽快感や解放感が、まるで至上の喜びに感じられたりする時もある。そんな感情の起伏が実に丁寧に繊細に演じられています。「この人ミスキャストだなぁ」と感じられる人が一人もいなくて、登場人物が生き生きと各々のリアリティを持って舞台に生きているので、最後まで飽きずに観ることが出来ました。上演時間は2時間以上あるのですが、1時間半ほどで終わったのではないかと思えるほど早く感じられました。終演後に時計を見た時に驚きましたもん。「えっ・・・そんなに経ってたの?」って。
どの人物も観ているうちに親近感が湧いて、おもわず好きになってきてしまう感じがあったのですが、特に女性の登場人物を演じていた、劇団員の関根信一さんと石関準さんの演技には笑いながらも魅せられました。「あぁ、いるいる、こういう人」っていう現実味がちゃんと出ていたし、男に好意を寄せる男に恋してしまった女性の側の切ない気持ちとか、家の存続や娘のことを思うばかりにしたたかな振る舞いをしてしまう母親のエゴや策略も、嫌味なく丁寧に描かれていました。
内面的にはドロドロしているにも関わらず、全体的には展開がコミカルでスピーディー。観客としては、気軽な気持ちで笑って観ているうちにいつの間にか心が深く動かされ、何度も意表を突く場面でジワッと来てしまいました。
きっと演出が全体的にクールで乾いていて緩急を付けられていたことと、本音をあまり語らないタイプの台詞が多いからなのでしょう。ジメジメとした押し付けがましい表現を排することが出来たからこそ、逆に登場人物たちの内面を観客が想像できる「隙間」がたくさん生まれたのだと思います。そのへんのバランスが絶妙で小気味いい舞台でした。
3月26日(水)まで上演されているので、観に行ける地域の方はぜひ、お見逃しなく!→FC2 同性愛Blog Ranking
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パフナイト★70●4月は「レズビアンとメンタルヘルス」で心の底探検ツアー
4月5日(土)のパフナイトはAGPマンスリーセミナーとの共催企画。「レズビアンとメンタルヘルス」について。
以下、パフナイト公式サイトからの引用です。
4月のパフナイトは、レズビアンとメンタルケアのお話です。お話いただくのは、心の医療の専門家、きんじょうりえさん。彼女は学生時代、専攻を考古学から心理学へ変えて、サイコセラピストになりました。なぜ掘り下げる先を地面から心にしたのか?、という個人的な経験も含めて、セクシュアル・マイノリティが特に必要とするメンタルケアについて、レズビアン中心にお話いただきます。
ただでさえストレスフルな現代社会。セクシュアル・マイノリティは心の問題を抱えやすいですよね。同性を好きだと気づいたときのショック、ヘテヘテな人間関係の中で生きていけるのかという不安、世界中で自分は一人ぽっちだという孤独感……などなど
苦しみのまっただなかにいる方もいるかも知れません。今はそれほどじゃないけど、もっとセク・マイの心理が知りたいと思う方もいるかも知れません。「知る」ことは問題解決の第一歩。とにかく「知る」ことから始めましょう。
今回のパフナイトは、AGP(同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング会議)との共催ですので、会場にはゲイの問題に詳しい専門家も応援に来てくれる予定です。終了後、早稲田界隈の夜桜散歩をします。解散は三々五々。
【AGP】・・・医療・カウンセリング・福祉・教育などの分野でレズビアン&ゲイコミュニティーに貢献しようとするグループです。 →AGP公式サイト
○入場料 ::1200円(w/1d)
※予約は不要です。お気軽にお越し下さい。
○日時 :2008年4月5日(土)
18 : 30開場/19 : 00スタート
○場所:PA/F SPACE(パフスペース)
今回は「レズビアンとメンタルヘルス」と銘打っているからと言って、レズビアンのみに対象を絞ったイベントではありませんよ。 女性問題やレズビアン特有の問題に関心のある方。セクシャル・マイノリティーの「メンタルヘルス」の問題に関心のある方ならば、どなたでも遠慮なくお越しください。むしろ「レズビアン」以外の方々にも関心を持っていただいて広げて行くことこそが、これからは必要なのではないかと思います。ゲイの方、トランスの方、ノンケの方々も遠慮なさらずにぜひ!→FC2 同性愛Blog Ranking

以下、パフナイト公式サイトからの引用です。
心の底探検ツアー
AGPマンスリーセミナー
『レズビアンとメンタルヘルス』拡大版
4月のパフナイトは、レズビアンとメンタルケアのお話です。お話いただくのは、心の医療の専門家、きんじょうりえさん。彼女は学生時代、専攻を考古学から心理学へ変えて、サイコセラピストになりました。なぜ掘り下げる先を地面から心にしたのか?、という個人的な経験も含めて、セクシュアル・マイノリティが特に必要とするメンタルケアについて、レズビアン中心にお話いただきます。
ただでさえストレスフルな現代社会。セクシュアル・マイノリティは心の問題を抱えやすいですよね。同性を好きだと気づいたときのショック、ヘテヘテな人間関係の中で生きていけるのかという不安、世界中で自分は一人ぽっちだという孤独感……などなど
苦しみのまっただなかにいる方もいるかも知れません。今はそれほどじゃないけど、もっとセク・マイの心理が知りたいと思う方もいるかも知れません。「知る」ことは問題解決の第一歩。とにかく「知る」ことから始めましょう。
今回のパフナイトは、AGP(同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング会議)との共催ですので、会場にはゲイの問題に詳しい専門家も応援に来てくれる予定です。終了後、早稲田界隈の夜桜散歩をします。解散は三々五々。
【AGP】・・・医療・カウンセリング・福祉・教育などの分野でレズビアン&ゲイコミュニティーに貢献しようとするグループです。 →AGP公式サイト
○入場料 ::1200円(w/1d)
※予約は不要です。お気軽にお越し下さい。
○日時 :2008年4月5日(土)
18 : 30開場/19 : 00スタート
○場所:PA/F SPACE(パフスペース)
今回は「レズビアンとメンタルヘルス」と銘打っているからと言って、レズビアンのみに対象を絞ったイベントではありませんよ。 女性問題やレズビアン特有の問題に関心のある方。セクシャル・マイノリティーの「メンタルヘルス」の問題に関心のある方ならば、どなたでも遠慮なくお越しください。むしろ「レズビアン」以外の方々にも関心を持っていただいて広げて行くことこそが、これからは必要なのではないかと思います。ゲイの方、トランスの方、ノンケの方々も遠慮なさらずにぜひ!→FC2 同性愛Blog Ranking