パフナイト★66●3月のパフナイトは「LGBTの家族と友人をつなぐ会」とパフをつなごうかい?

なお今回のパフナイトはYouTubeでの全編公開の予定はありません。「LGBTの家族と友人をつなぐ会」の活動拠点は関西なので、東京近郊の方には貴重な機会ですよ。創立から現在に至るまでのエピソードを詳しく伺いますので、ぜひお越しください!→FC2 同性愛Blog Ranking●3月のパフナイト
「つなぐ会」とパフをつなごうかい?
~「LGBTの家族と友人をつなぐ会」からゲストをお招きして
・・・・・
セクシュアル・マイノリティの当事者が
出会ったり交流する場はたくさん出来たけど
カミングアウトされた家族や友人は、
どうすればいいの?
いきなりカミングアウトされて「常識」を覆された動揺を
独りで抱え込んで悩まなくてはならないの?
「男らしさ」「女らしさ」の強制や
ホモフォビア(同性愛嫌悪)が蔓延している社会の中で・・・。
そんな家族や友人の孤独を解消するべく
2006年に神戸で発足した「LGBTの家族と友人をつなぐ会」。
静かな歩みはじわじわと共感の輪を広げ
ついに昨年、NPO法人になりました。
「かつての私と同じ悩みで苦しんで欲しくない」
そんな思いが原動力。活動はますます加速しています。
3月のパフナイトでは、そんな「家族と友人をつなぐ会」の
お母さん、お父さんたちをゲストに迎え、
会が発足した経緯や2年間の歩みを振り返り、
今後の抱負を聞いたりしながら
新たなつながりを築き、これからのことを
一緒に考えてみようと思います。
これから益々必要になってくるであろう
大切な「会」の発展のために。
ゲスト:
尾辻孝子さん(尾辻かな子さんのお母さん)
小林りょう子さん(会での通称「東京の母」)
小林博史さん(会での通称「東京の父」)
司会:
つな(パフナイトスタッフ)
●入場料 :1200円(w/1d)
●日時:2008年3月1日(土)
18 : 30開場/19 : 00スタート
※予約は必要ありません。お気軽にお越しください。
●場所 PA/F SPACE(パフスペース)
★パフナイト公式ページ
パフナイト★65●カミングアウト・レターズ04●本の中にレズビアンが少ないのはどうしてですか?

「レズビアンの生き方を楽しみ、創造する空間」というコンセプトが柱であるパフナイトとしては『カミングアウト・レターズ』にどうしても突っ込みたくなる点がありました。それは「レズビアンの登場率の低さ」です。
往復書簡の執筆者として本に登場するのは7組。ルポルタージュも含めると9例のカミングアウトにまつわるエピソードが登場するこの本において、レズビアンはイトー・ターリさんとまめたのパフタヌーンのパネリストを務めたじゅんさんの2名のみなのです。そこのところを司会の沢部さんは、やんわりと(でも目を光らせて?笑)ツッコミました。
05●本の中にレズビアンが少ないのはどうしてですか?

いつの間にかイトー・ターリさんのライフヒストリーに話が流れていきましたが(笑)、ターリさんの活動の歴史を聞くと、彼女もまさしく日本のレズビアン史におけるパイオニアの一人なんだなぁと感じます。後半のトークではさらに突っ込んで彼女の歩みやカミングアウトにまつわるエピソードが語られる場面が出てきますので、どうぞお楽しみに!。
ちなみに僕は彼女のパフォーマンスを、遅ればせながら昨年秋に初めてパフスペースで見たのですが、まさに「アーティスト」という言葉が当てはまる本物の表現だと思い、身震いをした記憶が残っています。いろんなものを与えてくれるし、いろんなことを感じさせてくれるパフォーマンス。観客もそこに参加しているかのような「コミュニケーションの濃密さ」を感じる時空間でした。未見の方はぜひ、機会があったらお見逃しなく!→イトー・ターリさん公式サイト
ところで。この本にレズビアンが少ないのはやはり「編者がゲイだったから」という理由が大きいのではないかと僕は勝手に思ってます。ゲイとレズビアンは同じ「同性愛者」として接点があるように思われるかもしれませんが、要するにゲイは「男が好き」。レズビアンは「女が好き」なわけで、放っておいたら「そっぽを向き合う人たち」なんですよねぇ(爆)。意識的に向き合おうとしたり、同じ目的に向かって行動するような環境に居なければ接点は生まれないんです。
でもパフナイトのスタッフに昨年夏から関わり始めて思うのですが、レズビアンやトランスの人たちの中に居ることで、否が応でも「自分は『男ジェンダー』を身にまとって社会で生きている(と見られる)存在なんだ」ということを意識させられるので、発見がたくさんあるんです。それまで自分が持っていた「常識」とか無意識のまま見過ごしていた様々なことを、たくさん意識することができるんです。そうした異なる者同士のスタッフ間の衝突や交流が次第に「面白いね」と思えるようになり、知ってたつもり!?「ゲイ」「ビアン」のようなイベントが「自然な流れとして」企画されるに至ったりもしました。
そういえば。この「カミングアウト・レターズ」のイベントの事前打ち合わせはパフ・スペースで行ったのですが、初めて訪れたRYOJIさんが「ここはゲイも来ていい場所だったんですねぇ~」と言っていたのが印象的でした。そういうイメージを持っている人、まだかなり居そうなのであえて書いておきますね(笑)。パフ・スペースは来る人の性別もセクシュアリティーも問わない、やわらかい空間なんですよ~!特にパフナイトでは最近「いろんな人たちの交流」に面白みを見い出し、新たな出会いをつないで行く路線のイベントが企画されることが多くなっています。ぜひお気軽にお越しくださいね。→FC2 同性愛Blog Ranking
YOUTH TALK 性的マイノリティと教育07●ジェンダー、セクシュアリティー教育を経ないで教員になるのって、どうよ?

田中和子さん、石坂わたるさん、福島みずほさんと、とりあえずパネリスト3名の話が終了し、会場からの質疑応答を受けながらのパネルディスカッションに移ります。まずは現行の教員養成における問題点が、鋭く指摘されました。
09●ジェンダー・セクシュアリティー教育を経ないで教員になるのって、どうよ?
遠藤まめた君の言っているとおり、スクールカウンセラーの所に相談に言っても同性愛や性同一性障害についての基本的な知識すらない人が担当していたり、「現実に居るんだ」という認識すら持っていない人がカウンセラーだったりしたら・・・お話になりませんね。というか、それが現状における大多数の学校の「現実」なのかもしれません。教育現場で改善すべき具体的な事例が、こうして話してみることで少しずつ浮かび上がってきますね。→FC2 同性愛Blog Ranking
松本卓也「特異なカップル」●MOVIEレビュー

下北沢の小さなギャラリーの入り口で渡されたパンフにはいきなり「全人類、フツー」って書いてあって・・・予告編をYouTubeで見て、ある程度「そういうことが言いたいんだろうなぁ」と予想はしていたのですが、ここまで最初からテーマを一言で言い切られてしまうと逆に引きますね、だって映画観る意味がないじゃん(笑)。うっわぁ~・・・帰ろっかなぁ~と思いながらも結局は見たのですが、けっこう技術的にはしっかりと作られていて、見やすい映画でした。観客は、僕が観た回は積雪のためか客足が鈍く5名ほどであり、僕以外は皆「女子」でした(笑)。
●再びリンクしてしまう(笑)『特異なカップル』映画予告

その部屋には、いきなりゲイの妹が訪ねてくるのですが、扉を開けるや否や「兄ちゃん、ホモなの?」と衝撃発言。なんでもそのゲイは父親にケータイ電話から「なんとなくカミングアウト」した直後であり、そのことを聞いた妹が田舎から息せき切って出てきたのです。兄が男の恋人と愛し合っている姿を妹に見せつけるものだから、妹は逆上します。そして告白するのです。「お兄ちゃんが大好き」と。つまりここにも兄に恋した「特異な人」がいたわけです。
・・・と、こんな感じで次から次へと、いわゆる世間から「特異」とされがちな人々が登場して「特異な行動」を取る場面が示されるわけですが、そういう人ばかりの空間にいてみると、「特異であるはずのこと」が「フツー」に思えてくる、というドラマツルギーなのですね。
前半の場面は映画としての緊張感も保たれており、テンポも良くて楽しく見ることが出来るのですが、惜しむらくは後半部分。いきなり冗長になってしまい、ただただ「特異であることはフツーなんだ」「フツーであることは特異なんだ」という、まるでシェイクスピアの『マクベス』の魔女達が言う「綺麗は汚い、汚いは綺麗」のような理屈を説明するがために、かなり強引に仕掛けた作家の策略ばかりが鼻についてしまい、一気に面白くなくなりました。この映画は前半部分のみの短編として編集し直した方がいいのではないでしょうかね。

ただ一箇所だけ、ゲイを演じる俳優が唾を乳首に塗って欲情している場面があり、「あぁ、やっぱああいうことはやるんだねぇ」と一瞬ムカッと来たけど(笑)。でもすぐに「そんな自分って繊細すぎる。イカンイカン」という打消しの気持ちが働きました。いやんなっちゃうくらい細かいんですよねぇそういうとこ。イカンなぁ・・・。
それにしても。ここまで能天気にあっけらかんとゲイを扱われると、僕はもう開き直って笑うしかありませんでした。もちろんいい意味でですよ。そしてなにより、兄(ゲイ)と妹の対決場面が演技的にも台詞的にも面白く、迫真力があって惹き込まれる「いい場面」になっているところが良かったです。
ゲイのことをよく知らないけれど、興味を持っているノンケから「なに悩んでるの?ゲイだってフツーのことじゃん。もっと明るく生きようよ!」と、大雑把ながらも大声でさわやかにメッセージを送られたかのような気持ちを味わった映画でした。「当事者には、あんたらにはわからない悩みがあるんだよっ!」とか反発したくなる気力も失せ、「あ・・・あはは~・・・」と柔らかい気持ちでそれを受け止めようとしながらも、実は複雑でなかなか整理のつかない気持ちを抱えたまま、僕は上映会場を後にしました。
帰り際、監督さんに「どちらでお知りになられたのですか?」と感想を聞きたそうな顔で話しかけられたのですが、あまりにも言語化不能なぐちゃぐちゃした気持ちを抱えていたため「ネットです。」と冷たく言って去ることしか出来なかった不甲斐ない自分を反省。結論としては、この映画、「前半部分に限っては」とっても良かったですし記憶に鮮明に残ってます。後半は観客として集中力が持続できませんでした。もっと理論や理屈を超えた「映画ならではの表現」を追及して欲しかった。個人的には、監督さんとこの映画の制作動機についてとか、どういう演出意図があったのかなどを詳しく喋ってみたいなァと思わされた映画でした。話がいろいろと擦れ違いそうだけど、それもまた面白いかも。→FC2同性愛 Blog Ranking