フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2008-02
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YOUTH TALK 性的マイノリティと教育11●大人になって、次の世代にどう伝えていくのか



 いよいよYouth Talk About Japan「性的マイノリティと教育」の紹介も最終回となりました。活発な質疑応答であっという間に終了時刻となりましたが、最後には石坂わたるさんが「どうしても言いたいことがある」ということで発言をしたのですが、すごくいいことをたくさん言ってくれましたよ。

13●ネット署名に効力はあるの!?
  

「ネット署名に効力はあるの?」に対する福島みずほさんの応え(要点まとめ)
■やっぱり「効力はある」と言いたい。声を上げることで皆が知ることになり、波紋を呼ぶから。安倍総理を覆したのは人々の気持ちと投票だった。
■どんな「悪法」も、ガンガン傷つけられて成立すると皆が「それってマズイじゃん」と思う。いちばん怖いのは「とんでもない法律」がほとんど知られなくて通ること。同じ通るのでも「ボコボコにして通す」。最後の段階では何が起こるかわからない。未来は白紙。それに賭けてやっていく事が大切。

保坂展人さんの応え(要点まとめ)
■メールや葉書の数の効果は「ある段階」までで、あとは同じになる。数の問題ではない。いちばんのリアリティーは「場」だと思う。自発的に肩肘張らない空間で「空間的な共有」をすることによる広がりが、署名の広がりにつながったりメディア関係者を刺激したりする。空間的な場の共有が、ひとつのリアリティーになって「発信」に繋がっていく。

14●大人になって、次の世代にどう伝えていくのか
  

 石坂さんの発言に出てくる都城市の問題。2006年当時まだギラギラしまくっていた僕は、このブログでかなり頻繁に記事を書きました(今見ると自分でも引きます。笑)。こちらの記事から関連記事を辿ることが出来ますが、怖いので見なくていいです(爆)。それにしても石坂さん、最後にたくさんいい事を言ってくださいました。

石坂さんが「どうしても言いたい」と付け加えたラストの発言の要点。
■署名よりも、たくさんの人が手紙を書いた方が届く→手紙を書くよりも電話で声を聞かせる方が届く→電話よりも直接会いに行く方が届く→いろんな手段を手に入れていくべきなのではないか。
■共闘を考えて行きたい。LGBTの家族の問題は、障がいを持つ親の問題と共通する問題もある。他分野と共闘することが必要。
■LGBTの問題を、いかに多くの人に共感してもらうのか。
■LGBTとして生きて来たことを、どう「他に還元」して行くのか。
■LGBTの多くは子どもを持たない。自分の年齢に気付きにくい。だんだん歳を取っていく時に、「大人になって、次の世代にどう伝えていくのか」「大人として、何が伝えていけるのか」を考えて行きたい。

 「大人になって、次の世代にどう伝えていくのか」

 まさに、このイベントを締めくくるにふさわしい言葉でした。石坂さんナイス!FC2同性愛 Blog Ranking

パフナイト★69●カミングアウト・レターズ07●イトー・ターリさん〜嫌なことを母にしてしまったのかと思ってた



 僕にとって、このトークで最も印象に残った場面は、イトー・ターリさんの経験談でした。82歳になる母親と同居しているターリさんは、この機会に往復書簡を交わしたわけですが、一回では物足りず、なんと互いに3通の手紙をやりとりしています。その経験を語りながら、涙していました。

08●イトー・ターリさん〜嫌なことを母にしてしまったのかと思ってた
  

RYOJI・砂川秀樹編著「カミングアウトレターズ」

 相手との関係が近ければ近いほど、「伝えておくべきこと」を伝えられなかったりするものですよね。それは「照れ」なのか。それとも「わかってくれているだろう」という勝手な思い込みなのか。

 人と人との関係において最大の悦びって、「相手と心から通じ合えた」と感じる瞬間に訪れるものなのではないかと思います。僕も死ぬまでに何度、そういう瞬間を味わって「生きてて良かった」と思うことができるんだろう。KANの歌(めずらしい人生)の詩に「終わりある人生。いちばん大切なことは、愛する人に愛されているかどうかということだ」というのがあるのですが、それを思い出させてくれたターリさんの話でした。FC2同性愛 Blog Ranking

尾辻かな子さんWe're OK!100●第3回ILGAアジア会議報告@神戸



 2月10日に神戸で行われた特別勉強会。ライフヒストリー人権論に続いては、1月に尾辻さんら7名が日本から参加したILGAアジア会議の報告が簡単に行われました。(会議の詳細はゲイジャパンニュースのこちらの記事参照)。タイのチェンマイで同日に行われたプライドパレードを、尾辻さんがデジカメで撮影した映像もあります。(ここでは一部分のみの紹介です。)

尾辻かな子さん第3回ILGAアジア会議報告@神戸
  

 なんか、けっこう「のどかな雰囲気」の中でのパレードや会議だったようですね。しかし国によっては帰国すると厳しい現実が待っていたりもするようです。FC2同性愛 Blog Ranking

中村中の歌世界018●日本テレビ「Music Lovers」のテロップ、これって失礼なんじゃないの?

 前回紹介したとおり「わぁ〜。中村中と一青窈の共演だぁ〜♪」と楽しみにして録画で見た「Music Lovers」 (日本テレビ系2/24(日)後11:30放送)。番組の冒頭から 「受け入れて」「ハナミズキ」と一青窈さんの歌を気持ちよく聴き、さぁいよいよ中村中さんとの共演だ!と見ていたら・・・そこで流された字幕(テロップ)の表現に、か〜なり「カチン」とムカついてしまいました!

 さっそくどなたかが番組の映像をYouTubeに上げてくださっているので、まずは見てみてください。僕は何に「カチン」と来たのでしょう?

●YouTubeより〜友達の詩 & 茶番劇
  

 まず・・・中村中さんが登場した時に流れたテロップが「性同一性障害を抱えるシンガー・ソングライター」ってなってるんですけどオイオイなんだそれ!「障害を抱える」って・・・!

 僕、トランスジェンダーの人をけっこう知ってますけど「性同一性障害を抱えてます」だなんて言ってる人とか、そういう意識でいる人に会ったことないですよ。これって完全に「性的マジョリティー」の視点から「性的マジョリティー」の人たちにしか向けられていない説明の仕方ですよね。この番組の視聴者にトランスジェンダーの当事者が少なからずいるだろうということへの想像が、まったくされていない失礼極まりない表現だと思います。中村中さん本人やトランスジェンダーの人たちは、どう感じたんでしょうねぇ。

 もう一つ。『友達の詩』の前奏で、これまた御丁寧にも画面の右下から流れてきたテロップが
『「触れてはいけない関係」をテーマに中村中が15歳の時に初めて書いた楽曲』
となっていたのですが・・・「触れたいのに触れられない関係」の間違いでしょうが!。あるいは「触れたいのに触れてはいけないと感じさせられている関係」でもいいですけど。

・・・わかんないのかなぁ、その辺のところ。自分の性に揺らぎを感じたり、好きになる相手が必ずしも異性ではないことって「触れてはいけないこと」なの?。どうしてそのように勝手に決め付けられなくてはならないの?。

 まったく。こういう無神経な表現が日々チクチクと「性的マイノリティ当事者」とか「そうかもしれないと思っている人」の気持ちを傷つけ、いつしか傷つく気持ちが麻痺するほど自尊感情を低くさせているのですよ。中村中さんも大変ですねぇ。こういう「チクチク」を我慢しながら日々、メディア露出を続けているのかと思うと、精神的に大丈夫なのだろうかと心配になってしまいます。(もうとっくの昔に慣れてるんでしょうけど。)

 心あるテレビ人なら、せめて歌われている歌が「どういう思いが込められて作られたのか」の背景を、きちんと考慮したうえで歌番組を制作し、放送して欲しいです。おかげでこの番組や日本テレビ、そして一社提供のKDDIのイメージが、僕の中ではとても悪くなりました。ケータイもauを使っているのですが、マジで他社に乗り換えよっかな〜と思ってしまいます。番組の途中、CMで紹介されてた家族割の無料通話新サービスに「同性パートナー」は含まれてないようで疎外感を感じさせられたし。全然いいことなし!FC2同性愛 Blog Ranking

YOUTH TALK 性的マイノリティと教育10●地方にこそ!重要なんです教育問題



 なんとこの日。会場にはこのイベントのために青森から上京して来たという方もいらっしゃいました。「地方」にいるほど切実に感じるという教育現場の問題を自身の体験を交えて語り、福島瑞穂さんがそれに応えました。

12●地方にこそ!重要なんです教育問題
  

 都会と比べて「地方」の共同体では人間関係が濃密で狭くなりがちな分、上下関係だとか保守的な風土が強い場合の軋轢は強いようですね。

福島さんの応えのポイント
●各地の「女性センター」や「男女共同参画条例」との連携を深めること。(性的マイノリティーの差別撤廃に関する文言を入れてもらう)
●ジェンダーの問題にセンシティブな人は、性的マイノリティの問題についてもセンシティブな場合が多い傾向にある→仲間はいっぱいいる。
●地方にいるとマスメディアやインターネットの効力が大きい。→マスメディアにどう取り上げてもらうかを模索。インターネットを使って、いい情報を届けることで救われる人がいる。
●媒体を限らずいろんな手を使ってみる。
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中村中の歌世界017●一青窈さんと歌番組で共演!「受け入れて」のエピソードに注目

 うっわ〜。このカテゴリー、ちょうど1年ぶりの更新になります!(爆)。昨年の怒涛のような日々の展開に紛れて中村中さんの歌、正直僕にとってはノーマークになってしまっていました。2ndアルバムが出たことも知らなかったし。紅白歌合戦で久しぶりに歌ってる姿を見て、「ずいぶんと歌手として肝が据わってきたんだなぁ」とビックリしましたよ。

 デビューしてからしばらくの間は、歌番組での言動雑誌での発言が時に不安定で尖っていたりして、ハラハラさせられるところがまた魅力でした。彼女は2枚目のシングルである『友達の詩』を発売するにあたって「性同一性障害」であることが大々的に周知されるに至ったわけですが、その時期の彼女の精神の揺れには、とても心配させられました。たぶん辛かったと思いますよ、いろいろと「大人の事情」に振り回されたでしょうし。

 その当時は『友達の詩』という大きな子どもを背負うことへの抵抗感のようなものを感じさせる彼女だったのですが、最近ではすっかり「背負う覚悟」が固まったようですね。特に紅白での歌唱には「歌手」としての並々ならぬ覚悟とか、「引き受ける」ことを知った人ならではの「悟り」のようなものが表情から感じられました。

 さてそんな中村中さんが今夜23:30〜日本テレビ系で放送されるMusic Loversに出演します。メインゲストは、最近「友人の性同一性障害カミングアウト」から生まれた新曲『受け入れて』を歌っている一青窈さんということなので、この組み合わせというだけで「何かが起こりそう」な気がしてワクワクするんですけど!(←別に起こんなくてもいいんだけど。笑)。

●YouTubeより〜一青 窈 ☆受け入れて☆
  

一青窈『受け入れて』

 一青窈さんはこの詩を、「違いを受け入れられていると感じられない人」の立場になって、感情同化して書いたのでしょうね。でもこういう「自分はまだ足りない。もっと自分が『自分になったら』受け入れて欲しい」と思う気持ちって、誰の心にも少なからずあるものだし、人生の過程において何度も味わった感情なのではないかと思います。

 「人と違うから阻害されている」と感じる人の痛みや苦しみを想像することって、他人に完全には出来るものではないけれど、誰もが自分の心の中を覗いてみることで、ある程度は出来るものなのではないかと感じさせられる歌です。FC2同性愛 Blog Ranking

「19歳ゲイのイラン青年が、オランダ→イギリス→イランへ強制送還の危機。ハンガーストライキ中」という情報

 ネット上で見かけたばかりの情報で詳細はまだ知らないのですが、とり急ぎリンクして情報を広めたいと思います。どうぞリンク先から情報を収集してください。現在オランダにいる19歳のゲイ、メフディ・カゼミ(Mehdi Kazemi)さんがイギリスに送還されようとしているそうです。(2月26日の予定だという情報)。

 彼は、英国で難民申請を却下されているようで、英国に送還された後は、同性愛を法的に禁じる国であるイランへ送還される危険が高くなります。なぜならメフディさんがかつて交際していた男性は、2006年にイランで逮捕され処刑されており、イラン当局がメフディさんのことを知っているのだとか。彼は送還に抵抗して、ハンガーストライキを決行中。支援者がネットで署名を呼びかけているようです。
英文の呼びかけサイト
こちらのサイトでは、上記サイトの日本語訳を見ることが出来ます。

●現在、以下のサイト・ブログでこの件に関する情報が発信されていますので注視してください。

に し へ ゆ く 〜Orientation to Occident
FemTumYum
みやきち日記

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尾辻かな子さんWe're OK!099●たまには「人権論」を聴いてみる@神戸



 「人権感覚に乏しい日本」とかいう言い回しをよく耳にしますが、うん。確かに乏しいと思う。だって最近まで正直よくわかってなかったもん(笑)。これも学校教育の一つの問題点なのかもしれないですね(←ただ単に僕がボーっとして聞いてなかっただけなのかもしれんが。爆)。でも前回と同じく神戸LGBTIQプライドマーチ勉強会で尾辻さんが語った「人権論」は、わりとすんなり聞くことができましたよ。なんか最近やたらとトークの映像ばかりで「教育テレビ化」してしまっている感のある当ブログではありますが、メゲずに最後まで見ると、ちょっとはいいことあるのかも〜。

●たまには「人権論」を聴いてみるby尾辻かな子さん@神戸<前編>
  

●たまには「人権論」を聴いてみるby尾辻かな子さん@神戸<後編>
  

最後まで見た人にだけ意味がわかるオ・マ・ケ♪
●YouTubeより〜公共広告機構 CM
  

当日、配布されたプリントより(抜粋)
■人権とは?
「生まれながらにしてすべての人が持っている人間として幸せに生きていく権利」
■偏見とは?
「充分な証拠なしに他人を悪く考えること」
「実際の経験より以前に、経験に基づかないで、ある人とか事物に対してもつ好きとか嫌いとかいう感情」
■差別とは?
「程度に差をつけてあつかいを分けること、分け隔て」
「十分な証拠なしに、ある人々やグループに対する好悪の感情に基づいて、あるグループに属する人々を、異なったように扱う行動」

 なるほど。「偏見」という言葉の説明には、結構ハッとさせられましたねぇ。現実問題として偏見を全く持たない人なんて居ないでしょうけれども、自分が「どういう偏見を持ちがちな人間なのか」ということは、意識しといた方がいいのかもしれないですね〜。さて次回は同じ勉強会で行われた、ILGAアジア国際会議の報告ですよ。(ますます「教育テレビ化」はエスカレートするばかり。笑)FC2 同性愛Blog Ranking

YOUTH TALK 性的マイノリティと教育09●4人の活動から力をもらいました



 「性的マイノリティと教育」というテーマには、多くの人々が切実な必要性を感じて会場に足を運んでいたようです。パネリストが一通り語った後に行われたディスカッションのコーナーでは、会場から「熱のこもった発言」が続きました。

11●4人の活動から力をもらいました
  

 なかなか面と向かって「ありがとうございます」と言われることって少ないかもしれませんから、パネリストの方々、うれしかったでしょうね〜。僕は最前列からパネリストがメッセージを聴く表情を見ていたのですが、目を潤ませている方もいらっしゃいましたよ。
 
 ところで今回。映像の中盤で遠藤まめた君が鋭いことを言ってますね。

『母に「自分がトランスジェンダーである」って3、4年前に伝えてですね。最近ようやくちゃんと話が出来るようになったんですけど。その中で、すごい母は自分のことを受け止めようとしてくれるんだけど、全然どうしていいかわからないって言うんですね。母親も、LGBTについて知識があるわけじゃないから、この子にどう対応していいのかわからない。例えば、自分が子どもの頃にスカートを穿かせられたっていうのも、親がもしその時に知ってたら、絶対にそれはしなかったことなんですよね。ってことを考えると、性的マイノリティーの自分が生きやすいっていうか、性的マイノリティーを取り巻く全ての人にとって、LGBTの知識がないということは、すごい不幸なことなのではないかな。だって親は、こんなに自分が嫌がっているのにスカートを穿かせるなんてしなかったかもしれない。そのことに気が付いたら親はすごいショックだったかもしれないし。そういうことを考えたら、当事者が何かを言うことも大事だけど、当事者の周りの人が何かを言って行く。親の会もそうなんですけど友達とか先生とか。そういうことって重要なんだろうなぁって最近思ってます。』

 「全ての人々にとって不幸」・・・まさにそうですよね。あと、僕は「当事者の限界」というのもあるのではないかと思うことが多いです。当事者が自分の感じる生きづらさを自らの声や言葉で訴えることは大事ですが、「あぁ、当事者だからそう感じるんだろうなぁ〜」と、ある意味「他人事として」受け取られてしまう面もあるような気がします。だからこそ、当事者を取り巻く人々が「当事者ではない別の視点」からLGBTに関する問題を語って行くことで、また違った広がりを持てるような気がします。(このことは「カミングアウト・レターズ」への共感の広がりでも実証されていますね。)

 3月1日のパフナイトには「LGBTの家族と友人をつなぐ会」の方々が登場することになっています。「当事者を取り巻く人々」が今後どうつながり合うことが必要とされているのか。語り合える場になるかと思われますよ。FC2 同性愛Blog Ranking

パフナイト★68●カミングアウト・レターズ06●カミングアウトの多様性



「この本を作ってみての発見」はなんですか?・・・こういう単純すぎる質問ほど応えるのは難しいのかもしれませんが、イジワルにもぶつけてしまいました。そしたら、この本の豊かさを形成している「核」になっている重要なポイントが浮かびあがって来ました。

07●カミングアウトの多様性
  

 砂川秀樹さんの発言を書き出しておきます。

 「カミングアウトの受容には、正しい知識というのは必ずしも必要な条件でもないし、十分な条件でもない。正しい知識を持っているから受容できるわけでもないし、正しい知識がないから受容できないというわけでもないというのを凄く感じたんですね。

 中には、なんとなくゲイについて誤解しているかなぁみたいなことを書いていらっしゃる親御さんもいるんですけども、そういうのはたぶん(そのパターンにおいては)関係なくて、その子が自分の変わらない子であるというところに意識があること。で、そこから正しい知識の習得がはじまる、みたいな。そういう流れがあると思うんですよね。

 もちろん、必ずしもそうではなくて正しい知識によって受容の土台が作られたり、受容が促進されるということはもちろんあるんですけども、必ずしも『これが、受容されるためには絶対に必要だ』とか、『これさえあれば受容出来るんだ』というものではやっぱり無いんだなと。それぞれのやりとりの中で複雑で、それぞれの関係性においてしか受容の形はなくて。だからカミングアウトいうのは一般化できるものではないんだなぁというのを、とっても感じましたね。すごくバラバラっていうか、それぞれなんだ。それぞれの数の形なんだ。」

RYOJI・砂川秀樹編著「カミングアウトレターズ」

 多様性の尊重というのは「複雑さを複雑さとして、ありのままに見る」ことではないかと思います。しかし、なんとなく「カミングアウト」という言葉や、その使われ方には、そうした「複雑さ」よりも「単純にオープンにして行くこと」というイメージが付きまとってしまっていて、気の強い人たちが決死の覚悟で行っていることであるかのように、敷居が高く感じられている側面があるような気がします。

 この本は結果的に、そこにメスを入れたのではないかと思います。この本には、いわゆる「偉人」は出て来ません。それぞれに複雑な「カミングアウトの多様性」を、「一冊の本」という世界の中で、スタイルとしても読者に提示することに成功しているのです。しかも、カミングアウトを経た家族や友人との関係は、登場人物それぞれに「現在進行形」であり、けっして「終わった(解決した)問題なんかではない」ということを感じさせてくれるのです。つまり、ある「答え」に到達した人たちの遠い話ではなく、身近な「生きたエピソード」として感じられるのです。

 そこに、この本ならではの革新性があるのではないでしょうか。だからこそ、柔らかく深く心に浸透してくる「リアリティー」を獲得出来ているのではないでしょうか。FC2同性愛 Blog Ranking

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