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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ013●「異性愛しかない」という政治の場での前提を変えるため



 な~んか最近やっと胸がズキズキ痛まずとも、「ふ~ん」って感じである意味突き放して、選挙の頃の映像を見返すことが出来るようになりました(爆)。さて、地味~に半ば意地のように続けている「選挙戦アーカイブ」も今回で9回目。2007年の7月19日に神戸・元町の「おっくんカフェ」で収録した勉強会の模様をお届けします。

 この会は神戸LGBTIQプライドマーチ準備会が主催したもので、「セクシュアルマイノリティーとアドボカシー~市民活動の中でわれわれの出来ること」というタイトル。司会はケンゾヲ★さんで、会場には30名ほどの参加者と、日経新聞やテレビの取材が入っていました。尾辻さんはこの前日には一日中、京都で街頭活動を行い、この日も朝から神戸のあちこちで喋り通しだったということで、声がガラガラになってますね。あと、関西では尾辻さん、安心して関西弁で喋れるということもあってか早口で、東京とはキャラが違うように感じるのは僕だけでしょうか(爆)

14●神戸LGBTIQプライドマーチ勉強会01●「異性愛しかない」という前提を変えるために
  

 民主党からの公認が遅れた理由などが端的に説明されていますね。それから、尾辻さんがどうして「国政に出よう」と思ったのかが、よりわかりやすく伝わってくる話でした。

 尾辻さんは2005年当時、現職の政治家としては初めてカミングアウトしたわけで、それを知ったLGBT当事者たちからは、日常生活におけるさまざまな「困ったこと」の相談がメール等々で寄せられるようになったそうです。以前、メールを整理している光景を見たことがあるのですが、ホント冗談じゃなくたくさんのメールが寄せられてたみたいですよ、尾辻さんの所には。

 これまではそうした声を「吸い上げる場」がはっきりとは見えなかったわけで、それだけ「同性愛当事者の現職政治家」が出たということは、当事者たちの間にインパクトを与えていたわけです。尾辻さんはその一つ一つの声に日常で接するにつれ、「異性愛しかない」という前提で成り立っている政治の場を変えて行くことを志向するようになったわけですね。その歩みはこれからも続きます。準備会での映像、あと数回分ありますのでお楽しみに。FC2 同性愛Blog Ranking




■尾辻さんの今後の活動予定

1月24(水)~27日(日) ILGA国際会議出席(タイ・チェンマイ)  
2月2日(土)東京中野で講演会 (主催:日本レインボー聴覚障害者団体) 
2月4日(月)ボイス・オブ・へドウィグDVD発売記念トークショー出演(東京) 
2月10日(日)神戸LGBTIQプライドマーチ勉強会にて講演、アフターパーティーゲスト出演 
2月11日(月祝) 大阪・枚方市市民企画講座で講演
2月17日(日) ILGA国際会議報告会(東京・新宿)

★各予定の詳細については、尾辻かな子を応援する会尾辻かな子応援ブログ、あるいはmixi「おっつんとの絆」を御参照ください。
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RYOJI+砂川秀樹 編 「カミングアウト・レターズ」●BOOKレビュー

 親にカミングアウトしてないし、これから本当にするのかどうかもわからない。そんな宙ぶらりんな気持ちを抱えている僕にとっては切実に胸に迫ってくる言葉のオンパレード。いやぁ~刺さる刺さる、涙腺刺激されまくり。心があっちへ行ったりこっちに来たり。忙しく喜怒哀楽を呼び覚まされる言葉の応酬に、クラクラ来てしまうような読書体験だった。

 僕のような同性愛者が近親者にカミングアウトをためらう時って、「拒絶されて自分が傷つきたくない」のと同じくらい、「相手を傷つけたくない」という気持ちが働くのではないかと思う。同性しか好きになれないという自分の本性から、逃げ続けた思春期の経験がそうさせる。自分ですら大変だった思いを、なんで年老いた親に背負わせなければならないのか。そういう思いがあることは否定できない事実だ。もともとは社会に蔓延するホモフォビア(同性愛嫌悪)が原因なのだけど。

 カミングアウトってものは、する相手との関係が近ければ近いほど、もしも壊れてしまった場合のリスクが大きい。だから失敗した場合にフォローが出来るかどうか自信が持てない限り、躊躇するのは仕方のない事だと思う。それを「だらしない」とか「意気地なし」とか強者の論理で責めたてるのは勝手だけど、世の中強い人ばかりではないことを、僕は自分を通して知っている。強くなってしまうと見えなくなってしまうことも、あるのではないかと思ったりする。同性愛者に生まれついたということだけでも結構シンドイのに、なぜ「カミングアウト」という行為をせねばならないという重圧まで背負い込まされなければならないのかと、本音では思ったりすることもある。

 RYOJIさんと砂川秀樹さんの編著として出版された「カミングアウト・レターズ~子どもと親、生徒と教師の往復書簡」には、そんな重圧と戦った人たちの体験談がたくさん詰まっている。でもこの本に出てくる人々は、けっして強いわけではない。ああでもない、こうでもないと悩んでもがいて葛藤しているから読んでいて引き込まれるし、親近感が持てる。繊細な感性で自己の行為をふりかえり、強靭な「魂」を込めて綴られた言葉の数々。だけれども、この本の全体から醸し出される雰囲気は、ひとことで言うならば「静謐」。そんな不思議なアンバランスが見事に成立しているのが不思議だ。編者2人の個性なのだろうか。

 僕はこの本を読んで不謹慎にも、こんなことを思ったりした。「カミングアウト」という通過儀礼のようなものがあり、「しなければならないこと」だという強迫観念に苛まれ続けることって正直ウザったいけれど、同時にそのハラハラ・ドキドキを通していろんなことを考えられたり感じられたりするわけだから、同性愛者に生まれたこともまんざら悪くはないのかなぁと。

 それが能天気な考えなのかどうかは、これからの僕の歩みが実証するわけだけれども。出来れば失敗したくはないから、まだしばらくは、このハラハラ・ドキドキを瑞々しく感じながら、ゆっくり焦らずに、僕は僕をより深く受け入れていこうと思う。FC2 同性愛Blog Ranking


砂川秀樹・RYOJI編著「カミングアウト・レターズ」

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