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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

パフナイト★44●新年第1弾は、すこたん企画の伊藤悟さんが語る「親の介護」



 昨年もさまざまな刺激的なイベントを行ってきたパフナイトですが、2008年の1回目は伊藤悟さんが登場します!。伊藤さんといえば、ゲイ&レズビアンのためのソーシャルサービス「すこたん企画」(すこたんソーシャルサービス)の活動を、パートナーの簗瀬竜太さんと共に、長年行ってきた方です。まさか出演に応じてくださるとは・・・パフナイトスタッフ一同、感激しています。

 伊藤さんといえば、その著書も有名ですね。1993年に出版された「男ふたり暮らし」 (太郎次郎社)では、ゲイとしての生活感情をリアルに著し、出版をきっかけにしてテレビで同性パートナーとの暮らしぶりが放映されるなど、大きな反響を呼び起こしました。僕は最近読んだのですが、とにかく文章が生き生きとしていてわかりやすく、奇麗事ばかりでなく内面の醜い部分までをも含めて率直に描かれているので本当に面白かったです。すでに絶版となってしまっているようなのですが、アマゾンでは中古本で買えるみたいですし、図書館などにも置いてあるところが多いみたいです。まだの方はぜひ一度、読んでみてください!

伊藤悟 著「男ふたり暮らし~僕のゲイ・プライド宣言」

 また、その翌年である1994年に出版された「ゲイ・カップル~男と男の恋愛ノート」では、パートナーの簗瀬さんとの共著という形で「男ふたり暮らし」の内容を更に掘り下げ、「ここまで書いちゃっていいの?」と驚くほどに、二人の関係性や親へのカミングアウトのエピソード、そして共同生活をする上での悩みや葛藤が赤裸々に描かれていて、ものすごく惹きこまれる内容です。

 伊藤さんの本の最大の魅力は「格好つけていないこと」。これに尽きると思います。情けない感情や落ち込んでしまうことまでをも含めて「書く」ことに意義を見い出し、読者に対してきちんと提示している姿勢が素晴らしいです。こちらも本当にオススメです。「男ふたり暮らし」とセットで読むと、その面白さは倍増することでしょう。

簗瀬竜太, 伊藤 悟 著 「ゲイ・カップル 男と男の恋愛ノート―恋と暮らしと仕事のパートナーシップ」

 そんな伊藤さんが今回お話してくださるのは、老親の介護についてです。パートナーともども本の出版を通してカミングアウトしてから既に約15年。同性パートナーとしての生活を実践してきた伊藤さんたちは現在、親の介護の問題に直面しているのです。また、数年前には簗瀬さんのお母様のお葬式もあったそうで、その時に「同性パートナーとして」どのように過ごしたのかなど、興味深いエピソードがたくさん聞けることになりそうです。日本社会では同性パートナーが生活する上での「ロールモデルが見えない」と、よく言われます。その中で伊藤さんたちは、どのように生活上の様々な出来事を乗り越えてきたのでしょうか。また、これからのことを、どのように展望しているのでしょうか。パフナイトの場でじっくりと、伺ってみようと思います。

→イベントの日時・詳細はパフナイト公式ページをご覧ください。
★今回のパフナイトは、YouTube公開の予定はありません。 

 今回の司会は、パフォーマンス・アーティストのイトー・ターリさんが担当します。先ごろ出版された『カミングアウト・レターズ』にも登場しているターリさんはレズビアンであり、現在56歳。82歳になるお母様と同居しています。

 そんな伊藤&イトー・コンビによるトークですから、きっと生活に根ざした様々なエピソードが語られることでしょう。たまにはこんな風に、アダルトな雰囲気のパフナイトもいいんではないでしょうか。生活上の実践的な話がたくさん聴けそうで、自分のこれからの参考にもなりそうなので本当に楽しみです!FC2 同性愛Blog Ranking
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三島由紀夫とつきあってみる016●資格があるのは本人のみ。



 三島由紀夫について久しぶりに読みたくなった。読書というものは快楽だ。我を忘れて熱中した。

 「三島はラッキョの皮をむくように、真の自分を見定めるため、一枚一枚はぎとりつつ、同時に、衣裳をまとっていた。」

 野坂昭如が「赫やくたる逆光 ~私説・三島由紀夫」で記した三島評。人間存在のある一面の真実を、端的に言い表している。

 自分を曝け出して表現する。しかしその表現によって新たな衣裳が纏わり付く。身軽になりたくて始めたことなのに、身重になって行く矛盾。他者の瞳に映る自己が、自らを縛って行く。あの鋭い眼光で、あの尖った感性で、三島は矛盾をとことん意識し、考え続けた。

 そして、ついにはラッキョの皮を、最後まで剥いてしまったのだろうか。野坂氏は三島の人生を次のように言い表している。

「そこには結局、なにもなかった。あるのはただ、厚塗りの化粧。薄っぺらい虚飾。人工的な作り笑い。必死で作り上げてきた自らの物語。その嘘。」

 ・・・嘘?

 ・・・。

 たとえ人工的な物語でもいいじゃない。嘘は真実、真実は嘘。すべて物事には両面がある。他人に誰かの人生を「嘘」と決め付ける資格はない。資格があるのは本人のみ。ラッキョの中には「無」しかなくても、そこに三島は自らの、希望をみつけていたかもしれない。誰にもそれを「絶望」と名づける資格はない。

 自己の存在を肯定するために、誰かの存在や生き方を否定することほど単純で貧しい思考はない。その愚を、決して犯さぬように。そう誓った新年の読書だった。FC2 同性愛Blog Ranking



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