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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2007-11
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「クイア」ってなんなのさ013●学会設立シンポ02●伏見憲明さんの沢尻エリカ的発言集

 「ハレの場」に独特の高揚感に包まれたシンポジウムでは、伏見憲明さんの「ポジションの取り方」を見ていることで楽しむことが出来ました。

 「学会って、なんか難しそうだしよくわかんない。私は今日、沢尻エリカ的なポジションで居ようかと思ってます」

 そんな伏見さんの「ヒール役引き受け宣言」は、シンポジウムの間中、一貫して「日常語で素直に話す」ことによって達成されていたと思います。ついつい抽象的で複雑な理論が絡み合った発言のオンパレードに走りがちな中、伏見さんにマイクが渡ることが、どれだけ「救い」に思えたことか(笑)。今回は僕がメモしたノートから、伏見さんの「沢尻エリカ的発言」のみをピックアップしてみようかと思います。

★あくまでも「メモ」を起こしたものですので、発言の細かい部分については書き落とし、あるいは発言者の意図をきちんと汲み取れていない部分があるかもしれないということを前提に、お読みください。つまり僕が「受け取った(解釈した)」伏見さんの発言内容、ということになります。

 まず、伏見さんが「執筆について」の質問に対して応えていた内容は、次のとおりです。

 「セクシュアル・マイノリティーの方々はケチです。お金をくれません。だからノンケの資本家に支えられて今日まで来ました。外で出稼ぎしてコミュニティーに還元しようと思って来たのだけど、返って来ないので最近はあまり書いてません」

 なんとわかりやすい受け応えでしょう(←そのことにホッと出来てしまう空気が漂ってしまうんですよね、学会のシンポジウムって。笑)。また、いわゆる「一般市場」で多くの著作を発表し、「ゲイの言論人」としての地位を確立している伏見さんは、アカデミズム的な立場の方々からすると「資本」と結びついていると見られるらしいのですが、そうしたことを匂わせた質問に対しても、次のように痛快に応えていました。

 「すごい貧乏な業界だから…資本主義とは結びついてません。国家の税金で食ってる国立大学の方々に言われたくないですよ(笑)。ポット出版は社長がマニアだから出すことが出来ているというだけのことなんです。」

 また、「運動・活動・コミュニティー」という命題で、互いの関連や隔たりについて議論する場面でも、面白いことを言ってましたよ。

 「学問の場で言われていることが、現実に『効いている』ようには、あまり思えなかった。自分の仕事も含めて、そのことが社会状況に果たして影響していたのか?と思うと・・・。研究と活動というよりは、研究と社会との隔たりの方が大きいのではないかと思います。」

 そしてシンポジウム最後の「締め」の言葉。

 「学会に来た人が、すべてではないと意識することが大事ではないかと思います。こんな台風の中にここ(東大)まで来るのは、ヘンな人たち。ヘンな人たちが集まるとヘンな濃度が強くなります。ここに『来ない人たち』を想像するということが、大事なのではないかと思います。」

 僕はクイア学会のシンポジウムに行って「学会に入ろう」とは思わなかったのですが、これまで意識的に避けていた「伏見憲明さんの本」を読んでみようと思うようになり、はじめて『プライベート・ゲイ・ライフ』を読み、現在は『クイア・ジャパン』を読みながら、「クイア」が自分にとってどう「租借されていくものなのか?あるいはされないものなのか?」と自問する日々を過ごしています。FC2 同性愛Blog Ranking
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