LGBT可視化に向けて065●土曜の夜、何かが変わる~二丁目を守るために!03●対話の能力

前回の記事で御紹介した石坂わたるさん、上川あやさん、尾辻かな子さん、福島光生さんのスピーチで期待が最高潮に高まる中、いよいよ浅野史郎さんが新宿二丁目に登場しました。仲通りを500人が埋め尽くしている光景を見て、浅野さんはとても驚かれているようでした。
●土曜の夜、何かが変わる~二丁目 を守るために!06●浅野史郎さんとトーク前半
●土曜の夜、何かが変わる~二丁目を守るために!07●浅野史郎さんとトーク後半
え~っと。カメラを廻していた僕の正直な感想としてはですねぇ。浅野さんがいきなり「ちょっと怯えてますが」と言った時には「なんだこのオヤジッ!」とムカついちゃいました(笑)。浅野さんとしては「ウケ」を狙って言ったのかもしれませんが、LGBTは(←というより「僕は」というべきか?笑)割と言葉に敏感で傷つきやすい面がありますから、あのセンスは正直いただけなかった。その前のスピーチ4連発で期待が高まっていたのですが、一瞬にして冷めてしまった気がします。聴衆からもヤジが飛んでいましたし、しばらくの間、なんとな~く険悪な雰囲気が漂っていたことは事実です。

しかし当日の僕は「うわ、ノッケから外しちゃって、この後どう収拾つけるんだろう・・・」とハラハラしながら、その後の展開を見つめました。でもですね。尾辻さん、上川さん、石坂さん、福島さんが繰り出す質問に対して誠実に正直に、思っていることを述べている姿を見ていたら、「あ、この人って結構やわらかい人なのかも」という風に、印象が変わり始めましたよ。
尾辻さんに対してかつて、「不明を恥じる」と言って詫びたことがあるという浅野さん。知らないことを「知らない」と正直に言ったり態度に示すことって結構むずかしいものですよ。(特に大人はね)。でも浅野さんは、そういう自分の弱さを曝け出すことが出来る人であり、認めることが出来る人であり、だからこそ「学んで行こう」という風に思える人なのかもしれない。そんな「率直で正直な人間性」を感じることが出来る対話の光景でした。

LGBT問題のことも僕らにとっての新宿二丁目の価値も、彼には正直まだよくわかっていないのでしょう。でも、「これから学んで行こう」という姿勢は見せてくださった。そしてなにより500人もの人々が集まって政治に強い関心を寄せているという光景は、新宿二丁目を色眼鏡でしか見ていなかった人々に相当なインパクトをもたらしたはずです。
このイベントの様子は後日、テレビやスポーツ紙にインパクトのある形で報道されましたし、とりあえずLGBTコミュニティー側としては「成功だった」と言えるのではないでしょうか。そして浅野さん側としては、「これから学ぶべきことがたくさんある」ことを認識する、いい機会になったのではないでしょうか。

あの日。あの場所で身体や心の奥底に焼きついた感覚は、今後ものすごいエネルギーに転化して行くような気がします。→FC2 同性愛Blog Ranking
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