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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-12
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これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル12●モデルケースの創出を~永易至文さんのコメント

 宮台真司さんの発言に続き、会場からの質疑応答の時間になりました。まずは及川健二さんが「やらせ質問である」とカミングアウトした上で(笑)既に声をかけていたお二人からの発言を求めました。一人目は、フリーライターの永易至文さんです。

 最近、「にじ」を知るというコーナーを立ち上げて永易さんの活動から学んで行こうと思っている僕にとっては嬉しい機会(笑)。発言している姿を映像に映したかったのですが、事前に撮影許可を得ていないのと、他の方々が映り込む可能性があるので断念しました。音声のみですが永易さんの発言をお聞きください。

  
これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST

 生活面でのモデルケースが見えにくいから、ゲイは刹那的な「エロ」に走りやすい。ちょっと乱暴な見解に思えるようではありますが、そういう側面があることは否定できません。これは現代日本のゲイ・コミュニティーが直面している切実な問題です。

 しかし、ゲイに対して情報を発信してきた旧来のゲイ向け雑誌は風俗系スポンサーとの「しがらみ」にがんじがらめになっているようであり、「エロ中心」の紙面作りを続けています。おそらく既存のゲイ雑誌は今のような紙面作りを続ける限り、一般企業からの広告出稿を望むことは難しいことでしょう。当事者以外の方が読者として定着しにくい「閉じたメディア」であるため、メディアとしての成長に限界があるのです。もちろん、そういうものも必要ですが、長年「それしかなかった(定着しなかった)」ということ自体、ゲイ・コミュニティーが「閉じてきた」ことの表れだと僕は思っています。

 「グラビア上のエロ」というのは、いずれ飽きるものではないかと僕は思います。確かにかつては「エロ・グラビア」見たさに僕もゲイ雑誌を買っていましたが、1年もすれば飽きました。なにせ値段が1500円もしますし、ほとんど見ることのない付録のエロDVDに投資したくはないので、最近では読みたい特集がある時以外、買ってません。買うために2丁目に行かなきゃなんないし(笑)。
代表的なゲイ雑誌「Badi」(テラ出版)
 「エロ中心ではないLGBT向け雑誌」としては最近『yes』が出現しましたが、カルチャー情報や海外の情報に特化し、それなりに充実した内容ではありますが、どうも「おしゃれで金持ちなゲイ」に向かって消費意欲を刺激する路線を追求しているようでもあり、「おしゃれではなくお金持ちでもない」僕のようなフツーのGAYにとっては身近に感じられません(それでも値段が880円と安いので、毎号買おうという気にはなります。笑)。
「YES Vol.5」
 実際にフツーに社会で生活者として生きているLGBTたちが「これは私達のものだ」と親しみを持てるメディアが今の日本には無いように思います。これはとても残念なことだし、だからいろんな活動が大きなうねりに結びつかず散発的なものに終始しているのかな、とも感じます。これはコミュニティーとしての構造的な問題点ではないでしょうか。そこの辺りも含めて「にじ」という媒体で考えようとしていた永易さんのようなスタンスの活動、ぜひ継続するべきだし僕はとても関心があります。
●永易さんの著書「レインボーフォーラム―ゲイ編集者からの論士歴問」

永易至文さん関連記事
「クイア」を学び切り拓く001●セクシュアルマイノリティー「1期生」“ミドル世代”のいま

 まずは「同性愛者=エロ直結イメージ」から脱却した場を作れば、LGBTメディアに投資するスポンサーって、数多く出てくるのではないかと思うのですが・・・。引き続きこの問題は考えて行きたいです。FC2 同性愛Blog Ranking


 NEWS!
 朝日新聞社から発行されている「論座 2007年1月号」には、永易至文さんの寄稿記事『職場のHIVポジティブたち~陽性者1万人時代に入った日本』と、宮台真司さんと園田浩ニさんの対談『10年後の「援助交際」~何が問われ、何が問われなかったのか』が掲載されています。

「論座 2007年 01月号』

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LGBT可視化に向けて044●「就職活動フェア2007 for ゲイ・バイ男性」参加記04~不安に負けずに切り拓こう

 リーマン・ブラザーズ証券LBGLNの紹介の後、就職活動を終えたゲイの方から体験報告がありました。
 報告してくださったRainbow Collegeメンバーの学生さんは、いずれ就職先の会社内でもカミングアウトするかもしれないことを想定し、自己防衛策として会社選びの際に「男女比」を意識して見ていたそうです。つまり社員に女性が多いということは・・・
 ①結婚圧力が低い
 ②セクハラへの意識が高い
 ③風俗に誘われる恐れが低い 
 =ゲイにとっても過ごしやすいというわけで。

 また、就職活動の場では「不利になるかもしれない」恐れがあるのでセクシュアリティーのことは出さなかったそうですが、Rainbow Collegeのメンバーなので当事者学生同士で情報交換が出来、だいぶ助かったとのこと。来春に入社した後も、いきなり「あの人はゲイ」と思われるところから始めるのではなく、仕事をちゃんと覚えて信頼関係を築いてからにしようと思っているそうです。


 続いて、会場から募集した質問に、パネリストのゲイの方々が答えました。

質問①同性愛者であることの「デメリット」を感じたことはありますか。
●百貨店勤務の方
「ノンケではない以上、メリット・デメリットは表裏一体。『結婚式をあげられないこと』がデメリットかもと感じたことはある。うちの会社では、特にポジション的には不利益が生まれるだろうと感じたことはない。」
●研修医の方
「同僚と話を合わせなくちゃならない時に、面倒くさいと思うことはある。でも、50歳で結婚していない看護士長なんてのはザラにいるので、結婚しないということで特に不利になることはない。」
●新聞記者の方
「いじられることが結構多い。『人をいじって自分を上げる』ような、つまらないタイプの人間がいるけど、軽く流すテクニックを憶えればいい。マスコミは、独身でも不利になるような所ではない。現代では例えば銀行とかでも離婚率が高まっていると聞くし、結局はその人が『どれだけ仕事が出来るか』だ。ちゃんとしてさえいればいい。」
●IT企業人事部の方
「人事配置については、IT系なので『結婚している人』はなるべく移動させないように配慮されたりしている。つまり、結婚していないということは転勤が大丈夫だと見做されがちなので、自分としてはその危険を感じたりもする。中途採用の時にも、結婚しているのかどうかが判断材料となったりもする。」

●リーマン・ブラザーズ証券LBGLN・ヘイデンさん
「外国人が日本に来ると、3ヶ月しか『観光ビザ』が出ないので、遠距離恋愛が成立しにくいという現状がある。また同性同士での結婚制度やパートナー制度がないので、国を跨いでの関係が継続しにくい。以前、ビザの関係上どうしても一年のうちに何回も入国を繰り返していた時、『怪しい仕事をしているのではないか』と疑われ、調査されたことがある。犯罪者のような扱いをされ、入管でいろんなことを調査された。その時にはじめて、ゲイでいることは嫌だなと感じた。その後、3ヶ月の間に就職できたから日本に滞在できるようにはなったけれど、あの時は本当に嫌な思いをした。」

質問②パートナー(恋人)が急に倒れて病院に運ばれた場合、駆けつけますか。その時、会社や上司にはどのように説明しますか。
●百貨店勤務の方
「過去の経験では、駆けつけた。その時はただ『恋人が倒れた』と告げた(同性であると告げたわけではない。)」
●研修医の方
「行く。医者として現場で働いているので、急な患者が出た場合にはまず、家族とか血縁関係にある人に連絡を取る立場でもある。だが、自分はセクシュアル・マイノリティーなので患者さんもそうかもしれないという想像力が働くので、『果たして、伝えるのは家族だけで本当にいいのかなぁ』と思ってしまうことが多い」
●新聞記者の方
「合間を縫って行く。でも、個人として自立した者同士で付き合いたいと思っている。自分は『男は仕事が第一』という価値観を持っている。」
●IT企業人事部の方
「よっぽどじゃなければ行けない。早退しにくい仕事なので。もし行くとしたら『家族』と嘘をついて行くと思う」
●就職活動を終えた学生さん
「『恋人』ということを正直に言うことには抵抗がないかと言えば嘘になる。『家族』と言うだろう」
●司会の学生さん
「夏に(同性の)恋人が入院した時、僕のことは家族や恋人だという風に扱ってもらえなかったので、時間外に面会したくても出来なかった。その時、ゲイとしては、ちょっと悔しかった」
●リーマン・ブラザーズ証券LBGLN・ヘイデンさん
「リーマン・ブラザーズでは、もし『同性の恋人の緊急時に早退・休暇』を行ったことを理由に差別するような上司がいたら、その人はクビにされると思うよ。」

質問③研修医の方は、面接の時にカミングアウトしたとおっしゃってましたが、抵抗はなかったのですか。
●研修医の方
「面接でカミングアウトする時には、やはり『怖いなぁ』という気持ちがあったけれど、精神科を志す動機として『自分がゲイであること』があったし、集団精神療法(グループ・カウンセリング)に興味を持ったきっかけも、『ゲイである自分を語る会』への参加だったわけだから、経歴を話す際にカミングアウトは必然だった。勇気は必要だったし、飛び込むような気持ちだったことは確かだが、マイナスになるようなことは今のところ無いと思う。」

質問④IT企業人事部の方へ。やはり『セクマイ・ライク』な会社の方が当事者達にとっては、いい環境であるはず。現在はその選択肢がほとんどないということ自体が問題なので、人事担当者として今後提案していくべきではないのか。
●IT企業人事部の方
「たしかに、その方が学生の『通過率』が高くなると思うので、考えて行きたいと思う。」

質問⑤ヘイデンさんに。本当に2000年の東京レズビアン&ゲイ・パレードの実行委員だということを履歴書に書いたのか?
●リーマン・ブラザーズ証券LBLGN・ヘイデンさん
「本当です。履歴書に関しては、いくつも種類を用意することも作戦としては有効かもしれない。面接や採用へのプロセスは、けっこう長いものだから、ゲイとしての社会活動歴等を段階によって書いたり書かなかったりすることも出来るはず」


 同性愛者は独身だと見做されるので「転勤」の対象とされやすいこと。そして、ヘイデンさんの発言にあるとおり、日本に同性パートナー・シップ制度がないために、国籍を跨ぐ恋人同士はビザ等の関係で不利益を被るなどの問題点があることを知りました。

 今回の就職活動フェアのパネリスト4名は20代~30代と若い世代に偏っていたので、パートナーとの関係を築いていたりゲイとしてのライフスタイルを生活面でも模索している段階の人がいなかったのが、残念といえば残念でした。たとえば、同居生活を始めた上で社会人としての生活を送ると、何かしら実際問題として浮かび上がるものがもう少し出てくるのではないかと思います。

 また、もう少し上の世代のゲイ社会人の話も聴いてみたいなぁと思いました。管理職になったり社内での地位が向上した場合、また違った感性で社会を見ているのではないかと思います。「ゲイであることがバレたら地位が脅かされるかもしれない」という脅威は、大企業勤務者や地位が高い人ほど強いらしいので、こういう場に出てきて語ること自体が難しいのかもしれません。でもそうした立場の人々が感じていることの中にこそ、今の日本社会の問題点が多く含まれているような気がします。

 このイベントは「ゲイ学生に就職活動の不安を軽減させる」ことが目的なのでしょうから、それは充分すぎるほどに達成できていたのではないかと思います。主催されたRainbow Collegeの皆さんの尽力と、リーマン・ブラザーズ証券LBGLNの先駆的な活動に感謝します。そして、早く同性愛者の権利擁護を積極的に打ち出す、先見性のある日本企業の出現を願ってやみません。

●「就職活動フェア2007 for ゲイ・バイ男性」参加記
01 ヒルズはやっぱりセレブな空間
02 当事者社会人が語るライフヒストリー
03 同性愛者であることを個性として尊重する会社

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新宿2丁目のあったかい年の瀬にウルウル

 ついに僕、1人でゲイバーに入りましたっ!
・・・と言っても「ライブハウス」として営業している時ではありましたが(笑)。

 下北沢で「レズビアン・ゲイin世田谷」に参加した12月10日の夜、新宿2丁目の老舗ゲイバー「九州男(くすお)」に行きました。関西レインボーパレードで知り合ったカケジクさんのライブを「こっそり」観るためです。(←本人には内緒。笑)。カケジクさんと言えばパレードの当日、あたふたと混乱気味だった現場において「ウグイス嬢」として仕切り、独特の話術で楽しませてくれた方。音楽活動をやっているということなので一度観てみたかったんです。

 2丁目の中心部である仲通り。「ルミエール」というショップがある雑居ビルの3階にゲイバー「九州男」はあります。実はここ、バーとして営業している時にパートナーと一度来たことがあるのですが・・・緊張のため泥酔して眠り込んで記憶を失い、起きたと思ったら外の階段で号泣してしまったという苦い思い出の店(爆)。この日の店内は客席が取っ払われ音響機材がセッティングされ、すっかり「ライブ会場」として機能していたのでびっくり。実は多目的な空間なんですね~。

 「としのせライブフェスタ2006」と題されたライブイベントは、東京と博多を中心に活動しているインディーズ・ミュージシャンがリレー形式で登場するというもの。会場を見渡すと「短髪・がっちり系」のゲイの方々が多く、さすが「九州男」という店名だけはあるなぁと、正しいんだか間違ってんだかよくわからない感銘を受けたりして(爆)。

 カケジクさんの所属するバンド「SPEEDER」の出番はいつだろうと思った矢先、ひょっこりと少年のような格好で登場し、パレードのときのように脱力系で司会をしている彼女を発見。風邪気味らしく声がかなりハスキーで脱力ぶりに更に拍車がかかっていましたが(笑)、ガチガチに緊張しがちな他のミュージシャンたちを、あの独特の話術で和ませていたので、さすがだなぁと思いました。

 参加バンドはそれぞれ独自の世界観がありユニークで、様々なジャンルや音楽性の人たちが次々に登場するので飽きません。技術的にもレベルが高く、本当に「聴かせて」くれます。バラードの時なんかには、いつの間にかウルウルしたりして(一人で見てたから没入しちゃったみたい。(爆)。

●この日出演していたミュージシャン・バンドの方々
SPEEDER(東京)、penpos(東京)、メレンゲパンチ(東京&福岡)、KURO@Guzzlepitt(福岡)、響子(福岡) 、caRcha(福岡)、おわっとう(福岡)

 カケジクさんたちのライブは後半に観ることができました。声がかなりハスキーで苦しそうでしたが頑張って歌っている姿が健気。司会で喋りまくって、さらに歌うとは大変だったと思います。

 このイベント、ぜひ毎年恒例にして欲しいです。今年の出演者たちが来年、どんな音楽をやっているのか継続して観てみたいです。

  あれからもう2ヶ月・・・カウントダウンするカケジクさん↓
  
  踊るカケジクさん・・・(笑)↓
  
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