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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-12
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僕は彼女ではないけれど

 今日、移動の電車の中で明らかにトランスジェンダーあるいはトランスヴェスタイトらしき人を見かけた。背が高く体格がガッチリしていて、長髪でハイヒールを履いていた。顔には厚塗りのメイクをし、口紅の赤が際立っていた。

 少し前の僕だったら、彼女のことをどう思っていただろう。そんなことを考えながら、窓ガラスに映る彼女のことを眺めた。僕は彼女ではないのに、周囲の視線が気になった。そして、周囲の視線をそんな風に過敏に気にしてしまっている自分に気がついた。

 僕は最近、トランスジェンダーの人と知り合ったり同じ空間を過ごすことが多い。そういう空間では何とも思わない。だって、LGBTであることが「当たり前」とされる勉強会や集会の場で「解放されている」彼女/彼らに会っていたからだ。

 しかし日常空間の、本当にありふれた街中で彼女達や彼らが存在しているということを、僕は想像していただろうか。どんな気持ちで周囲の視線を受け止め、どんな気持ちで自己を主張しながら抑圧の中で過ごしているのか。考えていただろうか。

 ゲイやレズビアンは、カミングアウトをしなければ「そうである」ことは可視化されない。ルックスにおいて、いわゆる「男」「女」のどちらかに所属するということで日常を過ごしている場合が多い。だって身体の性に違和を感じないのだから。しかしトランスジェンダーの多くは、身体の性を越境する過程において、あるいは越境した後でもルックス的には「男」と「女」の狭間にいる状態で過ごしている人が多い。今日の彼女もきっとその一人。

 そのストレス。その圧迫感。他人からの過剰な視線を引き受けながら外を歩くということ。街中をそれでも「自分として」「自分らしく」歩くということ。その痛み。

 いや、痛みではなく晴れやかさを感じるときもあるのかもしれない。それとも、やっぱりずっと苦しいのかもしれない。いや、実はなんでもないのかもしれない・・・。彼ら/彼女らの胸中はずっと、そんな「色んな思い」が激しく湧きあがっては消え続けているのかもしれない。疲れるだろうに。

 今日、移動の電車の中で彼女の傍に立ちながら、彼女が微動だにせず一点を見つめたまま、まるで「早く目的地に着かないか」と祈っているような様子でいるのを見ていた。見ていることを気付かれないようにしながらも、気になってしょうがなかった。そして、一緒に息苦しくなったりしていた。

 やっぱ息苦しいよなぁと思った。・・・僕は彼女ではないけれど。勝手な思い過ごしなのかもしれないけれど。

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これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル03●及川健二さん①虹色の社会~フランス同性愛事情

 石坂わたるさん、赤杉康伸さんに続き、シンポジウムの主催者である及川健二さんが、レインボー・ネクタイを締めて気合充分で『虹色の社会~フランス同性愛事情』と題する報告を行いました。その前半部分を紹介します。

  

及川さんの報告の際、配られたレジュメです。(今回紹介分)
・・・ブログ『及川健二のパリ修行日記』より転載

【1】同性愛者を取り巻く環境
・同性愛者をとりまく環境はその社会の成熟度を示すリトマス試験紙になる。成熟した社会では同性愛者の権利が擁護され、全体主義の国では同性愛者は抑圧・排除される。

・フランスではゲイ雑誌『Têtu』(テテュ)が駅や街頭のキヨスクで一般紙と並んで堂々と販売されている。同誌の広告ポスターも公共の場ででかでかと掲示される。

・フランスの首都パリの市長・ベルトラン=ドラノエさんは男性同性愛者(ゲイ)。1998年、社会党の上院議員だった時にテレビ番組でカミング・アウト。2001年4月、市長に当選。支持率は2005年7月時点で65%と高水準(IPSOS調査)

  
これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST


 より詳しい情報を知りたい方はぜひ、及川健二さんの著書をお読みください。行動力に溢れた熱のこもったレポート満載。ご自身で撮られたという写真も、多数掲載されてます。

「ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情」

「沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き」
 次回は及川さんの報告の後半。PACS法(準結婚制度)や、極右政党のLGBTに関する見解について。そして2007年度大統領選挙でのLGBTにとって注目すべき動向などの報告が続きます。FC2 同性愛Blog Ranking

これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル02●パートナーシップ制度と日本~石坂わたるさん、赤杉康伸さん

 第一部のトップバッターは、石坂わたるさんと赤杉康伸さんです。
 彼ら二人は東京メトロポリタンゲイフォーラム(TMGF)を設立し、選挙の候補者にLGBTに関する見解をアンケートし、結果をWebに公開するなど、政治的・社会的な活動を地道に行っています。

 まずは石坂わたるさんから、世界の同性パートナー制度についての説明。
「日本でも今後、~同性婚が、私達の目が黒いうちに出来るという可能性が否定出来ないし、そこを諦めてはいけないと思います」というメッセージが印象的でした。

  
これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST

世界の同性パートナーシップ制度・同性婚制度・・・会場で配られた資料より

①同性婚が法律で規定されている国・州
 オランダ・ベルギー・スペイン・カナダ・南アフリカ共和国・米国マサチューセッツ州
②同性パートナーシップ制度がある国
 デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、グリーンランド、アイスランド、フランス、ドイツ、フィンランド、イギリス(同性カップルによる養子縁組も可能)、ルクセンブルグ、イタリア、アンドラ、スロベニア、スイス、アメリカ合衆国(ハワイ州、リオネグロ週)、ブラジル(リオグランジドスル州)、ニュージーランド、オーストラリア(タスマニア州・オーストラリア首都特別地域「ACT」)
③内縁関係が認められる国
 ハンガリー、ポルトガル、オーストラリア、クロアチア
(イスラエル→DPの一方の実施をもう一方の養子ともできる)

  
  
④国が地方の同性パートナーシップ制度を撤回させた国
 オーストラリア
州憲法で同性婚を禁止している米国の州
 アーカンソー州、ジョージア州、ケンタッキー州、ミシガン州、ミシシッピー州、モンタナ州、ノースダコタ州、オハイオ州、オレゴン州、オクラホマ州、ユタ州


 続いて、同じく東京メトロポリタンゲイフォーラムの赤杉康伸さんから、日本の状況についての報告です。

  

 先日のYOUTHTALKの際にも尾辻かな子さんが触れていましたが(←2つ目の映像参照)、現在、同性パートナーの法的保障が制定されていない日本で「パートナーシップ」を証明する方法としては「公正証書」の作成 があります。赤杉さんと石坂さんは、「公正証書」によって契約を結んだカップルでもあります。会場では資料として、証書のコピーも配られましたが、それを見て思いました。やっぱりこのような「代替措置」ではなく、正式に契約を結ぶことが異性愛者と同じように「選択できるように」するべきではないのかと。

 政治的・制度的な面で「なにができるのか」を地道に探りながら、こうして実際に行政に働きかけ、当事者たちへのアピール活動も行ってきた石坂さんと赤杉さん。今後の活動展開には要注目です。

東京メトロポリタンゲイフォーラム公式サイト
東京メトロタンゲイフォーラムブログ
石坂わたるさんホームページ「わたるの部屋」
石坂わたるさんブログ「わたる's blog」
赤杉康伸さんホームページ「NOV ON THE WEB」
赤杉康伸さんブログ「NOV’S BLOG」

赤杉さんの著書・Web連載記事
赤杉康伸・土屋ゆき・筒井 真樹子編纂「同性パートナー―同性婚・DP法を知るために
ALL About同性愛「女スパイ赤杉康伸の口紅政治情報」記事一覧

 さて次回は、シンポジウムの主催者である及川健二さんの話『虹色の社会~フランス同性愛事情~』です。FC2 同性愛Blog Ranking

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