跳ぶための僕らの場所

→FC2 同性愛Blog Rankingあそこにポーンと跳び込むために
ぐるぐるぐるぐる浮かんで消える
あれやこれやの心配事
母や父や姉や弟や同僚や上司や友達や親戚や
その他たくさんの人たちとの
その後の関係気になるよなぁ
・・・考えすぎ?
跳んでみちゃえばわかるのかもな
跳んでみなくちゃわからないのかもな
跳んでみちゃって知られてみちゃって
そのまま勢いでなんとかなるかも
・・・なんとかならずに焦るかも
ぐるぐるぐるぐる浮かんで消える
そんなこんなの心配事を
吹き飛ばすかのようなエネルギー
君らの笑顔、君らの存在、君らの弾けっぷり、君らの熱
いつか僕は跳んでみせる
だからどんどん溢れかえってね
大きく膨らみ成長し続けてね
跳ぶための僕らの場所
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ぺ・ジヨン「ダンシング・ボーイ」●MOVIEレビュー

教室の後ろの席から。グラウンドの片隅から。この映画の主人公は、クラスメートの格好いい男子を見るとつい「ポーッと」なってしまい、熱い視線を送り続ける。周囲から好奇の視線を浴びながらも隠すことなく「好きだよ」という態度を示し続ける。怖い位に純粋に。
そんな恋愛渦中の盲目状態にある主人公を、誰も止めることは出来ない。その徹底したアタックぶりは、「この子、ちょっと鈍いのか?」と疑いたくなるほどの無鉄砲さとエネルギーで実行される。しかも、どうやら主人公は自分がゲイであることにはまったく悩んでいないようだ。要するに「大好きな彼が振り向いてくれないという事実」のみに悩んでいるのである。
悩まぬ強さ
ゲイを描いた映画ならば苦悩は付き物・・・そんなステレオタイプを軽々しく突き抜けてしまっている爽快感は、台湾映画「僕の恋、彼の秘密」の世界と共通。しかも、主人公がちょっと「ボーっとした感じ」のホンワカ・キャラであるところも一緒。さらにこの映画の場合は、主人公の意志の強さは半端じゃない。愛情表現の押しが強すぎて相手が明らかに引いているのに全く動じないし、周囲が気持ち悪がっていても、そんな外野の雑音は「眼中にない」のだ。「♪若さゆえ~」のストレートな直球勝負で、とにかくぶつかり続ける率直さ。
主人公に愛された格好いい男子君にしてみたら、どうしていいのかわからない。戸惑いながら、周囲の視線を気にしながら、とりあえず冷たい態度で拒絶する。自分のことをこんなにまで愛してくれるなんて・・・実は内心では嬉しいのかもしれないが、皆の前ではそんな素振りを見せるわけには行かない。それをしたら「男がすたる」と思ってしまう人なのだろう。
だけど、こんな素敵な場面もあった。
ある日。美術の授業中に絵を描きながら、主人公は居眠りをしてしまう。格好いい男子君としては、いつも浴びせられる「熱い視線」が途切れていることを不審に思い、主人公を視線で探す。そして机でスヤスヤと寝息を立てている主人公を発見する。その時。格好いい男子君が主人公を見つめる表情が、最高に素敵なのだ。優しく柔らかく愛らしさに溢れた澄み切った視線で、眠る主人公を虚心に見つめる男子君の、普段は出せない「純」で「素直」な部分。相手に面と向かっては表現出来ないやさしく素直な心も、寝顔に対してだったら表現できるのだ。

「悩まぬゲイ」を明るく描くのって、実はとっても政治的かつ能動的なメッセージなのかもしれないね。→FC2 同性愛Blog Ranking
「ダンシング・ボーイ」
(DANCING BOY)
2006/video/20min
監督:ぺ・ジヨン(BAE Ji-Yeong)
配給:韓国芸術綜合学校
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