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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-08
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韓国でセクシュアリティ&ジェンダーを描くインディペンデント映画急増中

 「王の男」の大ヒットには下地があった

 昨日紹介した韓国インディペンデント映画2006を見に行きパンフレットを買ったところ、驚くべきことが書いてありました。なんと昨今の韓国インディペンデント映画界では急激に、ゲイや性転換者などの登場するセクシュアリティに関する映画や、男女平等といったジェンダーに関する映画が増えているというのです。映画祭のプログラマーであるトニー・レインズさんの文章を一部抜粋して紹介します。(文中の「~」は中略です。)

 『韓国映画は以前にも増して驚くべき状況にある。今年、韓国では巨額の製作費を投じた数本の“ブロックバスター”作品が期待通りの観客動員を果たせずに終わった。その一方で、比較的スケールも小さければスター俳優も起用していない歴史劇、それも宮廷における男性同性愛絡みのスキャンダルを扱った作品が、韓国史上最高の興行成績を収めている。(←注: 「王の男」のことですね。)~韓国が性的な事柄やジェンダーの問題を表立って考える時代に突入し始めたのかもしれない。

~韓国のインディペンデント映画は、かつてないほど熱心かつ頻繁にセクシュアリティやジェンダーの問題に焦点を当て始めている。~(過去2年のプログラムでは)性転換者に関する先駆的なドキュメンタリーや、男女平等という問題を扱ったフェミニスト的な作品、そしてもちろん、韓国におけるゲイのアイデンティティ問題を描いた映画などが上映された。今年はそうした流れが勢いを増し、洪水となって流れ出している。

~1993年以前(軍事政権下)の韓国では、女性の権利はもとより同性愛や両性愛、トランス・ジェンダーなどの問題が語られたり論議されたりすることはほとんどなかったが、今やそうした問題を避けて通れない時代になっている。重ねて言わせていただくが、インディペンデント映画の製作はやはり時代をリードしているのである。』

「韓国インディペンデント映画」で過去に上映されたLGBT関連映画
(作品解説は公式サイトより)

2004年公式サイト
●キム・インシク監督「ロードムービー」
・・・肉体的苦痛と精神的な残酷さで、マッチョな男性性を文字通り「旅の終わり」へといざなう。株のブローカーをしている若い男が、市場の暴落で失敗し、酒に溺れた揚げ句ホームレスになってしまう。その男は、同じアルコール依存症の男に助けられ、旅に出る。彼を助けた男は、登山家だったが、自分がゲイだと知って妻と子供を捨て、酒を多量に飲んで自殺を図っていたのだった。

●イ=ソン・ヒイル「シュガー・ヒル」 
・・・韓国のゲイ解放運動の先駆けとなった作品。妻に自分の本当の欲望を告白していないゲイ男性の、破綻した結婚生活という実際の出来事に基づいた話を描く。

●チェ・ヒョンジョン監督「ビーイング・ノーマル」
・・・チェ・ヒョンジョンは、友達のJ(パク・ジュヨン)との途切れがちな関係を撮影し、この非凡な作品を作りあげた。Jは両性具有者で、やがて「完全な」男性になるために手術を受けることを決意する。彼らは最初、大学のルームメイトとして2000年に出会い、別々な道に進んだが、Jが「ノーマル」になるという、空しくも見える旅の記録を完成させるために再び出会う。
・・・2005年に関西QUEER FESTIVALでも上映

2005年公式サイト
●ファン・チョルミン監督 「スパイするカメラ」 
・・・蒸し暑い夏。二人の若い男が安宿の部屋に閉じこもっている。彼らはゲイなのか? ドストエフスキーの「罪と罰」は、一体何の関係があるのか? 隣りの部屋の娼婦は何を意味するのだろうか? 最大の謎とは、人間の心なのだ、という信念に基づいた謎ときスリラー。

●『カメリア・プロジェクト:ボギル島の三つのクィア・ストーリー』
チェ・ジンソン監督「キム・チュジャ」
ソ・ジュンムン監督「漂流する島」 
イ=ソン・ヒイル監督「ラ・トラヴィアータ」 
・・・ゲイであることをカミング・アウトした韓国初の映画作家、イ=ソン・ヒイルが計画したこのプロジェクトは、三人の監督が織りなすゲイ・ライフの逸話集だ。舞台となるのはいずれもリゾート地のボギル島。チェ・ジンソン監督の『キム・チュジャ』は、かつて恋人だった二人の偶然の出会いを、音楽にのせて描いたキャンプで幻想的な作品。ソ・ジュンムン監督の『漂流する島』は別れについての物語。そして、イ=ソン・ヒイル自身による『ラ・トラヴィアータ』では、若い未亡人が、死んだ夫のゲイの恋人を秘かに探るため、ボギル島を訪れる。

 どれもこれも面白そうで、こうした映画祭の機会でしか見られないことが非常に残念。レズビアン&ゲイ映画祭などでぜひ、韓国のこうした映画も紹介してほしいです。
 さて、今年はキム・キョンムク監督の「顔のないものたち」と、短編集:ストーリーズの中で上映されるぺ・ジヨン監督の「ダンシング・ボーイ」でゲイが描かれます。特に「顔のないものたち」の場合、受付に「18歳未満の入場をお断りします」と書いてありましたから、かなり描写が過激なようですよ。FC2 同性愛Blog Ranking
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セックスとジェンダー ~韓国インディペンデント映画2006開催中

 ゲイのサド・マゾヒズムを描いた作品等、
「性のタブー」を打破した作品群上映


 韓国の若手映画作家たちの作る映像に最近、セックスとジェンダーについて描きこんでいるものが多いそうです。そうした作品を集めた映画祭が現在、渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催されています。
公式サイト (25日まで)

 「ジェンダー」とくれば、LGBTにとっては興味深いテーマ。我々は日々、「性の社会的枠組み(=ジェンダー)」との関係において軋轢を感じているわけで、どうしても考えざるを得ないですからね。上映ラインナップを見ると、やはりゲイに関する作品を見つけました。キム・キョンムク監督の『顔のないものたち(FACELESS THINGS)』は、ジャン・ジュネ的な内容だそうで、かなり直裁的にゲイ男性のサドマゾヒズムを描いているそうです。監督は20代前半だそうで、なかなか刺激的で実験的な内容みたいです。

 他に、『短編集:ストーリーズ』で上映されるぺ・ジヨン監督『ダンシング・ボーイ』とキム・キヒョン監督『難しいお願い』は、自らの不安定な性と対峙できない若い男性を描いた作品。さらにイ・ジョンユン監督『外泊許可』は、兵役が韓国の男性に与える影響を描いているそうで、こちらもとても興味深い内容です。

 商業ベースに乗りにくいこうした作品こそ、社会を鋭く描き出している場合があるものです。その他の作品も「性」の問題をタブー視せずに描き出しているものばかりのようで、短編、長編、フィクション、ドキュメンタリー、アニメなど表現方法はさまざま。尖った表現に触れてみたい方はぜひ。
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