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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-08
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LGBT可視化に向けて016●STN学習会③ 見ない振りして受け入れない国は、ちっともフツーの国じゃない。

 「ホモフォビア」さえ知名度途上段階だけれども。

 前回の記事を書きながら思ったのですが、日本では「ホモフォビアによるいじめ」を語る以前に「ホモフォビア」という言葉自体が一般にはまったく浸透していませんから、まずはそこから始めなければならないという大きな違いがあるのですね。なにせ当事者である僕ですら、今年の5月に「Act Against Homophobia」の運動を尾辻さんたちが行ったことで、「僕が歪んで育った原因は、ホモフォビアって言うのか~」と認識するようになったほどですから(笑)。
「Act Against Homophobia」ブログ

 さらにそれ以前のことを言ってしまえば我々が「見える存在になる」ことすら、まだまだまだまだ途上段階。この記事のコメントにストレートのAnoukさんが書いてくれたように、触れると面倒そうなものに対しては『見ない振りして受け入れない』お国柄ですからね、日本って。そのことに気付いている者たちだけでも、そんな幼稚な段階からはさっさと卒業したいです。何に関しても。

 それを考えると、「いじめ」と「ホモフォビアによるいじめ」との違いについて真面目に討論され、対処法を教師たちが考え始めているイギリスが雲の上の存在にすら思えます(笑)。

 でも、いじめ問題こそ『見ない振り』をする精神性の是非』が問われるものでもあるわけで、ホモフォビアの問題もいずれ日本において、見過ごしているわけにはいかなくなる時が来るのではないかと思います。そのためにもまずは「見える存在になる」ことが、次の段階として必要なんでしょうね。

 では、今回はSTN学習会で配られた「ホモフォビアによるいじめに対する学校での取り組み」についての報告書から、僕の意識にひっかかった語句を抽出して紹介します。(報告書の作成は、細見由紀子さんです。)

ストーンウォール代表Ben Summarskillのスピーチ

「20年前はホモフォビアが問題化されていなかったが、LGBTの存在が見えるものとなってきている今日でも、ホモフォビアによるいじめはなくなるどころか状況は悪くなってきている。」

●いじめ全般とホモフォビアによるいじめの違い
両親からのサポートを非常に得にくい。
→カミングアウトしたことで家庭で拒絶され、多くのLGBTの若者がホームレスになっているというのが現実。
「見かけ」に基づいたいじめなので、実際にゲイ、レズビアンでなくても、そのように「思われる」だけでいじめの標的になる。
→ジェンダーのステレオタイプにあてはまらない振る舞いをする青少年が、ゲイ、レズビアンだとされいじめられることが多い。

国会議員Shahid Malikのスピーチ

「人々は常に偏見、差別を「当たり前」のこととしようとするが、差別を受ける側、目撃する側も見て見ぬふりをすることでこれを助長している。」

会議に参加した教師Olga Matthewsの発言

「人種差別的発言は、はっきりと認められないものとされるのと異なり、ホモフォビアによるいじめや悪口は「取るにたらないこと」とされ、また、いじめにあっている生徒をサポートするどころか、教師の偏見がさらにその生徒を追い込むことになるケースが多いと報告されている。」

ロンドン市長Ken Livingstonの発言内容

●ホモフォビアによる暴力、いじめは人種差別、女性差別、障害者差別と同じように、いかなる理由があっても認められるべきではなく、ロンドン市として学校内外でのホモフォビアと断固として戦ってゆく強い決意。

●人種差別がまだまだ黙認されていた30年前と今の状況の違いに触れ、セクシュアリティによる差別は未だ問題として認識されていないが、人種差別に対するキャンペーンと同じように、これからさまざまなセクターでそれぞれに対する批判の声をあげることで、状況は変えてゆける、変わるはずだとのポジティブなメッセージを伝えた。
(・・ロンドン市長は、公約としてロンドンの学校でのホモフォビアによるいじめに取り組むと名言しているそうです。)

ワークショップで発言された現場教師の声

「何かあった時には、ホモフォビアはよくないという「理論」を説くより、人に対するリスペクトという観点から指導して行くべきだと思う。」(中学校教員)

「同僚のスタッフの何人かは、ホモフォビアの問題、セクシュアリティのことについて聞かれたらどうしよう、何かあったらどう対応したらいいんだろうとびくびくしている。というのも、彼ら自身、自分たちがそういうことに対しての答えを持ちえていないからだ。」(中学校教員)

「学校でのホモフォビアの問題について考え始めたのは新しいことで、どう対処していいのかということについては正直まだまだ自分たちも分かっていないんだ。だから、教師も自信をなくしてしまう。どうしていいのかわからない、というのは今までに問題とされなかったことだからだ。実際はみんな適切な対処法とはどんなことかということについてのアドバイスを求めている。」(小学校教員)

 勉強会、これからも出るぞ~。

 このように現場での生々しい思いが語られ、具体的な改善方法が建設的に論議される場があるってすごいことですよね。こういう国が実際にあるんだということを知るだけでも、「あ、出来ないことではないんだな~。日本でもいつか出来るはずだ。」という感覚を持つことが出来ました。

 長い目で見ればきっと、それだけでもすごく大きなこと。資料をもらうだけでも刺激されますし、こうした情報を得ようと真面目に取り組んでいる仲間がたくさんいる光景を目の当たりにするだけでも、とても刺激になりました。今後もこういう機会があったら、積極的に出てみようと思います~。

 次回は尾辻かな子さんの海外視察報告をご紹介。FC2 同性愛Blog Ranking
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