LGBT可視化に向けて013●「パレード見学ゲイ」の現場報告

これは中止になるかも。そう思わされるほどの激しい雷雨がパレード一時間前の東京を襲いました。僕は自転車で代々木公園まで行こうとしていたのですが、さすがにGパンがびしょぬれになって寒くなってきたので電車に乗ることにしました。山手線が落雷で止まった影響をかろうじて受けずに済み、なんとか現地に着きました。
NHKホールの裏にある野外ステージ前の広場には、いくつものテントが設けてありグッズが売られています。レインボーカラーがなければ何処かの町内会のお祭りか文化祭であるかのような雰囲気。思ったより人が少ないのは何故だろうと思いましたが、それもそのはず。すでにパレードが始まる直前であり、参加者たちは整列していたのでした。
出発を待つ参加者たちを横目に最後尾から辿って歩いてみたのですが・・・いるわいるわたくさんいる、LGBTの仲間がたくさんいる(笑)。派手な衣装で着飾ったりBODYを露出して気合十分な人もいれば普段着の人もいて、そのバラバラさ加減がパレードのゆるやかで大らかな体制を物語っています。並んでいる人々はそわそわしていて、これからはじまるパレードに胸を高鳴らせています。僕は早くもこの時点で、行進することを選ばなかったことを後悔していたのでした(早っ!)。

車道に出てからは警察の交通整理に従ってパレードは進むのですが、渋谷はやたらと交差点が多いので信号が変わる度に立ち往生。すなわち、非常にゆったりのんびり穏やかなペースでパレードは進むのです。


パレードがあることを知らずに偶然出くわした通行人たちの反応も注意深く見てみたのですが、特に強い拒否反応を示す姿は見かけられませんでした。大抵の場合、最初は「なんだろうあの大音響と共にやってくる集団は?」という興味で集まって来るのですが、ゲイやレズビアンらのパレードだとわかった時点で、まず「笑う」人が多いみたいですね。男性の中には「嘲笑」じみた笑いを浮かべる人もいましたが、まぁ、それはよくありがちな反応。女の子の場合は「わぁぁ・・・」と条件反射的に出てくる笑いという感じで悪意がこもったものではないようです。



今回、僕は「観察者」を気取ってはみたものの、やはり「ゲイ」の当事者。パレードの現場に今年はじめて足を運んでみて、理屈を超えた部分で自分の内面に、心の底から湧き上がる言い知れぬ感動のようなものがありました。そして、こんな一体感とかファミリー感覚を他人と感じ合えるのは「ゲイだからこそ」の特権かもしれないな、と思いました。ふだん押し込めているいろんなものを遠慮なく「バーっと」開放できる時空間を持つ喜び。それが強いからこそ、まるで子どものように無邪気で無垢な表情で皆が楽しんでいるんだと思います。見ず知らずの人同士なのに「LGBT同士」であるというだけで、言葉にしなくても分かり合えるものがある。それが強く実感できる「お祭り」のようなものなのかもしれないですね、パレードって。

ただ、パレードで行進するにあたっては注意すべきこともあると思います。

現代はネット上にそれらがどのような形で出回るかわかりません。だから、そうした覚悟を決めた上で参加することが必要なのだということも知りました。そういった点では、今年の僕には「行進への参加」は、まだ早かったのではないかと思います。
来年こそはもう少し腹をくくって、細かいことを気にしないで参加できるように、自分や周囲の環境が変化できるといいなと思います。→FC2 同性愛Blog Ranking

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