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2006-06
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ペドロ・アルモドバル「欲望の法則」●MOVIEレビュー

 この失敗が
 「バッド・エデュケーション」に繋がった


 1986年、ペドロ・アルモドバル監督36歳の時の作品。いろんな意味で、のちに制作されたゲイ映画「バッド・エデュケーション」に通じるエッセンスが多く含まれてはいるものの、映画表現としての未熟な面ばかりが目に付いてしまう、かなり凡庸な作品だった。

 アルモドバル監督の模索時代

 音楽やファッション、登場人物の髪型が80年代特有の「ドン臭さ」で満載なのは当たり前としても、映画のスタイル自体が洗練とは程遠いのはちょっと酷い。あの「アルモドバル調」とでも言うべき独特のクールなセンスは、この時期には全くもって確立されておらず、彼の映画だという期待を持って観ると拍子抜けしてしまう。大監督にも試行錯誤の時代はある。こうした失敗を重ねてきたから今があるのだ。「アルモドバル・マニア」にとっては、「彼にもこういう時期があったんだなぁ~」という発見の喜びと、人間的な親しみをもたらしてくれる映画だと言うことは出来るだろう。

 ゲイ特有のナルシスト表現

 それにしても彼はやっぱり根っからのゲイなんだなぁ~と思う(笑)。男性の裸体や男同士のベッド・シーンの描写にかける情熱は、並々ならぬものがある。そして、それをいかに美しく崇高なものとして描き出すかに情熱を傾けたことが伝わってくる。ゲイである監督がゲイをテーマにした映画を作ると、そうした「ゲイ的ナルシスト表現」に走りがちだ。それって正直、暑苦しい。この映画を観ると、その恥ずかしさがよくわかる。

 僕は自分がゲイなのにも関わらず、この映画の押し付けがましさには引いてしまった。当事者でなかったならば更に強く引くことだろう。なぜなら、全体的にことさらに「ゲイの悲劇」が強調されすぎているし、演出もやたらと粘着質でリアリズムに徹しすぎている。ユーモアセンスの欠片もないから、映画が重くて仕方がないのだ。

 公開当時はこの映画、公開されるということだけでも事件だったのかもしれない。それなりに社会に一石を投じたのかもしれない。しかし現在の視点から見ると「ありがちなゲイ映画」という印象からは脱却できない。こういう描写でカタルシスに浸ることが出来るのは当事者だけ。つまり外の世界に広がりを持ち得ないゲイ映画なのだ。

 失敗作は、未来へのステップ

 ゲイ映画はやっぱり「悲劇性の強調」だけではつまらない。その先にどう飛躍し広がりを持った普遍性を獲得できるか。こうした物語映画の場合、特にそのことを意識的に追求するべきだろう。そのためにはユーモア精神も必要だろうし、監督自身が作品への一定の「距離」を取ることが必要だ。この映画ではそこが致命的に欠けている。

 そしてこの映画、登場人物の設定が「バッド・エデュケーション」と非常に似通っているところが見逃せない。主人公はゲイの売れっ子映画監督であるところが同じ。そして、主要な登場人物として、男性から女性への性転換者が出てくるところも同じ。しかもその性転換者は幼い頃に、教会で神父から辱めを受けた過去があり、成長するにつれ自分が男であることに違和感を覚えるようになったという設定まで同じなのだ。・・・これはいくらなんでも似すぎだろう(笑)。

 この映画ではエンドロールの後に、こんなメッセージが言葉として添えられている。

「この映画を見てくださった皆さんに、ごあいさつを送ります。ありがとうございました。いつの日かまた、同じ趣味の物語をお届けできると思います。」

・・・出来が悪かったことへの言い訳か?な~んて思ってしまった(笑)。ただ、それはきっと、その後の数々のゲイ映画の充実振りを知っている今の感覚だからこそ言えることであって、80年代のエイズ騒動でゲイ・バッシングが激しかった時代においては、センセーショナルで攻撃的な映画だったのかもしれない。そういう目で見れば評価できる。

 とにかくアルモドバル監督の「ゲイとしての表現初期衝動」に満ちたナルシスト映画であると同時に、「こんなゲイ映画しか残せなかったのだとしたら死んでも死に切れない」と監督を奮い立たせ、その後「バッド・エデュケーション」を誕生させる原動力となった映画だということは、ほぼ間違いなく言えるだろう。

「欲望の法則」1987年スペイン
(La Ley Del Deseo/The Law of Desire)
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:エウセビオ・ポンセーラ、
カルメン・マウラ、
アントニオ・バンデラス ほか
こちらに映画のイメージ画像あり

ペドロ・アルモドバル・セレクション DVD-BOX・・・「欲望の法則」収録

☆新宿TSUTAYAのペドロ・アルモドバル・コーナーには、この作品のビデオがレンタルされてますよ。(ラッキ~♪)

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カリスマ


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悪口を聞く人が
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皆が彼の前でだけ
聞いているふりをしていることを
彼の前でだけ
作り笑いをしてあげていることを
彼は知らない
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自己保身のためならば
いくらでも演じることができる生き物だということを

悪口を言うことで
人心を掌握できると思っている人は
さらにその裏で
自分がなにを言われているのか
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誰も彼に忠告しないから
皆そんなに
「お人好し」じゃないから

自分で自分をカリスマだと思い始めたら気をつけよう

かなり
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周りから

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自分の思いが思うように
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どうして自らの非ではないのに
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