ウォンビン兵役報道に思う004●ウォン・ビン除隊おめでとう!

韓国の俳優ウォンビン(元彬/実名:キム・ドジン)さんが韓国軍から除隊されました。軍務による膝十字じん帯断裂の悪化が原因です。
昨年11月に韓国の軍隊に入隊し、南北軍事境界線付近の警備にあたっていたウォンビンですが、入隊前から悪くしていた膝十字じん帯を損傷してしまい、4月の初めにソウル・江南(カンナム)の病院で手術を受けていました。その後、10日間の休暇を申請しソウルの自宅で過ごし、再び軍に戻り国軍春川病院でリハビリ治療を受けていたようです。
スターへの重圧という残酷
彼が「除隊」するほどまでに怪我を悪化させてしまった原因は、スターとして注目されることの重圧を引き受け、無理をしてしまったことにあるようです。
さらに痛々しいことに、松葉杖なしには動けない状態であるにもかかわらず本人は、手術後も継続服務を希望してもいたようです。ウォン・ビンの所属事務所ドリームイーストオンのオ・ギョンハ理事は、先月ウォン・ビンの膝の手術後に「軍に入隊する前から膝の状態が良くなかったが、ウォン・ビンが兵役逃れと誤解されることを恐れ軍入隊した」と強調した。
→ innolife.net - 2006年5月30日
最後まで現役で残りの服務を終えたいとして、早期除隊を断っている。軍関係者は「転役審査を控えているが、事実上5級免除判定されるのは確かだ。所属部隊から既にこのような事実を伝えたが、本人が現部隊で継続して服務したいという意志が強いと明らかにしている」と言った。
→ innolife.net - 2006年5月30日

ウォンビンの入院が報じられてからというもの、韓国のマスコミでは報道合戦が繰り広げられたようです。半年前には「英雄報道」を盛り上げたわけですから、こうした事態の成り行きは、韓国社会にとっても衝撃的な出来事だったのでしょう。一部では怪我の「疑惑説」も流れたようです。記者と軍当局との、次のようなやりとりを報道したメディアもありました。
ウォンビンは当初から、スターだからという理由で特別扱いされることを固辞して自ら前線への配置を希望したとされ、多くの韓国マスコミの称賛を浴びました。そうした「英雄報道」に本人の意志がどれだけ反映されていたのかはわかりませんが、相当に大きな心理的重圧が彼を襲っていたことがわかります。- 入隊の前から膝が悪かったと言うが、どうやって南北軍事境界線付近の警備にあたっていたのか。イメージアップのためのパフォーマンスでは、との噂もあるが。
◆入隊前の兵務庁による身体検査では、靭帯の問題までは確認できない。本人が芸能兵ではなく一般兵を志願した。前線部隊に行っても、ローテーションで勤務することになるので、南北軍事境界線付近の警備にあたったり、他の場所で勤務したりしていた。→ライブドア・ニュース - 2006年6月2日
リハビリには相当な期間が必要とされるようであり、除隊後の芸能活動もまだ未定。29歳の前途洋々たる真面目な若者に、ここまで無理をさせてしまう韓国軍というシステム。「男だから」という理由で入隊を義務付けられることの心理的プレッシャーは、大変なものだと思います。「男女性別二元論」の基礎の上に成り立ったこのシステムは、性的マイノリティーたちにとっても厳しい現実を突きつけ続けています。

とりあえず、僕は今回の除隊のニュースを聞いて「本当に良かったね」と思いました。半年間の不条理な重圧から解放されたウォンビンさんには、しばらくは一個人として、肉体的にも精神的にも休養して欲しいです。彼は「スター」である前に、キム・ドジンという29歳の若者なのですから。そして、また才能溢れる演技と美貌で我々を楽しませて欲しいです。
よしっ、この機会に映画「ブラザー・フッド」を見るぞ~。→FC2 同性愛Blog Ranking
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