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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-05
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LGBT可視化に向けて007●尾辻かな子さん講演会「虹色の社会をめざして」聴講記② 表現者

 時代の変化を感じた挙手

 講演ではまず「性的マイノリティに関する基礎知識」の説明がありました。スクリーンにテキストを映しながら様々な用語の説明が行なわれます。

 正直、当事者である僕としても、これまでの人生で何処かで教えられたわけではないので、わかっていない部分もたくさんあります。僕らは自分たちのことを、独学で学ばなければならないのです。

 よし。この際だからしっかり聴いておかなくっちゃとメモを取りまくりました。自分が本当に関心のあることだから、学ぶことが「楽しい」と思えます。

 「身近な人に、LGBTであることをカミングアウトされた人、どの位いらっしゃいますか?」

 尾辻さんが会場に向かって質問しました。これはなかなか興味深い質問。僕は自分が手を挙げるのをすっかり忘れて会場を見回しました。
 するとどうでしょう。なんと約半数の人が手を挙げているではありませんか。いや、もっといたかもしれません。一斉にたくさん挙げられた手の数を見て、尾辻さんも一瞬ひるんだ様子でした。
「おっ、けっこういらっしゃるんですね。すごい。」
 声が弾んでいました。

 この講演会はLGBT問題に関心のある人や、LGBT当事者もかなり集まっていたようなので比率が高いのはある意味当然なのですが、会場の大半を埋め尽くした国際基督教大学の学生達も、かなりたくさん手を挙げていたのには驚きました。この大学では普段から活発なサークル活動や講義が行なわれているようですし、恐らくオープンに振る舞っている学生がキャンパス内に何人もいるのでしょう。僕は、自分が大学生だった10年前には考えられなかったその光景に驚くと同時に、心の底から嬉しさが込み上げて来るのを感じました。すごいぞICU!時代は変わって来てるんだ!

 同世代としての共感

 実は・・・尾辻かな子さんと僕、同世代なんです。彼女の講演で語られた「ライフヒストリー」を聴いていたら、なにかと時代的な共通点が多く親近感を抱きました。

 尾辻さんも講演で発言していたように、僕らが大学生の頃はインターネットは普及していませんでした。パソコンですら、やっと普及し始めた頃。ノートパソコンが出始めた頃かも(笑)。「これからはパソコンを使えなきゃ駄目だ」ということで大学の授業で「ワープロ」を「一太郎」で習っていた記憶があります。(その頃は「Word」よりも普及してたんですね~。笑)。しかもクラスのほとんどの人たちが「パソコン初心者」であり、皆でひぃひぃ言いながら苦労してキーボードを叩いていたことを憶えています。

 その時代と今とでは、同性愛者を取り巻く精神環境もかなり変化しています。現在では同性愛者は、その気になれば簡単に「自分と同じ仲間がいる」ことを知ることが出来ますし、ブログやmixiを通して交流も計れます。きっと今では小学生や中学生でも思春期に「自分が同性を好きになった」ことに気付いたとき、それがどういうことなのか、親に相談できなくてもネットから情報を得ることが出来るのでしょう。家族や友人とは分かり合えなくても、ネット上の精神的な家族の一員になることは出来ます。そう考えてみるとこの10年の情報環境の変化は革命的です。

 ネットに親しむことが出来ない思春期を過ごした「最後の世代」である尾辻さんや僕は、同性愛者であることに最初に気付いた時、そんな自分をどう処理していいのかわからず、一人で抱え込んでしまって強烈に鬱屈した最後の世代と言うことも出来るのかもしれません。
 もちろん今でも「周囲の人に対して言いにくい」状態に悩み、同じように鬱屈する小・中学生はたくさんいるでしょう。しかし少なくともネットを見れば「同じような人たちがいる」という精神的な安息を得ることは出来ますし、ゲイ雑誌や同性愛絡みの書籍をネットで購入することも出来ます。

 僕がなにを言いたいのかというと、「尾辻かな子」という政治家が誕生した背景には、そうした時代環境の中で強烈に鬱屈した思いが、確実に原動力になっているだろうということです。もし彼女が「ネット普及後」に思春期を過ごしたのだとしたら、ここまでパワフルにエネルギッシュに活動する政治家になることは、なかったのかもしれません。彼女はいわば、僕らの世代の落とし子。同じ時代を同性愛者として生きてきた僕には、彼女の根源にあるものが、自分と似たような感覚として理解できるんです。

 彼女を動かすエネルギー

 彼女の根源にあるのはきっと「怒り」なんです。不当に鬱屈せざるを得なかった過去の自分を取り巻いた社会環境に対しての怒り。そして、その怒りの炎を前向きなエネルギーに変え、彼女は政治家と言う道を選択したのです。

 彼女が面白い発言をしました。

「私は政治家になるために政治家になったのではなく、世の中を変えたいから政治家になったのです。」

 いい言葉だと思いました。多くの政治家は、自分の中に切実な炎を抱えることもなく、世の中に訴えたいことも大して無いまま、有権者の顔色を窺ってコロコロと政策を変える「ポリシーのない人たち」です。「自分が何をしたいのか」よりも「票になるのかどうか」を優先させて動く政治家の、なんと多いことか。特に、かなりの割合で存在する「世襲議員」の行動を見ていると「政治家になるために政治家になった」かのような印象を持ちます。そんな政界において、彼女のような人は本当に貴重です。彼女のような人こそ、真の政治家として存在しなければならないと思います。まだLGBTの法的権利が整っていない現代においては特に。

 「怒り」というのは、人が何かを表現をしたり、行動をする際にエネルギーとなる原動力。表現者というのは必ず、胸の内に「怒りの炎」を隠し持っているものです。

 「尾辻かな子」は政治家であるのと同時に表現者であり、本物の魂を持っている。
 僕はそのことを発見した時に、ものすごく嬉しかった。そして、同じLGBTの中からこういう人が出てきたのだという嬉しさで全身にゾクゾクするものを感じながら、その後の講演を聴き続けました。彼女の飾らない語り口に、自然と引き込まれながら。 FC2 同性愛Blog Ranking


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モスクワでのLGBTパレード不許可。ネオナチ・グループと衝突し、警官隊に鎮圧される

       


「2006年5月27日、モスクワで初めての同性愛者らによるパレードが行われる予定でしたが、宗教団体、極右団体、そして警察当局からも攻撃を受けました。警察は約120人を拘束したそうで、怪我人も出ています。人権を求める平和なパレードを暴力で潰したことは、重大な人権侵害です。モスクワ・プライドを守るために、日本からもアクションを起こしましょう! 」

尾辻かな子活動日記「モスクワの事件を、多くの人に知らせてください」より


驚きました。
 ロシア連邦の首都、モスクワではLGBTはパレードすら出来ないようなのです。5/27はロシアのLGBTたちにとって、1993年に反同性愛法の廃止された記念すべき日。それを記念し、さらなる権利擁護を訴えるためのパレード「モスクワ・プライド」が昨年の8月に構想されました。
→●ロシアの同性愛者 初のプライド開催を計画 (GAY JAPAN NEWS 2005/8/8)

活動家らは
 デモの許可をモスクワ市に申請していたのですが、モスクワ市長ユーリ・ルシコフ氏や教会関係者、極右政党などがパレードの中止を求める声明を発表。果たしてモスクワ市当局が申請を許可するのかどうかに注目が集まっていました。
→●モスクワ・ゲイ・プライド・パレード、中止か?開催か?(GAY JAPAN NEWS 2006/3/18)

最近モスクワでは
 LGBTへの攻撃が一段と激しくなり、モスクワのクラブで行われたゲイイベントには「スキンヘッド」の人達やロシア正教会信者ら150人以上の同性愛反対派がつめかけて妨害、機動隊が出動する騒ぎも起こっています。
→●モスクワ LGBT集会を同性愛反対派が妨害(GAY JAPAN NEWS 2006/5/16)

一方では
 国際人権監視・擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが、5月17日の国際反ホモフォビアの日を記念してゲイ・コミュニティに対して差別的な公人のリストである“恥の殿堂”を公表。LGBTに対して強硬な攻撃姿勢を取るモスクワ市長を名指しで批判しました。
→●モスクワ市長、ナイジェリア大統領ら5人が“恥の殿堂“入り(GAY JAPAN NEWS2006/5/26)

さあ当日。
 モスクワ市当局からの許可は下りませんでした。しかし市の中心部には約200人のLGBTや、パレードの賛同者たちが集まったようです。彼らのデモを阻止しようと警官隊による警備も行われ、そこにはネオナチ・グループの姿もあったそうです。
 LGBTの一部の人々が、第二次大戦の戦死者を顕彰する「無名戦士の墓」(クレムリン脇)に花束をささげようと移動しました。すると周囲にいたネオナチ・グループとの小競り合いが始まり、広場の周囲に配置されていた警官隊が、LGBT関係者を拘束する事態になったようです。けが人も出たようですし、主催者のニコライ・アレクセイ氏が逮捕されたようです。
→●同性愛者ら120人拘束 モスクワ中心でデモ強行(東京新聞Web  2006/5/28)
→●Clashes in Moscow over banned gay parade
  (Euro News 2006/5/27→動画。「Video」を押すと再生)
→●ロシア政府に強く抗議します(尾辻かな子活動日記 2006/05/28)
→●【緊急】モスクワのパレードが潰されました(Act Against Homophobia 2005/05/28)

ここからはあくまでも僕の推測ですが・・・
 ネオナチ・グループと警官隊は「同じような主張」を持っている立場。もしかして彼らが「繋がっていた」のではないかと思わされるような出来事ではありませんか。LGBT活動家たちは「デモ」をしようとしたわけではなく「移動」しただけであり、違法行為を行ったわけではないようなのです。ひょっとするとネオナチ・グループに挑発されてしまったのかもしれません。公権力が「反対勢力」を抑え込む際に、このような「暴力的な集団」を動員することは、洋の東西を問わずよく行われてきたことでもありますし。(あくまでも推測ですよ。)

ちなみに「無名戦士の墓」 は、
 「反ファシスト」を記念するという意味合いも持っている場所のようです。
→●Police and protesters break up Moscow gay parade
  (REUTERS 2006/5/27。Yahoo!翻訳付き。)

この事件を報じている日本の大手マスメディアは、
 今のところ共同通信の配信を受けた東京新聞しかないようです。日本のマスコミにおいてはまだまだ、LGBT関連のニュースは「情報価値が低い」と見做されているようです。こういう時に痛感させられます。

尾辻かな子さんのブログで、
 僕はこの事実を知りました。彼女が、つい先日出席してきた「ILGA(国際レズビアン&ゲイ連盟)世界会議」 で同席した活動家たちも、暴力を振るわれて怪我を負ってしまったようです。顔から血を流している姿が報道されたドイツ緑の党の国会議員Volker Beckさんは、国際会議で尾辻さんと一緒にパネルディスカッションをした人だそうです。
→●Gay rights rally in Moscow ends violently(CBC NEWS  2006/5/27。Yahoo!翻訳付き)

この事件に関して、
 尾辻さんが発している言葉を紹介させていただきます。

「みんなでまちを歩くことすら許さないロシア政府の姿勢は間違っています。
先進国首脳会議に参加している国がこのような表現の場すら奪っていることに強い憤りを感じます。
この拘束された中には、私が先日の国際会議で出会った人たちも含まれています。安否が気遣われます。
来週には、大阪にあるロシア領事館に申し入れ書を持っていこうと思います。」
ロシア政府に強く抗議します (尾辻かな子活動日記  2006/5/28)
★大阪ロシア領事館へのメッセージ募集中→otsuji_office@osaka.nifty.jp


 国際会議に出席した活動家たちの姿を、僕は先日のaktaの「IDAHOナイト」 でビデオで見ることが出来ました。カメラに向かって楽しげに語りかけていたあの人たちの、リラックスした無邪気な笑顔の裏では、こんな厳しい現実が待っている場合がある。そう思うと僕も「他人事」とは思えなかったので、とりあえず今の僕に出来ることとして、この記事を作成しました。

 日本のマス・メディアは情報の価値を「市場原理で」決めますから、まだ可視化の進んでいないLGBTのニュースをなかなか伝えてくれません。我々が情報を共有するには、こうした小さなメディアが重要な役割を果たします。もしこの記事を見て「多くの人に知らせたい」と思われましたら、尾辻さんのブログやこの記事や、関連Webサイトへのリンクを、よろしくお願いします。こうしたニュースが「知られる」ことが、まずは大事なことだと思います。FC2 同性愛Blog Ranking

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