たかがテレビ019●「愛を語ろうニューハーフ禁断の恋男性に告白(秘)本気のガチンコ勝負」って、なんぞや?

今夜0:50~日本テレビ系列の深夜番組「Gの嵐!」に「ニューハーフ」が出演するそうです。●番組公式サイトはこちら。(地方によって放送日時が違います)
・・・っていうか、ニューハーフっていう言葉自体、久しぶりに聞きました。どういう時に使われるんだっけと思ってネット検索してみたら、Hatena Diaryではこのように定義されています。
どっちみち、最近はあまり使われていないような気が・・・(僕だけの気のせい?。笑)「女装した男性や、男性から女性に性転換した人を指す。その中でも、接客業(ホステス)、性風俗産業、ショービジネス等に従事している人達に用いられることが多い。これは和製英語で、男性と女性の「ハーフ」の意。元は松原留美子(MtF/TGの女優)に対してマスコミが名付けた呼称。」
この番組は見たことないんですけど、ジャニーズの嵐が出演していて、いろんな人の恋路を応援するらしい。今夜はどうやら「ニューハーフ」が出演し、「男性」に告白することを応援する企画らしいです(そんな無謀な・・・笑)。興味のある方はぜひどうぞ。僕は録画しますので、感想の掲載は数日後になりま~す。→FC2 同性愛Blog Ranking
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トニー・ガトリフ「愛より強い旅」●MOVIEレビュー

パリでの都会生活に安住することが出来ず、飛び出すように旅に出た若い男女のカップル。それぞれに捨ててしまいたい過去がある。これから見据えようとする未来がある。だからこそ、旅に出る。
旅というのは日常のしがらみから解放され、裸の心で全てと向き合える至福の時。しかし本当の旅は至福のままでいられるほど生易しいものではない。新たな文化や、新たな人々と本当に出会ってしまった時、裸の自分に直接突き刺さってくるさまざまな棘。ぱっくりと口を開ける傷。そのマゾヒスティクな快感。
時に反発し、時に共感もし、時には投げやりになり、時には狂いもする直情垂れ流しの濃密な瞬間の積み重ね。濃密に飽きたら怠惰にもなれる。自分で自分の時間をコントロールできる旅とは、なんと自由で甘美で厳しいものなんだろう。
流行りの「パック・ツアー」でパックされたままの旅では味わえない、危険と隣り合わせの旅。不安もある。先が見えない不安定な状態が日常になる。だからこそ、乗り越えられたときには自らの生命力を発見し、強さを発見できる。本当の意味での自信が獲得できるのだ。
滑らかに生きるより、ザラザラと尖ったままで生きようよ。そんなロック魂にあふれた映画である。
トランスしてみたっていいじゃない
奔放な性。
旅路のあちこちで主人公の女性は、男に対して開けっぴろげに性的な欲求をする。品がないだとか、女らしくないだとかいうプレッシャーでがんじがらめの、堅苦しい都会生活で封じ込められていた欲望が解放され、爆発しまくっている。そんな野性的な姿はものすごく可愛らしくて人間っぽい。いいじゃない、つまらないプライドや、つまらない枠組みなんか捨てて、そのまんまの自分で大声あげて泣き叫んだって。それを受けとめてあげる男の寛容さがまた、たまらなくセクシー。
旅の終着地では異質な文化に適応できず、ふさぎ込んでしまう彼女。しかし、ある酒場で民族音楽に誘われて踊ってみたらさあ大変。みるみるうちにハイ・テンションになりやがてはトランス状態に。毒がどんどん発散し、そこらに散らばり消えて行く。観てるこちらにも彼女のトランスが転移してきて吸い込まれるかのような感覚。これぞ映画的マジックであり音楽の魅惑。ハッと我に返った僕は、映画館でただ座ってそれを見ているだけの自分に気が付いた。つまんね~。今すぐにでも全てを投げ打って旅に出てしまいたい。マジでそう思ってしまったかなりキケンな映画。→FC2 同性愛Blog Ranking

2004/フランス
第57回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞受賞
監督:トニー・ガトリフ
出演:ロマン・デュリス、ルブナ・アザバル、レイラ・マクルフ
●「愛より強い旅 サウンド・トラック」
●トニー・ガトリフ監督フィルモグラフィー
ジョシュア・マーストン「そして、ひと粒のひかり」●MOVIEレビュー

大きなブドウのような粒にして飲み込み、胃の中に何十個も貯めて飛行機に乗り、アメリカに持ち込んで大金を得る。17歳のコロンビアの女の子が何となく手を出してしまった「大金を得る方法」。日常から非日常への魅惑に誘われるまま、いつのまにか様々なトラブルに巻き込まれながら逞しく乗り越えて行く若い彼女の心情に、ずっと寄り添い続ける物語。
か細くて、折れそうな体型のモデルのように美しい女の子が、麻薬を何十個も必死に飲み込む姿が壮絶かつドラマティック。彼女が逃げ出したかったコロンビアの田舎町での浮かない日常。大金を得ればすべてが変わる。自由が手に出来る。
そんなに「アメリカ」はまぶしいのか。
コロンビアでは、彼女のような商売に手を出す人のことを「ミュール(麻薬の運び屋)」と呼ぶそうだ。近年、社会問題化しているらしい。それにしたって、こんなにも日常の中に犯罪組織からの誘惑が忍び寄り「一般化」しているのだろうか。そして、そんなにまでして「自由の国」アメリカに憧れてしまうものなのだろうか。

自分の国の文化に誇りが持てず、一見きらびやかで豊かに見える「アメリカ」というイメージに囚われてしまうことこそ実は不条理。なんで我々はこんな風になってしまったのか。世界中どこも同じじゃないか。
その環境にはその環境なりの「幸せ」があって「不幸」もある。「アメリカ」とは所詮、経済至上主義が作り出す幻想に過ぎず、実体などない。そもそも「幸せ」には実体などないのだ。
そのことに気付いた時、絶望するのか希望を持つのか。なにを自分の「幸せ」だと思うのか。
犯罪に手を染めながら結果的に彼女は「旅」をしたのだった。そのことを否定も肯定もせずに、見つめる。一人の女の子のオリジナルな人生の軌跡として。→FC2 同性愛Blog Ranking

(MARIA FULL OF GRACE)
2004年 アメリカ=コロンビア
監督:ジョシュア・マーストン
出演:カタリーナ・サンディノ・モレノ 、イェニー・パオラ・ベガ 、
ギリエド・ロペス 、ホン・アレックス・トロ 、パトリシア・ラエ
●「そして、ひと粒のひかり」DVD
●ジュシュア・マーストン著「そして、ひと粒のひかり」