たかがテレビ017●「性転換」「オカマ」という言葉を、ただの客寄せに使う無神経
主張
「“プリズンガール”アメリカ女子刑務所22ケ月・懲役57年アフリカギャング・斧で5人頭を割った白人女性転換のオカマ・1300人の凶悪犯と過した日本の女の子の獄中記」のキャンペーン手法に抗議します。
4/18(火)に放送された日本テレビのDRAMA COMPLEXですが、安倍なつみさんの演技は良かったものの、そのPR手法や放送の仕方については、甚だ疑問を感じざるを得ない部分がたくさんありました。まずはそのPRについて。
前回当ブログでは 「斧で5人頭を割った白人女性転換のオカマってなんぞや?」という記事を掲載したのですが、正確には「斧で5人頭を割った白人女」と「性転換のオカマ」の間に区切りがあったようで、別々の人物を示す言葉だったようです。
当日の新聞のテレビ欄を見たところ、その部分で改行されていました。僕が放送当日にこのサブタイトルを見かけたのは、ネット上の番組表「ON TV JAPAN」であり、新聞とは違う体裁で掲載されていたために改行もされず「、」で区切られてもいなかったので「一続き」なのかと誤解してしまいました。当ブログの読者の皆さんにも誤解を招き、失礼いたしました。
「性転換のオカマ」はドラマに登場せず
それにしても不思議なことに、放送されたドラマの中には該当する人物の描写がありませんでした。受刑者たちの一部が女性同士の同性愛関係にあることを描く場面があり、体格の大きな女性が主人公に力づくで迫ってくる表現はあったのですが、テロップにも台詞にも「性転換のオカマ」すなわち「男性としての肉体を持って生まれたが、自らの意志で女性に性転換した人物」の描写は出てこなかったのです。
このドラマは実体験を元にした原作本が出版されていますので、その中にはそうした人物の描写があるのかもしれません。しかしドラマの中で「性転換者」としては描かないにも関わらずテレビ欄に表記するという事は、明らかに「性転換のオカマ」という言葉を使うことで好奇心を煽り、視聴率に結び付けようとする思惑が存在していたことを示しています。これはかなり「悪質な事例」として記憶に留めておくべきことだと思いました。
朝日新聞では「2メートルの元オトコ」と記述
また、4/18(火)の各新聞テレビ欄を見返してみたところ、興味深い事実が判明しました。毎日・読売・産経・日経新聞ではすべて、僕が見たネットでのサブタイトルと同じように「性転換のオカマ」で掲載されていたのですが、朝日新聞のみ、同じ箇所が「2メートルの元オトコ」という表記になっていたのです。
日本テレビからのリリースを朝日新聞側の判断で変更したのか、それとも朝日新聞のみには別のリリースを日本テレビが発したのか。その辺は定かではありませんが、他の新聞社が総じて「性転換のオカマ」という同じ記述を採用しているにも関わらず朝日新聞だけがなぜ違うのか、とても気になりました。
どっちみち「性転換のオカマ」「2メートルの元オトコ」にしても、肝心のドラマにおいて「描かれていなかった」という事実には変わりがありません。にも関わらずこうした記述を目立つ形で平気で行い、ドラマの中でもしょっちゅう「凶悪犯罪者の悪業を示すテロップ」を表示してCM前の「繋ぎ」にし、賑々しい音楽と共に強引に感情を煽り立てる演出手法のあざとさには辟易しました。
この番組については次回、「レズビアン描写」や「凶悪犯描写」「えせヒューマニズムのもたらす危険」の観点から検証してみようと思います。→FC2 同性愛Blog Ranking
●有村朋美「プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月」 (ポプラ社)
「“プリズンガール”アメリカ女子刑務所22ケ月・懲役57年アフリカギャング・斧で5人頭を割った白人女性転換のオカマ・1300人の凶悪犯と過した日本の女の子の獄中記」のキャンペーン手法に抗議します。

前回当ブログでは 「斧で5人頭を割った白人女性転換のオカマってなんぞや?」という記事を掲載したのですが、正確には「斧で5人頭を割った白人女」と「性転換のオカマ」の間に区切りがあったようで、別々の人物を示す言葉だったようです。
当日の新聞のテレビ欄を見たところ、その部分で改行されていました。僕が放送当日にこのサブタイトルを見かけたのは、ネット上の番組表「ON TV JAPAN」であり、新聞とは違う体裁で掲載されていたために改行もされず「、」で区切られてもいなかったので「一続き」なのかと誤解してしまいました。当ブログの読者の皆さんにも誤解を招き、失礼いたしました。
「性転換のオカマ」はドラマに登場せず
それにしても不思議なことに、放送されたドラマの中には該当する人物の描写がありませんでした。受刑者たちの一部が女性同士の同性愛関係にあることを描く場面があり、体格の大きな女性が主人公に力づくで迫ってくる表現はあったのですが、テロップにも台詞にも「性転換のオカマ」すなわち「男性としての肉体を持って生まれたが、自らの意志で女性に性転換した人物」の描写は出てこなかったのです。
このドラマは実体験を元にした原作本が出版されていますので、その中にはそうした人物の描写があるのかもしれません。しかしドラマの中で「性転換者」としては描かないにも関わらずテレビ欄に表記するという事は、明らかに「性転換のオカマ」という言葉を使うことで好奇心を煽り、視聴率に結び付けようとする思惑が存在していたことを示しています。これはかなり「悪質な事例」として記憶に留めておくべきことだと思いました。
朝日新聞では「2メートルの元オトコ」と記述
また、4/18(火)の各新聞テレビ欄を見返してみたところ、興味深い事実が判明しました。毎日・読売・産経・日経新聞ではすべて、僕が見たネットでのサブタイトルと同じように「性転換のオカマ」で掲載されていたのですが、朝日新聞のみ、同じ箇所が「2メートルの元オトコ」という表記になっていたのです。
日本テレビからのリリースを朝日新聞側の判断で変更したのか、それとも朝日新聞のみには別のリリースを日本テレビが発したのか。その辺は定かではありませんが、他の新聞社が総じて「性転換のオカマ」という同じ記述を採用しているにも関わらず朝日新聞だけがなぜ違うのか、とても気になりました。
どっちみち「性転換のオカマ」「2メートルの元オトコ」にしても、肝心のドラマにおいて「描かれていなかった」という事実には変わりがありません。にも関わらずこうした記述を目立つ形で平気で行い、ドラマの中でもしょっちゅう「凶悪犯罪者の悪業を示すテロップ」を表示してCM前の「繋ぎ」にし、賑々しい音楽と共に強引に感情を煽り立てる演出手法のあざとさには辟易しました。
この番組については次回、「レズビアン描写」や「凶悪犯描写」「えせヒューマニズムのもたらす危険」の観点から検証してみようと思います。→FC2 同性愛Blog Ranking
●有村朋美「プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月」 (ポプラ社)
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