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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

王の男ブームを追う003●「低予算+時代劇+同性愛」

 日本では来春公開

 従来、韓国映画大ヒット作のパターンだった「高予算+トップスター+愛国心+家族愛」という常識を覆し「低予算+時代劇+同性愛」で最多動員記録を樹立した「王の男」。
→FLIX Movie Site3/12「韓国の歴代観客動員数を塗り替えたゲイ映画って?」

 この現象は、日本のニュースサイトでも続々と取り上げられ始めています。そして日本での公開は、角川ヘラルド映画と韓国の配給会社が初の試みとして「共同で」配給することが決定したそうです。
→朝日新聞3/5「韓国の異色映画「王の男」謎のヒット 観客1200万人」


 「同性愛コード」の広がりに貢献

 この映画のヒットを通じて、実際に「同性愛」という言葉が韓国社会の中で表立って語られることにも繋がっているようです。
 さる3月5日には韓国文化放送(MBC)『時事マガジン 2580』が、同性愛コードについて深層分析する番組を放送したりもしたそうですし、そのことを日本でもLGBTメディアではなく「ライブドア・ニュース」が報じていることも興味深い事実です。
→Livedoor NEWS 3/2「同性愛者が見る映画『王の男』は?」

 韓国では今、「メゾン・ド・ヒミコ」「ブロークバック・マウンテン」といった同性愛を扱った映画の上映時期が重なっています。各作品とも評価は高いようで、韓国ポータルサイト「NAVER」の「現在上映作品のネチズン評価」には、ベストテンの中に3作品ともランクインしています。
●3/26現在「王の男」1位、「メゾン・ド・ヒミコ」4位、「ブロークバック・マウンテン」7位。
NAVER(Yahoo!翻訳付き)

 韓国映画人の「複雑」

 同性愛者の役を演じた主演のイ・ジュンギさんは、すでに「国民的スター」として扱われているらしく、韓国で今、問題になっている「スクリーン・クォーター制度」についての盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領とのインターネット対話などに出席。ある意味では、政府の政策を若者たちにPRするのに「利用されてしまっている」面もあるようです。
→中央日報3/23「盧大統領、『王の男』のイ・ジュンギとスクリーンクオータ討論」
→Innolife 3/23「盧武鉉大統領「イ・ジュンギは実物も美男子」

 Innolifeの記事によると盧武鉉大統領はイ・ジュンギに対して「映画でだけ美男子だと思ったが、実際に見たら実物も美男子だ。『王の男』は、今もお客さんが入っているのか。私が直接映画を観たが、後でビデオで出ればまた観たいと思っている」と語ったとあります。

 こういう時に人気者が引っ張り出されることでマスコミが大挙押しかけて取材し、結局は政府広報の役割を担わされるのは何処の国も同じようですね。
 イ・ジュンギ氏は映画人を代表して大統領と討論したみたいですが、「王の男」の大ヒットは、スクリーンクォーター制度を縮小させたい韓国政府にとって「韓国映画は実力を持っている」ことを証明する口実を与えてしまったという面もあるため、彼が招待されて議論しても説得力は薄くなってしまうのではないでしょうか。そもそも彼が人選された時点で、そうした政府の思惑が透けて見えます。韓国の映画人たちは、この「メディアイベント」を複雑な思いで見守ったことでしょう。

 ハリウッド大作映画の大量上陸に脅える映画人の思いをよそに、「王の男」の海外進出は国を挙げて奨励されるのでしょう。日本以外にも様々な国で上映されることになりそうです。
→朝鮮日報3/19『王の男』 イ・ジュニク監督、米の有力各紙とインタビュー

 どのような映画なのか、実際にまだ見ることが叶わないのでなんとも言えませんが、少なくとも「同性愛コード」を広める一助にはなるということで、今後もこの映画の動向には注目し続けようと思います。
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