「yes」創刊の波紋004●アメリカのゲイTV局「Logo」のフツーっぷり
この特集記事は必見っ!
「yes」の創刊号で内容的にいちばん面白かったのは「LGBT TV~what is Logo?」という特集ページ。アメリカ在住のライター北丸雄二さんが10ページにわたり、アメリカの「ゲイTV」についてレポートしていて、とても読み応えがあります。
アメリカは国土が広大であり、都市部では高層ビルが林立するため地上波よりもケーブルTVや衛星が主流だということ。ということは三大ネットワークと言えどもケーブルのチャンネルの一つという感覚になるわけで、いわば小さなテレビ局が大手と同じ土俵で視聴者争奪戦を繰り広げることが出来るみたいです。
その中で現在「24時間ゲイ専門TV局」がなんと3つも存在しているというから驚きです。記事では新しいゲイTV局「Logo」を紹介しています。
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「Logo」(←公式サイト参照)は2005年6月30日に、LGBT向けとしては初の「ベーシック配信チャンネル」としてスタートしたそうです。ベーシック配信とは、ケーブルの契約者ならば追加料金を払わなくても誰でも見ることが出来る「オープンチャンネル」のことであり、従来の「ゲイもの」にありがちな「会員制」による閉鎖性とは無縁だということを意味します。まずこれだけでも驚異的(笑)。
「Logo」で放送されるドラマ番組の主人公はもちろんゲイ、ニュースはゲイの視点で報じるなど、様々なジャンルの番組の基本に「ゲイ的な視点から発する」というコンセプトが貫かれているみたいです。あ~、見てみたい!(というか、ニューヨークのゲイがマジでうらやましい。)
しかし商業放送として成り立つにはCMを出稿するスポンサーが付かなければなりません。
ある意味特殊であり、視聴者も限定されそうな内容を放送するこのTV局にスポンサーが付くのかどうか懸念されていたようですが・・・続々と付いているそうです(笑)。閉鎖された環境ではなく「誰もが見る可能性のある」環境であるからこそ、かえってスポンサーが付きやすいのでしょうし、それだけ「ゲイ・イメージ」がアメリカの若者文化における「トレンド」になっている証明だとも感じます。
記事によると、同局の幹部も「新しいビジネスマーケットが、Logoによって開拓されている」と発言しているとのこと。ニューヨークタイムズ紙にも「新しいゲイケーブルTV局Logoに関して最も驚くべきことは、他のケーブル局となんと似通っているかということだ」と紹介されたそうです。
「ゲイと言えば会員制」という既成概念を打ち破ったこのテレビ局の配信は順調に拡大されており、現在では約2500万世帯。事実上アメリカの全家庭の4分の1で視聴が可能になっているそうです。
知ってしまった私たち
それにしても・・・「オープンなゲイ媒体」という視点から見てみると、日本ではやっと「雑誌」という小さなマーケットで始まった第一歩が、すでにアメリカでは「24時間放送のケーブルTV局」が開局するに至っているという、この差はナニ?(笑)。そして、こうした情報をよほど注意深く探さないと知り得なかったという現実・・・この情報格差はナニ?(笑えない。)
アメリカに限らず、世界各国の「市民レベル」での文化や日常的な暮らしぶり等はなかなか日本の大手マスメディアでは取り上げられないのが実際のところ。特にフツーに生きているLGBTに関しては「存在の認知」すらままならなかったり、まだその過程にあると言うべき国々がほとんど。(レイザーラモンHGが「ゲイ」を連呼することに怯えてしまった僕のようなゲイがいる日本も含めて。笑)
しかしアメリカでは存在の認知なんてあたりまえ。既に「次の段階」に進んでいるのです。しかも着実に成果をあげ、新しい市場が生み出されているのです。
「ブロークバック・マウンテン」や「トランスアメリカ」に代表される最近のアメリカ映画界でのLGBT描写の増加と評価の高まりの背景には、こうした日常レベルでの大いなる変化があるのですね。
現在、「LBGTテレビ」が存在するのはカナダ・イタリア・フランス・アメリカの4ヵ国。有料放送だったり、アダルト番組に頼ったりと必ずしも順調な経営ではないようですが、オープンであることを基本にしている「Logo」がこのまま順調に推移すれば影響を与えるかもしれません。
日本に住んでいる僕はこうした動きを今まで、単純に「知らなかった」。それは情報がなかったから。しかし「yes」のような情報誌の創刊と、この雑誌の「オープン」なコンセプトは、われわれLGBTが「もっと生きやすくなるための」大きな可能性の存在に気づかせてくれたと思います。いろんな意味で勇気と明るさをもたらしてくれる雑誌です。未見の人はぜひ読んでみてください。→FC2 同性愛Blog Ranking
●「yes vol.1 」ネットでの購入はこちら

アメリカは国土が広大であり、都市部では高層ビルが林立するため地上波よりもケーブルTVや衛星が主流だということ。ということは三大ネットワークと言えどもケーブルのチャンネルの一つという感覚になるわけで、いわば小さなテレビ局が大手と同じ土俵で視聴者争奪戦を繰り広げることが出来るみたいです。
その中で現在「24時間ゲイ専門TV局」がなんと3つも存在しているというから驚きです。記事では新しいゲイTV局「Logo」を紹介しています。
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「Logo」で放送されるドラマ番組の主人公はもちろんゲイ、ニュースはゲイの視点で報じるなど、様々なジャンルの番組の基本に「ゲイ的な視点から発する」というコンセプトが貫かれているみたいです。あ~、見てみたい!(というか、ニューヨークのゲイがマジでうらやましい。)

ある意味特殊であり、視聴者も限定されそうな内容を放送するこのTV局にスポンサーが付くのかどうか懸念されていたようですが・・・続々と付いているそうです(笑)。閉鎖された環境ではなく「誰もが見る可能性のある」環境であるからこそ、かえってスポンサーが付きやすいのでしょうし、それだけ「ゲイ・イメージ」がアメリカの若者文化における「トレンド」になっている証明だとも感じます。
記事によると、同局の幹部も「新しいビジネスマーケットが、Logoによって開拓されている」と発言しているとのこと。ニューヨークタイムズ紙にも「新しいゲイケーブルTV局Logoに関して最も驚くべきことは、他のケーブル局となんと似通っているかということだ」と紹介されたそうです。
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アメリカに限らず、世界各国の「市民レベル」での文化や日常的な暮らしぶり等はなかなか日本の大手マスメディアでは取り上げられないのが実際のところ。特にフツーに生きているLGBTに関しては「存在の認知」すらままならなかったり、まだその過程にあると言うべき国々がほとんど。(レイザーラモンHGが「ゲイ」を連呼することに怯えてしまった僕のようなゲイがいる日本も含めて。笑)

「ブロークバック・マウンテン」や「トランスアメリカ」に代表される最近のアメリカ映画界でのLGBT描写の増加と評価の高まりの背景には、こうした日常レベルでの大いなる変化があるのですね。
現在、「LBGTテレビ」が存在するのはカナダ・イタリア・フランス・アメリカの4ヵ国。有料放送だったり、アダルト番組に頼ったりと必ずしも順調な経営ではないようですが、オープンであることを基本にしている「Logo」がこのまま順調に推移すれば影響を与えるかもしれません。
日本に住んでいる僕はこうした動きを今まで、単純に「知らなかった」。それは情報がなかったから。しかし「yes」のような情報誌の創刊と、この雑誌の「オープン」なコンセプトは、われわれLGBTが「もっと生きやすくなるための」大きな可能性の存在に気づかせてくれたと思います。いろんな意味で勇気と明るさをもたらしてくれる雑誌です。未見の人はぜひ読んでみてください。→FC2 同性愛Blog Ranking
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