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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-01
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映画「ペパーミント・キャンディー」新文芸坐で26日上映

「ウォンビン兵役報道に思う」で紹介した映画「ペパーミント・キャンディー」が、池袋の新・文芸坐での特集上映「“韓流”シネマコレクション2006」で26日(木)に上映されます。僕はかつてこの映画を見て、とてもショッキングで深い感銘を受けました。とても大好きな映画なので、パンフレットを引っ張り出して再読してみました。

この映画は、日本と韓国が共同で文化事業に取り組んだ最初の映画だったらしいです。1999年にNHKと韓国のイースト・フィルム・プロダクションが共同製作。当時としては画期的なことでした。
2000年1月1日にソウルの少数の映画館で封切られるや口コミで評判が広がり、一気に上映館が広がったそうです。何度でもこの映画を見ようという「リピート運動」まで展開され、カンヌ国際映画祭、モントリオール世界映画祭などの映画祭でも高く評価されました。

物語は40歳の男が人生に絶望し、自殺をしようとするところからはじまります。そして彼の人生を少しずつ遡りながら、結果的に韓国の現代史の闇が浮かび上がる構造になっています。映像表現としても美しく、物語としての娯楽性にも秀でた稀有な映画です。
監督のイ・チャンドン氏の言葉を紹介します。

あの映画では個人だけを描いたというよりも、韓国社会の20年間も描いたと言えます。映画のスタート地点は、1979年で(主人公の)ヨンホは20才です。韓国という国も青年時代でした。(中略)あの時代は貧しかったけれども希望があった。20才のヨンホがカメラマンになりたいという希望を抱いていたようにね。それから自己への裏切り、自己否定の時代、夢や理想を忘却していく時代になったのです。

「ウォンビン兵役報道に思う」でも触れましたが、映画の主人公ヨンホは光州事件の時、たまたま軍隊に徴兵されていたために同世代の若者たちを「弾圧する側」に立たされトラウマを負います。その後は刑事となって労働組合員を拷問する立場になり、やがては実業界で成功を修めるのですが・・・彼の人生からは大切なものがどんどん欠けて行くのです。

光州事件が起きた1980年5月、私は25才でしたが、当時の大学生は民主化運動の真っ只中で、光州のことは噂で伝わってきていました。全斗煥 の新軍部がその後の政権を握って、私は絶望しました。ああいった政権が生まれて支持されるという社会システム、人に対する不信感。純粋な自分には理解することができないほどの絶望感でした。そして、この絶望感が、のちの私の人生を支配することになるだろうと思いました。

(光州事件に関しては)報道規制がなされたため詳細は報道されませんでした。事件の真相は詳しく知らされていません。今回の撮影でも光州の場面が一番苦労しましたね。国防省の許可がとれなくて物理的な面で苦労しました。(中略)現在の韓国は民主化の時代と言っても、やはり光州のことは軍の恥部なので、協力を得ることはできませんでした。

なおこの映画は、当時まだ無名だった俳優のソル・ギョングさんを一躍有名にした作品としても知られています。彼はこの映画での演技力が高く評価され、その後「シルミド」「燃ゆる月」などに出演。3月には「力道山」の公開が控えており、カメレオン俳優と呼ばれるほどに役によってガラッと印象を変えることの出来る名優です。
2002年に彼は再びイ・チャンドン監督作品「オアシス」に出演。26日の文芸坐ではこの二作が二本立てで上映されます。興味のある方はぜひ。
●上映時間
「ペパーミント・キャンディー」
・・・12:45/5:45
「オアシス」
・・・10:20/3:20/8:15(終映10:30)
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