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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-01
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岸惠子リスペクト001●本物の「華」

偶然、新聞の紹介記事を目にした時には心が躍った。あの大好きな岸恵子さんが旅番組に出る!しかも長年彼女が生活拠点にしてきたパリを紹介するという。

1月3日にテレビ朝日で放送された「岸惠子のとっておきフランスの旅」というその番組は、長年の岸恵子ファンである僕にとっては夢のような番組だった。現在彼女が日本での住処にしている古い日本家屋が映し出され、書斎で原稿を執筆する姿が紹介される。さらにはぎっしりと書物が詰まった書棚の前でインタビューに答える姿も・・・。近年、女優としての活動に重点を置いている彼女の、久しぶりに披露される日常の姿だ。

やはり彼女は美しい。年齢に関係なく「華」がある。しかもそんじょそこらの華ではない。持って生まれた美貌に加え、波乱に満ちた人生経験の中で培われた持ち前の好奇心を存分に発揮しながら、常に我が道を歩いてきた人ならではの凛とした華がある。もうすぐ70歳になろうとしているだなんて信じられない若々しさと無邪気さを兼ね備えたその人格は、あいかわらずとても魅力的である。

番組は、岡本健一氏とともにフランスの名所や岸さんゆかりの場所を廻るというもの。
はじめてのフォト・エッセイ集「私のパリ 私のフランス」との連携企画であるらしく、彼女の関わる番組にしては珍しくジャーナリスティックな味付けが薄く観光紹介的な内容だった。
『私のパリ 私のフランス』の「あとがき」によれば、本来は彼女の構成・演出でジャーナルな内容のものが企画されていたらしいのだが、スポンサーや広告代理店の許可は下りてもテレビ局が「視聴率的に大いに疑問」だとして企画が流れそうになったという。出版社や百貨店との提携企画としても進んでいるため中止という訳にはいかず、彼女が本当にやりたかった企画は次の機会に延期し、今回は純粋に「お正月の旅番組」として割り切って、楽しめる内容のものとして制作されたという。その過程ではずいぶん闘いがあったらしい。

このエピソードは嬉しかった。彼女が相変わらず彼女でありつづけているからだ。作家としての芯のある彼女は健全だったのだ。そして、今のテレビに良質な企画・本当に放送されるべき内容が通りにくくなっているという厳しい現実も感じさせられた。彼女のような人にこそ「もう年だから」と大人しくならずに、今回本当にやりたかった企画をぜひ実現させて欲しいと思う。

彼女は女優であるのと同時に立派なジャーナリストでもあり、NHKの衛星放送が始まった初期の頃から様々な国を訪問し、自らの視点を大切にレポートを重ねてきた。その活動は作家としての確かな視点形成にも繋がり、著書『ベラルーシの林檎』は日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなど高く評価されている。
最近は日本での女優業に本腰を入れているようだが、彼女ならではの作家活動にもぜひぜひ、精力的に取り組み続けてほしい。



番組内で告知されていた渋谷東急百貨店での「岸恵子写真展」にも、さっそく足を運んだ。会場にはわりと年配のご婦人方が多かったが、凛としたムードを漂わせている素敵な人が多いように感じられた。そして何より、何を背景にしても見事に「絵になる」パネルの中の彼女の、はちきれんばかりの笑顔がエネルギーをたくさんくれた。

僕は、岸恵子さんに精神的に育てられたといってもいいほど、彼女の発言や振る舞いから数々の感動や影響を受けて来た。そのきっかけとなったのは、かつてTVKテレビで放送されていた対談番組「岸恵子の時代気分」である。またの機会に書こうと思う。FC2 同性愛Blog Ranking
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