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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2006-01
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ブロークバック・マウンテンで見る世界001●日本公開は3月4日から

昨年末に公開されて以来、アメリカ放送映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞、全米制作者協会(PGA)賞などで次々と作品賞を受賞しているゲイ映画「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督)の日本公開が決定したようです。

開設準備中の公式サイトによると、3月4日より渋谷のシネマライズで先行上映。
続いて3月18日からはシネルーブル池袋ほかで公開される模様。

当ブログと相互リンクしている、デトロイト在住のチュチュ姫さんのブログ「姫のお楽しみ袋」では、一足先に現地で見た感想が載っています。
ネタばれ篇ネタばれなし篇がありますので、待ちきれない方はお気をつけてご覧ください(笑)。僕はネタばれなしの方を読ませてもらいましたが、俳優さんたちの人間関係が非常に興味深く、ますます待ち遠しくなりました。どうやらアメリカではアート系の映画館を中心に上映されているようですね。

なおこの映画、ユタ州ソルトレークシティの映画館で突然上映中止になったことが話題になっています。→CNN.co.jp
モルモン教徒である富豪のラリー・H・ミラー氏が、自身の所有する映画館に圧力をかけたらしいです。→ すこたん企画HP「同性愛関連ニュース」
それに対してユタ州のLGBTコミュニティーセンターがミラー氏の所有する企業の不買運動を呼びかけているというのが、さすがです。ミラー氏は、いまどきこんなことをやったらかえって話題になり、ニュースが世界に配信されてしまうことに無頓着すぎますね・・・ご苦労様です(笑)。

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DVD「ブロークバック・マウンテン」
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桃花村舞踊公演「重力と愉快」●PLAYレビュー

大雪の日の夜、自転車での転倒にもめげず(笑)新国立劇場に田中泯さんが主宰する桃花村の舞踊公演「重力と愉快」を見に行ってきました。

僕は以前10年ほど前に新聞の招待券プレゼントが当たったことをきっかけに、田中泯さんがどんな人なのかも知らずに「独舞公演」を見に行ったことがあるのですが、その時はかなりショックを受けた記憶があります。天井から吊られた巨大な鏡を相手に格闘する姿はトゲトゲしく毒毒しいものであり、最終的には全裸になるなど、ウブだった僕にはとても衝撃的な内容でした。

今回の舞台はわりとスタイリッシュにまとめられていました。桃花村という舞踊集団の公演であり、彼は構成・演出・出演を兼ねていたということもありますし、この10年での彼の精神面での変化も当然あるのでしょう。いい意味でも悪い意味でも「洗練」という言葉を連想させられました。

舞台というものは生ものであり、一回性のもの。同じことが二度と繰り返されることはありません。この日は初日ということもあり出演者も硬かったのかもしれませんが、コンセプトや舞台空間と踊り手が、上手く共鳴出来ていなかったようで、残念ながら「舞台の神様」は降りて来ませんでした(・・・まあ、滅多に下りてくるものでもありませんけど。笑)。

それにしても新国立劇場・小劇場という所はどうしてあんなに無機質で冷たい空間なのでしょう。初台にある「新国立劇場」一帯の空間自体、新しくて綺麗で立派なんだけど人間としては落ち着くことの出来ない、「無菌空間の冷酷さ」を感じます。あんな冷たい空間では舞台芸術の「猥雑さ」とか「ケレン味」は発揮されないでしょうし、無駄にデザインや大きさばかりにこだわった、最近の公共施設にありがちな、建築した行政の「威信」ばかりを感じさせる失敗建築。実際にそこで息づくべき人間のことが考えられていないのです。

9・11以降の窒息イメージ

舞台には天井から吊るされたロープで四角いフレームが作られ、ベケットや別役実の世界を連想させる一本の電柱に外灯。他には二本の木が立っています。
そこへ子どもに引っぱられて登場する女や軍服姿の男たちが登場して、フレーム内から逸脱したり戻ったりしながら様々なイメージを現出させて行きます。ロープを端と端で引っ張り合って「対立する者同士」になる男たちは「終わりなき戦争」をイメージさせますし、あまり交感し合わずに自分の世界に閉じこもりがちな人物たちはディス・コミュニケーションに苦しむ現代人を皮肉っているのでしょう。しかし毒気が足りないしイメージとしての新鮮さもあまり感じられなかったのが残念です。

金魚の勝利

最も印象的だったのは、小道具として出てきた「生身の金魚」。
金魚鉢を抱えた女性が、本物の金魚を床に放り出してしまうのですが、真っ赤な金魚がバタバタともがく姿は、それだけで充分に生々しく鮮やかで目を引きます。やがて金魚の動きは止まってしまうのですが、拾われて水に戻されると何事もなかったかのように蘇生します。これぞまさしく「水を得た魚」。
さまざまな哲学的解釈を呼び起こすイメージ描写ではありますが、この日の舞台でいちばん印象に残ったのが、舞踊家たちの動きよりも金魚の「生物としての」意図のない純粋な動きだったというのが皮肉です。よく「子どもと動物には勝てない」ということが言われたりしますが、芸術家としては、ちょっと悔しい結果でもあります。

ホール公演休止宣言

実は田中泯さんは今回を最後に、ホールでの公演はしばらく行わないことを宣言しています。

「踊りは個人的で、衝動に近いものと思っています。踊りたいと思ったら公演まで待たずに踊りたいのです。劇場を否定するのではなく、少し離れて野外など非劇場空間で展開していきたい」

「踊り始めたらそこが劇場になってしまうんです。私の“真実の瞬間”を出せる場所で踊りたい。生き方をもっと踊りに近づけたい。」(産経新聞1/19より)

当日配られたパンフレットにも、英文でその意志が記されていました。
彼の言うことはわかります。舞台芸術家が公演をする際にはまず、2年ほど前に「会場を予約」し、企画書を提出してチラシを作り、やっと稽古がはじまります。さらには宣伝をし・・・ということを繰り返していると、活動がパターン化してきて「義務」になってしまうのでしょう。そうしたサイクルから抜け出したがっている彼の本音の部分が伝わってくる舞台内容ではありました。

ラストシーンは、舞台空間と現実空間を隔てる「フレーム」として使用されていたロープを使って皆で縄跳びを始めるのですが、綺麗につっかえずに飛ぶことが目的なのではなく、様々な人間が共同作業として「遊ぶ」時空間を作りたかったのでしょう。しかし、この日の舞台ではそうした奇跡の瞬間は訪れません。途中で突然、田中泯さんが客先に振り向いて「ありがとうございました」と言って縄跳びを断ち切り、幕切れとなりました。「えっ、これで終わっちゃうの」という中途半端な気持ちになったことは否定できません。

その後、日曜と月曜にも公演があったので、この日の反省や反響をもとにして最終的にどんな形に発展して行ったのかはわかりませんが、初日の上演でいちばん僕の印象に残ったのは金魚の生命力と、演出家として疲れている田中泯さんの「苛立ち」のようなものでした。やっぱり彼の「独舞」を見てみたい。そう思いました。

田中泯さんの次の公演は、宣言どおり野外で行なわれます。
●JADE2006・土方巽メモリアル
田中泯独舞「生理歩測」
地図-01-カラダカラダノダカラダ。
舞踏:田中泯
楽士:大熊ワタル(クラリネット)
楽士:こぐれみわぞう(太鼓)
3/11(土)・12(日)
両日とも開場13:30/開演14:00
新宿・戸山公園箱根山地区にて無料。
大久保通り口の受付に集合(雨天決行)
公園内をあちこち移動するらしいです。
問合せ:JADE事務局 03-5728-2547

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雪の日に自転車はいけません。

なんだこの雪はっ!ものすごく積もってますっ!
実はさっきコンビニに行った時、いつもの感覚で自転車に乗ったらタイヤが雪に取られて派手に転びました(笑)。道路には車が走ってなかったから良かったものの、か~なり恥ずかしかった。明日の朝は路面がパリパリになって更に危険なことになりそうなので気をつけなければ。それにしても東京という所は雪が適度に珍しいので、わけもなくワクワクしてしまって困ります(笑)。つまらないことで怪我しないように、皆さんもお気をつけください。
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キオスクで躍る「ゲイ」の文字・・・今週の「Newsweek日本版」はゲイ特集


それにしてもデカい!表紙にでかでかと「ゲイ」の文字!
今日、キオスクで見かけた「Newsweek日本版」の見出しにはド胆を抜かれました。
何件かの本屋やコンビニを周り、ようやくレジに持っていきまして。
さすがに電車の中では表紙を隠しながら読んでしまいましたが(笑)

発売中の「Newsweek日本版」には
「ゲイ in Japan」という7ページの特集が掲載されています。
「あなたの隣にもいる彼や彼女の本音と真実」という副題が示すとおり、一般読者向けにわかりやすく「隠れて生きている日本のLGBT」について説明しています。入門編としては格好の記事ではないでしょうか。
こちらのサイトで公開されている中吊り広告を見ると「レイザーラモンHGは敵か味方か」と挑発的に書かれてはいますが(笑)実際の記事自体は、LGBTではない記者の方(デボラ・ホジソンさんと大橋希さん)が、とても真面目に真摯に取材されています。とりあえず安心しました。
記事の中で、印象的な発言をしていたLGBT界の著名人を紹介します。

●尾辻かな子さん(レズビアンであることを公表している大阪府議会議員 ) (自分が同性愛者であるという事実を受け入れるまで、5年ほどかかったという。)

誰でも時間はかかると思う。同性愛者は「いない」「おかしい」という社会の価値観を内面化しているから、自分は自分のままでいいという自己肯定がむずかしい。

テレビの中のタレントだけでなく、あなたの隣で、地域で普通に暮らしている存在だと気づいてほしい。
・・・尾辻さんは現在31歳。いや~若いです!彼女は昨年、大阪府住宅供給公社の「ハウスシェアリング制度」を実現化させる力になりました。これは、血縁や婚姻関係にないカップルの入居を認めさせた制度であり、同性同士の婚姻が認められていない日本において画期的な出来事です。
尾辻かな子さん公式サイト
☆ブログ「尾辻かな子活動日記」
☆著書
「カミングアウト―自分らしさを見つける旅」

●伊藤文學さん(月刊『薔薇族』編集長)

女が好きな男は「女が好き」とわざわざ言わない。男を好きなのも普通のことなのだから、わざわざ言う必要はないと思う。そういう世の中にしなくてはならない。

・・・このブログの副題と同じことを言ってらっしゃるので、一気に親近感が湧きました(笑)。伊藤文學さんのことは、僕もかつてこっそり読んでいた雑誌「薔薇族」で知っていましたが、恥ずかしながら彼がゲイではないということをこの記事で知りました(!)。
雑誌「薔薇族」は日本のゲイ雑誌の草分け的存在であり、文通欄がゲイ同士の出会いの場として活用されていたのですが、ネットの普及により部数が低迷し2004年に廃刊。その後復活したものの、昨年の11月に再び廃刊。現在は会員制のWebサイトやブログで活動を続けていらっしゃいます。彼はこんな発言もしています。

差別問題の解消には、当事者以外の、距離をおいて考えられる人が加わっていかないとうまくいかないのではないか。

・・・ものすごく、伊藤文學さんのことを見直させられる発言です。彼はとても早い時期から日本でそれを実践して来たわけです。頭が下がります。
☆Webサイト 「月刊薔薇族編集長 伊藤文學の談話室 祭」
☆ブログ「月刊薔薇族編集長 伊藤文學の談話室 祭」
薔薇族 会員制サイト

☆著書
「薔薇を散らせはしまい―『薔薇族』と共に歩んだ22年」
「薔薇ひらく日を―『薔薇族』と共に歩んだ30年」



記事では他にも「ゲイの友だちが欲しい彼女たちの理由」として、近年のアメリカのテレビドラマや「ボーイズ・ラブ(BL)」の影響でゲイを実際以上に美化して友だちになりたがる女性たちの、最近の動向についても触れています。なかなか鋭い指摘です。
取材対象が幅広く全体を網羅的に紹介したという印象の特集ではありますが、日本のLGBTのことを知る上で様々な「入口」を与えてくれるという点ではとても良く出来ていると思います。

「Newsweek日本版」は週刊誌なので店頭に並ぶ期間は短いのですが、なにしろ書店をはじめ、キオスクやコンビニ等の幅広い場所で販売される大量発行媒体。けっこう影響力あります。
今週末のお出掛けの際に見かけたら、ぜひ手にとってみてください。
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ウォンビン兵役報道に思う

「男だから」徴兵される、お隣の国の現実

ウォン・ビンといえば、近年の「韓流ブーム」のスターの一人として日本でも超有名な韓国の人気俳優ですが、昨年11月29日に兵役についてからすでに一ヵ月半。
最近になって、訓練が終わった後の配置先として、ウォンビン自身が「北朝鮮と向き合う最前線」を志願したことが英雄的に報道されました。
(→ネットでの報道の数々はこちらを参照)

彼ほどの人気スターは若者に多大なる影響がありますし、韓国政府としても兵役拒否者が増加している風潮を変えるべく人気を最大限に利用するでしょう。今後もなにかと彼に関する情報をメディアにリークし続け、利用することは間違いありません。そして、その報道は日本でもマスメディアによって盛んに報じられ続けることでしょう。

韓国では成人男子は必ず2年以上の兵役に就かねばならず、有名スターといえども例外ではありません。(サイト「韓国の徴兵制について」参照。)
「男である」というただそれだけの理由で、若者が2年間も社会から隔絶された環境に入り、国家のために心身を捧げなければならないのです。しかも有事の際には命までをも捧げるのです。そんな制度が、すぐ隣の国で実施され続けているということへの現実感覚が僕には持てません。

男女差別の極み

男だらけの軍隊生活だなんてイジメや理不尽な上下関係にも悩まされるでしょうし、十代の若者ならまだしも、社会経験のある大人が再びそんな環境で「男=兵士」としての訓練を受けさせられるなんて想像できません。なによりもこの制度自体、「男女差別の極み」ではないでしょうか。韓国のLGBTたちは、どんな気持ちでこの不条理を受け入れているのでしょう。とても気懸かりです。

女友達の無責任な発言

以前、仲の良い女友達と話していたら無邪気にもこんなことを言ったので驚いたことがあります。ちょうどヨン様のブームが始まった頃、カッコいい「韓流スター」たちが日本で荒稼ぎするべく続々と来日しはじめた頃のことです。
「韓国の男って男っぽくていいよね~。日本の男たちも兵役につけば、韓国の男みたいにたくましくなるのに~。」
僕は言葉を失い、友達をやめようかと思いました(笑)。そして、そんな風にしか想像できない無神経さと無知さに呆れながら、僕は彼女に説明しました。それがどんなに不条理で危険なことであるのかを。

無辜の民が殺し合わされた過去

韓国では1980年に光州事件という出来事がありました。
光州市の学生や市民が民主化を求めて蜂起し、軍隊と衝突した事件です。軍の武力鎮圧により老人や子供を含む多数の市民が死傷しました。この事件を徹底弾圧した全斗煥将軍はやがて自ら大統領の座に上り、軍事独裁政権を強固なものにします。この時、米軍が軍の弾圧を支持したため、韓国における反米感情を煽る結果ともなりました。

・・・この時に派遣された軍隊とはまさしく「男だから」という理由でたまたまその時に兵役に就いていた、フツーの人たちなのです。いわば同世代の若者たちが「徴兵されているかいないか」の違いによって殺し合いをさせられたのです。軍隊に属しているということは、その期間は「公権力」の一員になるわけで、個人の意志など無視されます。命令には絶対服従の精神が叩き込まれるのは、軍隊組織の基礎中の基礎ですから。

映画「ペパーミント・キャンディー」の静かで痛烈な批判

この事件が人々にもたらした精神的な歪みは、1999年の韓国映画 「ペパーミント・キャンディー」
(イ・チャンドン監督)で鋭く描かれています。
主人公の男性が40代で人生に行き詰まり、自殺を決意します。そして、なぜ自分が人生に希望を持てなくなったのか。その原因を回想して行くスタイルなのですが・・・
深く辿ったその先には「光州事件」での挫折が浮かび上がるのです。

彼は事件当時まさに、軍隊の一員として同世代の若者を殺さざるを得なかった人だったのです。徴兵制によりたまたま徴兵されていただけで、民主化よりも軍国主義化に協力せざるを得なかったジレンマ。人間性の解放を求める同世代の若者たちに、「国家の道具として」非情にも自らの銃口を向けざるを得なかった心の葛藤。
・・・そして彼の心には、深く拭い去れない傷痕が残されてしまうのです。

映画では「光州事件」の文字も言葉も直接出ては来ません。おそらく映画の制作された1999年当時でも、表現上それは許されないことだったのでしょう。当時日本でも公開されたのですが、そもそも日本では韓国の現代史があまり知られていないため、この映画が本当に描いている内容を理解した人は少なかったようです。しかし、韓国の人たちにはわかるのです。そういう映画です。

つい最近まで「軍事独裁国家」としての体制が色濃かった韓国。そこに生きる人々が国に対して感じてきた本当の精神史は、これまで国家が巧妙に覆い隠してきました。光州事件の実態についても報道統制が敷かれ、最近まで詳しく知られることはなかったようです。韓流ブームで親しみを覚え始めた私たちが次に目を向けるべきなのはヨン様の歩いた並木道ではなく、こうした韓国の「深い民衆感情の部分」なのではないでしょうか。

不信を煽って「敵を作る」のは簡単

アメリカの軍産複合体は、せっかく生産した大量の最新兵器を消費するべくイラクの次の攻撃ターゲットを作り出そうとしています。彼らは戦場という「消費の場」に常に飢えています。技術と才能を結集して開発した最新兵器も、消費されなければ意味がないし、企業として儲からないからです。もちろん彼らはアメリカ政府の中枢と密接に繋がり合って政策をコントロールしています。・・・イラク攻撃の結果を見ても、このことは今日では誰もが知っている「常識」ですね。

さてその次なるターゲットとしては、「金正日総書記」という悪魔的キャラクターのいる北朝鮮が有力候補の一つでしょう。それに関連して無視できないのが日本のテレビ報道の動向。

近年、日本のマスメディアでは夕方のニュース等で北朝鮮のテレビ番組を面白おかしく取り上げ、「悪魔的キャラクター」を国民の深層意識に印象付けてきました。視聴率も稼げるらしく、ネタに困ったら北朝鮮の映像を流してお茶を濁しています。
そして今後は、ウォンビンを始めとする日本でも身近になった韓国のスター達の「英雄的兵役任務」を報道することで、次の段階へと国民世論を誘導して行くのかもしれません。NHKによる近年の執拗な「韓流ブーム」作りは、そうした政治的目的があるのではないかと疑ってみたくなるほどです。

政治的勢力がスターの人気を利用するのは、国民に好感度・親近感を持たせる時に行う常套手段。昨年の総選挙の際に自民党が「スター・堀江貴文」を刺客として担ぎ出し、一緒に踊っていたことは記憶に新しいかと思います。時代の寵児であればあるほど、節操なく利用されますし、「スター」の側もそれによるブランド価値の増大を見込むのです。

古くは1957年のアメリカでエルビス・プレスリーの兵役キャンペーンがあります。当時のアメリカ政府は彼の真面目な任務ぶりをメディアに大々的に報道させることで、多くの若者を軍隊に入隊させることに成功しました。その時入隊した若者たちは60年代のベトナム戦争で指導的立場を担い、国を挙げての茶番劇に付き合わされて多くの者が命を落とし、退役後も精神を病んで行きました。一方のプレスリーは2年間の兵役後、さらに「カリスマ」として人気を高めて行きます。

退役後も事あるごとに「兵役を立派に果たしたプレスリー」というイメージは国家によって喧伝されたでしょうし、「スター」としての彼の活動に「箔」を付けたことでしょう。今後、韓国におけるウォンビンはそうした役割を担わされて行くのでしょうか。

もし、彼の兵役中に朝鮮半島で衝突が起きたとしたら、ウォンビンは「絶対服従」の軍隊の一員ですから攻撃に参加することになるのでしょう。そして、ほんの55年前までは分断されてもいなかった、家族や親類縁者がたくさんいるだろう地続きの土地に住むフツーの人々のことを命令に従って殺してしまうのかもしれません。そんな血なまぐさい現実と背中合わせの「英雄報道」であることを、決して忘れてはならないと思います。

軍隊は、男っぽくなるためのトレーニングジムではありません。
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