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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2005-12
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「yes」創刊の波紋003●未開拓だと言ってもいい「ゲイ市場」

 この新しい雑誌の発行形態やコンセプトが、従来のゲイ向け雑誌とは異なる方向性を模索しているということは今までも触れてきましたが、この試みについて考えることは、わが国のLGBTの現状を考えることにもつながると思うので、しばらくこだわってみようと思います。
☆LGBT・・・(L=Lesbian、G=Gay、 B=Bisexual、T=Transgenderの略。)

 今回は12/11の記事highlightくんが書いてくれたコメントを話のきっかけにさせてもらいます。
ゲイやレズビアンの人たちは子供が居ないことが多くて、
消費に積極的なところがあるそうですね
これから日本でも、企業がその市場を獲得しようと
いろいろやりはるのでしょうか…良い傾向ですよね。

 ・・・そういえばそうなんですよね。子どもがいないということは、同世代の「父親たち」と比較すると自分の時間を作りやすいし、お金も自分のために使いやすいので、ゲイは(比較的)消費に積極的であるということは言えると思います。

 アメリカではこうした「ゲイ市場」に着目した企業による、新しいビジネスモデルが出来つつあるようです。「yes」に掲載されている北丸雄二さんの記事を参考に、考えてみます。
(記事中のデータは「yes」創刊号の『LGBT市場は6000億ドル規模!~活発な消費行動が特徴的な彼ら~』から引用させていただきました。)

ゲイは実はたくさんいるのだ

 アメリカの調査会社の「ゲイ・レズビアン消費者研究」によると、アメリカ人口2億8000万人のうち、カムアウトしたLGBT(人口の3~5%)は1000万人ほどいるということになるらしく、市場全体の購買力は6000億ドル(70兆円)に達するそうです。
(カムアウトしていない人も含めると更に規模は拡大します)。

 「自認しているゲイ」は、全体の平均値よりも10%は多く消費にお金を廻すことが特徴的。観劇や映画や旅行、クラブやバーに行く回数も多く、新しい家電製品や新製品の動向に詳しく、それらをいち早く購入するミーハー度も高いというわけです。新市場の開拓を目指している企業にとっては、けっこう「おいしいターゲット」なのです。

 それに気がついた企業はさっそくLGBTたちから良い印象を持たれるようなイメージ戦略を開始しています。CMや雑誌広告で「ゲイを支持することを表明する」ことが先進的であるという「トレンド」が生まれているようなのです。(画像は「yes」P83より。)

 アメリカは反面、保守的なカトリック系圧力団体からの攻撃も盛んであり、リスクを負いかねない戦略ではあるでしょう。それでも総合的に考えてみて、LGBTを味方につけた方が「イメージ的にお徳」だとソロバンを弾く企業が増えてきているのです。

 「時代に先進的である」というイメージは若年層に訴求力がありますから、その層をターゲットにする企業にとっては得策だというわけです。
 広告とは日常にあふれかえる表現媒体であり、そのビジュアル・イメージは無意識下の「本能的な感覚」に訴えかけるもの。結果として「肯定的なゲイ・イメージ」が一般社会の日常にあふれ出して行くことにつながっているようです。

日本ではまだ「タブー」時代の名残りが・・・

 それに引き換え、日本には宗教的な「縛り」があるわけではないのに、そうした動きは微々たるもの。毎夏恒例の「東京レズビアン&ゲイ映画祭」以外に、あまりその兆候を感じる事は出来ません。一般的な「ゲイ」に対する感覚としてはせいぜい、レイザーラモンHGブームで「ハードゲイ」という言葉を知ったという程度なのではないでしょうか。
 ゲイ解放運動が活発に繰り広げられてきたアメリカの場合と比較するのは無茶なことではありますが、まだまだ日本におけるゲイとは「ほんの少数の異常な人たち」であり、その話題に触れることは「タブーである」というイメージは根強く残り、拭い去れていないように思います。

イギリスでの注目すべき調査結果

 最近、イギリスでは人口の6%が同性愛者であるという調査結果が出ました。(すこたん企画Webサイトより。)この数字が本当だとすれば、日本にも500万~600万人はLGBTがいるということになります。つまり20人いたらそのうちの1人は同性を好きになる感性を持っているということ。決して「ごく少数の人たち」ではないのです。

 いざ「お金になる」ことがわかれば途端にコロッと優遇されるのが資本主義自由経済の哀しき論理。しかしアメリカのLGBTたちはその論理を巧みに利用し、「未開拓であるゲイ市場」の存在をアピールし、「トレンド」として一般企業に売り込んでいるのです。そのたくましさからは、大いに学べるものがあると思います。

 運動体としての政治的アピールももちろん大事ですが、経済面からのアピールという視点や環境が、今までの日本には足りなかったのではないでしょうか。雑誌「yes」のコンセプトは、そうした日本の現状に一石を投じてもいます。

「仮面」をかぶったままでも出来ること

 ただ現状の日本では日常的に「仮面」を被らなければ社会生活がまだまだ困難なのが実際のところ。だからこそ「yes」のような試みが起きた時、賛同するのならば積極的に投資することが大事なのではないかと思います。

 この雑誌に限らず、映画や書籍、展覧会など「ゲイがターゲット」となっていそうなものには、積極的に投資して儲けさせること。そして、次に繋げさせること。それはきっと、選挙で一票投じるのと同じくらい、あるいは運動体でアピールするのと同じくらいに、我々の存在を一般社会に対してアピール出来る方法なのではないでしょうか。FC2 同性愛Blog Ranking


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