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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2005-12
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あれっ・・・もう風化しちゃったの?~アメリカで原発再評価

原油価格の高騰が問題になっている昨今ですが、その煽りでしょうか。アメリカで新しい原子力発電所の建設が本格的に再開されようとしています。<11/27(日)の読売新聞19面「21世紀の選択~エネルギー」より>

アメリカでは1979年のスリーマイル島事故や1986年のチェルノブイリ原発事故の影響から、27年間にわたり新しい原発が作られることはありませんでした。80年代から90年代にかけては原油価格が低下していたということもあり、火力発電のコストがかからなかったという理由もあるようです。ところが今年の「エネルギー政策法」で急に、原発の建設支援策が盛り込まれたのです。

原発の運営や放射性廃棄物の処理に関する問題点は、まだまだ解消されていません。ほんの些細な人為的ミスが、とり返しのつかない大事故を引き起こすことは歴史的事実が証明しています。

日本国内で言えば東海村の臨海事故が起こったのは1999年。2002年の8月にはトラブル隠しが問題となり福島第一原発一号機に停止命令。昨年の夏には美浜原発蒸気漏れ事故がありました。いずれも初歩的なミスが引き起こしたことであり、死者が出た事例もあります。まかり間違えば大事故に至るところだったのです。

残念ながら読売新聞の記事ではこうした問題点に一言も触れていません(おそらく意図的でしょう)。それどころかアメリカの推進政策を手放しで評価しています。読売新聞といえば1000万部という世界第一位の発行部数を誇る大メディア。その影響力は多大なるものがあります。

今までの原発事故の時もそうでしたが、メディアは事故直後には大騒ぎして世論を喚起しますが、別のニューストピックが出来るとサーッと潮が引くかのごとく扱わなくなります。そして今ではすっかり風化してしまいました。その後も相変わらず小さな事故や設備の老朽化による故障は起こり続けているのですが、社会面の隅っこに小さく掲載されるだけです。もし事故の直後だったらその一つ一つのトラブルはもっと大きく報じられ、我々の危機意識を高めていることでしょう。

アメリカのこの流れを受け、イギリスでも推進政策に転換することが最近発表されました。アメリカ→イギリスと来れば、次はまぎれもなく日本。政策転換するのは確実でしょう。現に12月になってから、各新聞には元総理の中曽根康弘氏をキャンペーンキャラクターにした、日本原子力文化振興財団による「原発推進PR広告」が全面広告として順繰りに掲載されています。世論を刺激しないように様子を窺いながら、ジワリジワリとPRが始まっています。

エネルギーが必要なのはわかります。電気が発電されなければ我々の現在の生活は成り立ちません。しかしそれは非常に高いリスクを背負いながら営まれているということを無視してはいけないでしょう。設備や管理体制の問題点だけではなく、原発が生み出す高レベル放射性廃棄物の最終処分場は決まっていません。処分に困った放射性廃棄物は海洋投棄され、その管理を子孫に押し付けているのです。放射能は長年に渡り危険であり続けるものです。最終的な処理方法がわからないまま、いわば「見切り発車」をしているわけです。

このように、わざわざリスクを背負ってまで推進される政策には必ず「利権構造」が絡んでいます。本来、ジャーナリズムというものはそうした権力の暴走を監視し、批判的な立場を保ちながら我々に考えさせるのが役割であるはずなのですが・・・残念ながらその構造に取り込まれているかのように、大手マスメディアは骨抜きになっているのが現状のようです。

原発でのトラブル隠しの実態が次々と発覚した夏を憶えていますか?全国で原発が一斉に停止されたけれども、政府やメディアが「節電」を呼びかけて真夏の電力不足を乗り切ったではありませんか。やれば出来るはずなんです。

人間が人間である以上、ミスや不正や間違いを犯すのは防ぎようのないことです。だからこそ原発でそれが起こったら計り知れない被害をもたらすということを、もっと認識すべきです。
原発は「神」ではありません。管理しているのはあくまでも生身の人間です。しかも国による管理・検査体制がいかに杜撰でいいかげんなものかということは、マンション設計偽造問題等でも明らかではありませんか。

地震のメカニズムや被害想定の研究もまだ発展途上。原発の耐震性についても「安全だ」と神聖視できるかどうか怪しいものです。危険なものを推進してリスクを高めるよりも、リスクを負わずに済む方向を模索することに政府は労力と資金を投入するべきではないでしょうか。

目先の利権にしがみつく体制は、もういいかげんにして欲しい。人類の未来がかかってるんですから。

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