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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2005-10
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メゾン・ド・ヒミコで未知との遭遇011●トークショー開始までのミョーな光景

映画のトークショーって、あまり好きではない。できればそのまま帰りたい。
よく、ドキュメンタリー映画の小さな上映会でも、映画が終ったらすぐに司会者が出てきて、監督との質疑応答が始まったりするが、聞いた後で後悔することが多い。
せっかく映画から受けたいろんなものが自分の中でグツグツと発酵しはじめているのに、他人の言葉でぶち壊されるような気がするのだ。出来れば、観終えたばかりの作品との対話の時間をじっくり一人で楽しみたいのに、他者の言葉が侵入してくると、大切なものが消えてしまうような気がする。(←だったらさっさと帰ればいいのだが、やはり誘惑に負けて聞いてしまう場合が多い。そして後悔する・・・笑)。

妙にテンションの高い司会者だったりすると、その暴力性はさらに高まる。
「なにか質問はありませんか?」と、無邪気な笑顔で客席に振られたりすると、いたたまれなくなる。しかも誰からも質問がない場合の「シーン」とした間が怖ろしい。気の利いた質問が思い付かない自分が、まるで罪人であるかのような気持ちになってしまう。
映画を観た直後の高揚した頭で出来る質問なんて、たかが知れているではないか。ああいう時にスラスラと質問できる人って、すごいとは思うけど僕はあまり信用できない。

しかし今回は矛盾するようだが(笑)、田中泯さんのトークショーがあるというので出かけてみた。ま、観るのは2回目でもあるし。
それにしてもこの映画での田中泯さんの存在感はやっぱりすごい。彼の存在がなければあり得ない映画だと言ってしまってもいいだろう。いったい普段はどんな喋り方をする人なんだろう・・・どんな歩き方をする人なんだろう・・・。普通の姿が見られるということに、とても興味があったのだ。

客席はトークショーがあるにも関わらず、半分も埋まっていなかったのではなかろうか。すでに公開当初の熱気は冷めてしまっているらしい。いわゆる「すっきりさわやかに楽しめる娯楽作品」ではないので、しょうがないといえばしょうがない。・・・これが日本の映画界の現実だろうとも思う。今回のトークショーはきっと、そんな客入りに危惧を抱いた配給会社が急遽設定したのだろうが、告知が徹底できずに当日を迎えてしまったようだ。

映画はやはり心に沁みた。
しかし映画の終わりで、ミョーな光景を目撃して嫌な気持ちを味わった。今回はこのことを書こうと思う。

僕は1階のいちばん後ろの席で観ていたのだが、エンドロールが流れ始めた時、後ろの扉からこっそり若い男が入って来るのを目にした。彼はそっと前の方に行き、通路際の席に座った。そして映画の終了と同時に不自然な拍手をしたのだ。

誰も一緒に拍手する者はいなかった。彼の乾いた拍手のみが空しく響いてすぐ消えた。
おそらく配給会社のスタッフが、監督が来ている事に配慮して行なった行動なのだろうが、なおさら場をシラけさせてしまったように思う。

「準備があるのでしばらくお待ちください。」
明るくなった場内で、若い女性司会者が客席に語りかけた。
舞台の下には照明とビデオカメラが運び込まれ、両脇にセットされる。スタッフが脚立に乗って灯り合わせをしている。・・・僕は、たかだかトークショーで照明が焚かれるのをはじめて見た。

けっこう待たされるもんだから帰ろうかと思ってしまう。案の定、ただでさえ少ない観客がさらにパラパラと減って行く。その代わり、映画の上映時にはいなかった人たちが客席に増えて行く。この人たちは誰?(たぶん配給会社の関係者)。

そして、ある程度客席が埋まっている感じになってから、やっと監督と田中泯さんが登場。
ステージ上に設けられた椅子に座った二人は、至近距離から照明に照らされて、かなりまぶしそうだった。

配給会社のスタッフのこの日の対応は、監督への配慮を最優先し、観客への配慮を欠いているのではないかと感じた。拍手の強要なんて愚の骨頂だ。映画館はテレビのバラエティー番組の収録スタジオではないのだから。

次回は、それなりに面白かったトークショーの内容について書きます。

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