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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

ごめん。でもね・・・

香水、まあいいのかも
短髪でも、まあいいよ
ヒゲも、似合ってきたし
タンクトップはセクシーだよ

ジム、実は心配なんだ
鍛えてカッコよくなって
日焼けマシーンで黒くなったら
他の男が放っとかないんじゃないかって

冷たかったかも、ごめん。
「イカニモ」って言葉は
乱暴すぎたよね。でもね・・・

イケテルって基準は
外見だけじゃ
ないと思うんだ。

君がそうしてくれるのは嬉しい。
でもそうしなくても、俺は嬉しいんだよ。


相方記事
冷たいッスよ

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メゾン・ド・ヒミコで未知との遭遇001●これって・・・事件!?

先日、ミニシアター系で公開中の「メゾン・ド・ヒミコ」に行きました。なんでもゲイの老人ホームが描かれている映画らしいのですが・・・。
ふ~ん。

おっ、柴咲コウが出てる。
僕は彼女の不敵な目と、さばさばしたキャラクターがわりと好き。
それに・・・ななな、なんと舞踏家の田中泯が出てるではないか。なにぃぃ~っ!

田中泯と言えば舞踏界のカリスマ。映画に出てるとは!

かつて彼の舞台を見たことがありますが、舞台に置かれた巨大な鏡と格闘するように不思議な舞踏を繰り広げ、しまいには全裸になってしまうというショッキングなものでした・・・。終演後の場内は嵐のような拍手喝采。熱狂的なファンがたくさんいることは伝わってきたのですが、その頃の僕にとっては刺激が強すぎて唖然としたことを憶えています。
そんな彼が映画出演!?、しかも台詞喋るの?・・・いろんな意味で期待が高まったので、見に行くことにしました。
(注:田中泯氏はこの映画以前にも「たそがれ清兵衛」に出演し、日本アカデミー賞の助演男優賞を受賞してたりしたんですね・・・ノーマークでした。笑)

観客層は若い女の子か
・・・ゲイのカップル(笑)


主演が今をときめく二人だからか、開場前のロビーは若い女の子で溢れかえっていて、ちょっと浮き足立った雰囲気。

ちょうどオダギリ氏主演の松竹映画「SHINOBI」が封切られたばかりでもあり、宣伝のために彼のメディア露出が増えていることも原因なのかも。
ちなみに「メゾン~」は今後、全国各地のミニシアター系で拡大公開もされるらしい。しかもスポンサーに日本テレビが付いているということは、テレビで来年あたり放映されることも確実。

ふ~ん。それは喜ばしいことなのだけど・・・ちょっと待て。
オダギリ氏目当てでこの映画を見に来た彼女達が、本当にこれを見るんだよね・・・。
「ゲイの老人ホーム」が描かれた映画を。
それって・・・

考えてみたらすごいことかもしれない

僕のようにゲイである者にとっては、この映画でのゲイ描写は割とありふれた身近なこととして笑って見ていられました。もちろん細かく見て行けば反発する所もあるし違和感を覚える部分もあるけれど、全体的には細かく丁寧に描かれていると言えます。

ところが彼女達の多くは、今までの人生においてゲイのことなど「未知の領域」であった人が大多数だろうし、テレビタレント以外には見たことも考えたこともなかったことかもしれません。

なぜなら、社会の中でゲイというのは必ず一定の割合で存在しているにも関わらず、僕も含めて日常生活では周囲に気づかれないように細心の注意を払いながら生活しているからです。
いるんだけど、いないように振る舞っている我々。
だから出会ってはいるけど、本当の意味では出会ってはいないのです。

この映画がきっかけになって、彼女らはそんな未知の存在を知り、強く意識することになってしまう・・・これはちょっと事件かもしれません。

ボクらにとっても未知との遭遇

この映画、かなりリサーチを積んで考え抜かれた上で作られています。だからこそ、観客の心の深い部分にまで入り込む可能性のある映画であり、動員も伸びるでしょうからかなりの影響力を持ち得る映画なのです。ある意味では世間一般でのゲイのイメージを変化させる可能性もあります。

ど~いうことになるんだろう・・・。

この現象はとても一回のレビューでは語り尽くせそうにないので、連載にしていろんな人と語り合いたくなりました。
この映画のゲイ描写を率直にどう思ったのか、なにを感じたのか純粋に語り合いたいのです。
そして、僕がこの映画を見て思ったこともかなりたくさんあるので、「批判も含めて」細かく書いて行こうと思っています。

トラックバックをいつもより多めに、長期にわたって飛ばそうと思います(笑)。
これをきっかけに出会った人、はじめまして。
かる~い気持ちで構わないので、とりとめもなく喋ってみませんか?

次回は・・・「柴咲コウの目」についてです。

☆最新記事はこちらからご覧ください。

☆この連載では、映画の役名と俳優の芸名のうち、読者がイメージしやすいと思われる呼称を優先的に使用させていただきます。その際に「敬称」は略させていただきますので、ご了承ください。


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リチャード・グラツァー「ハードコア・デイズ」●MOVIEレビュー

渋谷の「シネ・ラ・セット」でゲイ映画が二本立てで上映中だ。
★ネタばれを気にせず、性に関する表現も書いてますのでご覚悟ください。
ゲイポルノ業界のゆるい日常をユーモラスに

レンタルビデオで間違ってゲイポルノを借りてしまった純朴な青年が、禁断の世界を知ってしまう。自分の中に眠っていた性的嗜好に気づき、画面の中のポルノスターに魅せられて、ついにポルノ制作会社に就職してしまう・・・。

このオープニングからすると、あとはめくるめくセクシー場面の連続なのかと思いきや、憧れのスターはストレート(異性愛者)の男であり、ちゃんと彼女がいた。出鼻を挫かれた観客は、それでもそのうち出てくるであろう色っぽい場面を期待しながら、いつの間にか物語の展開に引き込まれて行くことになる・・・小憎らしい映画だ(笑)。

4年前のヒット作。かなりゴージャスな作り

この映画、かなり大掛かりなプロジェクトで予算をかけて、しっかりと作り込まれている。なんでも2001年ベルリン映画祭正式招待、トロント映画祭、サンフランシスコ・ゲイ&レズビアン映画祭で賞をとるなど、「裏ハリウッド映画」として海の向こうではとっくにセンセーショナルを巻き起こした映画らしい。
考えてみたら、日本映画で「ゲイポルノ」をこれだけの規模で性描写もあからさまに描いた作品など見たことがない。ゲイのリアルな描写を商業映画で描くとしたらせいぜい、最近の「メゾン・ド・ヒミコ」が限界だろう。映画におけるゲイ描写について、海外との温度差についても考えさせられた。

業界に巣食う、憎めない人たち

この映画には、ポルノ業界のど~しようもない人々ばかりが出てくるのだが、人物描写がちゃんとしているから皆、憎めない。エンターテインメント業界の内部に渦巻く人間模様は「表」も「裏」も変わりない。そして、勤める人たちの仕事への関わり方は、そこらへんのサラリーマンの日常と大して変わらない。

主人公の健気な「献身」

最初はポルノの出演者としてスカウトされるも、社長から身体の関係を求められたので断る主人公。カメラマンとして勤めはじめることになる。
憧れのポルノスターの絡み合いや射精場面などを自らが撮影できるわけだが、カメラ以外にも現場で妙な役割を任ぜられることになる。ポルノスターの「勃たせ役」である。

スターといえども、そういつでもアソコが元気なわけではない。何時間も続く撮影中、肝心な時に疲れきっていることもある。そこで、主人公の妙な才能が活かされる。男を興奮させて復活させることがとても上手なのだ。
物陰に二人きりで隠れて、大好きなポルノスターを「勃たせる」ことに喜びを得る主人公。しかしスターはゲイではないから自分に手を出してはくれない。スターに「献身」することで満たされようとする彼の健気な思いは、まるで演歌に出てくる「耐える女」のようで、いじらしい(笑)。

使い捨てられるポルノスター

エンタ業界というのは非情である。スターが売れている時には、ちやほやと最上級の扱いをするが、翳りが出始めたらギャラを減らして簡単に使い捨てる。
このポルノスターは麻薬に溺れてしまっていたために、生活が荒れ始める。彼女も水商売で懸命に稼ぐのだが、ある日妊娠が判明してしまう。
刹那的な生き方をしているポルノスターには、自分が父親になるだなんて想像すらできない。ますます生活は荒み、撮影をすっぽかすようになる。
そしてついに解雇される。

逃避行。そして破滅へ

金策に困り果てたスターはついに強盗殺人を犯す。ポルノ業界の社長宅で、社長を殺してしまうのだ。指名手配され行き場を無くし、主人公と逃避行が開始される。
車であちこちの町を点々としながら、主人公とモーテルに泊まった夜。二人の気持ちが通じあう。主人公にとっては、夢のような一夜がついに来る。スターの肉体を我がものに出来たのだ。
ところが明くる朝。
スターは主人公の金銭を盗み、逃亡していた。

人から愛されることでしか自分を認められない「スター」というもの

そもそも容姿の美しさを誇示して「スター」になるような人間ほど、内面はもろく壊れやすいものなのかもしれない。他人から「キャーキャー」言われて、愛されることで自分の存在を実感する。一度その味を覚えてしまうと、若さの喪失とともに薄れ行く人気の翳りを受け入れられない。麻薬と同じようなものなのかもしれない。

華やかさの裏には、底知れない孤独があるものだ。人はなにかと、「幸福」という幻想を他人に被せたがるものだが、そんなものは最初から無いのかもしれない。
そんなことを考えさせられる映画だった。

同時上映の「シュガー」についてはこちら



「ハードコア・デイズ」(THE FLUFFER)
2001年 アメリカ/配給 : S.I.G
監督 : リチャード・グラツァー&ワッシュ・ウエスト
脚本: ワッシュ・ウェスト
撮影: マーク・パットナム
 
出演 : スコット・ガーニィ
マイケル・クーニョ
ロクサーヌ・ディ
ロバート・ウォーデン
デボラ・ハリー
●ハードコア・デイズDVD発売中

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冷たいッスよ

香水つけたっていいじゃないッスか
短髪は一度してみたかったから
ヒゲは似合ってると自分が思うし
タンクトップってけっこう気持ちいいッス

ジムに行くのは習慣
鍛えると調子よくなるから
日焼けマシーンは
やっぱ格好よくありたいからッス

冷たいッスよそんな言い方
「イカニモ」の一言で
オレをわかった気にならないで

イケテルかどうか
気にするのは
そんなに悪いこと?

自分が自分を好きになりたいから
もうボクには戻れないッス、オレ。


相方記事
あのさ~

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マグダレーナ・ピェコシュ「笞の痕」●MOVIEレビュー

父の厳格。息子の悲劇。

男の親子。
なにかと厄介な間柄である。
「男」というのは社会的に、メンツや体面を重んじて行動することを美徳とする生き物。西洋的に近代化された文化であるならば、どこでも共通である。

しかしそれを家の中にまで持ち込む時、悲劇が生じる。真面目で不器用な人ほど、公と私を使い分けられずに健全な父子関係を築くことが出来ない。子どもの前で「厳格な父親」であろうとするということは、家の中に「社会」を持ち込んでしまうことでもあることに気が付かない。

この映画はポーランドの30代の女性が監督し、そんな父子関係をシンプルにリアルに描き出した傑作である。
★日本での上映が限られた作品なので、ネタバレを気にせず記述しました。
鑑賞予定のある方はご注意ください。

愛情過多がもたらす暴力

幼いうちから、息子にクラシックを聴くように強要する。男らしく振舞うように強要する。少しでも自分の意にそぐわない行動をすると笞(むち)で打って「お仕置き」する。しかし息子は父の要求に順応できない。親子と言えども、違う感性を持って生まれた「他人」だからだ。

父が息子を自分の枠に嵌めて育てたがるのは愛情の裏返しなのかもしれない。愛情は基本的に盲目である。しかしそのせいで子どもの本当の姿が目に入らない。

子どもからすれば父というのは身体が大きく威圧的な存在だ。力ではかなわないし、「お前は俺がいなかったら死ぬんだぞ」と言われたら、何も言えなくなってしまう。父が暴れ出すとトイレに閉じ籠り震えてやり過ごす息子の孤独は募って行く。

父の権力の前で息子は自分を殺す

親というのは、「親である」という事実そのものがすでに権力的だ。子どもは庇護される立場にあるのでヒエラルキーから言うと「下」になる。
そのうえ、さらに権力を誇示された場合、子どもに出来ることといえば「自分を殺すこと」しかない。

父親の「いる所」と「いない所」でキャラクターを使い分ける癖が身につき、歪んだ性格が醸成されてしまう。部屋に籠もり、カセットテープに本音を録音することで感情を放出する息子。しかしそれも父に見つかり、笞で打たれるのだった。

悪循環

息子は家の中で発散できないから、学校で悪さをするようになる。成績は下がり、落第の危機を招く。
教師から父親に呼び出しがかかる。そのことでまた叱られる。・・・恐怖の悪循環が起こる。
この家は父子家庭であるようだ。
「アメとムチ」の「ムチ」しかないということは、ただでさえ立場の弱い子どもにとっては行き場がなくなる。

自分を殺して育った息子は、孤独を好み歪んで育つ

父の歪んだ愛情というものは息子を歪ませる。息子は周囲と折り合いがつかないので孤独を好むようになり、成長してからは探検家になる。性格が攻撃的だから友人が出来ない。
しかし彼の暗さに興味を持ち、積極的にアプローチをする女性が現れる。「女」であることを前面に押し出し、頑なな彼を翻弄することに喜びを見出すタイプの女性。彼女によって、彼の硬くなった心は解きほどかれて行く。

「あなたは、やさしさを隠した非情家よ。」

彼女は見抜いていた。弱いからこそ強がっている、彼の壊れそうな魂を。
こういうのを母性本能というのだろうか。主人公を救済するために、このような人物を登場させるのは女性監督らしい描き方だと思った。

やがて二人は結ばれる。
30歳を過ぎ、ふとした日常で、父に似てきていることを実感する彼。逃げていたはずの父に、自分が重なって行く不思議。
そしてある日、長らく縁を切っていた父が亡くなったことを、死後数日経ってから知るのだった。


父の孤独死。
はじめて対話できた父と息子


父の遺品としてカセットテープを渡される。そこには、長年会えずにいる息子に対して語りかける父の謝罪が吹き込まれていた。

その中で父は息子に語りかける。かつて息子が吹き込んでいた父への不満が詰まったテープを、
一人で毎日聴いているという。本当は息子に謝りたかったが出来なかったことへの自責の念。年老いた父が孤独の中で吹き込み続けたモノローグが淡々と流れる中、息子は取り返しのつかない時間が経過してしまったことを始めて意識する。
その夜、彼は彼女に抱きつき慟哭する。そのまま激しくセックスする。

◇◇◇
僕にはとても重い映画だった。自分の体験と重なり合う部分が非常に多いからだ。しかしわざわざ自分から、この映画を選んで観に行ってしまった。自分の根幹に関わるテーマだと思っているからだ。

親子なのに格好つけるな!
格好つけてるうちに
人生は終わり行く。


僕はかねがね思っている。親子関係というのは、もっと自然にフツーに形作ることはできないのだろうかと。
僕の父も愛情過多だった。庇護していることを事あるごとに口にし、権力を誇示してきた。厳格さという鎧をまとって息子に接しようとする父との葛藤を抱えながら育った歪みを、僕は今でも克服出来ないでいる。
わりとこういう人は多いのではないだろうか。この国の文化はなぜか、父親の理不尽に対して寛大であるから。前時代的な「家父長制」の亡霊が、いまだに少なからず跋扈し続けているから。

格好つけるというのは基本的に「嘘」である。その人本来の姿ではないのだから。子どもは大人の嘘を敏感に察知する。しかし大人はそれを認めようとしない。
そして、息子に「こうあらねばならない」という理想像を過剰に押し付けるということは、息子の現在に対して盲目である場合が多い。父親というものはなぜか、自分を息子に投影させようとする。だからなかなか「他者」として息子を扱えないのである。

せっかくのかけがえのない「親子の時間」が、こうした歪みで失われてしまうことに早く気付くべきである。「親と子」でいられる時間など、そう長くはないのだから。
◇◇◇
余談だが・・・僕は今までもこれからも、父が要求する「世間並みの男」という理想像に当てはまることは出来ないだろう。ゲイだから。

ゲイの人で、僕と同じように父との葛藤を抱えている人は非常に多いのではないかと思う。
男らしさという規範に息子が当てはまらない場合、父親との葛藤は激しさを増すだろうから。
そして、そういう人ほどゲイになりやすいのではないかとも感じる。
・・・もう少し気持ちの整理が出来たら、いずれこのテーマでここに、書きはじめるかもしれない。

◇◇◇
笞(むち)の痕(あと)
Pregi
2004年 カラー 91分 日本未公開
監督:マグダレーナ・ピェコシュ(1974- )
原本・脚:ヴォイチェフ・クチョク
撮影:マルチン・コシャウカ
美術:ヨアンナ・ドロシュキェヴィッチ、エヴァ・スコチコフスカ
音楽:アドリアン・コナルスキ
出演:ミハウ・ジェブロフスキ、ヤン・フリチ、アグニェシュカ・グロホフスカ、ヴァツワフ・アダムチック、ボリス・シツ、ヤン・ペシェク

<今後の日本公開日程>

●9月25日(日)13:00
・・・「ポーランド映画昨日と今日」
東京国立近代美術館フィルムセンター
小ホール(地下1階)

●10月27日(木)12:00
・・・第18回東京国際女性映画蔡
~映像が女性で輝くとき
東京ウィメンズプラザ
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