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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

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この親不孝者めがっ!

地震があった日。
母を見舞った病院の帰りだった。母は今、足の手術で入院している。

東京に帰る電車に乗る前の喫茶店。ゴーっという地鳴りとともに来た衝撃。お店の電灯は激しく揺れた。とっさに僕が思ったこと。
「東京に帰れるかな?」

電車が止まるのではないかという心配。帰れなくて翌日の仕事に穴を空けるのではないかという心配。・・・自分のことだけだった。
「これから東京に帰るんです。」
同じ揺れを共有したお店の他のお客さんにそう言うと、
「危険だからもう少し待ってからにしたら?」と心配してくれた。
でも・・・帰らないと。僕には過ごすべき日常が待っている。


上り電車は徐行しながらなんとか新宿には辿りつく。そこから先はすべてストップ。バスは大混雑で、タクシーは長蛇の列。映画でも見て時間を潰そうと思ってもどこも「立ち見」。エレベーターもあちこちで止まっている。
こういう時の東京はもろい。普段、便利な分だけ「不便」という状況には慣れていないのだ。

街路には人が溢れ、駅の構内や駅前広場も立ち往生した人々でいっぱい。
ここでまた大きな揺れでも起きたら大パニックになるのではないかと不安がよぎる。
たまたまレストランに空席があったので、読書しながら電車の再開を待つ。やがて地下鉄が動いたのでいつもよりかなり遠回りして、家に着いた。

「母が心配しているかもしれない。」
そう思い、帰宅したことをメールで知らせる。
返事は来なかった。

翌日、返事が来た。メールが大量に使われたため、不具合が生じたためなのだろうか。母の元には翌日の朝に届いたらしい。
「すごく揺れてどうなることかと思った。こんな揺れは初めて。8階だからよけいだろうと思うけど。身動きできない身には恐怖だね。これ以上揺れたら駄目かな。いよいよかななんて枕を抱えてじっとしてたよ。」
そこには、今、身動きができない状態でいる母が感じた恐怖が綴られていた。

なんて親不孝者だろう。
このメールを見るまでは、その瞬間に母がどう感じたのか、僕はまったく心配すらせず、思いやりもしなかった。ただ自分のことばかり考えていた。母はそのことを直接書いてはいないが、僕の素っ気無いメールに寂しさを感じたかもしれない。

親が子どもの事を「わかっているようでわかていない」のと同じくらい、
子どもも親の事をわかっていない。
親だってあたりまえに恐怖を感じる人間だし、決して強いわけではない。子どもの前では「親」でいなければならないわけだから「親」としての虚勢も張るだろう。
そうした姿を見慣れて安心し、親の感じる孤独や恐怖を思いやってこなかった自分の身勝手さに腹が立った。
母の返信メールの行間から滲み出る、いろんなことについて考えた。

僕は今まで、母のことを見ているようで見ていなかった。
父のこともそうだろう。
なのに、自分のことばかり見て欲しくて、知って欲しくて求めてばかりいた。

甘えてきたのは自分でもある。
もう甘えるのは、やめよう。

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大学時代、ゲイを演じることになり・・・13

役の上で先輩のことを好きになっている状態が続くと、不思議と普段も先輩が魅力的に思えてきます。実際優しくて、うまくリードしてくれて、ファースト・キスのお膳立てまでしてくれるとても魅力的な人なので当然ですが。
いよいよ本番前の最終リハーサル。
照明の下で衣裳や小道具、メイクも本番どおりに行います。ディテールが整ってくると「役」がますます自分の中に息づいてくるのがわかります。
最終リハーサルでも稽古場と同じようにキスはせず、フリをしただけでした。でも、たしかこの時はじめて「本当にキスしたい」と思ったことを憶えています。

照明の下で演じると、まぶしさによって役者には周囲や客席が見えなくなります。相手役や舞台上のセット以外のものが目に入らなくなるので、とても演技に集中しやすい環境になります。
いつも鋭い目を光らせている演出家の姿も見えなくなるので、まさに解き放たれた鳥のよう(笑)。これなら本番のキスシーンも照れずに出来そうだと、手応えをつかむことが出来ました。
キスのシーンでは、ライトが熱いからか、顔を近づけたら先輩は汗びっしょり。キラキラして魅力的でした(笑)。

本番前、演出家からの最後の「ダメ出し」での発言。
「だんだん二人の愛が見えてきた。もう、充分に見ている人には感じられるようになってるから、それ以上説明しようとはしないでね。説明的な演技って観客を馬鹿にする行為だから。毎回、新鮮に楽しんでね。」
・・・嬉しい言葉だった。
さらに彼女はキスシーンについても言及した。
「キスは、演じていてもし気持ちが乗らなかったらしなくてもいいから。
しなくても充分、わかるようには作ってあるの。安心して。
本当に出来ると思ったときだけにして。嘘ではしてほしくないの。」
・・・彼女なりの挑発だったのだろう。それを聞いた先輩は
「よ~し、絶対に毎回しような。」と、僕の肩を抱いて言ってくれた。・・・ドキドキした(笑)。

いよいよ、そのときが来てしまうのだ。
ただでさえ本番初日というものは必要以上に緊張する。
でも・・・先輩を信じてみようと思った。

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