大学時代、ゲイを演じることになり・・・12

つまり接近はするのですが唇は付けず、ギリギリのところでずらしておくのです。僕はそれだけでも緊張して、息を止めて目をつぶって硬直していたのですが・・・何回かやってるうちに徐々に慣れてきました。
役者というものは稽古を重ねるほどに、だんだんと役の人物の内面を自分のカラダでも実感しはじめ、心が動きだすものです。頭で解釈していたものが「自分のものとなる」瞬間です。僕も先輩も、だんだんそういう気分が出せるようになって来ました。
稽古場でやる最後の通し稽古の頃には、かなり先輩のことを愛しく思う感情が芽生えて来ていたように思います。これは役者としては歓迎すべきことです。でも、素の状態でも先輩を見るとドキドキしてました(笑)。そして、あの唇とキスができるということが、ひそかに楽しみになってきました。
先輩は本当に優しい人です。
稽古でのキスシーンでは唇をつけないので、固くなっている僕にこっそり変な言葉をささやいてリラックスさせてくれました。役者って、こっそりふざけたことが出来るくらいにリラックスして演じていた方がいいものなんです。先輩はそういう意味でもリードしてくれます。
はじめの頃は「やってらんねぇ~」とか「早く帰りてぇ~」といった演出家に対するグチが多かったのですが、だんだん内容が変わってきました。
「早くしたい。」とか「やっちゃおっか。」とか、色っぽい言葉で僕を動揺させるようになってきたのです。
僕は照れ隠しで「ダメ」とか「ヤダ」とかその場は返してたのですが、だんだんそれが楽しみにもなって来ました。
校内での稽古は終わり、いよいよ劇場へ。舞台の仕込みが終わり、いよいよ照明の中で最終リハーサル(ゲネプロ)です。衣裳もメイクも本番どおり。
その頃には、僕はすっかり先輩のことが好きになっていました。
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あれもこれも。

あれもそれも欲しくって
こんどはこれが欲しくなって
あれもそれも知りたくって
それでもこれもまだ知らない。
次から次へとなにかが起こって
カメラとマイクが一斉派遣
ボクらの目となり口となり
あれやこれやと教えてくれる
流れて消えて流れて消えて
朝が来たならまた新鮮な
あれやこれやがボクらを待ってる
消えたものは消えたまま
消えるべきかも問われずに
だって次が待ってるから。
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