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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

大学時代、ゲイを演じることになり・・・06

キ・・・キスシーン・・・。
僕は心の中で青ざめてしまいました。なぜなら・・・それまでまったく経験がなかったからです。

高校時代に付き合っていた女の子とも、手をつなぐのがやっと。しかも相手がつないできた時限定。
僕としては、ただそれだけのことでもかなり無理して演じてやっていたために、それ以上発展のしようがなかったのですが・・・。だから19歳になる当時まで、キスというものは僕にとっては、まったくもって想像の世界のものでした。
はじめての経験をする前というのは誰でもそうだと思いますが、必要以上に妄想が膨らみ、神聖視しがちです。特にキスというものは「ファースト・キス」という言葉もある位ですから・・・とても大事なものだと思っていました。だからその時の動揺といったら、それはもう(笑)。しかしその動揺を悟られると恥ずかしいので、オモテ向きは「キス?・・・あ、そう。ふーん。」という感じで平静を繕っていました。
しかしそのことを敏感に察知したのか、演出家がいきなり皆の前で
「キスしたこと、あるよね。」
と、無表情で聞いてきやがった。
「当たり前じゃないっすか~。いくつだと思ってるんですかぁ~」
と、かろうじて平静に返事をしたものの・・・心臓はバクバク(笑)。
「なんだ。せっかくだからデビューさせてあげようと思ったのに。じゃ、明日までに台詞入れてきて。」
あくまでもクールに稽古場を取り仕切って、彼女は帰って行きました。
まったく・・どこまで人を翻弄すれば気が済むんだか。

そう答えてしまった以上、僕は「キスぐらいフツーにしたことのあるフツーの健全な男子」であらねばならなくなってしまいました。ああ・・・。
はじめてのキスくらいはやっぱり、好きな人としたいじゃないですか。
ちゃんと自分が納得した形でしたいじゃないですか。
でも、若さゆえの真面目さで演劇に燃えていた僕としては「役者たるもの、キスの一つや二つ、演じるためだったらするのが当たり前っ!」と、自分を無理やり納得させました。

しかし・・・いよいよ翌日からは、実際にそのシーンの立ち稽古が始まってしまうのです。
ど・・・どうしよう。どの程度まで口をつけるのがキスというものなのかなぁ・・・。舌を絡ませなきゃ、慣れてない人と思われちゃうのかなぁ・・・。未経験だと悟られてしまうのではないかと不安が募ります。
そんな不安をなんとか克服すべく、さっそくキスシーンが含まれていそうな恋愛映画のビデオをレンタルして、その日の僕は徹夜で「キス」を研究したのでした・・・。

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