これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル17●最終回。さらなる「可視化」へのヒント
17回にわたって連載してきましたシンポジウムの模様ですが、今回が最終回です。まずは及川健二さんへの質問と回答から。
「フランスが、特に同性愛者に好意的な国であるとは言えないと思う。同性愛者は、数あるマイノリティーの中の一つでしかない。フランスでは、上川さんのような政治活動が行われる可能性は非常に乏しいと思います。また、フランスの統計は必ずしも現実を反映するものではない。もともとアンケートに答える人は特権階級がなぜか多い。むしろ、現実の市民の同性愛者に対する感覚は「無関心」だと思う」
及川さんの返答です。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
続いて宮台真司さんに対しての質問です。
「僕は多様な生き方が認められる社会になってほしいと思うのですが、そのためにも、上川さんのようにカミングアウトをしたり、今回のシンポジウムのようなものを開いたりして広くアピールしていくことが大事だと思います。しかしカッコ良さで社会が変わっていくことは、ある意味危ういことだとも思うんですよ。カッコ良さによって、ネオナチみたいな流れになってしまうことだって有り得るし。そこらへんについてはどのようにお考えですか。」
宮台さんの返答です。(テープの残り時間が切れそうだったので「長時間モード」に切り換えたため映像に乱れがあります。ご了承ください。)
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
実存の問題と、社会的公正の問題を分けて考えることが「成熟」ということ。なろほど。
今回のシンポジウムは話されていた内容もさることながら、及川さんのイベント創出能力が素晴らしいと思いました。事前のPRから人選、そして当日の進行に至るまで本当に戦略的であり、刺激的な「場」を創出することに成功していたと思います。参加者相互にとっても貴重な交流の場になっていましたし、こういうの、どんどんやるべきですね。
僕個人にとっても、たくさんの「きっかけ」を与えられた場でした。上川あやさんとの出会いがありましたし、石坂わたるさん、赤杉康伸さんの「当事者としての政治参加」への動きを心から応援したいと思うきっかけにもなりました。そして、会場に来ていたライターの永易至文さんと影坂狩人さんとも、はじめて言葉を交わすことが出来ました。
2007年はフランスだけではなく日本の政治も大きな変革の時を迎えます。日本のLGBTにとってもいよいよ、「コミュニティーとしての戦略的思考能力」が試される時が、確実にやって来ます。
「これからの多様な性&家族&ライフスタイル」各記事へのリンク
01●パネリスト紹介
02●パートナーシップ制度と日本~石坂わたるさん、赤杉康伸さん
03●及川健二さん①虹色の社会~フランス同性愛事情
04●及川健二さん②いよいよ来年フランスで
05●大河原雅子さん~私のマニフェスト
06●宮台真司さん~家族とは。そして本当の「保守」とは
07●上川あやさん~街の人は、私を放っておかなかった
08●「時短の旗」を再び~大河原雅子さん
09●多様性フォビアの克服のために~宮台真司さん
10●有権者として見られていないLGBT、そして足の引っ張り合い~石坂わたるさん・赤杉康伸さん
11●可視化のための条件~宮台真司さんからの一言
12●モデルケースの創出を~永易至文さんのコメント
13●当事者議員に増えてもらいたい~菅伸子さんの感想
14●他の立場の人々との連携の秘訣~上川あやさん
15●イスラム教・キリスト教についての質問~及川健二さんの回答
16●ネットメディアの影響力、匿名の功罪~石坂わたるさん/顔の出せる当事者から動こう~赤杉康伸さん
日本のLGBTにはまだ「当事者が発信する映像メディア」がありません。既存のマスメディアによるセンセーショナルで歪んだLGBTイメージを払拭するべく、これからも機会があれば、こうした形でLGBT当事者にまつわる情報を発信して行こうと思っています。
もし撮影&Web公開が可能なイベント・シンポジウムがある場合にはぜひ、ご連絡ください。都合のつく限り撮影・公開させていただきます。→FC2 同性愛Blog Ranking
mail→akaboshi07@mail.goo.ne.jp
「フランスが、特に同性愛者に好意的な国であるとは言えないと思う。同性愛者は、数あるマイノリティーの中の一つでしかない。フランスでは、上川さんのような政治活動が行われる可能性は非常に乏しいと思います。また、フランスの統計は必ずしも現実を反映するものではない。もともとアンケートに答える人は特権階級がなぜか多い。むしろ、現実の市民の同性愛者に対する感覚は「無関心」だと思う」
及川さんの返答です。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
続いて宮台真司さんに対しての質問です。
「僕は多様な生き方が認められる社会になってほしいと思うのですが、そのためにも、上川さんのようにカミングアウトをしたり、今回のシンポジウムのようなものを開いたりして広くアピールしていくことが大事だと思います。しかしカッコ良さで社会が変わっていくことは、ある意味危ういことだとも思うんですよ。カッコ良さによって、ネオナチみたいな流れになってしまうことだって有り得るし。そこらへんについてはどのようにお考えですか。」
宮台さんの返答です。(テープの残り時間が切れそうだったので「長時間モード」に切り換えたため映像に乱れがあります。ご了承ください。)
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
実存の問題と、社会的公正の問題を分けて考えることが「成熟」ということ。なろほど。
今回のシンポジウムは話されていた内容もさることながら、及川さんのイベント創出能力が素晴らしいと思いました。事前のPRから人選、そして当日の進行に至るまで本当に戦略的であり、刺激的な「場」を創出することに成功していたと思います。参加者相互にとっても貴重な交流の場になっていましたし、こういうの、どんどんやるべきですね。
僕個人にとっても、たくさんの「きっかけ」を与えられた場でした。上川あやさんとの出会いがありましたし、石坂わたるさん、赤杉康伸さんの「当事者としての政治参加」への動きを心から応援したいと思うきっかけにもなりました。そして、会場に来ていたライターの永易至文さんと影坂狩人さんとも、はじめて言葉を交わすことが出来ました。
2007年はフランスだけではなく日本の政治も大きな変革の時を迎えます。日本のLGBTにとってもいよいよ、「コミュニティーとしての戦略的思考能力」が試される時が、確実にやって来ます。
「これからの多様な性&家族&ライフスタイル」各記事へのリンク
01●パネリスト紹介
02●パートナーシップ制度と日本~石坂わたるさん、赤杉康伸さん
03●及川健二さん①虹色の社会~フランス同性愛事情
04●及川健二さん②いよいよ来年フランスで
05●大河原雅子さん~私のマニフェスト
06●宮台真司さん~家族とは。そして本当の「保守」とは
07●上川あやさん~街の人は、私を放っておかなかった
08●「時短の旗」を再び~大河原雅子さん
09●多様性フォビアの克服のために~宮台真司さん
10●有権者として見られていないLGBT、そして足の引っ張り合い~石坂わたるさん・赤杉康伸さん
11●可視化のための条件~宮台真司さんからの一言
12●モデルケースの創出を~永易至文さんのコメント
13●当事者議員に増えてもらいたい~菅伸子さんの感想
14●他の立場の人々との連携の秘訣~上川あやさん
15●イスラム教・キリスト教についての質問~及川健二さんの回答
16●ネットメディアの影響力、匿名の功罪~石坂わたるさん/顔の出せる当事者から動こう~赤杉康伸さん
日本のLGBTにはまだ「当事者が発信する映像メディア」がありません。既存のマスメディアによるセンセーショナルで歪んだLGBTイメージを払拭するべく、これからも機会があれば、こうした形でLGBT当事者にまつわる情報を発信して行こうと思っています。
もし撮影&Web公開が可能なイベント・シンポジウムがある場合にはぜひ、ご連絡ください。都合のつく限り撮影・公開させていただきます。→FC2 同性愛Blog Ranking
mail→akaboshi07@mail.goo.ne.jp
スポンサーサイト
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル16●ネットメディアの影響力、匿名の功罪~石坂わたるさん/顔の出せる当事者から動こう~赤杉康伸さん
続いて東京メトロポリタンゲイフォーラムの石坂わたるさんと赤杉康伸さんに、こちらの発言に対する質問がありました。
「ゲイの団体や支援団体の中で足の引っ張り合いがあるという点なのですが、例えば国際平和とか環境問題でも、ソロバン勘定では一緒に協調した方がいいとはわかっていても、それが出来ないという現状が多々あると思うんですね。今の状況を鑑みて、ゲイの団体が有機的につながり、社会的につながるにはどうすればいいと思っていますか。」
石坂さんと赤杉さんからの返答です↓
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
僕が「ネット」から「リアル」へ出てみて思ったこと
僕も「匿名」で個人ブログというネット・メディアを持っているLGBT当事者の一人です。最近、ここで使っている「akaboshi」という名前を名乗りながら、実際にLGBT絡みの活動やイベントに参加しはじめています。リアルな場に出始めてみて思いました。やはり、以前までの「完全に顔が見えない状態」というのは、周囲にかなり警戒心を抱かせていたんだなぁということを。
自分は自分のことを知っているけれど、顔の見えない僕に書かれる人たちは「ネット上の文章でしか」僕のことを知らない状態だったわけで。そういう状態と言うのは、やはりどこかしら「不安」を相手に与えます。それは当然のこと。
会ってしまえばなんでもないし、直接言葉を交わし合ってしまえば過剰な疑心暗鬼は氷解するものです。しかし、引き篭もっている側がその「ハードル」を越えるには、やっぱり勇気が必要なんです。だって「LGBT当事者です」と名乗っている状態で昼間っから人と会うわけですから、そりゃ~最初は怖いですよ、やっぱり。
僕の場合は、このブログのコメント欄で誘ってくれたり、何気なく勇気付けたりしてくださった人がいたから「引き篭もり気味なゲイ」から脱出できたようなものです(笑)。読んでくださっている人に「僕はこうしますっ!」と宣言することで自分を奮い立たせながら出かけて行き、「ブログに書いちゃったからなぁ~」ということで、後戻り出来ない状況に自分を誘導しました。(おそらく僕のターニング・ポイントであるこの日も、この記事を書かなければ途中で引き返していたことでしょう。笑)
結果的にいろんな人たちに出会い始めましたし、自分の世界がすごく広がりましたから、声をかけてくださった方には本当に感謝しています。次は僕が、もしネット上でかつての僕のような人を見かけた場合には、積極的に「リアルな場」へと誘い出そうかなと思ってます。
なんか来年の政治の動き、ワクワクするんですけど(笑)
赤杉康伸さんの発言にある通り、LGBTを取り巻く政治の状況は、上川あやさんと尾辻かな子さんの活躍でここ数年、確実に変化してきています。さらにこの動きを加速させるには、来年の春に任期が切れる上川さんと尾辻さんの政治家としての今後の展開を応援したり、LGBT当事者の新たなチャレンジを積極的にサポートすることが必要ですね。
●東京メトロポリタンゲイフォーラム
●尾辻かな子さんホームページ
●上川あやさんホームページ
来年の一斉選挙に向けての東京メトロポリタンゲイフォーラムの動向や、LGBT当事者議員たちの活動には要注目!。僕は結構、今からワクワクしています。なんだか楽しそうじゃないですか変化のある時って(←軽っ!笑)。LGBTの更なる可視化に向けて実りある変化になるよう、出来る限りのことをするつもりです。→FC2 同性愛Blog Ranking
「ゲイの団体や支援団体の中で足の引っ張り合いがあるという点なのですが、例えば国際平和とか環境問題でも、ソロバン勘定では一緒に協調した方がいいとはわかっていても、それが出来ないという現状が多々あると思うんですね。今の状況を鑑みて、ゲイの団体が有機的につながり、社会的につながるにはどうすればいいと思っていますか。」
石坂さんと赤杉さんからの返答です↓
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
僕が「ネット」から「リアル」へ出てみて思ったこと
僕も「匿名」で個人ブログというネット・メディアを持っているLGBT当事者の一人です。最近、ここで使っている「akaboshi」という名前を名乗りながら、実際にLGBT絡みの活動やイベントに参加しはじめています。リアルな場に出始めてみて思いました。やはり、以前までの「完全に顔が見えない状態」というのは、周囲にかなり警戒心を抱かせていたんだなぁということを。

会ってしまえばなんでもないし、直接言葉を交わし合ってしまえば過剰な疑心暗鬼は氷解するものです。しかし、引き篭もっている側がその「ハードル」を越えるには、やっぱり勇気が必要なんです。だって「LGBT当事者です」と名乗っている状態で昼間っから人と会うわけですから、そりゃ~最初は怖いですよ、やっぱり。
僕の場合は、このブログのコメント欄で誘ってくれたり、何気なく勇気付けたりしてくださった人がいたから「引き篭もり気味なゲイ」から脱出できたようなものです(笑)。読んでくださっている人に「僕はこうしますっ!」と宣言することで自分を奮い立たせながら出かけて行き、「ブログに書いちゃったからなぁ~」ということで、後戻り出来ない状況に自分を誘導しました。(おそらく僕のターニング・ポイントであるこの日も、この記事を書かなければ途中で引き返していたことでしょう。笑)
結果的にいろんな人たちに出会い始めましたし、自分の世界がすごく広がりましたから、声をかけてくださった方には本当に感謝しています。次は僕が、もしネット上でかつての僕のような人を見かけた場合には、積極的に「リアルな場」へと誘い出そうかなと思ってます。
なんか来年の政治の動き、ワクワクするんですけど(笑)

●東京メトロポリタンゲイフォーラム
●尾辻かな子さんホームページ
●上川あやさんホームページ
来年の一斉選挙に向けての東京メトロポリタンゲイフォーラムの動向や、LGBT当事者議員たちの活動には要注目!。僕は結構、今からワクワクしています。なんだか楽しそうじゃないですか変化のある時って(←軽っ!笑)。LGBTの更なる可視化に向けて実りある変化になるよう、出来る限りのことをするつもりです。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル15●イスラム教・キリスト教についての質問~及川健二さんの回答
及川健二さんへの会場からの質問と回答です。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
●2005年の7月にネット上に公開されたイランでの「同性愛者少年公開処刑」の写真は、ニューヨーク在住のゲイ・ジャーナリスト北丸雄二さんのサイトで見ることが出来ます。→こちら。
●ブログ「及川健二のパリ修行日記」で、これまで及川さんが参加してきたゲイ・パレードの様子を知ることが出来ます。以下は、その中の一部です。
→ベルギーのゲイ・パレードに参加してきましたよ。(2005年5月8日)
→ゲイ男性死刑執行を弔ったアムステルダム=ゲイ=パレード(2005年8月9日)
→『アムステルダム・プライド2005』見聞録(1)(2005年8月12日)
→『アムステルダム・プライド2005』見聞録(2)(2005年8月18日)
フランスの政治事情・同性愛事情については、及川健二さんの著書で詳しく知ることが出来ます。今後の彼の活動活性化にも繋がりますので、ぜひぜひお買い求めください。
●「ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情」
●「沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き」
NEWS!
YOUTH TALK ABOUT JAPANの映像でおなじみの福島瑞穂さんがフランスに渡り、セゴレーヌ・ロワイヤルさんと12月22日に会談しました。ロワイヤルさんは来年の大統領選挙で当選した暁には「同性カップルの結婚合法化を支持する」と発言している人です。そしてこの会談のセッティングには及川さんが協力したらしいですよ。Good Job!→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
●2005年の7月にネット上に公開されたイランでの「同性愛者少年公開処刑」の写真は、ニューヨーク在住のゲイ・ジャーナリスト北丸雄二さんのサイトで見ることが出来ます。→こちら。
●ブログ「及川健二のパリ修行日記」で、これまで及川さんが参加してきたゲイ・パレードの様子を知ることが出来ます。以下は、その中の一部です。
→ベルギーのゲイ・パレードに参加してきましたよ。(2005年5月8日)
→ゲイ男性死刑執行を弔ったアムステルダム=ゲイ=パレード(2005年8月9日)
→『アムステルダム・プライド2005』見聞録(1)(2005年8月12日)
→『アムステルダム・プライド2005』見聞録(2)(2005年8月18日)

●「ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情」
●「沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き」
NEWS!
YOUTH TALK ABOUT JAPANの映像でおなじみの福島瑞穂さんがフランスに渡り、セゴレーヌ・ロワイヤルさんと12月22日に会談しました。ロワイヤルさんは来年の大統領選挙で当選した暁には「同性カップルの結婚合法化を支持する」と発言している人です。そしてこの会談のセッティングには及川さんが協力したらしいですよ。Good Job!→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル14●他の立場の人々との連携の秘訣~上川あやさん
多様性を認め合える社会にするために。
LGBT当事者達だけではなく、同じように「抑圧された感覚」を持って日常を過ごしている人たちと連携を組んで行けるかどうかが、重要な鍵であることが浮かび上がってきました。そうした質問に対し上川あやさんが、「トランスジェンダー」であることを公表した上で選挙を戦った時の体験談を話しました。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
やはり最も人の心を動かすのは「当事者が勇気を持って、実際に存在していることを直接示すこと」なのでしょう。映像よりもネット上よりも、「自分の目で直に見て、同じ空間を実際に共有すること」で、理屈を越えて人として通じ合うものがあるし伝わるものがある。いろんなコミュニケーション・ツールが発達しても結局は、その「基本」を大事にするべきなのでしょうね。
●上川あやさん公式ホームページ
●上川あやさんブログ「あや流一期一会日記」
シンポジウム前半での上川あやさんの発言を再掲載させていただきます↓
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
最初に選挙に出る時ってほんと、「どうなっちゃうのかわからない」わけだから飛び込むような気持ちだったんだと思いますよ。でも、応援してくれる人がたくさん駆けつけて一丸となった。街の人たちともリアルな交流が生まれて声をかけてくれるようになった。その体験って本当に素晴らしいものだったんだと思う。そしてその「かけがえのない記憶」が、その後の上川さんの政治活動に、強力なエネルギーを注ぎ続けているんだと思います。
上川さんが「外の世界」に感じていた壁と、「外の側」が感じていたLGBTへの壁。壁は互いに築き合っていたものなのかもしれません。そのことに両者が気が付けば、崩すのは案外、簡単なものなのかもしれないですよ。→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT当事者達だけではなく、同じように「抑圧された感覚」を持って日常を過ごしている人たちと連携を組んで行けるかどうかが、重要な鍵であることが浮かび上がってきました。そうした質問に対し上川あやさんが、「トランスジェンダー」であることを公表した上で選挙を戦った時の体験談を話しました。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
やはり最も人の心を動かすのは「当事者が勇気を持って、実際に存在していることを直接示すこと」なのでしょう。映像よりもネット上よりも、「自分の目で直に見て、同じ空間を実際に共有すること」で、理屈を越えて人として通じ合うものがあるし伝わるものがある。いろんなコミュニケーション・ツールが発達しても結局は、その「基本」を大事にするべきなのでしょうね。
●上川あやさん公式ホームページ
●上川あやさんブログ「あや流一期一会日記」
シンポジウム前半での上川あやさんの発言を再掲載させていただきます↓
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
最初に選挙に出る時ってほんと、「どうなっちゃうのかわからない」わけだから飛び込むような気持ちだったんだと思いますよ。でも、応援してくれる人がたくさん駆けつけて一丸となった。街の人たちともリアルな交流が生まれて声をかけてくれるようになった。その体験って本当に素晴らしいものだったんだと思う。そしてその「かけがえのない記憶」が、その後の上川さんの政治活動に、強力なエネルギーを注ぎ続けているんだと思います。
上川さんが「外の世界」に感じていた壁と、「外の側」が感じていたLGBTへの壁。壁は互いに築き合っていたものなのかもしれません。そのことに両者が気が付けば、崩すのは案外、簡単なものなのかもしれないですよ。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル13●当事者議員に増えてもらいたい~菅伸子さんの感想
永易至文さんに続きまして、及川健二さんからの「やらせ質問」第2弾(笑)は、民主党・菅直人氏のお連れ合いである管伸子さんです。それを聞くパネリストの皆さんのリアクションと共に、ご覧ください。それにしても、及川さんのイベント・プロデュース能力って本当にスゴイですね。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
上川あやさんや尾辻かな子さんのように「当事者が直接訴えかけること」は、本当に実際的な成果をもたらすことは最近の彼女達の活躍ぶりを見れば明らかです。そして当事者以外の人々と連携を組むことにより、さらに大きな広がりを持たせて行くことが今後の課題となっています。
民主党の大河原雅子さんは、パートナーシップの法的保障が「世帯単位」になっているところを「個人単位」に変えて行くことを、民主党のマニフェストに書き込んで行くという決意表明をしてくださいました。会場で配られたプロフィールによれば彼女は東京都議会議員時代、2000年の文書質問趣意書の中で、東京都に次のように提言したことがあるそうです。
「同性愛者をはじめ、性的マイノリティーの方々の人権問題を『人権施策推進のための指針』に位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか」
2000年という早い時期において、しかも石原慎太郎都政の中で発言したということ自体本当にすごいこと。ぜひぜひ、今後も継続して取り組んでいただければと思います。
社民党の保坂展人さんや福島瑞穂さんなど、LGBTの人権問題に積極的に取り組む姿勢を示す政治家は増えて来ています。今後の活動に注目し続けましょう。ところで、やっぱり自民党の方々は全くもって、このような姿勢を示してくださいませんね。→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
上川あやさんや尾辻かな子さんのように「当事者が直接訴えかけること」は、本当に実際的な成果をもたらすことは最近の彼女達の活躍ぶりを見れば明らかです。そして当事者以外の人々と連携を組むことにより、さらに大きな広がりを持たせて行くことが今後の課題となっています。
民主党の大河原雅子さんは、パートナーシップの法的保障が「世帯単位」になっているところを「個人単位」に変えて行くことを、民主党のマニフェストに書き込んで行くという決意表明をしてくださいました。会場で配られたプロフィールによれば彼女は東京都議会議員時代、2000年の文書質問趣意書の中で、東京都に次のように提言したことがあるそうです。
「同性愛者をはじめ、性的マイノリティーの方々の人権問題を『人権施策推進のための指針』に位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか」
2000年という早い時期において、しかも石原慎太郎都政の中で発言したということ自体本当にすごいこと。ぜひぜひ、今後も継続して取り組んでいただければと思います。
社民党の保坂展人さんや福島瑞穂さんなど、LGBTの人権問題に積極的に取り組む姿勢を示す政治家は増えて来ています。今後の活動に注目し続けましょう。ところで、やっぱり自民党の方々は全くもって、このような姿勢を示してくださいませんね。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル12●モデルケースの創出を~永易至文さんのコメント
宮台真司さんの発言に続き、会場からの質疑応答の時間になりました。まずは及川健二さんが「やらせ質問である」とカミングアウトした上で(笑)既に声をかけていたお二人からの発言を求めました。一人目は、フリーライターの永易至文さんです。
最近、「にじ」を知るというコーナーを立ち上げて永易さんの活動から学んで行こうと思っている僕にとっては嬉しい機会(笑)。発言している姿を映像に映したかったのですが、事前に撮影許可を得ていないのと、他の方々が映り込む可能性があるので断念しました。音声のみですが永易さんの発言をお聞きください。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
生活面でのモデルケースが見えにくいから、ゲイは刹那的な「エロ」に走りやすい。ちょっと乱暴な見解に思えるようではありますが、そういう側面があることは否定できません。これは現代日本のゲイ・コミュニティーが直面している切実な問題です。
しかし、ゲイに対して情報を発信してきた旧来のゲイ向け雑誌は風俗系スポンサーとの「しがらみ」にがんじがらめになっているようであり、「エロ中心」の紙面作りを続けています。おそらく既存のゲイ雑誌は今のような紙面作りを続ける限り、一般企業からの広告出稿を望むことは難しいことでしょう。当事者以外の方が読者として定着しにくい「閉じたメディア」であるため、メディアとしての成長に限界があるのです。もちろん、そういうものも必要ですが、長年「それしかなかった(定着しなかった)」ということ自体、ゲイ・コミュニティーが「閉じてきた」ことの表れだと僕は思っています。
「グラビア上のエロ」というのは、いずれ飽きるものではないかと僕は思います。確かにかつては「エロ・グラビア」見たさに僕もゲイ雑誌を買っていましたが、1年もすれば飽きました。なにせ値段が1500円もしますし、ほとんど見ることのない付録のエロDVDに投資したくはないので、最近では読みたい特集がある時以外、買ってません。買うために2丁目に行かなきゃなんないし(笑)。
●代表的なゲイ雑誌「Badi」(テラ出版)
「エロ中心ではないLGBT向け雑誌」としては最近『yes』が出現しましたが、カルチャー情報や海外の情報に特化し、それなりに充実した内容ではありますが、どうも「おしゃれで金持ちなゲイ」に向かって消費意欲を刺激する路線を追求しているようでもあり、「おしゃれではなくお金持ちでもない」僕のようなフツーのGAYにとっては身近に感じられません(それでも値段が880円と安いので、毎号買おうという気にはなります。笑)。
● 「YES Vol.5」
実際にフツーに社会で生活者として生きているLGBTたちが「これは私達のものだ」と親しみを持てるメディアが今の日本には無いように思います。これはとても残念なことだし、だからいろんな活動が大きなうねりに結びつかず散発的なものに終始しているのかな、とも感じます。これはコミュニティーとしての構造的な問題点ではないでしょうか。そこの辺りも含めて「にじ」という媒体で考えようとしていた永易さんのようなスタンスの活動、ぜひ継続するべきだし僕はとても関心があります。
●永易さんの著書「レインボーフォーラム―ゲイ編集者からの論士歴問」
永易至文さん関連記事
●「クイア」を学び切り拓く001●セクシュアルマイノリティー「1期生」“ミドル世代”のいま
まずは「同性愛者=エロ直結イメージ」から脱却した場を作れば、LGBTメディアに投資するスポンサーって、数多く出てくるのではないかと思うのですが・・・。引き続きこの問題は考えて行きたいです。→FC2 同性愛Blog Ranking
NEWS!
朝日新聞社から発行されている「論座 2007年1月号」には、永易至文さんの寄稿記事『職場のHIVポジティブたち~陽性者1万人時代に入った日本』と、宮台真司さんと園田浩ニさんの対談『10年後の「援助交際」~何が問われ、何が問われなかったのか』が掲載されています。
●「論座 2007年 01月号』
最近、「にじ」を知るというコーナーを立ち上げて永易さんの活動から学んで行こうと思っている僕にとっては嬉しい機会(笑)。発言している姿を映像に映したかったのですが、事前に撮影許可を得ていないのと、他の方々が映り込む可能性があるので断念しました。音声のみですが永易さんの発言をお聞きください。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
生活面でのモデルケースが見えにくいから、ゲイは刹那的な「エロ」に走りやすい。ちょっと乱暴な見解に思えるようではありますが、そういう側面があることは否定できません。これは現代日本のゲイ・コミュニティーが直面している切実な問題です。
しかし、ゲイに対して情報を発信してきた旧来のゲイ向け雑誌は風俗系スポンサーとの「しがらみ」にがんじがらめになっているようであり、「エロ中心」の紙面作りを続けています。おそらく既存のゲイ雑誌は今のような紙面作りを続ける限り、一般企業からの広告出稿を望むことは難しいことでしょう。当事者以外の方が読者として定着しにくい「閉じたメディア」であるため、メディアとしての成長に限界があるのです。もちろん、そういうものも必要ですが、長年「それしかなかった(定着しなかった)」ということ自体、ゲイ・コミュニティーが「閉じてきた」ことの表れだと僕は思っています。

●代表的なゲイ雑誌「Badi」(テラ出版)

● 「YES Vol.5」

●永易さんの著書「レインボーフォーラム―ゲイ編集者からの論士歴問」
永易至文さん関連記事
●「クイア」を学び切り拓く001●セクシュアルマイノリティー「1期生」“ミドル世代”のいま
まずは「同性愛者=エロ直結イメージ」から脱却した場を作れば、LGBTメディアに投資するスポンサーって、数多く出てくるのではないかと思うのですが・・・。引き続きこの問題は考えて行きたいです。→FC2 同性愛Blog Ranking

朝日新聞社から発行されている「論座 2007年1月号」には、永易至文さんの寄稿記事『職場のHIVポジティブたち~陽性者1万人時代に入った日本』と、宮台真司さんと園田浩ニさんの対談『10年後の「援助交際」~何が問われ、何が問われなかったのか』が掲載されています。
●「論座 2007年 01月号』
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル11●可視化のための条件~宮台真司さんからの一言
LGBT可視化の際に予想される「バックラッシュ」的な動きとの対決。その際に気をつけるべきポイントを、宮台真司さんが述べました。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
自分に自信がない人=不安な人は、余裕がないから他者にも不寛容になってしまう。
不安な人を、さらに「不安」にさせないために。
LGBT可視化は「不安」をもたらすものではないということを、どうアピールして行けるのか。その「戦略」が問われています。→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
自分に自信がない人=不安な人は、余裕がないから他者にも不寛容になってしまう。
不安な人を、さらに「不安」にさせないために。
LGBT可視化は「不安」をもたらすものではないということを、どうアピールして行けるのか。その「戦略」が問われています。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル10●有権者として見られていないLGBT、そして足の引っ張り合い~石坂わたるさん・赤杉康伸さん
宮台真司さんのトークに続き、東京メトロポリタンゲイフォーラムの石坂わたるさんと赤杉康伸さんのお話です。彼らは同世代なので親近感を覚えます(笑)。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
僕も以前まではそうだったのですが、特に理由のない感覚的な「政治アレルギー」ってあると思うんです。LGBT当事者議員である上川あやさんと尾辻かな子さんは、当事者たちのそういう部分とも戦っているんだなぁと感じさせられることが多いです。
有権者として「票になる」ことがわからないと、政治家も行政も動かない。大事なポイントですね。→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
僕も以前まではそうだったのですが、特に理由のない感覚的な「政治アレルギー」ってあると思うんです。LGBT当事者議員である上川あやさんと尾辻かな子さんは、当事者たちのそういう部分とも戦っているんだなぁと感じさせられることが多いです。
有権者として「票になる」ことがわからないと、政治家も行政も動かない。大事なポイントですね。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル09●多様性フォビアの克服のために~宮台真司さん
続いてのパネルトークは、及川健二さんから宮台真司さんへの質問です。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
感情的な安全が保障されず、不安の中で生きるのは人間として生きている上で「あたりまえのこと」。・・・タフになろうぜぃっ!(笑)。→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
感情的な安全が保障されず、不安の中で生きるのは人間として生きている上で「あたりまえのこと」。・・・タフになろうぜぃっ!(笑)。→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル08●「時短の旗」を再び~大河原雅子さん
上川あやさんのお話の後、パネルトークが始まりました。まず、生活者ネットワークで労働問題や職場での差別問題等に取り組んでこられた大河原雅子さんに、及川健二さんが質問しました。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
「時短の旗」を降ろし、経済界・産業界からの要請どおりに労働者を酷使しようとしている日本政府。かつて対抗組織であった労働組合は今やほぼ「死に体」という有様。
自分時間を楽しめない国民ばかりの社会では、多様性を尊ぶ文化は根付きません。自分の生活に余裕が持てない国民ばかりの社会では、差別問題への想像力を持つ余裕すら生まれないことでしょう。そんなに生き急いで何処へ行く?→FC2 同性愛Blog Ranking
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
「時短の旗」を降ろし、経済界・産業界からの要請どおりに労働者を酷使しようとしている日本政府。かつて対抗組織であった労働組合は今やほぼ「死に体」という有様。
自分時間を楽しめない国民ばかりの社会では、多様性を尊ぶ文化は根付きません。自分の生活に余裕が持てない国民ばかりの社会では、差別問題への想像力を持つ余裕すら生まれないことでしょう。そんなに生き急いで何処へ行く?→FC2 同性愛Blog Ranking
これからの多様な性&家族&ライフ・スタイル07●上川あやさん~街の人は、私を放っておかなかった
日本ではじめて。
「トランスジェンダーであること」を公表した上で選挙に当選した人、上川あやさん。
2003年4月に世田谷区議会議員になって以来、LGBT当事者議員として活発な活動を展開されてきました。議員になるまでの壮絶なライフヒストリーと、現在の日本社会や当事者達へのメッセージです。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
●上川あやさんホームページ
●あや流一期一会日記
僕が彼女の話を聞いたのは、この日がはじめてだったのですが強烈なパンチを食らったかのように圧倒されました。そして翌日、急遽上川さんの出席する勉強会に出かけ、90分に及ぶライフヒストリーを聞きました。とてつもない絶望から這い上がり、自分の人生を自分で築き上げてきた人です、上川さんという人は。
チャーミングな部分と、先駆者ならではの尖った鋭い部分。両極端なものが常に同居している本当に魅力的な人だと感じました。→FC2 同性愛Blog Ranking
「トランスジェンダーであること」を公表した上で選挙に当選した人、上川あやさん。
2003年4月に世田谷区議会議員になって以来、LGBT当事者議員として活発な活動を展開されてきました。議員になるまでの壮絶なライフヒストリーと、現在の日本社会や当事者達へのメッセージです。
■これからの多様な性・家族・ライフスタイル PLAYLIST
●上川あやさんホームページ
●あや流一期一会日記
僕が彼女の話を聞いたのは、この日がはじめてだったのですが強烈なパンチを食らったかのように圧倒されました。そして翌日、急遽上川さんの出席する勉強会に出かけ、90分に及ぶライフヒストリーを聞きました。とてつもない絶望から這い上がり、自分の人生を自分で築き上げてきた人です、上川さんという人は。
チャーミングな部分と、先駆者ならではの尖った鋭い部分。両極端なものが常に同居している本当に魅力的な人だと感じました。→FC2 同性愛Blog Ranking