フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2017-04
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「クイア」ってなんなのさ013●学会設立シンポ02●伏見憲明さんの沢尻エリカ的発言集

 「ハレの場」に独特の高揚感に包まれたシンポジウムでは、伏見憲明さんの「ポジションの取り方」を見ていることで楽しむことが出来ました。

 「学会って、なんか難しそうだしよくわかんない。私は今日、沢尻エリカ的なポジションで居ようかと思ってます」

 そんな伏見さんの「ヒール役引き受け宣言」は、シンポジウムの間中、一貫して「日常語で素直に話す」ことによって達成されていたと思います。ついつい抽象的で複雑な理論が絡み合った発言のオンパレードに走りがちな中、伏見さんにマイクが渡ることが、どれだけ「救い」に思えたことか(笑)。今回は僕がメモしたノートから、伏見さんの「沢尻エリカ的発言」のみをピックアップしてみようかと思います。

★あくまでも「メモ」を起こしたものですので、発言の細かい部分については書き落とし、あるいは発言者の意図をきちんと汲み取れていない部分があるかもしれないということを前提に、お読みください。つまり僕が「受け取った(解釈した)」伏見さんの発言内容、ということになります。

 まず、伏見さんが「執筆について」の質問に対して応えていた内容は、次のとおりです。

 「セクシュアル・マイノリティーの方々はケチです。お金をくれません。だからノンケの資本家に支えられて今日まで来ました。外で出稼ぎしてコミュニティーに還元しようと思って来たのだけど、返って来ないので最近はあまり書いてません」

 なんとわかりやすい受け応えでしょう(←そのことにホッと出来てしまう空気が漂ってしまうんですよね、学会のシンポジウムって。笑)。また、いわゆる「一般市場」で多くの著作を発表し、「ゲイの言論人」としての地位を確立している伏見さんは、アカデミズム的な立場の方々からすると「資本」と結びついていると見られるらしいのですが、そうしたことを匂わせた質問に対しても、次のように痛快に応えていました。

 「すごい貧乏な業界だから…資本主義とは結びついてません。国家の税金で食ってる国立大学の方々に言われたくないですよ(笑)。ポット出版は社長がマニアだから出すことが出来ているというだけのことなんです。」

 また、「運動・活動・コミュニティー」という命題で、互いの関連や隔たりについて議論する場面でも、面白いことを言ってましたよ。

 「学問の場で言われていることが、現実に『効いている』ようには、あまり思えなかった。自分の仕事も含めて、そのことが社会状況に果たして影響していたのか?と思うと・・・。研究と活動というよりは、研究と社会との隔たりの方が大きいのではないかと思います。」

 そしてシンポジウム最後の「締め」の言葉。

 「学会に来た人が、すべてではないと意識することが大事ではないかと思います。こんな台風の中にここ(東大)まで来るのは、ヘンな人たち。ヘンな人たちが集まるとヘンな濃度が強くなります。ここに『来ない人たち』を想像するということが、大事なのではないかと思います。」

 僕はクイア学会のシンポジウムに行って「学会に入ろう」とは思わなかったのですが、これまで意識的に避けていた「伏見憲明さんの本」を読んでみようと思うようになり、はじめて『プライベート・ゲイ・ライフ』を読み、現在は『クイア・ジャパン』を読みながら、「クイア」が自分にとってどう「租借されていくものなのか?あるいはされないものなのか?」と自問する日々を過ごしています。FC2 同性愛Blog Ranking
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「クイア」ってなんなのさ012●学会設立シンポ01●トイレでドキッ。沢部さんにハラハラ。

 嵐の東大

 台風が接近する暴風雨の中、10月27日(土)に東大駒場キャンパスで行われたクィア学会の設立記念シンポジウムには、おそらく300名ほどが押しかけたようで文字通りの大盛況。立ち見の人もいて、会場に入れない人々は別室のテレビモニターで鑑賞していたようです。

 雨風にさらされながら会場に着き、体が冷えたのでトイレに行きたくなったのですが驚きました。ドアの上の「男用」「女用」を示す看板に紙が貼られて表示が隠されているのです。「あぁなるほど、『クイア学会』だからトランスジェンダーの人に配慮してるんだろうなぁ」とピンと来たものの、とにもかくにも、尿意をもよおしている「男子」としては、まず知りたい情報は「小の便器がどちらにあるのか」!。おかげで扉を開けるとき、かなりドキドキしてしまいました。用を足しながらも「女性が入ってきたらどうしよう」と気もそぞろ。男子の小便器って性器を半分露出してるようなもんだから…ねぇ(爆)。まぁでも、普段も「お掃除のおばちゃん」はズカズカと入ってきますけどもね、男子トイレでもお構い無しに。(セクハラだの何だの言われてる現代においてもなお。あれって不思議)。

 あと、(余計なお世話ですが)この試み、もしも意味がわからない人がいた場合にはどう説明するつもりだったんだろう。会場には「性的マイノリティー」のことについて基礎知識を持っている人のみが訪れるという「暗黙の了解」が主催者側にあるからこそ、出来てしまえる試みなんだろうなぁと感じました。

 大きな節目なんだとか。

 とりあえずスッキリして会場に入ると10分前なのに満席に近く、なんともいえない高揚感で熱い熱い(←温度じゃなくって漂う「気」が)。ステージ脇には大きな造花が飾られ、フォーマルでゴージャスな雰囲気が醸し出されています。定刻になり、まずは総合司会の風間孝さんがスポットライトに照らされながら「非常に緊張しています」と本当に緊張気味に語り、「大きな節目を迎えました」と厳粛に語りかけました。

 続いてクレア・マリイさんが「開会の辞」を30分間にわたって朗読することになるのですが…堅苦しい論文調の言葉を少しでもわかりやすく聴いてもらえるようにとの配慮なのでしょう。朗読に合わせてスクリーンに要点が文字で映し出されていたので、とりあえず意識が飛ぶことなく、無事に最後まで聴き入ることが出来たのでホッとしました。でもこういう学術用語って「話し言葉」とは違うものだから、アレルギーの強い人とか、独特の文体に親しんでいない人には通じないんですよね。一緒に見に行った僕の隣に座ってたゲイの人は、不謹慎にも大口開けて寝てました(←なんて奴ッ!。さすがにイビキはかいてませんでしたが。爆)。う~ん。同じ内容のことをもし「話し言葉」でわかりやすく語ることは出来るんだろうか。出来るとしたら、どんな感じになるんだろうなぁと夢想しながら聴いていました。

 その中で僕の印象に残ったのは、
「なぜ設立を呼びかけたのか→合意を形成するためではない」という表現。そして興味を持ったのは「批評的想像力を持って歴史を振り返る」ということ。さらに大事だなと思ったのは「知見や経験の蓄積、アーカイブ化」。

 30分間、なんとか聴き通した時、「要するにこういうことが言いたかったんだろうなぁ」と脳の中で言葉が生まれていたので、急いでノートに書き留めてみました。(当日のノートより)
「てんでバラバラで結び合わず、過去をきちんと振り返らないなんて幼いことはそろそろやめて、もっと幅広く交流しあって刺激しあって行きましょ。っつーことね。」
(↑…単純化しすぎだし、ほぼ自分の主張を投影させた解釈じゃないかぁ~。爆)

 続いて「日本におけるクィア・スタディーズの可能性」という、3時間の長大なシンポジウムが始まったわけですが、いつもパフスペースでワイワイやらせてもらっている沢部ひとみさんがパネラーとして舞台に上がっている姿が不思議に思えました(笑)。煌々とライトに照らされて250人の観衆に向き合うという舞台設定そのものが、パネリストを「スゴくて遠い人」というイメージに演出してしまうんですね。実際、沢部さんの文筆家・活動家としての経歴はスゴいんですけど、ふだん接していると「権威」とか「偉ぶる態度」を微塵も感じさせない「友だちキャラ」の出来る素敵な方なので、「沢部さん、あんなところに座っちゃっていったい、どういう風に振舞うんだろうなぁ~」と、まるで授業参観に来た母親のようなハラハラした気持ちで見守りました。(←なんか表現、おかしくないか?爆)

 司会の堀江有里さんと河口和也さんは一生懸命、進行を考えてきていたようです。基本的には、用意された質問事項に対してパネラーの5人が順繰りに応えるというスタイルで進行したのですが、こういうイベントの司会って大変だし難しそうだなぁと、見ていて思いました。パネラー5人がそれぞれに「自分の言語(領域)」を強固に持っている人たちだからか、なかなか絡み合わないし対話として発展しにくかったようなんです。それに、用意された質問は「執筆について」「資本について」「世代間の違いについて」など抽象的で大きなものが多く、一人一人がそれについて話し始めたら「独演会」を始めてもいいくらいに止まらなくなりそうなトピックばかり。

 しかしパネリストの方々は、さすがに常識をわきまえているので自分の持ち時間を考えて「サワリをちょろっと」語るに留めてしまうから、トークがイマイチ盛り上がらないんです。いっそのこと用意してきた質問事項を消化することよりも、「話の流れの中で出てきたトピック」について更に突っ込んだりして柔軟に、対話を弾ませても良かったのではないかと思ったりしました。(←スミマセン。傍から見てる分にはなんでも言えるんですけどね。)

 ほかにも書き留めておきたいことが結構あったので、次回にも続きます。FC2 同性愛Blog Ranking

「クイア」ってなんなのさ011●学会設立プレ・トーク。もっと「開く」のかと思ってたのに

 今日、「クイア学会」のプレ・トーク 『クイアって何?~学会立ち上げプレトーク』に参加してきた。早稲田のパフスペースは60名を超える入場者であふれかえって席が足りず、立ち見の方もいるほどの大盛況。いったいどういう人々が集まったのかと思いきや、どうやらほとんどは「クイア学会」の立ち上げに関わっている関係者や、その友人たちだったらしい。

 なぜそれがわかったのかと言うと、僕のような「学会」とか「大学」というものとは無関係な者にはわからない空気感というか、ある種独特の「仲間内だけに通じる不文律」を共有する者たちの発するオーラで満たされていたからだ。学術的な専門用語も端々で使われ「えっ、今のわかりにくい」と思ってしまう僕のような者は、話の流れからしょっちゅう意識が逸脱してしまった。周りを見渡すと、ちゃんと付いて行っている人たちが多いようなのだ。大学関係者にしかわからない内部事情で笑いが起こったりする。しかし、それの「なにが笑うべきことなのか」が僕にはわからない。トークの端々に、そういった「閉鎖性」を感じた。

 その一因は、司会とパネリストが全員「大学で教職に就いている人たちのみ」だったことにあるのだろう。そして、ふだん顔をつき合わせている仲間たちが観客として取り囲んでいたことも、そうした空気を増幅させていたのだろう。しかし、これでは「大学」だとか「学会」の内部事情だとか空気感に馴染みのない門外漢との対話が、生まれにくくはないだろうか?

 従来、孤立しがちだったり色眼鏡で見られがちだった研究者たちのために、ネットワークを作ること。それはとても意義のあることだ。しかし今のところ「ある特殊な職場内の互助組合が出来る」という程度のビジョンしか見えていないのではないかと思う。

 「場」を作るのは結構。しかし立ち上げ人たちの思い描いている「場」の広さは今のところ、「大学」という柵の内に留まっているのではないか?。柵の外の広大で複雑怪奇な現実世界で、毎日労働に汗を流して日常を生きている大多数の人々の生活実感の中に届く言葉は、その程度のビジョンで生み出されるのだろうか?

 10月27日に行われるという「設立総会」では是非、趣意書に謳っている次の一文について再考した上での議論が交わされることを期待したい。

「学術研究者にとどまらず多様な社会・文化活動に従事する人びとが広く知見の共有や意見の交換をおこなう場を提供する。」

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「クイア」ってなんなのさ010●「学会」が出来る前に、パフでプレトークするそうで。

 自分ではすっかり忘れてたんですけど、このブログに『「クイア」を学び切り拓く』なんていう青臭いタイトルのカテゴリーがあったんですねぇ~(爆)。コミュニティの会合やイベントで見聞したことを、ここにまとめて書いていたようですが…よ~く考えてみると乱暴なまとめ方(笑)。それにタイトルが(今の僕には)こっぱずかしいので変えることにしました。題して『「クイア」ってなんなのさ。』

 なんかさ~。正直よくわかんないんですけど「クイア」って言葉。最初に出会ったのはたしか、伏見憲明さんの分厚い本を立ち読みした時だったような気がします。理論として長々と説明が書いてあったので読んでみて、とりあえず理屈としてはわかったような気がしたのですが…今でもわかったようなわからないような。この言葉に出会う度に「気持ち悪さ」を抱えたままでいます、本当のところは。

 だって日常生活ではまず「使われることがない」ですし、いわゆる「コミュニティの会合や活動の場」でのみ使用されている専門用語といったイメージしか、僕にとってはありません。だから自分の内面に「肉体化」されているようには到底、思えないんですよ。だいたい日本語に訳すと「変態」だっていうのが気にいらない(爆)。自分のことを肯定的に捉えて「ウチら変態だからぁ~」ってアピールするのって仲間内の論理としてはいいのかもしれないけれど、LGBT以外の対外的なコミュニケーションを図るときに果たして有効なのかと言ったら…少し疑問があるんです。その理屈がわかる人ばかりではないし、わかる人たちってそんなに多くないんではないかと思うんですよね。

 そんな複雑な思いがある「クィア」という言葉ですが、この秋に「クィア学会」というものが設立されるということで、複雑な思いを抱えながらも注目しています(笑)。10月27日(土)に、なんとあの「東大」で設立総会が行われるそうですよ。なんでまたそんな「お堅そうな場所」で…。「権威付け」というものが必要なんでしょうかねぇ。→クィア学会公式サイト

 また、それに先立ち「クィアって何?~学会立ち上げプレトーク」というイベントが、10月14日(日)にパフスペースで行われます。第1期パフスクールで「クィア・スタディーズ」を担当していた清水晶子さんが司会。パネリストはクレア・マリィさん・石田仁さん・そして!あの「レズビアン牧師」こと堀江有里さんだということで、お堅くなりがちな話を気軽に、やわらか~く出来る場になるのではないかと期待してます。

■『クィアって何?ー学会立ち上げプレトークー』

 10月27日のクィア学会の設立大会にあわせ、プレイベントを行います!90年代のLG/クィア・スタディーズ「ブーム」から現在にいたる歴史を振り返りながら、学会設立の呼びかけ人でもあるクレア・マリィ、堀江有里、石田仁が、それぞれにとって「クィア」って何なのか、なぜ今「クィア学会」を立ち上げようとしているのか、その背景と心境とを語ります。

 クィア学会立ち上げって言うけど、クィアってそもそも何よ?と思っている方、今更クィア?と思っている方、セクマイ学会ってこと?と思っている方、そもそもなんで学会?と思っている方、学会に言いたいこと、聞きたいことはあるけれど、いきなり大会で言うのはちょっとね、という方、トークの後はフロアの皆さんと御一緒にディスカッションもあります。どうぞお友達とお誘いあわせの上、気軽に御参加ください。

[日時]10月14日(日) 13:00-16:00
[場所]PA/F スペース
[スピーカー]クレア・マリィ、堀江有里、石田仁、清水晶子(司会)
[入場料]1000円(w/1d)
[お問い合わせ]pafspace@pafspace.com 03-3207-0856

■クレア・マリィ
90年代から、日本のセクシュアリティ研究の第一線で、日本語とジェンダー及びセクシュアリティの研究に取り組む。現在は、オネェ言葉に関する研究を実施中。津田塾大学学芸学部英文学科 准教授。近著に、『発話者の言語ストラテジーとしてのネゴシエーション行為』(ひつじ書房、2007)。

■堀江有里
カムアウトしたレズビアンの牧師としてピアカウンセリングなどに取り組むと同時に、教育者、研究者としても発言と活動を続ける。クィア学会の立ち上げにはレズビアン・スタディーズの研究者として参加。近著に、『「レズビアン」という生き方 ――キリスト教の異性愛主義を問う』(新教出版社、2006)。

■石田仁
言説分析を通じた戦後日本における性的マイノリティの研究と同時にESTO(性は人権ネットワーク)などでコミュニティ活動にも取り組む。近著に、「ゲイに共感する女性たち」『ユリイカ』39(7)、総特集 腐女子マンガ大系(青土社、2007)。

■清水晶子(司会)
身体にかかわるアイデンティティの可視性と自己表象の可能性についての研究に取り組む。クィア学会事務局担当。東京大学大学院総合文化研究科准教授。近著に、'Scandalous Equivocation: A Note on the Politics of QueerSelf-Naming', Inter-Asia Cultural Studies, Volume 8, Number 4 (2007).

 司会の清水さんの「クィア・スタディーズ」に一回だけ出たことがあるんですが、わかりやすくて面白くて、すごく良かった。しかも清水さんって可愛いんです~学者だとは思えないです~(←コラ!学者に失礼だろっ!爆)。堀江有里さんもICUでの講演会で見た感じでは、ギャグをバンバン飛ばす面白いキャラクターでしたぁ。「学会」と言うと小難しいイメージを持ちがちではありますが、それも一種の「偏見」なんだなぁと反省した次第です。FC2 同性愛Blog Ranking

「クイア」を学び切り拓く008●パフナイト・世界のビアンから~香港編~



 リム・デズリ監督の上映会以来、パフナイトに行くのは3回目だったので緊張は全くしなくなりました。レズビアンのコミュニティ・スペースだからといって閉じているわけではないので、その姿勢が素敵だと思います。今回は中心メンバーである「つなさん」が初めてスピーカーとなって行われた「世界のビアンから ~香港編~つなが見た『LET'S LOVE 香港』の風景」というイベントを2月3日に見てきました。→PAF/NIGHT公式サイト

 『LET’S LOVE香港』は、香港ではじめて公的に「レズビアン」であることを公表した、ヤウ・チン(Yau Ching)監督による映画。レズビアンである3人の女性の日常を描いています。

 2002年に完成し、日本では2003年に福岡の「アジア・フォーカス映画祭」、2004年に大阪の「女たちの映画祭」で上映されたのですが、東京レズビアン&ゲイ映画祭で上映されることはありませんでした。そこで、この映画のファンであるという「つなさん」たちが2005年に自ら上映会を企画して「なかのZEROホール」で東京上映を実現。監督のヤウ・チンさんとのトーク・ショーまで行ったそうです。

 しかも「つなさん」たちは「LaLa Cultures」という組織を作って『レッツ・ラブ香港』のDVD化を実行。今年の1月には香港に行って監督や出演者と会談。映画のロケ地などを廻ったり香港のレズビアン事情などを調査しに行ったそうですから、半端じゃない「思い入れぶり」です。この日のトークでは香港レポートも交えながら、彼女がこの映画をどれだけ愛しているのか。その思いの丈を披露していました。

「LET'S LOVE 香港」DVD販売サイト
「つなカンパニー」
ラブピースクラブ・・・Feminist Sex Store

 実は彼女、この日がパフナイトでの「スピーカー初体験」だそうですが、とてもそうは思えない面白さ(爆)。まるで「弁士」であるかのように軽妙に笑わせながら、映画の世界を立体的に浮かび上がらせていました・・・すごい才能だと思います(笑)。

 この映画の香港での公開名は「Ho Yuk」と言って、直訳すると「激しく揺れる」という意味だそうです。低予算でゲリラ的に撮影が敢行された分、生々しく香港という街の持つ雰囲気が映し出されているようです。この日は、「つなさん」が撮影したという香港の写真もたくさん見せてくれたのですが、返還後、急速に中国の資本が流入して高層マンションが林立する反面、元から住んでいた人々は貧しくなり経済格差が拡大している香港の「今」が感じられるレポートでした。なんでもエスカレーターのスピードが日本よりもずっと速く、商店の店員さんも「笑顔」よりは「速さを美徳とする」かのような接客態度なんだそうで。すっかり「ビジネスタウン化」してしまっているようですね、今の香港は。

 香港の女たち

 面白いなぁと思ったのが香港の女性事情。その多くは専業主婦になるのではなく、外に積極的に働きに出るそうなんです。自分の家の家事は「アウトソーシング(外注)」して、自分はよその家の家事をしに働きに出る・・・そんなケースもたくさんあるそうです(笑)。つまり、女性が「働いて収入を得る」ための社会的な基盤が、日本よりもきちんと整備されているようなんです。街行く女性たちの表情も、日本よりもずっと生き生きと感じられたそうですよ。

  香港のレズビアンたち

 さて「つなさん」たちは当然の如く(?)香港レズビアン&ゲイ・コミュニティーの調査も行ったそうなのですが、香港島の「コーズウェイベイ」一帯にあるレズビアン・バー「JOCA」を訪ねたそうです。ドアには鍵がかかっていて、チャイムを押すと入ることができ、ソファがあって「まったり」出来る空間で、勉強会などのコミュニティ・スペースとしても使われているらしいです。ただ、香港のレズビアン・バーは店の入れ替わりが激しいらしく、ネットや情報誌に掲載されているからといって現地に行っても、無くなっている場合もあるので注意が必要とのこと。行く前には必ず、営業しているかどうかの確認電話をしたほうがいいみたいです。

 中国でレズビアンのコミュニティー活動を行っているのは「香港女同盟」というグループだそうで、会員はなんと1000人!。日本で同規模の会員を擁するレズビアン組織というのはありませんから、かなり力を持った組織だと言えるでしょう。マスコミ報道への抗議などの政治的活動や、月に1.2度の会合を開いているのですが会員の99%は、日常生活でカミングアウトをしていないそうです。

  テレビで「ボーイッシュな女性アイドル」がブレイク中

 「つなさん」が最も興奮して紹介していたのが、今、香港で大人気の女性アイドル。日本で言うと、かつての「ASAYAN」のような視聴者参加型のオーディション番組『超級女声』がケーブルTVで放送されているのですが、2005年度に15万人の応募者から選ばれたのは、なんと「ボーイッシュな女の子」だったそうなのです。しかも1位と2位両方とも!

 ちなみに、1位に選出されたのは李宇春(リー・ウーチュン) 。2位は周筆暢(チョー・ビーチュン)。どちらも僕の目から見ても「カッコイイ」と感じさせられるルックスです。そのブームの加熱ぶりは凄まじく、彼女たちのブームに対して中国政府当局からも「おとがめ」の発言が出始めているようです。政府としても無視できない規模にまで拡大してきているだなんて、すごいですね(笑)。

●YouTubeより、2位の周筆暢(←僕は周さんの方が可愛いと思った。笑)
  

 どうやら彼女らはレズビアン的にも「モテ筋」とされるルックスの持ち主であるらしく、パフナイトの会場でも「かわいぃ~、サイコー!」と興奮してらっしゃる方が数名いらっしゃいました(笑)。彼女らのファンは圧倒的に女の子が多いらしく、しかも女同士で手を繋いだり親密にしているイメージをメディアで打ち出したりと、「ビアン心」をくすぐっているようです。従来の女性アイドルのように、いわゆる「男に媚びてブリブリした女の子的キャラ」ではなく、「声が低くサッパリ系」なイメージ戦略で売り出されている彼女たち。プロモーション・ビデオではボクシング姿を披露するなど、既成の「男性性」「女性性」を越境したカッコ良さで、多くの若者たちの心を虜にしているようです。

関連記事●レズビアン!NEWS「李宇春、中性的なスター 」

 「カッコいい女子ってのも、ありよね。」

 ・・・嬉しそうにそう語っている「つなさん」自身も、そういえば中性的な(少年のような)キャラクター(笑)。彼女のように「女っぽくない女子」がブレイクするのを嬉しがるレズビアンの人たちって多いみたいですね。日本のメディアでは基本的に「男性の好む女らしい女性」がもてはやされがちですから、彼女たちは普段、そういう光景を苦々しく思っているんだなぁと感じました。

 ひととおりのプログラムが終了し、恒例の懇親会でビールを飲みながら、お手製の「チヂミ」をおいしく食べ、たくさん喋りました。家庭的でアットホームな雰囲気の中、いろんな方と知り合いになれるのもパフナイトならではの楽しみです。僕としてはレズビアンの皆さんに溶け込んでいるつもりなんですけど、実は「なんなの?この人」と思われてるんじゃないかと、ちょっと心配ではありますが(笑)。

  パフナイトで話してみるとわかること。

 レズビアンの人たちはゲイの情報を全然知らないし、僕も彼女らの知っていることを全然知らないことが多いです。(『Badi』とか『yes』って言っても知らなかったりするんですよ。)彼女らはゲイ雑誌なんか読まないだろうし、たぶんゲイよりも「二丁目カルチャー」への接触率が低いのではないかと感じます。ゲイの側もレズビアン・カルチャーに関心を持っている人は少ないみたいですし。

 どちらも面白いと思うし、似ている感性もあれば全然違う部分もたくさんあって、互いがもっと知り合えば面白いことが起きるのになぁ・・・と最近よく思います。FC2 同性愛Blog Ranking

「クイア」を学び切り拓く007●影坂狩人さんとの出会いは冷や汗から

 『HGの呪い』の著者である影坂狩人さんとの出会いは、僕の一方的な先走りがもたらしました(←ヤラしい意味じゃなくてね。←あ、引かれちゃいそう、爆)。存在を知ったのは10月13日に新宿ロフトプラスワンで行われた「男色博覧会」。このイベントのプロデュースと、当日の座談会の司会進行役を担当していたのが影坂さんです。

 僕はこの日、『薔薇族』の編集長である伊籐文学さん目当てで会場に行ったのですが、その時の記事をこのブログに書いた時・・・次のような意見を、ナマイキにも書きました。

 やたらと販売グッズやパンフレットを売ろうと「宣伝トーク」ばかりをする人がいたのには呆れました。人間心理って複雑なもので、あまりにも「押し」が強いと逆に引いてしまい、売れるものも売れなくなってしまいますからね。その辺のセンスって、実は結構大事なことなのではないかと思います。

 実はこれ、影坂さんのことを書いていたというわけで(笑)。その後、「あの影坂さんってどんな人なんだろう」と気になりネットを調べたら、文志奇狩都のアヤシクない日常というブログを発見。そして「男色博覧会」について振り返っている10月16日にアップされた記事を読んだところ、次のような記述が・・・。

 あとでネットを見ると、司会トークの端々に公式パンフ等の物販告知を入れたことに拒否感をあらわしている人もいるようだが、文化というのはとにかく金食い虫なのだ。“現金収益”というエサを集め、与えなくては死んでしまう。金食い虫という言い方が悪ければ、「社会の寄生虫」でもいい(もっとワルイか)。宿主(社会)が肥えふとっていれば文化もまたマルマルと育つが、景気が衰退し、社会が活気を失えば、それに比例して痩せ細っていく。昨今の出版界の弱体化は、まさにそれを体現している。この「男博」とても文化事業の端くれ(末端もいいトコだけどね)、オアシをより多く頂戴してこそ、大きく育つことができるのだ。もちろん世の中にはいろんな考え方を持っている人がいるわけだから(ゲイムーブメントを商業活動に結び付けることをかたくなに忌み嫌うゲイは多い)、収益という部分を重視することを「否」とするのもまったく自由なのだが。しかし、キレイゴトだけでは文化は育たないのは厳然たる事実。“文化育成”と“消費活性化”とは表裏一体のものなのだ。ゆえに「文化の保護を」とか口にする人間は、まず自腹をきって、文化の現場にお金を落としていってほしいものである。かつては王族や貴族が画家や音楽家たちのパトロンとなって文化を支えていたし、昭和元禄と呼ばれていた頃の日本では医者や地主などが若きクリエイターたちの将来性に対して大金を投資してくれたりもした。しかしこの不況下(好景気なんて政府発表はウソ八百!)、そのような好事家的特権階級などはとうてい見込めないのであるから、やはり文化は一般市民が“消費”という形で支えていくしかないのである。ゆえに、金を出さず、口だけは人一倍、という自称“文化擁護者”のことをオレは信用しないのだ。

 こ・・・これって僕が書いたことへの反応・・・っぽいですよね・・・「うっわ~」と正直焦りました。

 その後、影坂さんのことをさらに調べてみると、ゲイ雑誌『BAdi』に「昭和のゲイ風俗の歴史」を振り返る連載を持っていたり、伊籐文学さんと親交が深い作家さんなんだということがわかりました・・・『BAdi』を読んでいないと、こういう「ゲイ・コミュニティーの一般常識」からも取り残されるというわけで・・・そんな自分を反省すると同時に、自分の関心事とも共通するものがたくさんあるし、これはマズい人を敵に廻してしまったかも・・・と正直、思いました(←相変わらず率直でスミマセン)。

 その後、早稲田大学での尾辻かな子さんの講演会や、YOUTH TALKの会場でも、聴講している影坂さんを発見。こういうイベントにはどうやら、よく出席しているらしいのです。ということは、今後もしょっちゅう顔を合わせますよね・・・(あははは~。冷や汗タラ~ッ。)

 そうやって、ものすごく影坂さんのことが気になった僕は、「男色博覧会」のトークで影坂さんが連呼していた著書『HGの呪い』を読んでみたくなりました。(というより「読まなくちゃと思った」という方が真実に近いかも。爆)。そして買おうとしたのですが、この本はネットや一般書店では発売していない、いわゆる「自費出版」だということを知ります。

 そ・・・そうだったのか・・・。

 さっそく僕は、影坂さんのブログに直販店として明記してある神保町の「書肆アクセス」に出かけてみたのですが、なんと売切れていて、取り寄せるには時間がかかるとのこと。そうか、こんな風に購入しにくく売れにくい状況での出版だから、あれほどまでに何度も書名を連呼して、イベント会場で売る必要があったのか・・・と、遅まきながら理解したというわけでした。

 1週間後に手に取ることの出来た『HGの呪い』は、ページを開いた瞬間からド肝を抜かれる痛快な内容でした。だっていきなり「私がゲイから憎まれる理由」とか書いてあるんですよっ!(爆)。そして「前書き」の書き出しがまたスゴイ。

 私は「同性愛者」でありながら、ゲイ社会のことをつねに「非当事者的視点」で観察し、
「変じゃねえの?」
 と感じる部分はイジワルく揶揄し、
「納得できん!」
 と思った部分は容赦なく叩いている男である。

 ・・・(再び)うっわ~。

 それから1週間。いつの間にか僕は、どこへ行くにもカバンの中に『HGの呪い』を携帯し、電車の中だろうが食堂だろうが構わず、むさぼるように隅から隅まで読み・・・おもいっきり楽しんだのでした(爆)。いや、これは影坂さんとの今後の関係を考えたお世辞とかそういうのでは全くなく、冗談じゃなく本当に面白いんですよ~読み始めたら止まらなくなります、まるで『呪い』にかかったかのように(←誉めてます。笑)

 内容はと言えば、2005年の一年間に起こった「ゲイ関連のニュースやトピックス」を、影坂さんの視点から(ほぼ)総ざらいした「ゲイ年鑑」とでも言うべきもの。文章だけではなく「一コマ漫画」のような挿絵も豊富に入れられているので娯楽的要素もあり、笑いながらどんどん読み進めることが出来ます。影坂さんの口調は少し辛口なようでいて、実は結構「真っ当なこと」を言っていることも多く、ハッとさせられます。あるいは逆に、読みながら「自分の見解との違い」を意識させられたり、考えさせられることも多いです。それって大事なことですよね。

 そして、ゲイ・コミュニティーに馴染みのない人が読んだとしても「ちゃんと理解できるように」当事者達しか使わない専門用語には解説が付けられています(影坂さんなりの解釈で)。つまり、言葉がちゃんと「外に向かって開いた姿勢」で貫かれているのです。

★『HGの呪い~Gay YearBook 2005~』は限定300冊!購入方法は影坂さんのブログの左側を参照。

 影坂さんは自分を「オタク」というスタンスに置き、「高踏的なアカデミズム的な物言い」ではなく、あくまでも人間の「下世話」だったり「日常的」だったりする部分にこだわって関心を持っている人。言い換えれば「スポーツ新聞的」だとか「三面記事」とか呼ばれるような、あの「ベタな風俗的・世俗的感覚」から世の中の本質を探ろうとしている人です。しかも、出来る限り自分の足で取材することにもこだわっており、あちこちのイベントや会合に顔を出し、上記の通り「揶揄」したりもするために主催者から煙たがられることもあるようです。

 僕は『HGの呪い』を読んで、こういう本を自費出版しているという情熱がスゴイと思ったし、影坂さんの独特の視点とかスタンスの面白さに興味を持ちました。そして、「きっと翌日会うだろう」と予想して及川健二さんのシンポジウムの前日に影坂さんにメールを送り、僕が先日ブログに書いたことは『HGの呪い』が自費出版だという事情を知らなかったからだと詫びました。(←自分が罪悪感から楽になるため以外の何物でもありません。)

 予想通り、翌日のシンポジウムに影坂さんは来ていたので、終了後に一言だけ挨拶が出来ました。そして、なんと翌日に下北沢で行われた「レズビアン・ゲイin世田谷」でも顔を合わせ(笑)、上川あやさんの90分のライフヒストリーを聞き、グループ・カウンセリングも御一緒し、一緒に新宿まで帰ったりしました(←早っ!笑)。その後も12月16日にaktaで行われた、カミングアウトコンサルタントのかじよしみさんの活動報告会とか25日のgaku-GAY-kaiでも、お会いしました。今後もきっと、あちこちでお会いすることでしょう(笑)。

 ゲイ社会に「付かず離れず」を心掛ける独自のスタンスから、ちょっと冷めた(覚めた)目で見つめ続ける影坂さんの活動は、永易至文さんとは別の表現方法ではありますが「尖っている」そして「不偏不党であろうとする」そして「実は誰よりもゲイ・コミュニティーを愛している」という共通点があると僕には感じられます。

 僕も今後、影坂さんには「付かず離れず」を心がけながら(←なんで?笑)、「怪人・伊籐文学さん」への人間的な興味を共有している点では「同志」として、来年以降、なにかしらの活動を共にさせていただければと思っています。
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「クイア」を学び切り拓く006●おっつんのテコンドー演武~劇団フライングステージ「gaku-GAY-kai2006」より

 25日のクリスマスの夜。劇団フライングステージの「gaku-GAY-kai2006」に「クイア」を学びに出かけて参りました~。僕がgaku-GAY-kaiを観たのは今回がはじめてだったのですが、なんと今年で10周年だそうですよ。演目は盛りだくさんで濃厚で、キッチュで毒のある「クイアな世界」が次から次へと展開し、笑いすぎて腹筋が鍛えられてしまいました。

 実は、「もしかして大丈夫かも」という予感がしたのでビデオカメラを持参して行ったのですが、撮影禁止どころか「どんどん撮って下さい」と呼びかけられていたので桟敷席の真ん中からほぼ全篇、撮影してしまいました(笑)。撮影者というのはビデオに自分の笑い声が入らないようにこらえなきゃならないので、腹筋はさらに鍛えられたというわけです、いやぁ~本当に難行だった(爆)。

 ところで僕がカメラをセッティングしていたら背後から聞き覚えのある声が・・・なんと大阪府議であらせられる(はずの)尾辻かな子さんが、ジャージ姿で客席にいるではありませんかっ!・・・いつも思うけど尾辻さんって議員さんなのにフランクすぎ(爆)。彼女はこの日、第二部に出演するというのです。(←知ってましたけど。笑)

 第一部の「贋作・犬神家の一族」というコテコテの「クイア・ミュージカル」をたっぷり1時間40分、お腹いっぱいで胸焼けするほど堪能した後(笑)、休憩をはさみ、ついに僕の目の前では・・・このような世界が繰り広げられたのでしたっ!あぁ・・・なんて素敵なクリスマスなのでしょう♪

  
  

 尾辻さんとエスムラルダさんが場面によって「男らしく」見えたり「女らしく」見えたり、次から次へと「らしさ」を越境して変化する様子が、見ていて笑いを誘われるポイントなのではないかと思います。尾辻さんなんて「ハァ~ッ!」っとカッコよく蹴りを入れた次の瞬間にはすでに「女性らしい身のこなし」に戻ってたりして。そんなところが面白いです。

 ところで、ドラァグクイーンのエスムラルダさんは第一部では「ろくろっ首」みたいに首が伸び縮みするショーを魅せてくださったのですが・・・大好きですっ!あのオドロオドロしい世界(笑)。終演後、あいさつをしようと思ってロビーにいるエスムラルダさんを探したところ、女性ファンに取り囲まれていました。彼女達がハマる気持ち、とってもよくわかります・・・。マジで僕、ファンになりました(笑)。

エスムラルダさんのサイト
テコンドーをしている尾辻さんは議員さんでございます。
All About同性愛・Junchanの「かるなび」第17回 ゲイカルチャーイベント「gaku-GAY-kai」の10年

 劇団フライングステージって本公演の時はかなり「キッチリとした」本格的な芝居で楽しませてくださるのですが、gaku-GAY-kaiでは独特のユル~イ雰囲気が漂っていて、僕的には「ツボ」でした(笑)。見ている方もリラックスしてのんびりした気持ちで見れますし、ほんわかとした、あたたかい時間を過ごすことができましたよ。FC2 同性愛Blog Ranking

「クイア」を学び切り拓く005●砂川秀樹著「パレード」

 パレードの最終実行委員会に参加するとき。急に無性に読みたくなったので、以前から持ってはいたものの読んでいなかったことを思い出してリュックに入れました。そして大阪への行き帰りの高速バスの中で、この本を隅から隅まで熟読しました(笑)。2000年に東京でのパレードが復活開催された時の証言記録集であり、実行委員長を務めた砂川秀樹さんが監修・編集したものです。

 東京では1994年に第一回のパレードが開催されたものの、90年代の後半は大規模なパレードの開催は途切れてしまっていました。同時期に札幌でのパレードは連続開催されていて、どんどん発展し続けていたのに、なぜか東京は・・・。

 空白期間が長引く中、「そろそろ復活させたい」という気運が人々の間で高まり、実行委員を引き受けるという有志たちが集まって準備が始まります。そして・・・苦労してなんとか、4年ぶりに大規模なパレードを復活させたのです。その当時の盛り上がりとか、関係者たちの感激とか、苦労したエピソード等がぎっしりと溢れんばかりに詰まっていて、はちきれそうな勢いの感じられる本です。

 この本の面白いところは、独自原稿だけではなく「いろんな媒体から」2000年のパレードに関する文章や感想を収録しているところ。「Badi」「G-Men」「薔薇族」などの大手ゲイ雑誌はもちろん、個人のサイトや地域の活動家団体の機関紙に書かれた感想まで、幅広い資料を集めているので多角的な視点から、2000年に起こった東京での「熱い夏」を振り返ることが出来るのです。

 また、いまやパレードと同時期に開催されることが恒例になっている「二丁目のレインボーまつり」も、この時がはじめての開催だったそうです。それまでは「パレード」といういわゆる社会的な「活動」と、二丁目の「商業的な部分」が東京で連携しあうことはありませんでした。しかし、そこをなんとか結びつけて大きなムーブメントを巻き起こしたわけですから、2000年の活動家たちの功績は本当に大きいと思います。

 やっぱり、何事も楽しくなければ続きませんよね。参加者たちが楽しめて商業的な活性化にも繋がるというスタイルは、2000年の成功によって定着しました。東京でこれからも安定して毎年夏に「パレード」と「祭り」が同時開催され続けることは、こうした動きを他の地域でも根付かせて行くための重要なモデルケースとなり続けることでしょう。

 「はじめてのこと」というのは、先行きがわからない分だけ不安を伴いますが、「なんとか実現させたい」という思いの求心力が奇跡を起こすこともあります。その成功体験から生じた喜びは、確実に次へとつながる原動力になります。今年、関西で無事に第一回のレインボーパレードが実現できたのも、こうしたコミュニティーとしての体験が、多くの人々の身体や記憶に蓄積されて継承されて来たからだろうと思います。

 現に10月22日の大阪には、全国のあちこちからパレードを成功させるために同志たちが集まっていました。2000年の「復活ムーブメント」を牽引した砂川さんをはじめ、本当にたくさんの「パレード経験者」の方々が楽しそうに歩いている姿を見かけました。実行委員会の打ち上げの席にも多くの方が訪れ、いろんな話を聞くことができました。

 そうした人たちの思いが次へ次へと繋がって行く。そして新たな人々を巻き込んで大きな流れを作って行く。僕は今年の夏からやっと、こうした活動に参加しはじめたばかりですが、知り合う人々の中に「体験の豊かな蓄積」が確実にあるのだということを感じ、嬉しくなることが多いです。

 この本を読み終わって胸に込み上げてきたのは、なんとも言えない「温かさ」でした。熱い思いは熱いうちに記録しておかなければ消えて行く。消える前に記録するべきだという「使命」を感じ、丁寧に作られた証言集。
 2000年の「熱さ」を、その数分の一でも追体験したような気持ちにさせてもらえる本でした。「思い」を記録してくださっていて、本当にありがとうございました。
砂川秀樹監修・編集「パレード―東京レズビアン&ゲイパレード2000の記録」

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「クイア」を学び切り拓く004●パフ名作劇場「リム★デズリナイト」

 関西レインボーパレードの下見に出かける2日前のことなので、だいぶ前のことになりますが(笑)、10/7(土)に早稲田にあるレズビアンのためのコミュニティースペース「パフナイト」に行きました。
 パフナイトをご存知の方は「えっ・・・あのレズビアンの交流スペースにっ!」と思われるかもしれませんが、僕は結構レズビアンの人たちの中に混ざると落ち着く性質です。簡単に溶け込めます(爆)。ゲイばかりの空間にいると、なんとなく「下心」の混じった視線が飛び交っているような気がして緊張してしまうのですが(←考えすぎっ!笑)。レズビアンの人たちの中では、そういう感覚からは自分が解放されます。(あくまでも自分の問題なんですけどね。)

 ブログには書きませんでしたが、実は6月にも同じパフナイトで行われた「プロジェクトFtMtX」という田中玲さんのイベントを見に行ったことがあります。さすがにこの時は足を踏み入れるのに心臓が飛び出しそうなくらい緊張しましたが、当時は「Act Against Homophobia」の街頭アピールを見に行った直後であり、その衝撃が生々しかったので勢いで入ってみることが出来たのです(笑)。こういうのって、「エイッ!」って飛び込んでみると意外と簡単に、新しい世界を知ることが出来るものなんですよね。
田中玲 著「トランスジェンダー・フェミニズム」

 さてさて今回はレズビアンの映画監督であるリム・デズリさんの特集上映ということで、LGBT系映画マニアと化している最近の僕にとっては絶対に外すことの出来ない機会。わくわくしながらコミュニティースペースのドアを開けました。会場内はレズビアンの人たちばっかりで、ゲイは僕を含めて2人だけ(笑)。まったく緊張せずに「ふら~っと」席に着いたら、隣の方から「あの・・・失礼ですけどトランスの方ですか?それとも男性?」と訊かれてしまいました(笑)。

 そうなんですよ僕ってちっともゲイらしくないゲイ(=ノンケ風ゲイ)なので、こういう所にふらっと入ると最初は「この人なに?」と思われるみたいなんです(笑)。「あ・・・ゲイです」と応えたら、とりあえずその人はホッとしたようでした。この空間の中では「LGBTであること」が常識になっているというわけですね~見事な逆転現象(笑)。
 上映された映画は『え?びあん?!』『父さん、母さん、わたしは… 』『ラベルは?』『バブルティー物語』『恋人はバンバイア』の5本。CMのパロディーのような超短編作品もあれば、ドラマ仕立てでカナダのテレビ局で上映されたという中編作品もあり幅広い内容でした。

 リム・デズリ監督の作品は今年の第15回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で『愛のカタチ』を見たことがあったので、見たことのある役者さんも出ていましたし、この監督独自のカラフルでポップな作風は馴染みのものでした。レッテルを貼ることをギャグで笑い飛ばしたり、一見軽いスタイルの中に鋭い風刺を込めた作風は、他の監督にはない独特な「トッぽい」センスだと思います。

 上映終了後トークショーがあり、監督の経歴から語られました。彼女はマレーシアで生まれた中国系2世。剣道漫画「おれは鉄兵」に出会ったことで日本に興味を持ち、武道の合宿で日本に来たりして日本文化に親しみはじめ、やがて日本の大学に入学します。なんと剣道の当時の腕前は2段で世界選手権にも出たことがあるとか。

 上智大学の新聞学科在学中にビデオ制作実習の授業で映像に興味を持ち、イメージフォーラムに通い実験映像に出会います。その後テレビ朝日に就職しながら、「クイアの自覚」を持ち映画の自主制作を続け、『使い捨てレズ』 『♀RoTiCiSm(エロティーズム)』などの実験的な短編を制作。国内のレズビアン&ゲイ映画祭ほか世界のレズビアン&ゲイ映画祭でも上映されます。テレビ朝日をやめてフリーになってからは、Vシネマで「シュガー・スィート」を制作。しかし日本という国の窮屈さにあきれ、表現者としての新天地をカナダに求めて移住しました。

 しかしカナダでは強烈な白人至上主義社会とハリウッド映画席捲の壁にぶつかります。カナダの大衆文化は「アメリカ依存」の傾向が強く、カナダ製商業映画はなんと年間で50本程度しか作られていないそうです。アジア系有色人種というマイノリティーであり、しかもレズビアンとしての表現を受け入れる土壌はなかなかありません。

 ところがラッキーなことに、やがて「もっと有色人種のカルチャーを」という社会的な動きが起こり、その機会にテレビ局にプレゼンしたら企画が通り、レズビアンが主役のドラマ『バブルティー物語』を制作することに。有色人種で、しかもレズビアンが主役のドラマが堂々とプライムタイムに放送されるという画期的な結果に結びついたのです。他に、この日上映された『父さん、母さん、わたしは… 』 『ラベルは?』も、カナダのテレビのプライムタイムで放送されたそうです。

 彼女の表現の根幹は「渇望」だそうです。自分がクイアとしてカミングアウトしたときに、見たいものがなかった。だから自分で「見たいものを作る」という渇望が、彼女を突き動かしているそうです。デビュー作を制作した動機も、あるハリウッド映画への「リベンジ」だそう。その映画ではレズビアンのカップルが描かれていたけれど、最終的には「男に取られる」結末だった。「そんな表現しかない」ことへの怒りが、彼女を突き動かしたのです。

 カナダに渡った直後も、テレビに映っているのは白人ばかりでカナダに住んでいる人たちの実態が映っていないことにまず疑問を持ったそうです。特に、カナダは移民の国=「若い国」であるため独自の文化形成が出来ていないらしく、みんな「移民する前の国=ルーツである国」の価値観を強烈に抱えているらしいのです。それはますます、クイアにとっては厳しい状況でもあるそうです。だからこそ、テレビという一般の人々がたくさん見る媒体でクイアの存在を示したいと思った彼女は、低予算で生活の糧には全くならないにも関わらず、表現衝動のエネルギーで「テレビでクイアを可視化」させたのです。すごいエネルギーだと思います。

 もともと実験映像から映像にかかわりはじめた彼女にとって、テレビというメインストリームで「ホームドラマ」を作ることは、表現方法としては「対極のスタイル」に転向したように思えます。しかし彼女はテレビ局出身ということもあり、「通るものを作って広める」ことをカナダでは選択したそうです。「通らない(実験的な)ものを作って広まらない」よりも、まずは「広めたかった」ということです。

 彼女は現在、日本に戻ってきています。次回作は日本で制作しているそうです。自分の表現衝動に忠実に、その時々の環境の中で「自分に出来ること」を選択しながら作品を生み出してきた彼女の生き様を見ていると、とても勇気を与えられました。

 「パフナイト」が終わり、テーブルを囲んでおでんや焼きそば等を食べながらの交流会があったので参加して、リムデズリ監督ともたくさん語り合いました。彼女のような表現者が芸術表現の分野で戦って「切り拓いてきたこと」をちゃんと知りたいと思ったし、そのエネルギーをたくさん貰うことの出来た素敵な夜でした。その後、大阪のパレードで再会できた方もいて嬉しかったです。「パフナイト」最高っ!

パフナイト「今夜もお騒がせ!リム・デズリナイト」
次回パフナイトは「へぇ~性教育委員会」11/4(土)18時から
リム・デズリ(Desiree Lim)監督公式ホームページ
●リム・デズリ監督作品「FLOORED BY LOVE」 「Sugar Sweet」 ・・・海外のamazonで発売中
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「クイア」を学び切り拓く003●第一回東京男色博覧会に見た、滲み出る人柄の魅力

 大阪に発つ直前の「13日の金曜日」。新宿のロフトプラスワン(LOFT/PLUS ONE)で行われた「第一回東京男色博覧会」を見に行きました。目的はただひとつ。伊藤文学さんをこの目で見てみたかったから(笑)。 
 1971年にゲイ雑誌『薔薇族』を創刊し、一般の書店になんとか流通させ、一時代を築いた「自称ノンケ男性」である文学さんが、日本のゲイに与えてきた影響はとても大きなものがあります。大尊敬人物です。

 会場にはパートナーと一緒に行きました。開場時間17:30のところを18:00に着いたのですが、その時点で既に場内は観客でいっぱい。座席がないので端のほうにあるカウンター席に座ろうかと移動したら、なんとそこには文学さんの姿がっ!。机でブースを設けて自身の著作を販売するために座っていたのでした。
 購入するとサインをくれるということなので最近出版された文庫本「『薔薇族』編集長」を購入。僕の本名と文学さんのサインを内表紙に書いてくださいました。あぁ、感動・・・。それに、ついに僕もこういうイベントに何の抵抗もなく入れるようになり、本名を出してもなんとも思わないようになってきたんだなぁと驚いたりして。

 全体は三部構成で、第一部は「日本ゲイマスコミ誕生35周年記念シンポジウム~祝「薔薇族」再復刊&どうする?どうなる?21世紀のゲイメディア~」。
 出演者は次のとおり。
●伊藤文学さん(雑誌『薔薇族』編集長)
●ソルボンヌK子さん(漫画家・ゲイポルノ監督)
●神ひろしさん(ダンサー・俳優)
●千葉向月さん(パフォーマー、N-stage及び「東京男色博覧会」イベントプロデューサー)
●小倉東さん(ライター/ドラァグクィーン"マーガレット"/雑誌『Badi』『ファビュラス』元編集長)
 司会 
●影坂狩人さん(ゲイ文化研究家、当イベント総合監修・司会進行)

 残念ながら、タイトルどおりの内容に突っ込んだ深い話には展開せずに上滑りなトークが続きます。その中でもやはり、文学さんの言葉は際立って「重み」が違いました。自身が長年、骨身を削って日本のゲイたちのことを考えてきたからこそ作り上げられた、独特のキャラクターと存在感があります。ちょっとやそっとじゃ太刀打ちできないオーラを放っている人。それでいて「気取り」を全く感じさせずに飄々としているのがスゴイです。

  第二部では「ゲイも知らないゲイストリップの世界」として、男性ストリップパフォーマンスグループ「N-stage」と男性ストリップダンサーチーム「J-BOYS」が出演するショーが行われました。 
 僕はストリップというものを始めて見たのですが、「N-stage」のものは正直、「素人芸?」(笑)。
 それに比べて「J-BOYS」のダンス・ショーのクオリティーの高さには驚かされました。ものすごく修練を積んだダンサーたちと、練りに練られた演出による素晴らしき同性愛ダンスの世界。ぜひ、「J-BOYS」の本公演がある時には見に行きたいと思わせる内容でした。主宰の神ひろしさんの、明るく突き抜けたキャラクターの裏に潜む「闘志」が、そのまま肉体やパフォーマンスから滲み出ていて感動的ですらありました。

 伊藤文学さんと神ひろしさんは、シンポジウムの時にも飛びぬけて「場を読み、客に対して開いて語りかける」能力があり、人間としてすごく惹かれるものを感じました。彼らの生き様が垣間見られたというだけでも、入場料¥2800を払った甲斐があったというものです。

 ただ、やたらと販売グッズやパンフレットを売ろうと「宣伝トーク」ばかりをする人がいたのには呆れました。人間心理って複雑なもので、あまりにも「押し」が強いと逆に引いてしまい、売れるものも売れなくなってしまいますからね。その辺のセンスって、実は結構大事なことなのではないかと思います。FC2 同性愛Blog Ranking


月刊『薔薇族』編集長伊藤文學の談話室「祭」
J-BOYS

「クイア」を学び切り拓く002●“夫々”と“婦々”に寛容な国、フランス

 前回に引き続いて「論座10月号」に掲載されたSEXUAL MINORITY特集から御紹介。

 いや~ぶったまげますよフランスのLGBT事情の先進ぶりっ!政治の世界での「可視化」が進んでいるフランスでは、驚く位にLGBTの権利が保障され始めています。その様子を「“夫々”と“婦々”に寛容な国、フランス」というタイトルでレポートしたのは、フランス留学中の及川健二氏。1980年生まれで20代の彼はノンケということですが(笑)、すごくLGBTフレンドリーな執筆活動を展開している素敵な人です。フレーフレー及川さんっ!

パリ市長は有名なゲイ

 パリの市長が同性愛者なのは知ってますよね?ベルトラン=ドラノエという人で、1997年に地方の市長をしているときに「ゲイであること」をカミングアウトしたらしい。

 彼(ドラノエ氏)が一貫して続けているのは反差別という政治姿勢だ。女性差別、ユダヤ人差別、人種差別、イスラム教徒への差別といった問題にパリ市議・国政議員として取り組んできた。生まれ、幼少の頃を過ごしたのがチュニジアというイスラム圏の国であることから、政界の中でもイスラム教にかなり理解のある政治家として知られている。

 そんなドラノエ氏の中央でのカミングアウトは1998年にテレビ番組「Zone Interdite」に出演した時だそう。

「そう、私はホモセクシュアルです。今日(この場で)おこなっている議論の重大さを私は承知しています。しかし、私はもう48歳なのです。自分の信念を持って生きなければならない。自分のキャリアなど、私にとっては最も重要なことではない」

 政治生命が絶たれるかもしれないリスクも予想される発言だったわけですが、見事3年後の2001年にはパリ市長選挙に当選。パリ市庁舎前には多くのLGBTが集まり、歓喜の雰囲気で包まれたそうです。彼は今では、フランスで最も有名なゲイであり国民からも支持が高い政治家として有名なんだとか。す・・・すごいです~!

 「PACS法」という、擬似結婚制度

 そんなフランスでは「TÊTU」というゲイ&レズビアン向けの総合月刊誌がキオスクや街の書店で普通の女性誌・男性誌と並んで売られているそうです。ポルノを載せない同性愛者向けの雑誌として1995年に創刊され、すでに現在115号まで発行。なんと大統領や首相がインタビューに応えたりすることもあり、無視出来ないマス媒体として成長しているというのだから恐れいります。
「TÊTU」の公式サイト

 また、同性愛者向けのテレビ局「ピンクTV」が2004年に開局したりと、「同性愛」が普段からあちこちで「見えるものになっている」というから感動的ですね~(涙)。
Pink TVの公式サイト

 それに、1999年にはパクス(連帯民事契約)制度が施行され、結婚よりもゆるい擬似結婚制度として活用する人が増えているそう。パクスと結婚を比較すると、こうなるそうです。

●結婚は男女カップルのみに限定されるがパクスは同性カップルも締結できる。
●結婚は原則として両者の合意があって解消されるが、パクスは片方の意思だけで解消できる。
●結婚には貞操義務があるが、パクスにはない。

他に、パクスならではの特色はこちら。

●財産を一方から他方へ贈与するなどして共有の形にすることができる。
●別れるときは財産を分けることになり、一方が亡くなった場合は残った者が財産を譲りうけることも可能。

・・・「パクス法」が施行される前には、フランスで国民的な議論が沸騰。そのおかげで今ではすっかり「同性愛」はタブーではなくなったということです。「私たちはパクスする」という言葉が日常的に使われる言葉として浸透し、テレビドラマなどでも使われているというのです。

 「パクス以降、同性カップルは自分たちの性的指向を隠さずにすむようになり、道で手をつないで歩くというようなことも当たり前になりました。同性愛者であることを両親や友人に公言できるようになったということは、解放と認知という効果があったということを示します。これまで差別され、戦時中には迫害さえされてきた人々が、パクスによって人間としての尊厳を取り戻すことができたのです。」(条文を作成した社会党のパトリック=ブローシュ国民議会議員の発言)

 男性同士の結婚式が大注目!

 さらには「パクスでは不十分だ」とする人もいて、ノエル=マメール国民議会議員は2004年4月、自身が市長も兼任するベグル市役所に結婚式を申し込んだところ受理されます。つまり「同性カップルの結婚は前例がなく民法では認められない」という通説がくつがえったのです。

 しかし6月5日の結婚式当日は市役所前に賛成派・反対派が大挙して押し寄せ大混乱。反対派の中には「これは結婚ではない、公然わいせつだ」「ホモを強制収容所へ」と叫ぶ人もいたとか。

 そんな騒ぎの中、11時15分に市役所内で結婚が市によって正式に宣言されます。マメール氏が感動のあまり涙ぐむ場面がテレビで全国に流れたそうです。その後、内務大臣がマメール市に1ヶ月の停職処分を命じ、この騒動は終結。・・・たくましい政治家がこうして次々に道を切り拓いたからこそ、世の中が実際に変化したのですね。

 2007年大統領選挙では「同性婚」が争点に

 こうしてタブーではなくなった「同性カップルの結婚合法化」は、いよいよ次期大統領選挙の争点の一つにもなりそうな気配だというから驚きです。

 世論調査でも「合法化に賛成」する人の率が多くなってきており、社会党の大統領候補セゴレーヌ=ロワイヤル議員は、LGBT雑誌「TÊTU」のインタビューで「社会党は平等と相互尊重の名の下に同性愛者の結婚を合法化するでしょう」と発言。つまり彼女が大統領になれば、合法化が実現する可能性が高いのです。

 現在、同性カップルの結婚が合法化されているのはスペイン、カナダ、ベルギー、オランダの4カ国。5番目の国にフランスがなるのかどうか要注目ですね。(日本はいったい何番目になることやら・・・笑)。

・・・ここでは記事の概略を紹介してきましたが、もっと詳しくフランスの事情を知りたいという方は、10月23日に発売される及川健二氏の著書『沸騰するフランス』。さらには10月25日に発売される『ゲイ@パリ』を読みましょう~。僕ももちろん両方買います。すっごく楽しみです~っ!FC2 同性愛Blog Ranking

及川健二著「ゲイ@パリ~現代フランス同性愛事情」(長崎出版)

ブログ「及川健二のパリ修行日記」

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