どうなる?カリフォルニアの同性婚禁止をめぐる住民投票

米大統領選挙は史上初の黒人大統領が誕生という結果に沸いていますが、僕の関心事はそれよりもカリフォルニアで行われている住民投票にあります。「同性婚を禁止」することに賛成するかしないかをめぐる住民投票=Prop8に、まだ最終結果が出ていません。まれにみる大接戦となっているようですが、どうやら「禁止」が可決されそうな勢いになっています。
実は11月15日にRonさんとこのようなイベントを予定しているため、もはや僕にとってはこの出来事、他人事として看過はできないんですっ!。ゲストとしてお話し下さる中村さんの結婚が取り消されるということにはならないようですが・・・同じような思いでカリフォルニアでの結婚に希望を抱き、これから実行しようとしているであろう多くの人々のことを考えると、正直、胸が張り裂けるような思いすらします。(これは僕が当事者であろうと、なかろうとね。この事実を知っている者として。そして、6月の時点でこのような報道が日本でもされたことに喜びを感じた者として。)
今日の僕はもう明日に備えて寝なければならないのですが・・・冗談じゃなく大接戦の開票の様子が気になってしょうがないです。→FC2 同性愛Blog Ranking
「タンタンタンゴはパパふたり」が、2年連続苦情ナンバーワン!~米図書館協会(ALA)調査

★ 「タンタンタンゴはパパふたり」
★「Tres Con Tango / And Tango Makes Three」
この本のアメリカでの出版は2005年。翌年の2006年には早くも「撤去申し入れナンバーワン」に輝いた(?笑)ようですから、これで堂々の2年連続ナンバーワン!。これって要するに「既成の価値観とか社会秩序を揺さぶって議論を巻き起こしている証」でもありますから、逆に誇っていいことではないかと僕は思います。作家や出版社の方も出版冥利に尽きることでしょう。
日本では尾辻かな子さん、前田和男さんの翻訳で先日出版されたばかり。(トークショーの模様はこちら→①・②・③)。今後、もし日本でもヒットして図書館や学校などの書棚に並ぶようになったら、果たして同じような反響が起こるのでしょうか?。あるいは、いつもの日本的な反応で「スルー」されたまま、結果的にはジワジワとゆっくり浸透して行くのでしょうか?(僕は後者じゃないかと予想。)

この「やわらかい」「あいまいな」日本の社会風土の中で、どう権利獲得を進めていくのかは、きちんと日本社会の有り様を分析した上で、独自の方法論を模索しながら発明して行くしかないのでしょう。なにかと「海の向こう」から学んでばかりではなく、足下の日本社会を馬鹿にしないで謙虚に分析することの方が、先決なのかもしれませんよ。→FC2同性愛 Blog Ranking
「19歳ゲイのイラン青年が、オランダ→イギリス→イランへ強制送還の危機。ハンガーストライキ中」という情報
彼は、英国で難民申請を却下されているようで、英国に送還された後は、同性愛を法的に禁じる国であるイランへ送還される危険が高くなります。なぜならメフディさんがかつて交際していた男性は、2006年にイランで逮捕され処刑されており、イラン当局がメフディさんのことを知っているのだとか。彼は送還に抵抗して、ハンガーストライキを決行中。支援者がネットで署名を呼びかけているようです。
→英文の呼びかけサイト
→こちらのサイトでは、上記サイトの日本語訳を見ることが出来ます。
●現在、以下のサイト・ブログでこの件に関する情報が発信されていますので注視してください。
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日本テレビがエルサレムの集会を報道~エルサレムWorld Prideの動向03

→日テレNEWS24「エルサレム 厳戒態勢の中、同性愛者の集会<11/11 21:02>」
反対派の発言として、
●「(同性愛は神に)禁じられたことです。本当に気持ちが悪い」
●「彼ら(同性愛者)は、ほかの人々にも気持ち悪いことをさせようとしている。自分たちだけでやっていればいいものを、ほかの人にも広げようとしていて悪影響だ」
という言葉が紹介されています。
僕は反対派の発言を変換して、こう言い返してやりたくなりました。
●「ほかの人々にも気持ち悪いことをさせようとしている」のは、異性愛至上主義者の方である。無理やり異性愛者を演じなければならず、自分を偽って偽装結婚などをしなければ生きていかれない状態こそ、同性愛者にとって「気持ち悪いこと」だ。
●異性を愛することは「自分たち(異性愛者至上主義者)だけでやっていればいいもの」であり、「ほかの人(同性愛者)にも広げようとしていて悪影響」だ。

主催者は来年に向けて、こんな力強い言葉を発しています。
「私たちは反対に負けずにこの町にとどまり、戦い続けます。来年は、町でパレードします」
この言葉がどれだけ世界中の、特に不遇な環境に生きている同性愛者に勇気を与えることでしょう。
集会参加者たちの熱気を感じる映像を見ながら思いました。逆境というのは、実は「同志」が結束を固めて強くなるチャンスなのかもしれませんね。
●エルサレムのパレードについては北丸雄二さんのブログ「隔数日刊 | Daily Bullshit」にも情報があります。→エルサレムで何が起きているか? →アップデート諸々一気
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プライド行進は延期。集会は無事に終わる~エルサレムWorld Prideの動向02
→その模様を伝えるテレビ映像をYouTubeで見ることが出来ます。(言葉がわからないので内容把握が曖昧です。どうやら、8月の集会は盛り上がったけれど今回は寂しかったということを報じているようですが・・・。どなたか、わかる人がいらっしゃいましたら概略を説明していただけると助かります。)
今回行おうとしたエルサレムでのパレードは、もともと8月に開催された「エルサレムWorldPride」のイベントの時に行われる予定だったようです。しかし激しい抗議を受けたため、10月まで延期していたとのこと。

→Jerusalem WorldPride公式サイト →(Yahoo!翻訳付きはこちら。)
→8月のことがGay.comで記事になっています。→(Yahoo!翻訳付きは こちら。 )
最近特に情勢が緊迫している(と報じられている)エルサレムにおいて、このような活動が、しかも活発に行われていることに驚きました。そして、こうした動向が日本ではほとんど報じられていないことにも驚きました。
それにしても。抗議をした宗教団体からすれば、この「パレード中止」は「勝利」と映ってしまうのでしょうか・・・。状況は一進一退を繰り返しているようではありますが、こうした動きを「知る」人がどんどん増え、関心を高めて行くことが、まずは大事。政治的・宗教的立場に関わらずLGBTは世界中どこにでもいます。「境界線のない愛(Love Without Borders)」という深い理念で結びつくためのアピールや活動は、これからますます活性化するべきだと思います。「境界線」の存在を、なにかと意識せざるを得ないLGBTだからこそ、発することのできるメッセージはあるはずです。→FC2 同性愛Blog Ranking
ゲイ・パレードは「街頭の破廉恥行為」!?~エルサレムWorld Prideの動向01

→ ■ 宗教強硬派、ゲイ・パレードに反対 (GAY JAPAN NEWS・11/9)
→ ■ ユダヤ教超正統派が同性愛者のパレード差し止めを最高裁に要請 (GAY JAPAN NEWS・11/9)
「関西レインボーパレード」を経験した直後ということもあって、こうしたニュースが「我がこと」のように感じられますし、プライド・パレードのことを「街頭の破廉恥行為」と表現する人の頭の硬さ(=悪さ)には呆れます。そんなものを相手にしなきゃならないパレードの主催者たちの苦労や、参加しようとしている人たちの不安や苛立ち、精神的ストレスは、いかばかりかと思います。
大阪ではとりあえず「目に見える暴力としてのホモフォビア(同性愛嫌悪)」を経験することは、ありませんでした。しかし日本国内でも、最近の都城問題をはじめとして「目に見えない圧力としての」ホモフォビアは依然として燻り続けています。
こちらの記事のコメントで神戸のケンゾヲ★さんが教えてくれた通り、今年の5月13日に「神戸まつり」の中で行われた「神戸ゲイパレード」の直前には、主催者である神戸市民祭協会へ前日までに121件のホモフォビック(同性愛嫌悪的)な意見が寄せられたため、参加中止勧告をされたりしたこともあったそうです。それを乗り越えたケンゾヲ★さんの書いてくれた言葉が印象的です。
可視化する事で、一般の方々から中傷は、もはや仕方ないですね。
けれど、可視化する事で支援して下さる方も着実に増えますから

YouTubeで「yigaltv」というハンドルメームの33歳の方が、パレード関連の現地のテレビ・ニュースをこちらに投稿し続けているようです。言葉はわかりませんが(笑)映像でチェックは出来るので事態の成り行きに注目しようと思います。
また、8月11日にエルサレムで行われたという「Worldpride demonstration in Jerusalem」の映像も発見↓。遠い国のことが、一気に身近に感じられる素朴な映像ですね~。
関連リンク
●神戸ゲイパレード第一回準備会ミーティング・・・2006年11月19日(日)18時30分~神戸三宮にて
→FC2 同性愛Blog Ranking
アメリカのYAHOO!が同性愛者向けポータル・サイトを開設

→ YAHOO! Celebrate Gay Pride on Yahoo!
長い目で見ると、これはかなり大きな出来事だと思います。ポータルサイトは様々な情報が交錯する玄関口ですし、ゲイ・コミュニティーではない大手の一般企業でこうしたことが実現出来たということは画期的。それだけYAHOO!社内でのLGBT従業員グループが頑張ったということでしょう。今後、他の企業にも大きな影響を与えることが予想されます。
世界中、どこの会社にも数%~10%はLGBTがいるのですから、こうした動きが起爆剤となって「LGBTであることを長所として生かせる職場環境」が整うと、どんなに素晴らしいだろうという希望を与えてくれるニュースです。空想や夢ではなく、実際に実現出来ている職場がある。本当にすごいことですね。→FC2 同性愛Blog Ranking
モスクワでの事件を詳しく見てみる。

詳細に見てみると、驚くべきことがたくさん起こっていたことがわかります。たくさんのメディア関係者が見守る中、報道されることがわかっていながら、「まるでパフォーマンスのように」暴力が行われたという事実。しかも、かなり凄惨な出来事だったようです。
( 細見由紀子さんの翻訳文を参考にし、人物のコメントなどは引用させていただきました。)
モスクワ市当局、プライド・パレードを不許可
不許可の理由
①参加者の安全を守るのに十分な数の警察官がいないから。
(前日の法廷では「400人しかモスクワには警察官がいない」と証言)
②国民の大多数が支持しているわけではないから。
(2005年に同じルートでアンチファシストマーチを行った時は、国民の大多数が支持していたため許可した。)
5/27モスクワ・プライド予定日当日
不許可を受け、モスクワプライドの主催者たちは記者会見。
「パレードは行わない代わりに2つのアクションを起こす」と発表。
①14:30に、反ファシズムの記念碑「無名戦士の墓」に献花をする。
②15:00に、ユーリー・ドルゴーキー像(12世紀のロシアの統治者の像)のまわりに集まること。
14:30頃■マーリン・ホランドの証言
(オスカー・ワイルドの孫。名誉あるゲストとしてパレードに招待されていた。)
「2時25分に車を降りて、花を持って歩き出した。(中略)ゲートまで4、5メートルのところで、突然まわりを包囲され、押されてつぶされそうになった。そして、ロシア正教のひとたちのアンチゲイのスローガンが聞こえてきた。ジャーナリストのカメラが盾となっていたが、その後ろはネオナチの人々が取り囲んでいた。皆押されてどんどん自分たちのグループの立っている場所が小さくなっていった。そして、警察が外側から混乱の中心に入ってきて、人々を外に押し出し始めた。」
アレクサンダー庭園の入り口にいた人たちの規模(推定)
●プライド・イベントの参加者・・・30人~40人くらい(多くは外国人)。全体では約200人。
●ゲイマーチに反対する過激派・・・200人~300人ほど
●特別警察隊OMONメンバー・・・1000人以上(公共の秩序を守るという名目)
●ジャーナリスト・・・少なくとも50人ほど

「同性愛者はロシアから出て行け!」
「ロシアに同性愛者はいらない!」
「モスクワをロシア人のために清めよ」
などと叫んでいた。
プライド参加者の中心人物の多くはその場で拘束される。
14:50頃
プライドの参加者はユーリー・ドルゴーキーの像に向かって歩き出す。ジャーナリストたちの見守る中、ネオナチ・グループが参加者に攻撃を始める。目的地に到達した参加者はごくわずか。
ニコライ・クリアビッチ(国会議員。ロシア自由民主党)が突然現れ、ジャーナリストに発言。
「このパレードはロシアに対する挑発であり、ロシアには同性愛者の居場所は無く、一連のパレードに対する抗議行動は彼らを追放しロシアを「清める」キャンペーンの始まりである。」
↓
それに対してジャーナリストから質問
「ロシアの秩序を守るために他にはどのような人々を追い払うつもりか」
↓
クリアビッチ議員の返答なし。支援者と一緒に「ロシアには同性愛者はいらない!」と大声で唱え始める。
レズビアン・アクティビストのイフゲニヤ・ダブラスカがジャーナリストに発言し始めるものの、わずか数分で群集から炭酸飲料をかけられ、道路に顔をこすりつけられながら特別車両に連れて行かれる。
↓
クリアビッチ国会議員とロシア正教の司祭、ジャーナリストへの発言を続ける。
↓
警察は銅像の所から人々を分散させようと押し出す。
↓
ネオナチのメンバーの多くが警察車両へ連行される。
↓
ロシアのTV局RTVI関係者と、ロシア版Newsweekの記者、暴行を受け連行される。
↓
LGBTたち広場から追い出され、ネオナチのスキンヘッドが待ち構える道路へ押し出される。
↓
スキンヘッドたちが「オカマはロシアから出て行け!」と声を張り上げる。警察は黙認。
暴力が振るわれてはじめて制止に入っており、暴力を防ごうとはしていなかった。

ネオナチのスキンヘッドやロシア正教会過激派のグループは通りをうろうろし、LGBTのように見えた人や外国人を見つけては暴力。
↓
二人の黒人男性がプライドには無関係であるにもかかわらず暴行を受ける(地元メディアの報道)
拘束された参加者は
その日のうちに開放。警察における拷問の報告はない。
■ロンドン大学ロバート・ウィンタミュ氏の見解
ヨーロッパ人権条約第11条(集会と結社の自由を保障)
・・・「反体制的、大衆に指示されないデモをしたり、そういった意見を表明する権利は守られるべきである。」
従って、モスクワ市の挙げた「不許可理由」は、正当ではない。
もし、デモが大衆に支持されなくて暴力的な人々を集める恐れがあるならば、暴力からデモ参加者を守るのが国の義務だ。今回の事件の原因は行政側の準備不足にある。
■マーリン・ホランドの証言(オスカー・ワイルドの孫)
「私自身ゲイではない人間として、いったいゲイの人たちはこの弾圧をどんな風に感じているのだろうかと、心の中で強く思わざるを得なかった。自分は明日この国を出てゆくが、多くの人はここで暮らしてゆくのだ。彼らの人生は一体どんなものになってゆくのだろう。悲劇は、このホモフォビアとは理性をもっては戦えないことにある。暴力でしかコミュニケーションが取れない人たちと向き合ってゆかねばらないのだ。」

「いらない!」と言ったってねぇ。太古の昔から人間の性のありようはグラデーションだし、今更変えようがありませんよね~(笑)。それよりも、このような暴力集団がいる限り、本当にモスクワは「浄化」されるのか、そちらの方を心配してしまいます。
モスクワ・プライドのためには多くの国々からもゲストが招待されていたようですね。そこに目を付け外国人排斥的な思想を煽り、ホモフォビアを巧妙にミックスさせ、さらに「反ファシズムの記念碑への献花計画」をLGBT側が発表したことに目をつけて過激派の感情を煽った国会議員や宗教家たち。彼らが警察の目の前で、マスコミに対して堂々と発言し続けているという光景がシュールです。
それに、「モスクワには400人しか警察官がいない」から守りきれないと言っていたのに当日1000人もいるという不思議。充分、守れるじゃないですかねぇ。
細かく見てみると不可解な点がいろいろ浮かび上がってきて、「大国ロシア」のイメージがガラガラと崩れ去って行きます。→FC2 同性愛Blog Ranking
モスクワでのLGBTパレード不許可。ネオナチ・グループと衝突し、警官隊に鎮圧される

「2006年5月27日、モスクワで初めての同性愛者らによるパレードが行われる予定でしたが、宗教団体、極右団体、そして警察当局からも攻撃を受けました。警察は約120人を拘束したそうで、怪我人も出ています。人権を求める平和なパレードを暴力で潰したことは、重大な人権侵害です。モスクワ・プライドを守るために、日本からもアクションを起こしましょう! 」
尾辻かな子活動日記「モスクワの事件を、多くの人に知らせてください」より
驚きました。
ロシア連邦の首都、モスクワではLGBTはパレードすら出来ないようなのです。5/27はロシアのLGBTたちにとって、1993年に反同性愛法の廃止された記念すべき日。それを記念し、さらなる権利擁護を訴えるためのパレード「モスクワ・プライド」が昨年の8月に構想されました。
→●ロシアの同性愛者 初のプライド開催を計画 (GAY JAPAN NEWS 2005/8/8)
活動家らは
デモの許可をモスクワ市に申請していたのですが、モスクワ市長ユーリ・ルシコフ氏や教会関係者、極右政党などがパレードの中止を求める声明を発表。果たしてモスクワ市当局が申請を許可するのかどうかに注目が集まっていました。
→●モスクワ・ゲイ・プライド・パレード、中止か?開催か?(GAY JAPAN NEWS 2006/3/18)
最近モスクワでは
LGBTへの攻撃が一段と激しくなり、モスクワのクラブで行われたゲイイベントには「スキンヘッド」の人達やロシア正教会信者ら150人以上の同性愛反対派がつめかけて妨害、機動隊が出動する騒ぎも起こっています。
→●モスクワ LGBT集会を同性愛反対派が妨害(GAY JAPAN NEWS 2006/5/16)
一方では
国際人権監視・擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが、5月17日の国際反ホモフォビアの日を記念してゲイ・コミュニティに対して差別的な公人のリストである“恥の殿堂”を公表。LGBTに対して強硬な攻撃姿勢を取るモスクワ市長を名指しで批判しました。
→●モスクワ市長、ナイジェリア大統領ら5人が“恥の殿堂“入り(GAY JAPAN NEWS2006/5/26)
さあ当日。
モスクワ市当局からの許可は下りませんでした。しかし市の中心部には約200人のLGBTや、パレードの賛同者たちが集まったようです。彼らのデモを阻止しようと警官隊による警備も行われ、そこにはネオナチ・グループの姿もあったそうです。
LGBTの一部の人々が、第二次大戦の戦死者を顕彰する「無名戦士の墓」(クレムリン脇)に花束をささげようと移動しました。すると周囲にいたネオナチ・グループとの小競り合いが始まり、広場の周囲に配置されていた警官隊が、LGBT関係者を拘束する事態になったようです。けが人も出たようですし、主催者のニコライ・アレクセイ氏が逮捕されたようです。
→●同性愛者ら120人拘束 モスクワ中心でデモ強行(東京新聞Web 2006/5/28)
→●Clashes in Moscow over banned gay parade
(Euro News 2006/5/27→動画。「Video」を押すと再生)
→●ロシア政府に強く抗議します(尾辻かな子活動日記 2006/05/28)
→●【緊急】モスクワのパレードが潰されました(Act Against Homophobia 2005/05/28)
ここからはあくまでも僕の推測ですが・・・
ネオナチ・グループと警官隊は「同じような主張」を持っている立場。もしかして彼らが「繋がっていた」のではないかと思わされるような出来事ではありませんか。LGBT活動家たちは「デモ」をしようとしたわけではなく「移動」しただけであり、違法行為を行ったわけではないようなのです。ひょっとするとネオナチ・グループに挑発されてしまったのかもしれません。公権力が「反対勢力」を抑え込む際に、このような「暴力的な集団」を動員することは、洋の東西を問わずよく行われてきたことでもありますし。(あくまでも推測ですよ。)
ちなみに「無名戦士の墓」 は、
「反ファシスト」を記念するという意味合いも持っている場所のようです。
→●Police and protesters break up Moscow gay parade
(REUTERS 2006/5/27。Yahoo!翻訳付き。)
この事件を報じている日本の大手マスメディアは、
今のところ共同通信の配信を受けた東京新聞しかないようです。日本のマスコミにおいてはまだまだ、LGBT関連のニュースは「情報価値が低い」と見做されているようです。こういう時に痛感させられます。
尾辻かな子さんのブログで、
僕はこの事実を知りました。彼女が、つい先日出席してきた「ILGA(国際レズビアン&ゲイ連盟)世界会議」 で同席した活動家たちも、暴力を振るわれて怪我を負ってしまったようです。顔から血を流している姿が報道されたドイツ緑の党の国会議員Volker Beckさんは、国際会議で尾辻さんと一緒にパネルディスカッションをした人だそうです。
→●Gay rights rally in Moscow ends violently(CBC NEWS 2006/5/27。Yahoo!翻訳付き)
この事件に関して、
尾辻さんが発している言葉を紹介させていただきます。
「みんなでまちを歩くことすら許さないロシア政府の姿勢は間違っています。
先進国首脳会議に参加している国がこのような表現の場すら奪っていることに強い憤りを感じます。
この拘束された中には、私が先日の国際会議で出会った人たちも含まれています。安否が気遣われます。
来週には、大阪にあるロシア領事館に申し入れ書を持っていこうと思います。」
→ロシア政府に強く抗議します (尾辻かな子活動日記 2006/5/28)
★大阪ロシア領事館へのメッセージ募集中→otsuji_office@osaka.nifty.jp

日本のマス・メディアは情報の価値を「市場原理で」決めますから、まだ可視化の進んでいないLGBTのニュースをなかなか伝えてくれません。我々が情報を共有するには、こうした小さなメディアが重要な役割を果たします。もしこの記事を見て「多くの人に知らせたい」と思われましたら、尾辻さんのブログやこの記事や、関連Webサイトへのリンクを、よろしくお願いします。こうしたニュースが「知られる」ことが、まずは大事なことだと思います。→FC2 同性愛Blog Ranking
アラブでGAYは逮捕されるらしい

『同性愛者26人を逮捕』という記事がありました。
なんでも、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビでゲイの人たちが集団結婚式をしている時に、警察が踏み込んで「摘発」したらしいです。結婚式は砂漠地帯にあるホテルで内密に執り行われていて、警察が入った時には花嫁姿のグループと新郎姿のグループに分かれていたそうです。
イスラム教は同性愛を禁止しています。
UAEはイスラム教国であり産油国。近年、経済成長と共にイスラム的価値観が薄らいできていることを公安当局が問題視しているらしいです。彼らはスケープゴートにされたのでしょうか。
同性愛が「罪」とされる社会で、あえて結婚式を執り行うということがどういうことなのか。
よっぽどの勇気と決断の下に行われた行為だったのだろうと思います。そして、逆境の中だからこそ、実現できた時の喜びも大きかったことでしょう。しかし彼らは喜びの最中に逮捕されてしまいました。誰か内部の者が密告したらしいですが、それさえも覚悟の上で、あえて行った結婚式だったのかもしれません。
世界に人類がいる限りどんな社会にも必ず同性を好きになる人はいます。それは人間としてのあたりまえの現象です。僕はたまたま禁止されていない社会や時代に巡りあわせて生まれたから罰せられないだけ。
そのことの幸運を思い、彼らのように過酷な状況下でとてつもないストレスを抱えながら生きている人たちがいるということへの、想像力を持たなければと思いました。

UAEのダーヒリ法務・宗教相は
「UAEに同性愛者の場所はない。親は子どもの動向を注意深く見守って」と呼びかけているとのことです。
→FC2 同性愛Blog Ranking
スペイン野党のゲイ議員による隠れゲイ議員告発

●Excite「世界びっくりニュース」2005年6月15日
そもそもこのニュースを紹介しているエキサイトニュースが「世界びっくりニュース」というコーナーなのが、僕としてはひっかかる。
そういうカテゴリーに置いている人たちはそういうつもりはないのだろうが、ゲイとして生きている僕としては、「ゲイだからびっくりなの?」と、ちょっとヒネた感情を持ってしまう。しかも見出しの「隠れゲイ」という言葉使い。たしかにこれで閲読率は上がるんだろうが・・・。まあ、これはゲイ特有の自意識過剰&被害妄想として放っといてもらって(笑)
こうしたことが公の場で論じられ、問題になっているだけでもスペインは健康な国なんだなぁと、うらやましく思う。タブー視せず、それだけオープンになっているということなのだから。
脅されている人たちも、かわいそう。
脅しをかけている「隠れていないゲイ議員」さんは、さすがゲイだけあってその脅しがどれほど効くものかを熟知している。
一方、脅された「隠れゲイ議員」さんたちは、宗教心と権力志向による「タテマエ」と、ゲイであるという「ホンネ」を使い分けて政界で生きてきたのだろうが・・・苦しくはなかったのだろうか。葛藤はなかったのだろうか。
・・・あったのだろう、きっと。それでも、自分の支持者たちや今後への保身から、なかなか表明できずにいるのだ。(あえてするものでもないことではあるが。)
かわいそうに、この脅しには戦々恐々としてるんだろうな。気持ちがわかるだけに同情してしまう。
でも、「ゲイである」ということは、本質的には脅されてビビるような悪いことではないはずなのだ。脅している議員もちょっと意地が悪いとは思う。「偽善だ」とののしるのは結構だけれど、自分はたまたま周囲にカミングアウト出来ているだけなのだから。この人は恵まれたゲイなのである。
しかし・・・
自分を否定してまで守らなきゃならない宗教心って、いったいなんなんだろう。
「宗教の戒律」というものから自由でいられることの、ありがたさを感じた。
▼リンク切れに備え、「世界びっくりニュース」の記事を全文、引用させていただきます。
スペイン野党のゲイ議員による隠れゲイ議員告発
[ 2005年06月15日 18時16分 ] REUTERS/Andrea Comas
[マドリード 14日 ロイター] スペイン第1野党の同性愛者議員は、党が同性結婚に対する反対を取り下げない限り、党内の同性愛者の氏名を暴露すると脅している。
4月の国会は、中道・右派の野党、民衆党とローマ・カトリック教会の反対を抑え、社会労働党政府の同性結婚を合法化する構想を承認した。
民衆党と教会は、伝統的な家族の価値観を主張する団体による同性結婚に反対する街頭デモを支持したが、民衆党内の《ゲイ・プラットフォーム》は党にデモへの支持を取り下げるよう要求している。
プラットフォームのカルロ・ビエンディコ議長は14日、国営ラジオで同性結婚に反対する民衆党の同性愛者党員は、強制的にカミングアウトさせる、と警告した。
「わたしたちはこう言うつもりだ。○○さん、あなたは偽善者だ……なぜならわたしたちが正しいと信じている法律を妨害する票を入れたからだ。この法律はスペイン王国の民主主義を促進し、寛容さと偉大さを高めるものなのに」[日本語訳:ラプター]
☆画像は「世界びっくりニュース」からの引用
・・・マドリードの議会正面で同姓結婚の合法化を祝うゲイの権利向上活動家たち。2005年4月21日撮影。
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