国会でついに性的マイノリティの多様性が可視化●民主党・松浦大悟議員が質問 「自殺対策について」「国勢調査での同性カップルの扱いについて」

参議院の決算委員会にて民主党の松浦大悟議員が「自殺対策について」の質問を11:28から約30分間、菅直人首相や国務大臣、総務大臣に行ったわけですが、質問の後半部分において「自殺のハイリスク層」として性的マイノリティの存在に言及。さらに、国勢調査において同性カップルの存在が想定されておらず、配偶者として記入すると「誤記扱い」になる問題点等を指摘し、担当大臣から「今後検討していく」等の答弁を引き出しました。
これまで、日本の国会の場で性的マイノリティに関して行われた議論は、専ら「性同一性障害」に関してのものでした。特にセクシュアリティ(性的指向)が異性愛者ではない人(同性愛者・両性愛者等)の存在について議論されたことは、ほぼ「無かったに等しい」と僕は聞いています。つまり今回の松浦議員の質問は、国会の場で初めて「性的マイノリティの多様性」に言及された瞬間でもあったわけです。
なおこの決算委員会はNHK総合テレビとNHK衛星第1テレビで放送され、インターネットでも中継されていたわけですが、松浦議員の質問は午前中の部の最後だったということもあって総合テレビでの中継はニュースで11:54に中断されてしまい、性的マイノリティに言及した質問箇所を地上波で観ることができなかったのが、少し残念ではありました。(衛星放送とインターネットでは視聴できました。)
以下、関連場面のみですが文字起こししてみました。松浦大悟議員の「自殺対策について」の30分間の質問の後半約5分間の部分のみの抜粋です。

『さて、自殺のハイリスク層としましては、性的マイノリティの方々の問題があります。例えば、性的マイノリティの自殺未遂率は、異性愛者の6倍という調査結果も出ています。社会の中で自分は承認されていないという不安が、自殺に向かわせているのではないかと言われています。
こうした性的マイノリティの子どもたちにつきましては、自らの性的指向を自覚し始める思春期の教育が特に重要だと考えますが、岡崎大臣、こうした子どもたちへの支援は、どう考えていらっしゃるでしょうか。』

『お応えいたします。自殺対策につきましては、相談・支援体制の充実、これが大変重要だという風に考えておりますが、社会におきます自殺に対する偏見ですとか、あるいは精神疾患に対する偏見、こうしたものを除去していくことが、大変重要だという風に思っておりますのと、メンタルな面で、精神科・医療体制の充実ということが大変重要だという風に私たちも考えておりまして、こうした取り組みを総合的に行っていくことが大切だという風に思っております。
また、自殺の危険性の高い、いわゆるハイリスクの方の要因につきましては、きめ細かな対応が求められているという風に思います。こうした取り組み、アルコールに依存をしている、あるいは、農業・林業関係でうまく行っていない、あるいは主婦の方とか、いろいろな方々の悩みがあると思いますけれども、一体的にこうした取り組みを進めることによって、今おっしゃった性同一性障害ですとか、ハイリスクの皆さんたちに対して、様々な困難を抱えている、そういう方々に対する支援に、しっかりと手が届くようにして行きたいと考えております。』

『今年の7月23日に、菅総理が本部長の「子ども若者育成支援本部」が発表した「子ども若者ビジョン」の中には、性同一性障害や性的指向の問題についても書き込まれております。私のところにもこうした問題に悩み、苦しみ、時に自殺すら考えてしまう子どもや若者の声が届いております。このビジョンはそうした声を汲み取ったものだと理解しております。
ところで最近、性的マイノリティに対する理解がまだまだ進んでいないなと感じる出来事がございました。国勢調査について、性的マイノリティの方々から「回答をしにくい」というご意見をいただきまして、総務省の担当課長にお尋ねしたところ、「先生も御地元を抱えていらっしゃるんでしょう。こんな問題に興味を示すより、地元活動をされたらどうですか」と言われました。たいへん残念な思いがいたしました。「国勢調査では同性カップルをどう扱うのか」という質問をしたんですけれども、母国で正式に同性結婚をしている外国人で現在は日本に住んでいる方でもですね、別世帯として扱うんだそうです。
たとえ配偶者の欄に記入してもそれは誤記、誤って記されたものと処理をされるということでした。統計調査として同性カップルを項目に入れている国も多いわけですから、現実をしっかり把握するためには、私は「必要ではないか」と思っているのですが、総理はどうお考えになってるでしょうか。』

『国勢調査の記入内容につきましては今、委員のおっしゃったようなことでございます。これは、いわば記入の正確さを追及するなどの観点から、統計委員会に諮った上で決定して今回の実施に至ったものであります。今後のことにつきましては、これは、その、今委員がおっしゃったことも含めて、性的マイノリティの問題も含めて、今後の国勢調査のあり方をどうするかは、有識者の意見、それから統計委員会にまた諮ったりしながら、今後検討して行きたいと思っております。』
松浦大悟議員
『性的マイノリティであっても等しく国民であることに違いはないわけで、「あなたは想定外だ」と言われれば、誰だって、悲しむわけでございます。来年、次は5年後ですけれども、次の国勢調査のあり方についての審議会も立ち上がるということでございますので、こうした声があるということをしっかりと踏まえた上で対応がなされるものと期待したいと思います。』
現在、この質問の模様は参議院のホームページ「参議院インターネット審議中継」から見る事が出来ます。会議名「決算委員会」、発言者「松浦大悟」で検索すると「2010年10月18日決算委員会」のリンクが出てきますので、そこからストリーミング配信で「決算委員会(開会~休憩1)」という8時間以上ある映像を見る事ができます。松浦大悟議員の質問は2:24:20~2:54:00。性的マイノリティ関連の言葉が含まれた質問場面は、2:49:10~となっています。
さあ、国政の場で「性的指向」「同性カップル」「性的マイノリティ」という言葉が使われ首相や大臣、国会議員たちに(公的な場で)意識されましたよ。でもこれはまだスタートライン。松浦議員が質問し、大臣が答弁した内容が今後、ちゃんと施策に反映されていくのかどうかを注意深く見守り、必要とあらば声を届けていくことが必要になりますし、問題意識を共有している人は見ているだけではなく参画していくことが「これから」さらに大切になってくるのです。→FC2 同性愛 Blog Ranking

『しみじみと歩いてる』第2回東京上映会
11月23日(祝)14:00上映(トーク付き1300円)
会場:なかのZERO視聴覚ホール
監督:島田暁/2010年制作 77分
制作:akaboshi企画
『関西レインボーパレード』で出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、FtMトランスジェンダーそれぞれの日常生活、それぞれの違い、家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤や喜びを描いたドキュメンタリー。ゲイである監督の視点からまとめました。今回は映画に出演している九州のゲイ・カップルをゲストに向かえて「地方に暮らすセクシュアルマイノリティとして思うこと」を上映後にトーク。ぜひお越しください!→上映会の詳細はこちら。
LGBT可視化に向けて082●ゲイジャパンニュース、日本総研に対しLGBTダイバーシティ・ワークショップ実施

たとえどんなに可視化が進んだとしても。セクシュアル・マイノリティが世の中で「少数派」として扱われる現実は、そうは変わらないだろうと思っています。多数派原理で「ストレートな男」「ストレートな女」が基本とされる体制は、なにせ生殖の面でもスムーズに行くわけですから、そうは簡単に変わりはしないだろうと。
また、たとえどんなに可視化が進んだとしても。思春期に「周りの大多数の人たちと自分は違うかも」と感じて悩むセクマイ的な若者が、完全にいなくなることはないでしょう。「可視化を進めて誰も悩まない世の中に」だとか「セクシュアリティはグラデーションだから、みんながセクシュアルマイノリティなんだと言えるのだ。つまり我々はマイノリティではない」とか、理論上で語るのは簡単ですが・・・。僕には、言葉遊びのように思えてなりません。
それよりも、やはり「周囲から浮きがちな人が出やすいのだ」という現実認識を持ち、「悩みを抱え込む人が出た場合、サポート体制をどう築いておくのか」を考える方が現実に即した活動ではないかと思うのです。つまり、「マイノリティである」という認識を捨て去るのは、被りやすい不利益を覆い隠してしまうという意味で、逆に危険なことではないかと思っています。
社会が多数派原理で動きやすいということは、否定できない現実。そのことによって、少数派がどんな不利益を被りやすいのかを整理して把握しておくこと。そして、その不均衡を、どう「社会の課題として」意識して改善するべく働きかけていけるのかが、今の日本の「セクシュアル・マイノリティ」の社会的な課題の解決において、問われているのだと思います。
「マイノリティ性」というのは、必ずしも否定されるべきものではありません。「マイノリティ的な感性」を持っているからこそ持つことのできる、独自の視点があるかもしれません。そういった側面を肯定的に捉え返し、例えばビジネスの現場などで生かしていく方法があるかもしれない。そういう観点から行われたアピールをご紹介します。当ブログと相互リンクしているGAY JAPAN NEWSからのニュースリリースです。
日本総研といえば大手のシンクタンク。企業のあり方や社会の仕組みが、これからどのような方向に進むべきかの指針を、さまざまな調査・研究を行うことで発信している、企業体にとってのオピニオン・リーダー的な組織です。今後、具体的にはどのような動きが各企業の職場で出てくるのか。注目です。→FC2 同性愛 Blog Rankingゲイジャパンニュース、日本総研に対しLGBTダイバーシティ・ワークショップ実施
ゲイジャパンニュース(以下、GJN)は8日、三井住友フィナンシャルグループのシンクタンクである日本総合研究所の総合研究部門(以下、日本総研)に対して、LGBTダイバーシティ・ワークショップを実施した。講師には、ゲイジャパンニューススタッフの他、世田谷区議会議員の上川あや氏が参加した。
今回GJNが実施したLGBTダイバーシティ・ワークショップは、企業に対し、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティに関する理解を深め、従業員、顧客、取引先、株主や地域社会など企業と関わりのあるステークホルダー(利害関係者)における多様性を尊重する企業倫理や経営を実践してもらうことが目的。
海外では、これらの取り組みが企業の社会的責任(CSR)として認識され、リスクや危機管理の観点にとどまらず、企業価値向上に繋がるとして多くの企業で実践されている。上川あや議員は、「性的少数者と人権」というテーマで講演。自らの生い立ちとともに、多様性の問題は「マイノリティ」と呼ばれる人に限らず、すべての人に関係のある問題であるということや、日本のLGBTが置かれている現状などを説明した。
LGBTダイバーシティ・ワークショップに参加した日本総研の山田正孝主任研究員は、「昨年よりLGBTと企業の関わりについて調査・研究を進めているが、当事者の方々による講演の受講によって、LGBTの方々がおかれている正確な現状を鮮烈に感じることができた。
このような活動を通じた性的マイノリティに対する理解の向上は、LGBT社員の職場環境の良化に留まらず、将来的には更なる相互認識を高めることで企業活動のパフォーマンス向上を促すものと認識している。閉鎖的な日本の社会において、積極的に活動されている講師の方々に敬意を表すると共に、我々としてもシンクタンクとしての活動を通じ、LGBTの方々と企業の相互理解を深めることに貢献できればと考えている」と話した。
ゲイジャパンニュースでは、企業や団体のLGBTに関する取り組みを積極的に支援している。LGBTを含むすべての人が尊重され、機会が平等に保障される社会の実現に向け、LGBTダイバーシティ・プログラムの他、世界各国のLGBTに関するニュース配信、チャリティ・イベントの開催、国内外のLGBT団体との連絡や、国連の人権機関へのNGOレポートの提出などを行っている。
■日本総研
■世田谷区議会議員 上川あや
■ゲイジャパンニュース
LGBT可視化に向けて081●横浜で「Presence2008 キャンペーン」開催中

期間中、セクシュアル・マイノリティに関する写真のパネル展示や手紙を配布。パフナイト『カミングアウト・レターズ~編者がパフにやってくる』に登場した砂川秀樹さんらが参加するシンポジウムもあります。会場は横浜駅西口の神奈川県民センター。この週末、お近くの方はぜひ。(以下転載)
街や電車の中でいっしょに手をつないで歩いている男女のカップルはふつーの光景です。 でも、わたしたち同性愛者は手をつないで歩くことができません。なぜなら、わたしたちは自分が同性愛者であることを隠して一般社会の中で生活しているからです。
Presence2008は、一般社会に対してセクシュアルマイノリティへの理解を深めていくためのキャンペーンです。 →公式ページ
▼ Voice(声) <セミナー>
*日時 8月2日(土)16:00~18:00
*会場 かながわ県民センター 2階ホール
*テーマ
あなたはどう教えますか? 「同性愛・多様なセクシュアリティと教育」
*講師
砂川 秀樹氏
・・・(財)エイズ予防財団流動研究員、実践女子大学非常勤講師
クレア・マリィ 氏
・・・津田塾大学学芸学部准教授
現在、「同性愛」や「性同一性障害」の認知と、多様な性を平等に取り扱う目標 がつながっていないことは、いまだ高い自殺願望率が示しています。 生活が学校に限定された10代の若者はより深刻です。男女が異性を好きになる、その「男」や「女」に違和を感じ、「異性が好き」から外れてしまう若者はどのように生きていけばいいのでしょうか。 本イベントでは、そのような問題を打開するため、教育に何が求められているのかを考えたいと思います。
▼Face (姿)<写真展>
*日時 7月29日~8月3日
*会場 かながわ県民センター 1階展示ホール
*テーマ 世界のLGBT ~わたしたちはここにいる~
国内・海外で行われているパレードの写真、LGBTの歴史やコミュニティセンターのパネル展示を行っています。
▼Letter (手紙)
一般社会の中で何気なく使われている「ホモ・おかま・レズ」 と言った言葉。 この言葉に傷ついている人たちが、皆さんの身近なところにいます。 この手紙は、表に姿を現すことができない人たちからのメッセージです。 写真展会場において無料でお配りしています。
→FC2 同性愛Blog Ranking

LGBT可視化に向けて080●LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京06●やっぱり孫が見れないのはショックですか?

前回まではちょっとおとなしく自己紹介が続いたのですが、さぁ~ここからが面白くなりますよ~(笑)。たけむらさんが、なかなか面白い質問を投げかけてくれました。
09●やっぱり孫が見れないのはショックですか?
まぁ「家族の会」に出席するほどのお母様方ですから、サバけていて当然なんですけど(笑)、聞きながらすごく爽快な気持ちになることが出来ましたよ。ありがとうございました。
「親」とか「家族」と言えども「他人」であることには変わりがないわけですから、相手の思いを先回りして想像し過ぎないようにしなくちゃなぁ~と思いました。ま、無理せずに行きましょ。→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT可視化に向けて079●LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京05●尾辻かな子さん、母へのカミングアウト・エピソード

札幌のたけむらさんに続いては、尾辻かな子さんが「母親にカミングアウトした時の経験」を語りました。今でこそNPO法人「LGBTの家族と友人をつなぐ会」の活動に精を出している尾辻孝子さんですが、娘からのカミングアウトを受けた時には衝撃を受け、なかなか受け入れることができなかったようです。
■参考映像→尾辻孝子さんに聞く娘からのカミングアウト (2007年1月収録)。
そんな母親との距離感を、娘としてはどう感じていたのでしょう。尾辻さんは、2005年に『カミングアウト―自分らしさを見つける旅』
07●尾辻かな子さん、母へのカミングアウト・エピソード01
08●尾辻かな子さん、母へのカミングアウト・エピソード02
母親の尾辻孝子さんが朝日新聞に投書し、「ひととき」欄(生活面)に掲載された文章は次のとおりです。(2007年1月31日掲載)
尾辻孝子さんは2007年夏の参議院議員選挙の際にも、神戸や大阪で出勤前と出勤後のわずかな時間を割いては街頭活動に参加し、チラシを配ったり選挙事務所に手伝いに出掛けるなど物心両面で娘を支えていました。かつて「生きていけるのか、外を出て歩けるのかと一人で悶々としていた。」という孝子さん。そんな過去が想像できないほど生き生きとした姿が、そこにはありました。→FC2 同性愛Blog Ranking去年のお正月は私たち夫婦と長男、長女の4人だったが、今年は6人半になった。私たち夫婦と、5月に子どもが誕生予定の長男夫婦、そして長女の横にはパートナーが座っている。私たち夫婦も、娘のパートナーを受け入れていて、新年の初めに家族として認識しあった。
娘はレズビアン。異性に関心が持てず、同性に性的指向を感ずるように生まれついた。そのことを告白された6年前、私の人生はひっくり返り、生きていけるのか、外を出て歩けるのかと一人で悶々としていた。
時を経て、娘の相手を私にとっても大事と認められるように、少しずつ変わることができた。そして今年のお正月。
長男夫婦も交えて、和やかに弾む会話。私が若い4人に口を挟む余地もないほどだった。
5月に、私は念願のババさまになる。自分の命が引き継がれる証として、初孫の誕生を心待ちにしている。立場の違う娘たちも、同じ気持ちのようだ。長男の伴侶のおなかを触って、「元気に生まれてくるのよ」「私をおネエさんと呼んでネ」とかしましいこと。
突然カミングアウトを受けた時のことが、うそのような明るい正月を迎えられた喜び。
これからも、こんな家族が日本で増えていくことを夢見ながら、おとそを飲み干し、おせちをつついた。
LGBT可視化に向けて078●LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京04●札幌の親の会の歩み

この会が行われた11月25日は、先日亡くなったスタジオスタッグの春日亮二さん のお別れ会があった翌日だったということもあり、なんと札幌からたけむらさんが来ていました。
たけむらさんは2006年に僕がレインボーマーチ札幌に初めて行った時。前日に行われた「パレード初参加の人のための交流会」を実行委員として仕切っていた人です。久々に当時の記事を読み返してみたら、「なんて素朴でユルユルな交流会(笑)。」とか書いちゃってますね~(爆)。でも、今となっては「超~ドキドキしていた頃の甘酸っぱい思い出」として、とても貴重なものになってます(笑)。
札幌のパレード実行委員を10年近く務めてきたという、たけむらさん。草創期から現在までの歩みを見てきた彼ならではの話をお聞きください。
06●札幌の親の会の歩み
今年の札幌パレードの前日に行われた「にじのおうち」の様子は、LGBTの家族と友人をつなぐ会のブログのこちらの記事に詳しく書かれています。また、2006年のパレードの後に行われた「プライド集会」の場で、札幌の親の会のお母さんが行ったスピーチは、当時の僕にものすごく大きな力を与えてくれました。
関連記事→レインボーマーチ札幌体験記010●天使がウインク
札幌のパレードには、札幌近辺に在住の方のみならず全国からたくさんの人々が参加しています。日常の喧騒を離れて、ちょっとした「旅行気分」でおもいっきり解放感に浸りながら、自分のことをおもいっきり開放できるのです。それは札幌という土地ならではの独特の魅力でしょう。これからも地道に続いて欲しいです。→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT可視化に向けて077●LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京03●なんでわざわざ「特殊」に話すの?

前回の記事で僕は「ノンケ・カミングアウト」の無邪気さに嫉妬してしまう気持ちを半ば「スネ気味」で書いたのですが(笑)、その時の映像に登場しているノンケの橋本惠代(やすよ)さんがメールをくれて、「ノンケにはどうしてもわからないことがあるので、これからも教えて欲しい」という気持ちを伝えてくれました。
その率直で気取りの無いコミュニケーション能力、いいですね~いっぺんに好きになりました(笑)。人として「同じであること」を確かめ合って共感し合うことが大事なのと同じ位、異なる感性の者同士が 「違いを違いとして発見し合うこと」も大切です。これからも率直に言い合って、良い面も悪い面も指摘し合って新たな地平を発見して行きましょうね。では今回の映像も自己紹介の続きです。ノンケの方、ゲイの方、レズビアンの方が登場します。
05●なんでわざわざ「特殊」に話すの?

よく、「これを言ったら当事者を傷つけてしまうんじゃないか」とか「地雷を踏んでしまうのではないか」とビクビクしながらLGBT問題に関わり、その心理的ストレスから結局は離れていってしまうノンケの方も少なくないというエピソードを耳にするのですが、それって非常にもったいない。これからは当事者もあまり神経質になりすぎずに、どうしても気になるときでも感情的にならずに「対話」することで、相互理解を深めたいものですね。共感の輪を広げることが、LGBTの抱える政治課題の解決のためには最も必要なことなのですから。


さて次回は自己紹介が、まだまだ続きます(笑)。→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT可視化に向けて076●LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京02●ノンケだって一緒に考えたっていいじゃん

前回に続いて自己紹介が続きます。こういう「コミュニティーの活動の場」って性的マイノリティーの当事者ばかりで占められていると思われがちなのですが、実は結構ノンケさんの参加も多いんですよ。僕は昨年の関西レインボーパレードの実行委員会が「当たり前のように当事者とノンケが入り乱れて同居していた」ことに後から気付いて、驚いたことがあります。つまり、終わるまでそんなことあんまり考えなかったというわけで(爆)

ところで。「ノンケです」と名乗りながら性的マイノリティーの活動に参加する人は、社会問題や人権問題として興味を持ったり、友人・知人からカミングアウトされたことで関心を持つケースが多いようです。今回の東京ミーティングでも、そういう方たちの参加があり、場を活気付けていました。
03●いちばん知られたくないのは「家族」だという辛さ
04●ノンケだって、一緒に考えたっていいじゃん
それにしても面白いですよね。日常空間ではわざわざ「ノンケです」とは表明しないのに、こういう場では相対的にノンケがマイノリティーになるので「ノンケ・カミングアウト」をすることになるんですよ。つまり、言わなきゃ性的マイノリティー当事者だということになるような「場」なわけですから(笑)。
でも羨ましいんですよ。「ノンケなんですけどぉ~」って無邪気なトーンで言えるのって。あんな感じで「ゲイなんですけどぉ~」って家族や友人に日常空間で言えたなら、どんなに楽だろう・・・と、軽く嫉妬をおぼえる無邪気さです(爆)→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT可視化に向けて074●早大GLOW「ゲイとビアンのキャンパスライフ」にパワーをもらう。

最近、更新する気持ちがまったく失せていた「LGBT可視化に向けて」ですが、久々に書く気になりました。なぜなら早稲田大学に若いエキスをチューチュー(by槇原敬之)吸いに行ったからっ!(爆)。早大のセクシュアル・マイノリティーサークル「GLOW」主催の自主制作映画「ゲイとビアンのキャンパスライフ」のトーク付き上映会(11月4日14時)に行ってまいりました。

01 異性愛の原因はなんですか?
02 同性愛に関する医学的な見解
03 カミングアウトの意味
04 自分へのカミングアウト
05 社会を変えたいと思うなら
06 「日活ロマンポルノと違いますぅ~」
07 カミングアウトはセーフティーネット
08 男同士ではコンビニにも入れない?
実はこの時「パネラー」として登場していた学生たちは皆、人前で話すことに極度に緊張していて「絶対に撮影しないでください」と言われたことを憶えています。したがってYouTubeには尾辻さんの姿しか載せられなかったわけですが、その後、彼らはRainbow College主催の就職活動フェアなど様々な場面で大活躍。ついには尾辻さんの選挙の際に新宿駅前や二丁目の街頭で応援演説をしたり、パレードの学生フロートで中心メンバーとなって盛り立てたりするようになっていました。時には彼らの方から「akaboshiさん、YouTubeに載せてくださいよ~」と乗せられていつの間にか告知映像を撮影させられていたり…(爆)。そのパワーには圧倒され、驚かされてばかりの一年だったように思います。

あと、このテの映画によくありがちなのが「これでもか」と言わんばかりの「プロパガンダ臭」漂う押し付けがましさ(←そ~いうの大っきらい!)。ところが、全然そんな感じがしないんです。台詞も説明くささが全然ないし、日常会話としてきちんと成立してるんです。出演者たちがこれまで経験したエピソードを基にして作られたらしいので、「過剰に作る」必要がなく、自分の経験として肉体化されたものを探りながら演じたからなのでしょうね。丁寧にミーティングを重ねて掘り下げ、それぞれが納得した上で楽しみながら演じたんだという様子が伝わってきましたし、「嘘偽りない気持ち」が溢れていて、とてもプリミティブな魅力に溢れた素敵な映画だと思いました。

入学したてで仲間作りにドキドキしている新入生ゲイ。友人へのカミングアウトに悩むレズビアン。年上の彼氏の結婚話に悩むゲイ。3者3様のドラマがシンプルに伝わってくる構成でした。
ただ、惜しむらくは編集における「黒味」の多用。映像というのは画面を切り換えさえすれば時空間を飛び越えられるものだから、わざわざ黒味を挟まなくても繋がるのではないかと思われる箇所が20箇所以上はありました(爆)。あれは非常にもったいない。せっかく生まれようとしているリズムを壊しているのではないかと感じました。あと、DVD化を予定しているとのことですが、楽曲がそのままだと権利関係が大変かも(←余計なお世話ですね。笑)。
ところで、会場で配られたパンフレットには、まず次のような挨拶が書かれていました。
実はその当の尾辻さん。お忍びで(?)観に来てましたよ。上映終了後に「akaboshiさん、元気になりましたか?」とひょっこり現れ、前の席に座ってきたのでビビりました(爆)。久しぶりに会ったのですが、尾辻さんにも以前のように明るく自然体な笑顔が戻っていたのでホッとしました。彼女も、この映画のクオリティーの高さには驚いたらしく、「カメラワークがすごかったし、演技が自然だった~」と興奮気味に語っていました。今回の映画を作ったきっかけは、去年企画した尾辻かな子さんの講演会の成功を受けて、今年は自分たちで何かを発信していきたいと考えたからです。

せっかくの機会なので「どう思った?」とマイクを渡して質問していたのですが、問われた友人があっけなく「知ってたよぉ~」と応えたものだから、場内にあたたかい笑いが広がりました。うろたえたレズビアンの子は「えっ、なんで知ってたの?」と聞き返したのですが「だいぶ前から、『どっちなんだろう』ってみんなで言い合ってたよぉ~」と、これまたあっけらかんと応える友だち。すごい…。
なにがすごいかって言うとですね、「どっちなんだろう」って考えていたということは、この友人たちの間では「同性愛者は身近にいるものなんだ」という前提があるということじゃないですかっ!。そんな友だちとの受け答えが強烈でショック状態になったからでしょうか、それとも嬉しかったからでしょうか。レズビアンの子の目からは、いつの間にか涙が溢れ出していました。

こうした場面がある一方で、この上映会のために当日の朝から学内で宣伝活動をしていたゲイのケイタ君は、カミングアウトをしていなかった知り合いに会ったのでビラを渡したら、冷たい反応をされたとのこと。「今後の関係が心配です」と語っていました。
一連のトークの司会を担当した監督の小林浩之さんが、念を押すように語っていた言葉が印象的です。
「『おネエMANS』とかで、同性愛者に対して派手なイメージを持っている人が多いけれど、実際はフツーで日常に暮らしているんだということを伝えたかったんです。だから、映画の中で日常的な場面をいっぱい撮りました。日本では90年代ゲイブームというのがあったのですが、それはメディアの中だけでした。日本は欧米に比べて大幅に立ち遅れています。まるでアメリカの70年代の頃のように、まだまだカミングアウトどころか自分のセクシュアリティーを認めることすら出来なくて悩む人がたくさんいるんです。だから、この映画のレベルは、非常に『古い』ものなんです。」

よっしゃ。これからも「LGBT可視化に向けて」をたまに書くぞ!というパワーをもらいましたよ。ありがとう!→FC2 同性愛Blog Ranking
LGBT可視化に向けて073●関連イベントにも期待。東京プライドパレードのある週末

僕は昨年のパレードは沿道からこっそり「眺めていた」だけでした。眺めていただけなのに、大勢のLGBTが生き生きとした笑顔で行進している光景は理屈を越えて感動できるものでしたし、自分の中の何かが確実に変わる体験でした。もし、まだパレードを実際に見たことがなくて躊躇している方がいましたら、とにかくまずは「見に行ってみる」ことをお奨めします。百聞は一見に如かず、ですよ。
さてパレードの前後に行われる「関連イベント」も、なかなか面白そうなものがたくさんあります。僕は今年、以下のものが気になってます。
●8月10日(金)19:00
『LGBTのライフスタイル・地方格差に気づき、配慮、応援するには?~青森で見た現状~首都圏在住LGBT集まろう!』
会場:東京ウィメンズプラザ 1F視聴覚室C/会費:無料●8月11日(土)12:30~"みんな"で、ブラス!2007
主催:日本のLGBTライフを考える会
司会:水月(みづき)モニカ(札幌出身、東京在住レズビアン漫画家・役者)
パネルディスカッション:湫子(しょうこ)(青森出身、青森⇔東京在住レズビアン)、他(パネラー募集中)
全体ディスカッション:(上京された地方の方、歓迎)
★青森LGBTインターナショナル映画祭の様子が聞けるらしいです。「地方と都会の格差」というテーマに興味あり。
●8月11日(土)13:30~新企画「LGBT版青年の主張」会場:代々木公園イベント広場
★全国から集まった吹奏楽を愛するLGBTたちが、全体リハーサル無しの「ほぼぶっつけ本番」で合奏するという企画。昨年、ブログを通して僕をパレード見学に導いてくれた恩人(?)である「ヒゲとホルン」のSakuraさん とか、オーストラリア留学直前のRonさん(トロンボーン)がヒヤヒヤしながら(?)楽器を吹く姿を見に行きますっ!(←オイっ!笑)。
会場:代々木公園イベント広場■再掲載■
★参加者がLGBTとしての思いをステージから発表するという新企画。新企画って、いろんな意味でドキドキできますよね(爆)。4月にaktaで行われた「LGBTの家族と友人をつなぐ会」に出席していた朝原恭章君(YouTubeにも出演)が出るそうです。
LGBTの家族と友人をつなぐ会・東京ミーティング●朝原恭章さんメッセージ
●8月11日(土)18:00~
「LGBTの家族と友人をつなぐ会交流会」
会場:東京ウィメンズプラザ 第1会議室■僕が参加した体験記と、尾辻孝子さんへのインタビューです。■
★尾辻かな子さんのお母さんである尾辻孝子さんなど関西を拠点に活動している中心メンバーが東京にやってきます。ついつい家族の問題からは逃げがちなのですが、この会に参加すると「大丈夫なのかもしれない」と、あたたかい気持ちになることが出来るんです。
LGBT可視化に向けて050●LGBTの家族と友人をつなぐ会・初参加
LGBT可視化に向けて070●LGBTの家族と友人をつなぐ会・東京ミーティング
尾辻孝子さんに聞く娘からのカミングアウト全映像再生リスト
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LGBT可視化に向けて072●東京プライドパレード「学生集合!虹色の学園祭」参加者募集!

参議院選挙の投票前日。新宿二丁目で行われた尾辻かな子さんの最後の街頭演説の際、カメラを廻していたらRainbow Collegeの大学生3人と遭遇。そのまま何故か、告知コメントを撮影することになったのでしたぁ~(爆)。彼らは8月11日(土)に行われる東京プライドパレードに、学生フロートを出して参加するらしいのです。
各フロートへの参加希望者は当日、10:30~14:30までに代々木公園イベント広場で申し込みをする必要があるそうです。学生フロートのパフォーマンスに乞うご期待!
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