レイザーラモンHGを観察せよ006●えっ!リッキー・マーティンってカミングアウトしてなかったの!?と思ってしまったのはHGのせい・・・だけでもないようで

実は本日、リッキー・マーティンがゲイであることを公表したことが報じられたのですが、正直「えっ!してなかったの!?」と感じてしまったのは僕だけでしょうか?
なぜそう思ったのかを考えてみたら、記憶の奥にしまい込まれていた映像と音声がムクムクと復活してきました。今から約4年前、日本のテレビ界を席捲していたレイザーラモンHGが「ハードゲイキャラ」で腰を激しく振って登場する時のテーマ曲に使われていたのが、リッキー・マーティンのヒット曲『Livin′la Vida Loca』だったんですよねそういえば。だから原曲を歌ってる人は当然ゲイだと認知されてるのかと思い込んでいました。日本ではHGブームの数年前に郷ひろみが「♪ア~チ~チ~ア~チ~」って振り付きでカバーしてヒットもしてましたっけ。
●YouTubeより~レイザーラモンHG
いやぁ~。ブームってものは過ぎ去ってみると「なんでこんなのが流行ってたんだろう」と不思議な感慨に襲われますね(苦笑)。レイザーラモンHGのあのパフォーマンスについては当時、「非当事者が当事者を笑い物にしている」という意味で抗議活動をする人もいれば、健康的な笑いとして笑って見ている人もいて、三橋順子さんが言うところの「オカマのダブルスタンダード」と同じように、当事者間でも意見が別れていたように思います。僕は当時、わりと楽しんで見ている方でした。ノンケ男性が忘年会等でモノマネを盛んにしている姿が報じられても、いい光景だなぁ~と思ってましたし。
4年経って今の自分がどう感じるのか久々にYouTubeで上記の映像などを観てみましたが、やっぱり笑って見てしまいますね~(笑)。結果的には「おネエ」とは違う「マッチョタイプ」のゲイの認知に繋がっているような気がしますし、表現が中途半端ではなくスコーンと突き抜けてしまっているので、「健康的」に感じられるんですよ、スポーツを見ているような感覚。ジメジメしていないところが当時、多くの人々に好感を持たれた秘訣だったのかなぁと思いました。
さてリッキー・マーティン「カミングアウト」のニュースですが、AFPでは今回のニュースをYouTube動画でも報道していますよ。
●Youtubeより~リッキー・マーティン、同性愛者であることを告白
■人気歌手リッキー・マーティン、同性愛者であることを自らの公式サイトで告白(シネマトゥデイ)Ricky Martin: "I'm gay"
【3月30日】プエルトリコ出身の歌手リッキー・マーティン(Ricky Martin、38)が29日、公式サイトで同性愛者であることを明かした。マーティンがゲイではないかといううわさは以前からあったが、突然のカミングアウトで世界中のファンを驚かせた。
腰を回転させる動作やサルサのような踊りを見せるマーティンに憧れるファンは世界中にいるが、特に女性ファンが多い。レコーディングやコンサートはほとんどスペイン語で行っているが、1999年の「Livin' La Vida Loca」の大ヒットなどのおかげで、英語圏にも多くのファンがいる。
「私は幸せな同性愛者だと誇りを持って言える。自分が自分であることに感謝している」こう明言したマーティンは数か月前に回顧録を書き始めた。その際、自分の性的指向を打ち明けようと決意。この決断は人生のターニングポイントとなったという。
「最初の一文を書いたときから、この本によって自分は、長い間自分の中に抱え続けてきたものから解き放たれると確信した」
さらに、自分の中にとどめておくことができないほど秘密が重くなったことや、自分が同性愛者だということは称賛に値するものだと考えているということなども明かした。
また、もっと早くに打ち明けなかった理由については、告白すればキャリアがダメになると以前から忠告を受けてきたからだと書かれている。
この告白によって自分は強さと勇気で満たされているというマーティンは、こう宣言した。「今日はわたしの日、今はわたしの瞬間だ」
(00:59) Report
Mar 29 - Singer Ricky Martin announces that he is gay. John
■リッキー・マーティン、「自分は幸福な同性愛者」(ロイター)
■リッキー・マーティン「ホモセクシュアル」だと告白(TVGroove)

現在のリッキー・マーティンは、代理母の出産で2人の子どもの父親となり、一人で子育てをすることも公表しているのだとか。今後自伝が発売されるとのことですが、ぜひ日本語訳でも出版して欲しいですね。ジョージ・マイケルのように自伝映画のようなものを創るとか、さらに発展した展開を見せてくれると嬉しいかも。商業的なニーズもありそうですし。→FC2 同性愛 Blog Ranking
レイザーラモンHGを観察せよ005●ハジけられない新曲披露

・・・正直、飽きてきました(笑)。最近はかなりサボり気味。テレビで「ゲイ」を連呼されることにも慣れ、スリルが感じられなくなったからでしょうか。
彼のハードゲイ・キャラはプロレスラーが試合の時に被るマスクのようなものだから誰もそれが素顔だと思わない。期間限定だということを本人も周囲も知っていながら束の間のフィクションを楽しんでいるというのが実際のところ。・・・そう気付いたことも興味が冷めた理由かもしれません。余計な心配もする必要はなさそうだし(笑)。
1/18放送のテレビ朝日系「銭形金太郎」というバラエティー番組では「ドッキリ」を仕掛けられ、私服姿を隠し撮りされた上に、大阪の自宅の部屋で以前付き合っていた女の子と対面させられたりもしていました。仮面というのは素顔が見えないからこそ人の興味を引くもの。素顔を露出することで「一過性の笑い」は呼ぶかもしれないけど、逆にタレント生命を縮めてしまうのではないかと思います。吉本興業としても彼の人気が一過性だと認識しているので、こういう末期症状的な企画を承知しながら彼を出演させたのでしょう。
ちなみにCDも発売したらしく、「YMCA」にHG氏が新たに日本語詞を付けたらしいですが・・・「男なら目をつぶり全力疾走」だとか「こびぬひかぬかえりみぬ 空気はよまぬ」だとか、いわゆる「無神経な男」について歌った歌。毒気も色気もなく、無難な「男性賛歌」に納まっていて・・・このつまらなさは「黒ひゲイ危機一髪!」騒動による自主規制が働いているのかもしれないとも感じます。
新曲の披露で歌番組に出ていますが、2/10(金)テレビ朝日系「ミュージックステーション」、日本テレビ系「音楽戦士」は録画で見ました。もっと「色気」や「H」を前面に出して大暴れするのかと思ったら健康的で明るい世界に終始。曲の最後に新ネタ「ワッショーイ」で股間部分を必要以上に露出して彼なりの抵抗を試みてはいるようですが・・・面白いというよりもむしろ、行き着くところまで行ってしまったという悲壮感が漂います。どうせなら歌そのもので、もっと「ハードゲイ」路線を爆発させるべきだったのではないでしょうか。今のテレビ界の「事なかれ主義」や、所属事務所が大組織であるが故の「各方面へのバランス」感覚。そうした事情にがんじがらめにされているようですね。
今後は2/12(日)日本テレビ系「 歌笑HOTヒット10」、2/16(木)TBS系「うたばん」に出るらしいですよ。
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レイザーラモンHGを観察せよ004●「スター錦野」にビミョーなツッコミ

お正月の特別番組に「これでもかっ!」と出演しまくっていたHG氏。その多忙ぶりは半端ではなく、大体の番組において彼の出演はVTRであり、しかも10分程の出演で終わるというパターンが多かったようです。楽屋やテレビ局の廊下で収録したかのような即席のものも多く、画面からは忙しさに翻弄される彼の疲れのようなものまで伝わってくることもありました。
その中で、いくつか面白い出来事もあったので紹介して行こうと思います。

大体において「出題者」としてのVTR出演が多い彼なのですが、この番組では珍しくスタジオで解答者として長時間の収録に参加したようです。しかも同志社大学卒ということで「高学歴チーム」に所属しての参加。クイズ内容としては非常に簡単なものなのですが、ゲーム形式にして解答者に緊張感を持たせることでハプニングを期待する番組構成。東大卒・慶大卒のメンバーに混ざって彼には「掻き回し役」が任ぜられていたようです。

「大物歌手チーム」がゲームに興じている時、錦野氏は司会の峰竜太氏に盛んに視線を送って脅して(?)いました。ゲーム終了後、峰氏から「ものすごい睨んでくるんです。クレームはお断りしますヨ」と返されて笑いが起きたのですが・・・

一瞬「なんで?」という空気に包まれたスタジオですが、錦野氏が「フォー!」と言ってごまかしたので、すぐさま「笑い」の中に紛れて行きました。
(つまりHG氏は、錦野氏が峰氏を見つめていたことをゲイ的な視線だったと茶化したわけです。この番組は収録であるため「間」は編集されています。したがって実際そこにどのような空気が流れたのかは定かではありません。)

HG氏はそうした面に無鉄砲にもツッコミを入れたのですが、これは一歩間違えば場をシラけさせかねない危険なツッコミです。しかし、さすがの錦野氏は上手にリアクションを返して余裕を見せていたところが、スゴイと思いました。
HG氏はよく、こうしたギリギリの線を狙って「ゲイネタ」を繰り出すので見ていてヒヤヒヤするのですが、こうした形でうまく「笑い」に転嫁されたのならば、タブー感覚が無化されて日常化して行くのかもしれません。現にテレビのバラエティー番組の世界では、HG氏の人気によって最近特にそうした事態が進行しているようです。
HG氏はその「ギリギリのライン」を自分独自のツッコミ所(ネタ元)として駆使できるキャラクターを獲得しているという面で競合キャラがいないため、今の所は新鮮に受け入れられているのではないでしょうか。
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レイザーラモンHGを観察せよ003●女性たちに「開放的なエロス」を提供・・・!?

12/23(金)前10:50→後12:55
昼間のワイドショーで、祝日向けの目玉として扱われたHG氏。今年の彼のベストパフォーマンスを振り返り、自らが選ぶ「ベスト5」を発表するというコーナーでした。
時間としては12時直前から放送され、いわゆる「時報またぎ(チャンネルが一番移動されやすい時間)」の勝負ネタとして使われていました。

・・・写真集を出したそうです。
HG氏のコメント
「脂の乗り切った、この30になった身体を収めてもらおうと思いましてですね。かなりエロイ感じ。ほぼエロ本でございます。」
ナレーション
「HGさんの肉体美を求めて、男性だけでなく、女性が集まるんです。・・・ん?」

ナレーションの言う通り、会場のお客さんは圧倒的に女性の方が多いみたいですし、それほど広くはない会場のほとんどを埋め尽くしているのはどうやら、マスコミのカメラマンや記者達のようでした。
・・・さすが吉本興業。

第4位 「初受賞 フゥー!!」・・・流行語大賞や、小学館DIMEトレンド大賞を受賞
「クールビズ」で授賞式に臨んだ自民党の小池百合子さんに、カメラマンからHG氏とのツーショット写真の要求が出たのですが、小池氏はあからさまに嫌な顔をして拒絶。その引きつった笑顔が印象的でした。
(テレビはそんなところまで映し出しちゃうから怖いですね~。)

「スーツを着た偉い人がさんざん、『絡んでくれるな』と。『絶対に駄目だから』と。会場に出る10秒前位までずーっと止められてですね。さすがにゴリゴリに押す私でも、そこまで大人に頭を下げられたら絡むわけにはいかないなと。」
・・・「良識派」で通す人には、彼のような人とツーショットだなんて、「私の格が下がってしまうわっ!」ということなんでしょうか(笑)

「 あなた説明できますか?2005年総決算!有名人の疑問ぜんぶ答えますSP」
12/28(水)後06:30→後08:54
そうかと思えば彼の人気に便乗しようとする政治家もいるようで(笑)。
ゴールデンタイムに放送されたこのクイズ番組で、彼はレポーターとして新党大地の鈴木宗男議員の事務所を訪ねたのですが・・・笑顔で快く迎え入れられるばかりか、部屋にポスターまで貼らせてもらう優遇ぶり。

・・・テレビって、たくさん出ていれば出ているほど、理屈を超えたところで親しい友人であるかのような感覚を視聴者が持ってしまう危険な装置。そんなテレビの特性を熟知した政治家による、違った意味での「大人の世界」が繰り広げられていました。

・・・これがギャグとして成立すること自体、HG氏が「ノンケである」ことが認知されている証拠だと思いました。ゲイのキャラをやっているのにあえて「ホモっ気があるの?」という質問をすること自体、彼が本当のゲイだとしたらギャグとしては成立しないからです。

12/27(火)深12:35→深01:30
この深夜番組では、彼は腰に鍼を刺されます。性感が回復する治療ということで、この一年腰を振り続けてきた彼の疲労を癒して回復させようという企画です。
治療の際、彼は下半身をかなり際どいところまで露出するのですが・・・脱いだレザーパンツの下にはエロいデザインのビキニパンツを履いている姿が披露されます。
「いやだぁ~」と言いながらも凝視する女性タレントたち。

彼を見て「キャーキャー」言っている女性は「ハードゲイ」に歓声を上げているのではなく、彼の「男性としての肉体のエロさ」に興奮しているのかも。そんなことも感じさせらる場面でした。


「男らしさ」と「女らしさ」の両方を、笑いによって茶化しているHG氏
今までにも確かに「男の裸体=筋肉を露出する」ことで売り出したタレントはいました。しかし彼らはあくまでも「男らしくクールに格好よく」あることの範疇を飛び越えることはありませんでした。しかしHG氏は「ハードゲイ」という奇抜な衣裳を着ることで「クールな男らしさ」からは自由になり、「開放された男らしさのエネルギーの興奮」を視聴者に与えているように感じます。
それはもしかして、かつて杉本彩に男性たちが喜んだのと同じような感覚を、女性たちにももたらしているのかもしれない・・・。HG氏に対する小池百合子氏と眞鍋かおり・若槻千夏氏の対照的な接し方を比べてみると、人間的には後者の方に共感してしまうなぁ。素直だと思うし、「権威」とか「良識」という鎧を身にまとう必要のない自然な姿だと思う。「笑い」っていうのは本来、人を武装解除させるという役割も持っているわけで。
HG氏の登場はもしかしたら、既成の「男性性の権威」の「不自由さ」とか、「女性性」に閉じ込められていた「エロスへの欲望」だとかを刺激して表面化させているという風にも言えるのかも。そういう意味では世の「時流」に乗っているようです。
この流れに乗って、今度は「ゲイ・キャラ」ではなく「男」が「男」のままで堂々とエロスを武器にして売り出して来たら・・・「本当に世の中変わったなぁ~」と感心してしまうと思います。そしてその時には・・・ゲイの僕としても一緒に興奮できちゃうのかも(←コラッ!笑)
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レイザーラモンHGを観察せよ002●彼がノンケであるということ

・・・まあ、小心者のゲイにありがちな自意識過剰なショック状態とでもご理解ください。臆病なんです、基本的に。
それに僕は元々テレビをあまり見ないので、今のところHG氏を「知っている」とはとても言えません。これから意識的に見るようにしてみたら、彼のことを好きになるのかもしれないし嫌いになるのかもしれない。それもわかりません。どう変わって行くのかを自分でも楽しみにしながら、この連載を進めてみようと思います。
さて今回は、前回の記事へのコメントから「回族連邦共和国」の「大統領」(と、呼ばせてもらってます。笑)の言葉を紹介します。
HG。
本人いわく、ゲイではないそうです。確実に。
不肖大統領も、ちまたで騒がれるほど、オモロイとは思いませんわ。
べしゃりがOKなわけでもない。
みためがウリなわけでもない。←肉付きはええけど(プロレス経験者)
あの動きだけ?
年明けには消えるかも?(^^) ご指摘のように、気弱らしく、グラサンあるから派手なパフォーマンスができる・・・・。
いまのところ、ギョーカイに消費されているだけなんすかねえ。
お笑いでも、政界でも、学界でも、
思想性
がないと・・・・ 持続せんような気がしますわ。
ノンケ特有の無神経さ・・・か(ええ意味での)
ん? 大統領じゃん!(T_T)

(このブログ、性別あまり意識せずにやってるもんで。笑)
前回ノンケの特徴を「いい意味での無神経さ」なんて書きましたが・・・実はうらやましいんです。男同士だからこそ醸し出せる解放感とか体育会的なノリって、僕にとっては「特に」無縁の世界でしたから(爆)。そんな僕の直感では、HG氏をテレビで見かけた時すぐに「ノンケだな」と気付きました。あの恥じらいのない身体の使い方は「男」そのもの。もし男を性的対象として意識する感性の持ち主なら、テレビという公の場であそこまで大胆なことは、出来ないのではないかと思います。
お笑い芸人は「有名になりたい」ということがまず先立つのでしょうから、HG氏があのキャラをやるようになったのも「目立ちたい」という以外に深い理由はないのでしょう。その真価が問われるのはこれから。注目を集めた後も生き残れるかどうかは「思想性の有無」によるという指摘はその通りだと思います。事実、長年活躍しているお笑いの人たちは皆、笑いに哲学を持っているし美学を持っていると思います。現在のHG氏から、その「根っこ」の部分が感じられるかというと怪しい感じがしますが、そうしたものは戦いながら自分で培って行くものなのかもしれないので、まだ結論の出ることではないかもしれません。
彼がノンケであるということ

そこが、「ゲイ・アーティスト」と彼の大きな違いであり、懸念材料でもあります。当事者ではないからこそ出来る大胆なゲイ描写が笑いを取っているというのが現状。
しかしそのことは、今後彼の表現が無邪気に暴走しかねないという危険も孕んでいると思います。
「おかまキャラ」だらけのパターンを打ち破ったことは革新的
今までの日本のテレビ界や芸能界で注目されてきたゲイは、ゲイ本人による「おかまキャラ」が主流でした。女性っぽい喋り方が「パターン」であり、実際以上に誇張して笑いをとるため、結果として彼らは「ゲイ=おかま」という一面的なイメージを拡大させてきました。しかし実際に生活しているゲイは、そういう人たちばかりではありません。男っぽい喋り方や男っぽい性格の人だって、たくさんいます。なぜならパートナーに「男っぽさ」を求めるゲイの方が多数派だからです。理由は簡単なこと。ゲイは基本的に「男」が好きなんだから。
「誇張されたお笑いキャラ」という意味ではパターンどおり
HG氏のブームは結果として、今まであまり認識されていなかった「男っぽいゲイ」の存在を世の中に印象付けることには、なっているようです。しかし結局は「誇張化されたお笑いキャラ」であり、「ハードゲイ」という、ゲイの中でも滅多にお目にかかれない特殊な扮装をする人たちのことを取りあげたに過ぎません。彼の撒き散らす誇張されたゲイ・イメージが「生活者としてのリアリティのあるゲイ」の認知につながらない事は、依然として懸念材料ではあり続けるでしょう。その意味では本質的に、今までのパターンどおりではあるわけです。
「異常イメージ」からはいつ脱却できるのか
芸能界に実際にたくさんいるであろうゲイの俳優や歌手たちは、「ゲイである」ことを公表して活動はしていません。制作現場や仲間内では周知の事実であっても、表立ってマス・メディアに公表することは控えられています。同性愛者であるというイメージを表面化することは芸能マスコミによる「スキャンダル」に発展しかねません。ゲイに嫌悪感を持っている保守的なファン層を支持母体とする人の場合、それはかなり「リスキーな賭け」であり致命的なイメージダウンを招きかねないからです。(例外として歌手の槇原敬之さんがいますが、彼の場合は事件によって表面化したに過ぎず、本人が望んで公表したわけではありません。)

しかし長い目で見た時に、ひょっとしたら・・・という期待も、ほんの少しは持たせてくれるようにも感じます。
現状としてはまだ何とも言えないですね。だからこそ、意識的に見続けてみようと思っています。
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☆画像は発売中の雑誌「TV LIFE」より。来年の抱負を述べている記事です。
レイザーラモンHGを観察せよ001●正直、どうなの?

今年の夏頃からあちこちで「フォーッ!」という叫びが流行り出し、その頃あまりテレビを見ていなかった僕には何のことだかわからず、職場で「知らないの?ハードゲイだよ」と同僚から無邪気に口にされた日にゃあ・・・驚いて心臓が止まるところでした(いやホント、大げさじゃなく)。
ハ・・・ハードゲイ・・・。こんな真っ昼間から、そんな大声で堂々と・・・。この人、意味をわかって言ってるんだろうか・・・。僕は動揺を抑え、冷静さを装いながら同僚に説明を求め、それがお笑い芸人のネタであることを知りました。なんでも彼の格好がモノスゴくて、肌を露出させたり股間を強調させて腰を振っているということを楽しそうに教えてくれます。「すっげ~おもしろいから見てみなよ~。」と言われたので、複雑な感情を抱きながらも恐る恐るテレビを見てみました。
う~ん。僕にとってはあまりセクシーじゃない(←そういうことじゃなくて。爆)
思ったよりも大人しいというか、キャラを演じている本人の気の弱さが滲み出ていて痛々しいと思いました。困ったら力技で「フォーッ!」と叫べばとりあえずウケているらしいし、「流行っている」という空気のみで人気が保たれている、その薄っぺらさに安心しました。このブームは間違いなく一過性だろうから。
屈折のない奔放さ
しかも彼は明らかにゲイではない(・・・ですよね?知らないけど)。だって、ゲイというものに距離のある人でなければ、あそこまで無邪気には茶化せないでしょう。それに、彼からはゲイに特有の「屈折」を感じない。わかりやすく言うと、ゲイとしての「色気」がない(←あくまでも僕の主観ですよ)。彼の全身からは、いわゆる「ノンケ」の男たちに独特の、あっけらかんとした奔放さや、いい意味での無神経さが滲み出ているように思います。
☆「ノンケ」・・・「ゲイの気配がない人」の意味で、主にゲイたちの間で使われている用語です。
このブームの後には何が残るんだろう
ただ一つ気懸かりなのが、ブームが終わった後のこと。
「ハードゲイ」という言葉は「2005年を象徴するブーム」として、あのコスチュームと「フォーッ!」という叫びと、笑いをとるために誇張された腰の動きとともに人々に強烈に記憶されます。そのイメージが今後どう変容するのでしょうか。とても気になります。
それにしてもテレビというものはおそろしい

テレビというものは、なんでもかんでも日常化して陳腐化してしまうもの。この年末年始の特別番組を中心にして、牧歌的な日常のお茶の間に「全国民的な今年の風物詩」として「ハードゲイ」という言葉が扱われ、あっという間に消費されまくることでしょう。これは滅多にない現象です。
そこで僕はこの際、年末年始の彼の出演番組をパソコンに録画し、番組全部を見るのは時間的に無理だとしても彼の出演シーンを抽出して観察してみようと思います。番組内で「ハードゲイ」という言葉がどのように使われ、彼がキャラクターとしてどのように笑いのネタに使っているのか。そこから導き出される笑いはなんなのか。考えてみると面白そうだからです。
TV番組表サイト「ON TV JAPAN」の「出演者」をクリックして「ら行」の「レイザーラモンHG」を見ると、彼の出演番組をチェックすることができます。
皆さんも、もし興味のある番組がありましたらレイザーラモンHGがなぜ受けているのかに注意して見てみてください。また、ご家族で一緒に見る方は、家族がどういうリアクションをとっていたのかも観察してみてください。そしてこのコーナーに、ぜひ情報を寄せてください。
<本日の時点でわかっている彼の出演情報>
●12/23(金)
前08:30→前09:55TBSテレビ「 はなまるマーケット」
前09:55→前10:55日本テレビ「 なるトモ! 」
前10:50→後12:55TBSテレビ「 きょう発プラス!」
●12/24(土)
後12:00→後01:55テレビ朝日「 M-1グランプリ2005準決勝67組激闘の全て」
● 12/27(火)
後07:00→後10:24 フジテレビ「 爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」
深12:25→深01:49 TBSテレビ「 ネプベガスペシャル!年末だから90分SP!」
深12:35→深01:30 テレビ朝日「 鳥越道場」
●12/28(水)
後06:30→後08:54 TBSテレビ「 あなた説明できますか?2005年総決算!有名人の疑問ぜんぶ答えますSP」
後06:30→後08:54 フジテレビ「 なるほどザ・ワールド年末の祭典スペシャル 」
深12:37→深01:37日本テレビ「 しゃべる大捜査線 ホンマ刑っ事スペシャル」
●12/30(金)
後09:00→後11:25テレビ朝日「 笑いの金メダル・歳末大笑いスペシャル」
それにしても売れっ子ですね~。28日なんかゴールデンタイムで同時間にW出演・・・!
★オーストラリア在住のNicoさんのブログでも最近この話題が出ています。
「流行語大賞2005」という記事によると・・・「ハードゲイ」という言葉は1979年に製作されたアル・パチーノ主演の映画「クルージング」で日本にも認知されるようになったそうです。
では、情報提供よろしくおねがいしますね~、フォーッ!(←バカっぽい。笑・・・それにつけてもなんでフォーッ!なの?)→FC2 同性愛Blog Ranking