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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-09
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テレビの中の性的マイノリティ11●ドラマ「ラスト・フレンズ」のミスリード



 2008年に放送され高視聴率を記録したフジテレビ系連続ドラマ『ラスト・フレンズ』は、「主人公の設定がレズビアンだと視聴率がとれない」という理由で性同一性障害に。視聴率を取るために意図的なミスリードが行われました。三橋順子さんのお話しをお聴きください。

11●「ラスト・フレンズ」のミスリード
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 三橋さんの話では、本来レズビアンのアイデンティティを持っていいはずの人が、『ラストフレンズ』の影響で性同一性障害だと思い込む比率が増えているとのこと。僕の周囲でも「あのドラマの影響で若者にFtMトランスジェンダーが増えている」という話は、しょっちゅう聞きますから、実際その通りなんだと思います。(統計的なデータでも実証されているようです。)

 放送当時、僕もリアルタイムで『ラスト・フレンズ』を観ていました。途中までは上野樹里演じる岸本瑠可が「女性が好き」であることに焦点が当てられ、「もしかしてレズビアン?」と思っていたのですが、途中から「性同一性障害だ」という描き方に変わって行ったような気がしました。つまり、「瑠可はレズビアンなのか性同一性障害なのか」という疑問を抱かせることで視聴者を繋ぎ止め続けたという側面もあるのです。

 脚本家の浅野妙子さんは、「レズビアンではなく性同一性障害として描く選択をした」ことについて、インタビューで告白しています。つまり脚本家やプロデューサーが自覚的に行った、視聴率を稼ぐための戦略だったわけですね。

 「マジョリティにいかに受け入れられやすく作るか」を優先すると、そういう選択になるのでしょう。こうして、マジョリティが旧来持っている価値観が更に補強されて行くわけです。ただこの場合、医療に関わることですから笑い話として看過できない問題ではないでしょうか。

 三橋順子さんの講演は今回で終了。次回は質疑応答を御紹介します。FC2 同性愛 Blog Ranking
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テレビの中の性的マイノリティ10●レズビアンとFtMタレントがいない理由



 日本のテレビではなぜ、レズビアンとFtMのタレントがメジャー化していないのでしょう?

 このテーマでよく引き合いに出される事件としては、70年代に起きた佐良直美さんとキャッシーさんの、いわゆる「レズビアン・スキャンダル」があるわけですが、果たして理由はそれだけでしょうか?

10●レズビアンとFtMタレントがいない理由
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 女性の社会進出とセクマイ・タレント事情は密接に関係していたわけですね。

 テレビの制作現場は圧倒的に「男社会」なのだとか。そういえば、テレビ東京系『極嬢ヂカラ』が「女性によるオンナたちの欲望ための番組」を「売り」にしていますけれども、それが珍しいこととして「売り」になるということは裏を返せば、それ以外の番組がいかに「男性目線」から制作されているのかということですもんね。

 レズビアンタレントとFtMタレントのテレビでの活躍の可否は、社会の「男女対等」の達成度を示す指標なのかもしれません。そういう意味で現状は、日本社会の実態を反映していると言えるでしょう。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ09●10年前の大学講義はマスコミが大騒ぎ



 MtFトランスジェンダーの三橋順子さんは2000年に、初めて中央大学の教壇に立ったそうなのですが、その時にはマスコミが大騒ぎだったそうです。

09●10年前の大学講義はマスコミが大騒ぎ
 
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■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 2000年といえば「たった10年前」なわけですが、GID特例法が2003年に制定される以前のことですから、現在ほどには「性同一性障害」がメディアに報じられることは無かったわけで、三橋さんの大学での講義も「珍しい出来事」としてのニュース価値を持ち、大きく報じられたわけですね。そう考えてみると、この10年の変化というのは本当に大きかったのだということがわかります。

 変化というのは起こってしまえば「あっという間」に、雪崩のように既成の価値観や観念を、大きく変えて行くものなんですね。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ08●トランスに女性は相談しやすい



 セクシュアル・マイノリティがメディアの中で主体的に、どんな役割を担うことが出来るのか。三橋順子さんの体験から導き出された提案の中にヒントがあります。

08●トランスに女性は相談しやすい
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 トランスジェンダーをはじめ、セクシュアル・マイノリティが日本の歴史の中でどのような役割を担ってきたのか。詳しくは三橋順子さんの著書『女装と日本人』に書かれていますので、ぜひ御覧になってみてください。三橋さんの人生遍歴も詳しく書かれており、すごく面白くてワクワクしながら読みました(笑)。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ07●大体が被害者・犯人・殺され役



 さて今回は三橋順子さんがタイで開かれた国際会議に出席した時に知り得たという、タイのテレビドラマにおけるMtFトランス描写と、日本のテレビドラマにおける描写の比較です。

07●大体が被害者・犯人・殺され役
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 中国では国民的大ヒット映画でMtFトランスジェンダーが日常的なテンションで描かれる時代になっているわけですから、そろそろ日本も・・・。奇を衒うのをやめて欲しいですね。なんの評価も与えなくていいから「そのまま」存在させて欲しいです。簡単なことなのに何故できない?FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ06●はるな愛と椿姫彩菜・売り方の違い



 同時期にテレビの中でブレイクしたMtFトランスジェンダーのタレントである、はるな愛さんと椿姫彩菜さん。

 なにかと比較して語られていた一年前には、TBS『サンデージャポン』に同日に出演したりしてスタジオで笑顔で「公開喧嘩」していたりもしましたが。現時点で見てみると、第一線で活躍するタレントとしての「息の長さ」は圧倒的に、はるな愛さんの方が長かったと言うことができるでしょう。(セクマイ系★今週のテレビチェック0414-0420では、はるな愛さんが相変わらず圧倒的に露出の高さを誇っているのに対し、この週ついに、椿姫彩菜さんの出演番組が全く無くなりました。)

 この違いはなぜ生じたのか?三橋順子さんの分析です。

06●はるな愛と椿姫彩菜・売り方の違い
 
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■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 メディアの「枠組み」が変わらない限り、「売れよう」と思うタレントの側の戦略は変わりません。これは性的マイノリティだけに限らず、どんなマイノリティにも当てはめて語れることかもしれませんね。

 マジョリティが旧来持っている(とされる)マイノリティへの偏見に「乗っかって利用すること」でしか、売れる方策がないという現実があるわけですが、本当に力のあるタレントは、売れた後にその偏見をひっくり返し、刷新して行くパワーを持っているものです。美輪明宏さんもマツコ・デラックスさんもそうでした。

 僕は今後のはるな愛さんに、そうした意味での活躍を期待しています。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ05●「はるな愛」の売り方・演出論



 2008年下半期に「エアあやや」がテレビ界で大ブレイク。以降、今日にいたるまで相変わらずテレビ界でたくさんの番組に「売れっ子」として起用され続けているMtFトランスジェンダーのタレント・はるな愛さん。

 三橋順子さんは、はるなさんの大ブレイク以前、2001年にある高校の生徒会主催講演会で出会って以来親交があるそうなのですが、その視点から見た「現在のはるな愛さんのテレビ界での売り方戦略論」が語られました。

05●「はるな愛」の売り方・演出論
 
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■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 次回は、はるな愛さんと同時期にMtFタレントとしてブレイクした椿姫彩菜さんと、はるなさんとの比較論です。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ04●「オカマ」といちばん指さされるのはMtFトランスジェンダー



 前回に続いて三橋順子さんは「オカマという言葉のテレビでの使用はやめるべきだ」と主張。いちばん指さされて笑われるのは、ゲイではなく「MtFトランスジェンダーである場合が多い」という問題提起が行われます。

04●「オカマ」と指さされるのはMtF
 
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■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 「オカマ」という語を世に広く知らしめた(かもしれない)東郷健さんの政見放送はYouTubeで見ることができます。NHKで放送されていました。

●YouTubeより~【政見放送】 東郷健 (雑民党)
 
東郷健・及川健二『常識を越えて―オカマの道、七〇年』
伏見憲明、野口勝三、黒川宣之、及川健二他「オカマ」は差別か 『週刊金曜日』の「差別表現」事件―反差別論の再構築へ〈VOL.1〉 (反差別論の再構築へ (Vol.1))

 東郷健さんは1960年代から姫路でゲイバーを開き、その後上京して『The GAY』というゲイ雑誌を創刊し、参議院・衆議院・東京都議会議員選挙に度々立候補しては「オカマ」としての生き様を表現。ただ、その方法が「アク」が強かったために、ゲイ当事者の中でもトラウマのようになっていると語る人もいれば、その前衛性を高く評価する人もいるなど評価が真っ二つに分かれています。つまり「表現者」という意味では真に革新的な存在だったのだと言うことはできますが、アクティビズム的な観点からすると「戦略性」の面から評価が分かれるのです。

 僕としては、当時あの表現方法で東郷さんが数万票を集めていたということは、それだけ「アンダーグラウンドなカルチャー」に共鳴する層の共感を深く喚起していたということでもありますから、それは正当に評価されるべき歴史的事実なのではないかと思っています。

 ただ、三橋順子さんの言うように彼の「表現方法」がもたらした負の側面についてもしっかりと認識しておくべきだと思いますし、「オカマ」という言葉に関しては、一筋縄では語ることのできない幅広い捉えられ方があり、自分の感覚だけを絶対視してはならないということを、常に意識し続けるべきだと思います。FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ03●「オカマ」のダブルスタンダード



 性的マイノリティを巡る様々な事柄を考えるとき。いろんな見解が衝突し合って「単純には語ることが出来ない複雑さ」にぶつかることがよくあります。「オカマ」という言葉に対するスタンスも、その一例。

 三橋順子さんは今回の講演で、「オカマは差別語であり、テレビメディアでの使用は禁じるべきだ」と主張されました。

03●「オカマ」のダブルスタンダード
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

 ゲイの中でも、特に新宿二丁目界隈から発信されているゲイ雑誌を中心とした文化圏に親和性の高いタイプの人々は、いわゆる「キャムプ」の文脈で「オカマ」を肯定的な意味で使用しているケースが多いです。

 一方、MtFトランスジェンダーや「女っぽい仕草や言葉遣い」が理由でいじめられた経験のあるゲイ当事者の中には、自らのトラウマに直結するということもあるのでしょう。「差別語である」という認識を持っている人が多いようです。

 僕としては「オカマ」という言われ方でいじめられた経験がまったく無いため、この言葉と「個人的な感情記憶」が結びついたことがありません。ただ、テレビで明らかに「侮蔑的に使われている光景」を観た時には不快になったりします。

 また、バラエティ番組をはじめとする「お笑い」での使用の場合、どこからどこまでが「侮蔑的表現」であり、どこからどこまでが「笑いによる現実批評・風刺表現」なのかの判別は難しく、受け手の主観にも関わる問題なので簡単に線が引ける問題ではないのではないかと思っています。

 三橋順子さんの主張を聴いて、あなたはどう考えますか?FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ02●おすぎとピーコとはるな愛は同じ!?



 「組合の方々」という言われ方で総称されがちな、テレビの中の性的マイノリティ。でもあれって、かなり大雑把すぎる言い方では?

02●おすぎとピーコとはるな愛は同じ!?
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST
■主催:セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ ■講師:三橋順子さん

  よく、読者をノンケとして想定した雑誌などで、ゲイ当事者の書き手が「ゲイは皆がこう感じるものなの」とか「ゲイはこういうセンスを持ってるの」とか書いてるのを見かける度に、「はぁ?・・・僕は違うけど。」と思うことが多いわけですが。

 書き手がその文章に込めている「思い」だとか、記事の企画意図からしてそう書かざるを得ないんだろうなぁということもわかるので、ムカつきはしますが否定はしません。自分はなるべくなら、そういうことはしないようにしようと思うだけです。(でも、実はいつの間にか、似たような語り方をしてしまっているのかもしれないけども。爆)

 当事者ですらそうやって短絡的に「十把一絡げ」で語っていたりするマイノリティの生態。ノンケさんがノンケ視聴者向けに作っているというスタンスが基本の大手メディアにおいて「十把一絡げ」にされることなんてザラにあるわけですが、その光景を「見慣れてしまっている」自分の麻痺ぶりに、改めて気付いて少しだけ反省させられた三橋順子さんの講演でした。

 反省、「少しだけ」にしとかないと、やってらんないですからね。(笑)FC2 同性愛 Blog Ranking

テレビの中の性的マイノリティ01●世界の中で日本は特異



 3月14日(日)にセクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだの主催で『テレビの中の性的マイノリティ』という講演が行われ、50名以上の参加者で賑わいました。ゲストは、トランスジェンダーで女装家の三橋順子さん(→公式ホームページ)です。まずは冒頭部分から御覧ください。

01●世界の中で日本は特異
 
テレビの中の性的マイノリティ PLAYLIST

 僕は三橋さんの著書『女装と日本人』や、第1回京都トランスジェンダー映画祭で『We Are Transgenders』に出演されている姿、更には2009年6月の週刊金曜日に掲載された寄稿記事などから、ぜひお話を聴いてみたいと思っていました。

 日本のテレビにおける「性的マイノリティ」の扱われ方の歴史や現状について鋭い分析と問題提起が行われ、刺激に満ちた講演となりましたので、今後の掲載をぜひお楽しみに!


さらだ企画 vol.4◎テレビの中の性的マイノリティ

日時/2010年3月14日(日)18時から
場所/代々木区民会館

 おすぎさん、はるな愛さん、椿姫彩菜さん… テレビでは性的マイノリティの方が活躍しています。みなさんは、バラエティやドラマで性的マイノリティが登場したり、話題(ネタ)になったとき、どんなことを感じますか。「オカマとニューハーフってどうちがうの?」「これは笑ってていいの?」など気になったことはありませんか。テレビでの性的マイノリティの扱いは、そのまま社会で置かれている状況を反映しています。この企画では、三橋順子さんにお話をしていただき、そのあと参加者同士で感想を交流します(自由参加)。性的マイノリティの方も、そうでない方も大歓迎です。いっしょに考えてみませんか。 ※自分のセクシュアリティを公表したくない人でも参加できます。

講師プロフィール/三橋順子(みつはしじゅんこ)さん

 1955年、埼玉県生まれ。性社会・文化史研究者。多摩大学非常勤講師、国際日本文化研究センター共同研究員、早稲田大学ジェンダー研究所客員研究員。専門はジェンダー/セクシュアリティの歴史、とりわけ性別越境(トランスジェンダー)の社会・文化史。
 21歳のころ、心の中の「もうひとりの自分(女性人格)」の存在に気づき、30歳で初めての女装を経験、35歳から「女装クラブ」に通い本格的に女装の技術を習得した。1995~2002年の間、新宿歌舞伎町の女装スナックなどでゲスト・スタッフを務める。 並行して、MtFTG(Male to Female Transgender)としての社会活動を開始し、ジェンダー/セクシュアリティについての研究・執筆・講演活動を始める。現在は、家族の理解を得て、社会的性別をフルタイム女性に移行し、日本におけるトランスジェンダー・スタディーズの構築を目指して著述・講演活動に専念している。著書に『女装と日本人』(講談社現代新書 2008年)、共著に『性の用語集』(同 2004年)、『性的なことば』(同 2010年)など。趣味は着物。宝物は、パートナー(女性)と息子。

●主催/セクシュアルマイノリティと人権を考える会 さらだ
三橋順子さん公式ホームページ
三橋順子さんブログ『続・たそがれ日記』

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