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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-06
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東京国際レズビアン&ゲイ映画祭29●2010年のオープニングは「大変!息子がゲイなんて!」監督&プロデューサーのTALK&KISS



 7月9日(金)に新宿バルト9で開幕した第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2010。オープニング上映の『大変!息子がゲイなんて!』の上映前と上映終了後には、監督のエフゲニー・アフィネフスキーさんとプロデューサーのスヴェトラナ・アヌフリエヴァさんが来日し、TALK&KISS(笑)が行われました。その模様を撮影しましたのでぜひご覧ください。

大変!息子がゲイなんて!上映前
 

大変!息子がゲイなんて!トーク<前>
 

大変!息子がゲイなんて!トーク<後>
 
第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2010 PLAYLIST

 この秋にはアメリカでのロードショー公開も決定したという同作品は、7月16日(金)21:15から青山スパイラルホールでも上映されます。8年をかけて制作されたという「入魂」のコメディ映画でしたよ。FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭28●感じる気持ちを「抑えなくてもいい」映画祭。2010年もいよいよ開幕!

 いよいよ今年も開幕しました東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。初日である7月9日(金)の新宿バルト9にはいつものごとく老若男女さまざまなセクシュアリティや性自認の映画ファンが集い、オープニング上映とトークを堪能しました。

 今年のパンフレットは表紙がキラキラしててお洒落!。新宿バルト9での開催は11日(日)まで。青山スパイラルホールでは15日(木)~19日(祝)の5日間、世界中から様々なジャンルのセクシュアル・マイノリティ関連映画が集められて上映されます。なにより、「いろんなセクシュアリティや性自認の人が混在していて当たり前」という、本来ならば至極当然な場の空気感を実感しながら、おもいっきり映画を楽しむことが出来るのがこの映画祭の最大の魅力。

 僕は先日、国立近代美術館フィルムセンターで上映されたゲイ映画『パトリックは1.5歳』を観ながらこういう体験をしたわけですが、そのときに感じましたよ。セクシュアル・マイノリティがストレスを感じずに、伸び伸びとした精神状態で内面を表現しながら過ごせる公共の空間というのは、まだまだ少ないもんだなぁと。

 その点、この映画祭では透明人間になどならずに笑いたいときには笑えるし、ジーンと来たときにはおもいっきりジーンとする自分の気持ちを、「抑えようとしてしまう気持ち」からは自由になることが出来ます。それだけでも、ものすごく大きなことだよなぁと今日、改めて思いました。

 オープニング上映作品の『大変!息子がゲイなんて!』はコメディタッチで家族愛を描き出しており、場内は笑いの連続。『シングルマン』は、16年間連れ添ったかけがえのない同性パートナーを、ある日突然事故で失った中年男性の精神の軌跡をかなり深いところまで掘り下げており、孤独とは?人生とは?を炙り出します。映像描写も映画ならではの魅力に溢れ、なおかつエロティック。観終わってからじわりじわりと胸に込み上げてくるものがたくさんある名作でした。秋にロードショー公開が決まっているとのことで、一足先に観る事ができたわけですが僕はきっとまた観にいくことになると思います。またすぐにでも再会したい、そんな余韻の残る映画でした。

 『シングルマン』上映後にはパフ★シネマのトークでもお馴染みドラァグ・クイーンのマーガレットさんと、作家の中村うさぎさんとのトークが行われたのですが、僕はまた例のごとく今日はカメラ持参で行きましたので、両上映の前後に行われたトークを撮影させていただきました。後日公開させていただきますので、どうぞお楽しみに!FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭27●上映作品発表&チケット発売開始。僕の注目は、MtFトランスジェンダーが主人公の『悔やむ人たち』

 青山と新宿の夏の風物詩としてすっかり定着し、今年で19回目の開催になる「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」。いよいよ上映作品がホームページで発表され、チケットが発売されました。

第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2010

 今年も2カ所で開催されるとのことで、新宿バルト9では7月9日(金)~11日(日)、青山のスパイラルホールでは15日(木)~19日(祝)の合計8日間で、全15プログラムが上映されます。

 海外や国内からトークゲストもたくさん来場するようですよ。初日はオープニング・ナイトと題して『大変!息子がゲイなんて!』『シングルマン』の両作品でトークがありますし、スパイラルホールでも(数えたところ)8回もトークの予定が書き込まれてます。これは楽しみ!

 プログラムを見て僕が第一印象で惹かれたのは、スウェーデン映画『悔やむ人たち』。MTFトランスジェンダーの2人が向かい合って互いの半生を語り始めるらしいのですが「意外にも後悔の念ばかり」というところが、ものすご~く気になる~。そこに作品としての「ひねり」がありそう(笑)。

 実は僕、一昨年、昨年と全作品を制覇している「レズビアン&ゲイ映画祭フリーク」でして(爆)、今年もなんとか都合をやりくりして出来るだけ多くの作品を見て刺激をたっぷり受けようと思ってます。

 普段「性的少数者」(マイノリティ)と言い表されることが多いわけですし、「やっぱ少数者だよなぁ」と感じることの多い日常を過ごしているわけですが、映画祭のロビーや会場内では「マイノリティ性」から解放されて、おもいっきり深いところから呼吸が出来るような気がするんですね。

 毎年この映画祭のお客さんとしてはセクシュアリティやジェンダーを問わず様々な人々が来場しているわけですが、「性の多様性はあたりまえのこと」という前提が、ちゃんと共有されている空間なんです。それだけでもすごく元気をもらえます。

 僕にとっては欠かせない年中行事。今年もパワー充填させてもらいます!FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭26●心が導くもの


 スウェーデン大使館での同性婚シンポジウムが16時20分まで伸びたため、映画祭での『同性愛とテレビジョン』上映開始までは15分。

 その時になってから「やっぱり上映には立ち会いたい!!」と激しく思ったのでタクシーに飛び乗ることにしました。育てて産み落とした子どもが、どのように歩きだすのかを目撃したい親のような心境とでも言いましょうか。

 定刻を数分過ぎてから着いたスパイラルホールのロビーには、まだ観客が溢れかえっていました。どうやら映画祭の進行が全体的にだいぶ押していたようで、僕としては助かったわけですが(笑)。場内に入ってリハーサルを少し見て、映画祭スタッフが目に見えないところでどれだけ走りまわっているのかを目の当たりにする機会にもなりました。(本当に感謝です。)

 客入りが始まり、9割は埋まったとみられる客席に座って上映に立ち会うことができました。暗闇になり、映画祭のロゴが流れ、続けてワンカット目が映し出された瞬間、全身に震えが起きました。「ほ・・・本当に上映されるんだ・・・。」人間ってのは、意識とはまったく別の「感覚」というものが強固にあって、こういうときに制御が利かなくなり溢れだすものなんですね。上映中、神経が尖りまくって震えまくっている自分を感じました。

 この作品は昨年の12月に制作したのですが、編集がかなり難産だった記憶があります。撮影した素材がすごくいいものであるはずなのに、どうしても納得できるものにならず。なかなか物語が立ち上がってこないんです。

 これは「20分という制限時間に問題があるのかも」と思い、バディ側にお願いして5分伸ばしてもらってから構成を組み立てなおしてみたら、ようやくすべての映像が生き生きと立ち上がるのを感じました。入るべきものが入ることで、全体が生き返ったのです。

 したがって、編集面での「悔い」は全くありません。よく、自分が制作した映像を時間を置いて見返した場合には、いくつか「直したくなる箇所」が見つかるものなのですが。この作品に関しては、これ以上いじりようがないと感じましたし、今回の上映で久々に見直しても、その感覚は変わりませんでした。

 客席からは、随所で笑いが起こったのが面白かったです。予期せぬ台詞で反応があったときには「あぁ、これってそういう風にも受け取れるよなぁ」と、新たに気付かされましたし、それはまさしく「他者」を発見した瞬間でした。作品というのは送り出された後、受け手の心に届いてこそ、はじめて「完成した」と言えるんじゃないかと感じました。

 自立した子どもたちが、あちこちで観客に笑いを引き起こしたり、反発を呼び起こしたり、自分の足で歩いている。それを観ている隠居した親。そんな感覚がありました。それはとてもスリリングな体験でした。

 僕はこういうことをやりたいがために、感じたいがために映像を撮っているし、これからも撮り続ける。そして、これからは自分の時間を、そうしたことに最優先に使っていきたい。僕はそのために生きている。そう心から思いました。

 大きなシフトチェンジを、自分が自分に促すのを感じた上映体験でした。今のところの自分の達成と限界と。それを見つめ返すことができたおかげで「次」へと向かえます。心が導くものへと向かって躊躇なく歩いて行けるような気がします。

 それは、誰が何と言おうとも、自力で掘り下げて探り当てるもの。そうでなければ掘り下げられないもの。

 したがって「孤独」は覚悟の上です。こうした決意を深める場を与えてくださった、すべてのめぐり合いに感謝です。

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東京国際レズビアン&ゲイ映画祭25●「同性愛とテレビジョン」は16時35分から上映。佐藤安南さん、竜超さんがトークに出演します。



 19日(日)の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭は、活動弁士の澤登翠さんによる無声映画「福寿草」など目玉企画が大盛況。最終上映の「パトリックは1.5歳」ではチケットが完売したりして立ち見席の行列もでき、ロビーは映画談議に華を咲かせる人びとで一日中、賑わっていました。

 さて、ついに20日(月)は最終日。16時35分からは日本公募短編作品が上映される「レインボー・リール・コンペティション」が開催されます。

 薄田歩美監督『SEX CANDY』、宍戸幸次郎監督『童貞かわいや』、吹田祐一監督『a teenager in love』、アントニオ・デ・オリヴェイラ監督『僕の彼氏と』と一緒に、『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』の上映があります。

 なお上映後には各作品の監督や出演者によるトークの時間も設けられ、ドラァグ・クイーンのマーガレットさんとレイチェル・ダムールさんが司会を担当。『同性愛とテレビジョン』からは、インタビューに出演してくださったテレビ・ディレクターの佐藤安南さん、「薔薇族」副編集長の竜超さん、akaboshiが出席します。司会のマーガレットさんといえば、かつて佐藤さんが制作した番組への出演歴もあるため、個人的には両者のやりとりがすごく楽しみです。

 コンペティションでの上映なので、観客投票によってグランプリが選出されたりもするわけですが・・・僕としては、スパイラルホールのスクリーンで英語字幕付きで上映していただけるという事実だけでもう、本当に充分に満足です。当日は他の作品の鑑賞も含めて楽しませていただこうと思います。

 上映はトップバッターなので16時35分から。お時間とご興味がございましたら、ぜひ足をお運びください。FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭24●活動弁士付き上映「福寿草」は、けっこうドロドロ&笑えます

 7月18日(土)は朝から仕事で、そのまま映画祭へ直行しようかと思ってはいたのだが、さすがに連日の疲れが溜まっていたので家で昼寝をしてからにした。『安らぎの家を探して』はバルト9で観ていたし、トークは終了後だろうからと時間を計算しつつ。

 スパイラルホールに15時前に着いたときには映画はまだ上映中。トーク前で待機中の尾辻さんがロビーにいたので軽く雑談。ひょんなことから、今後自分が撮ろうと思う映画の企画をしゃべる場になり、口に出して整理できてよかった。不思議なもので、こうして誰かに「告げる」ことによって初めて、実現に向けて歩みだせるような気持が本格的に湧いてくる。絶対に作ろうと今日、心に決めた。

 15時10分から始まった大塚隆史さんと尾辻さんのトークは、タックさんのリアルトークがたくさん引き出されて、僕としては本当に面白かった。特に印象的だったのは「歳を重ねても、中身が変わっているという実感がない。たとえて言うならば、運転手はなにも変わっていないのに、車がどんどん古くなって、さびて動作が鈍くなっていくという感じ」という発言だった。

 すごくリアルな発言だなぁと思ったし、タックさんらしいなぁと思った。

 とかく年少者は年長者に対して「ロールモデルを示すこと」とか「年長者らしさ」を求めたりしがちだ。そして、年長者自身もそういった「枠」とか「型」にハマっていくことを、美徳だと考える人が多いのではないかと思ってしまうのだが。

 そういうような、「世間が勝手に押し付ける余計なもの」を省いて考えたならば、人間が年齢によって「年相応になる」というのは幻想にすぎないのだろうし、「○○らしさ」を身につけていくことを、他人に勝手に求めるというのは他人の生の有り様を不自由にする発想なのだろうと思う。

 ただ、映画で描かれていたように、ある程度の年齢に達して身体のあちこちに本格的にガタが来はじめ、日常生活が覚束なくなった時にはいよいよ、内面の自分までもが「不自由になったなぁ」という感覚が襲い来るのだろう。身体と精神は直結しているものだから。

 そうなったときに、どのようなライフラインや生活面でのサポート体制を、周囲の人間関係の中で築けているのか。さらには、国やコミュニティがサポートするべき任務を果たせているのか。その国や地域の事情ごとに、柔軟に捉えてチェックしていくべきなのだろうと思う。

 アメリカはどうやら、福祉の面において「国」が担う役割が、かなり低いようだ。だから、LGBT系のコミュニティのみならず、様々な自助的なコミュニティが発達する「必然性」があるのだ。

 翻って日本では?。はたして、映画で描かれていたように「LGBT」という枠で寄り集まるコミューンを造ることに、どれほどの人びとが必然性を感じるのか?。疑問符が大きく付くところだと思う。もっと緩やかに様々な人々と連携する道すじを模索することの方が、日本社会では現実的だし実現可能性も高まるのではなかろうか。

 そんなことを考えながらトークを撮影した後は、「アウトレイジ」を観た。バルト9に続いて2回目だったし、スパイラルホールはスクリーンの大きさが適度に小さいため、映像を突き放して眺めることができるということもあってか、今回は冷静に分析しながら観ることができた。

 アメリカ社会という「強固な反対勢力」が攻撃的に、常に拮抗する形で存在している状況では、映画作家としてはきっと、こういうものを作りたくなるんだろうなぁとは思う。ただ、あまりにも「クローゼット」という言葉に負の意味を付けて糾弾しすぎのような気がするし、同性と性的接触を持つ議員=ゲイという単純なレッテル貼りには、気持ち悪さを感じた。なぜ「バイセクシュアルの可能性」には、全く触れられていないのだろうか。

 僕の予想では、そういう情報を入れることによって、映画の中に監督が含めたいメッセージが「弱められてしまう」ことを恐れるからなのだろうと思う。攻撃的にメッセージを発したい場合には、できるだけ「単純に簡潔に」した方が、訴求力が増すからだ。

 ただ、いくら反対勢力が同じようなプロパガンダを繰り返しているからといって、「目には目を」の発想で同じように、単純で短絡的な方向に走りがちな表現を繰り出す方法論には、表現者としては尊敬できないし、とても乱雑で乱暴で腹立たしささえ覚える。特に、映画のラストに「だからカミングアウトを推進するのだ」的な発言を置き、それを補強するかのようにハーヴェイ・ミルクの実写映像を入れて、LGBT当事者の観客の感覚を興奮状態に扇動した形で映画を終わらせる編集と構成には、怒りを通り越してあきれた。

 こういう映像を「ドキュメンタリー映画」とは呼ばないでほしい。ヒットラーたちが大量生産していた「プロパガンダ映像」と、根本的な質はなにも変わらない。そして、そういう思想性を持って制作された映像に対して、上映後に熱狂的な拍手が起きてしまう状況には、薄ら寒さを覚える。これは僕が感じた真実なので、誰になんといわれようが言及しておくべきことだと思う。こういうことにこだわり続けるのが、僕のスタンスなのだ。

 上映後のロビーでは、双子の姉やパートナーさん、エディさんたちの前で、この怒りをぶちまけてしまったのだが、こういう気持ちを吐き出しても、とりあえず聞いてくれる仲間ができていることが嬉しかった。意見はいろいろ違ってもいい。素直に言い合えるかどうかが大事なんだと思うから。

 続いて観た「キャンディレイン」は、「アウトレイジ」をはじめ、欧米系映画がやたらめったら「言葉」を多用して喋りまくる映画だったのと対照的に、言葉が少なく映像や雰囲気で世界を描き出すタイプの作品だった。左脳ばかりを使用していた状況にブレイクを与えてくれて、右脳が豊かに刺激される映画的な映画だった。

 論理的に突き詰めて考えると、よくわからない描写も多々出てくるし、超現実的な場面もいっぱいある。でも、世界とはそもそも論理で説明など付けようがない不条理に満ちているし、超現実的なものなのだ。物事を深く掘り下げて鋭く見つめる能力のある映画作家は、「論理」の世界からは卒業してこのように映像によって自身の「世界観」を創造して観客に提示する。

 教え諭すのではなく、提示さえすればいいのだと思う。映画というものは。

 そしてこの日。もっとも心を動かされたのは21時過ぎから上映された無声映画「乙女シリーズ その一 花物語 福壽草 」。活動弁士・片岡一郎さんと、柳下美恵さんの即興演奏付き。1935年に作られた映画で、今日では「レズビアン作家」と呼ばれるようになった吉屋信子の大衆向け小説が原作なのだが、当時は映画に「音」を付けるという発想が主流ではなかった分、映像でさまざまな工夫をして観客に提示していたのだということが強烈に感じられて、新鮮な驚きをたくさん得ることができた。

 なにより、客席が沸いていた。カットが切り換わるだけで爆笑が起こったり、驚嘆の声があがったり。実の兄のお嫁さんを好きになってしまう女の子が主人公なのだが、兄に対する嫉妬の眼差しが本当に恐ろしく、まるで昼メロで浮気をされた奥さんが、浮気相手をにらみつけるかのような、とんでもない目つきが出てきたりする。

 映画は理屈じゃない。かといって、理屈を捨ててもなりたたない。その絶妙なバランスを模索しつつ、観客を飽きさせないための娯楽性も追及する。そんな、当時のクリエイター達の真剣な制作姿勢が伝わってくる、素敵な映像だった。

 1935年に、こんな風に本格的に作られた映画に「同性愛」的な描写を堂々と描いたものがあったということ。当時の日本が培っていた文化に興味が沸いたし、誇りにして真摯に学ぶべきことがまだまだたくさんあることに気付けた上映だった。これはまさしく、今年の映画祭渾身の実験企画であり、成功企画だと思う。

 19日(日)の上映ではいよいよ、活動弁士界の第一人者、澤登翠さんが登場するというので、これは見逃せない。また違った生命を映画に吹き込んでくれるのだろうから、すごく楽しみだ。FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭23●青山スパイラルホールでの上映が始まりました。

 スパイラルホールのエントランスに、レインボーフラッグが掲げられている光景も、すっかりお馴染み。第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の青山スパイラルホールでの上映がはじまりました。


 これから7月20日(祝)までの5日間で20プログラムが上映されるわけですが、僕は2006年と2008年に続いて3回目となる全作品制覇を目論んでおります~(←マジかよ。爆)。これってば体力勝負なわけで。睡魔に襲われないよう、余計なところで体力を使わないようにしたいのですが、この間も仕事はあるので思うように調整できますかどうか。

 ところで、現時点で僕がつかんでいるイベント情報としては、7月18日(土)13:50 ~の「安らぎの家を探して」上映後に、当ブログでは「『MILK』で語る、これから」でお馴染み大塚隆史さんと尾辻かな子さんによるトークが予定されているそうです。

 また、今年の目玉企画とでも言うべき無声映画「乙女シリーズ その一 花物語 福壽草」は、18日(土)と19日(日)では別の活動弁士さんが付くということで、同じ映画でも全く違った印象が醸し出されることになりそう。両方を見比べると面白いかもしれませんね。映画の始原的な魅力に触れられる貴重な機会になりそうで楽しみです。

 そのほか、レインボー・リール・コンペティションでは監督や出演者のトーク(←逃げたい。爆)、最終上映となる「ストレートじゃいられない」ではクロージングイベントが予定されています。ロビーには協賛団体によるブースも多数出展されますし、今年もボランティアの方々の運営による手作り感覚あふれる映画祭のあたたかさに触れて、元気をたくさん貰おうと思います。

 あ、そうそう。今日の上映を観終わって地下鉄の表参道の構内を歩いていたら、映画祭帰りのゲイ・カップルが改札に向かいながら、堂々と手をつないで歩いてました。

 両人のドキドキ感が背中から伝わってくるような繋ぎ方で、なんか、良かったなぁ・・・。これからしばらくの間、青山界隈のあちこちで、こういった光景がたくさん見られるのかもしれませんね。FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭22●果たして大台突破は達成されるのか!?~オープニング・アクト&トーク



 7月10日(金)に開幕した第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。初日の「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」上映前に行われたオープニング・アクトと、映画祭代表・宮沢秀樹さんの挨拶を映像でご紹介します。パフォーマンスはドラァグ・クイーンのマーガレットさんと、レイチェル・ダムールさん。今回も衣裳が華やかですね~。

01●オープニング・アクト
 

02●映画祭・宮沢秀樹代表トーク
 

 な~るほど。大きな節目が迎えられるかもしれないわけですね。果たして今年、大台突破は達成されるのでしょうか!?最終日の発表が今から楽しみです!FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭21●18年目も新宿バルト9から開幕。おでかけはお早めに!

 いよいよ、第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が始まりました。これが始まると「あぁ、夏が来たなぁ」と心の奥底が、やっとその事実を受け入れるくらいに年中行事の一つとして、すっかり僕の中では定着しています。



 最初の上映会場は、昨年に引き続き新宿バルト9の13階にある「シアター8」。19時10分から行われたオープニングイベントでは、ドラァグ・クイーンのマーガレットさんとレイチェル・ダムールさんによるショー、そして映画祭ディレクターの宮沢英樹さんとのトークが行われました。(撮影しましたので後日、YouTubeにアップします。)

 今日、上映されたのは「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」「パトリックは1.5歳」の2本。どちらも、歳月の経過が人を豊かに変えて行くこととか、関係性が熟成して行くことの温かみが感じられる作品で、ジワジワジワ~っと来るものがありました。オススメなので、未見の方は青山スパイラルホールでの上映でぜひご覧ください。

 考えてみたら、こうしたセクシュアル・マイノリティ関連の海外の秀作映画が「日本語&英語字幕付きで」見られる機会って、これを逃したら、そうそう無いんですよね。つまり、一般公開が決まるか、DVDが発売されるかしないと見返すことができないわけですが・・・。残念ながら日本の配給状況では、ごく限られた作品しか、その恩恵にあずかれません。つまり、これを逃したら永遠に楽しめない作品だって、あるわけです。(なんともったいない、本当にもったいない。)

 そうした貴重な機会であることが浸透してきているのでしょうか。新宿バルト9での上映では、チケットが前売りの段階で売り切れに近くなる作品もあるようです。確実にご覧になりたい方は、こちらでチェックして早めに購入するか、青山スパイラルホールでの上映分を早めに購入した方がいいみたいです。

 なお新宿バルト9での上映は、上映前の予告編やCM等がなく、ほぼ定刻どおりに始まります!しかも会場は13階。エレベーターで9階まで上がった後は、エスカレーターで13階まで上がることになるわけですが、これが意外に時間を要するのです。

 昨年もそうだったのですが、上映が始まってから10分後くらいまで、けっこうな数の方が遅刻して入場されているのですが、映画の導入部分が見られないのはもったいないので、ぜひ早めのお出かけを。

 新宿での上映は12日(日)まで。そして青山では16日(木)~20日(月・祝)まで開催されます。のべ8日間、今年もいろんな映画と新たに出会い、世界の「多様さ」「豊かさ」を感じ、日常を生きる糧にしようと思います。こうした機会を設けてくださっているボランティア・スタッフの皆さんには、心からの感謝と拍手!FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭20●『同性愛とテレビジョン』が上映されます。

 今年で第18回を迎える東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。新宿バルト9と青山スパイラル・ホールの2か所で7月10日(金)から、計8日間にわたって開催されます。

 さて今年。7月20日(月・祝)16:35~短編応募作品が上映される「レインボー・リール・コンペティション」にて、『竜超の現代狂養講座 同性愛とテレビジョン』が上映されることになりました。同作品は、ゲイ雑誌『バディ』2009年3月号の付録DVD用として制作した25分のドキュメンタリーです。

  

レインボー・リール・コンペティションの情報はこちら。(前売りチケットは6月20日より発売)
第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭公式サイト
『Badi (バディ) 2009年 03月号 [雑誌]』

 1995年NHKで連続4回放送されるはずだった、ゲイ・レズビアンらが中心となって企画から主体的に制作に関わった番組『真夜中の王国~サンクチュアリ』。しかしなぜか、1回のみの放送で打ち切りになってしまいました。しかも、2回目以降の撮影が一部、すでに行われていたというのに・・・。

 その理由はなんだったのか?。

 さまざまな都市伝説を払拭すべく、『バディ』誌上で「竜超の現代狂養講座」を連載している竜超氏がインタビュアーとなり、同番組を担当したディレクターの佐藤安南さんを訪ねてお話しを伺いました。

(左の画像:番組の宣伝用チラシ)

 制作当時20代だった佐藤さんは、打ち切りによって大きなトラウマを抱えてしまい、こうして当時のことを人前で語れる心境になるには10年以上の歳月が必要だったとのこと。その事実に圧倒されながらの制作となりました。

 なお撮影時には、1995年当時、同番組の「焚書コーナー」などのバラエティ的なコーナーに出演したレズビアン漫画家の水月モニカさんも同行し、放送された番組や撮影時の裏話を披露してくださいました。

 一人でも多くの方に、ぜひ見ていただきたい作品です。

 今回、上映の機会を与えて下さった東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のボランティアスタッフの皆さんに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。そして、「コンペティション」での上映ということで、他の映画を目当てに来場する方々にも幅広く見ていただける機会になるということが、とても嬉しいです。

 7月20日はぜひ、青山スパイラルホールへお出かけください。FC2 同性愛 Blog Ranking

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭19●「カミングアウト・ウエディング/ Out at the Wedding」出演者TALK04●女優以外にやって行きたいこと



 クロージング上映「カミングアウト・ウエディング」の主演女優キャシー・ドボーノさんとジル・ベネットさんは今後、女優活動以外に「レズビアンだって楽しいんだ」ということをアピールし続けて行きたいとの抱負を語りました。

07●女優以外にやって行きたいこと
  

 2人の住んでいる環境では、レズビアンであるとカミングアウトしていることが、とても簡単で受け入れられやすいとのこと。そうした「空気」を嫌味なく、明るくさりげなく感じさせてくれる2人でした。このトークが終わった後もロビーで長時間、気さくに記念撮影に応じている姿がありましたよ。

 さて。19回にわたってお送りしてきた第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の映像紹介は今回が最終回。最初はおそるおそる申し出てみたのですが、あっさりと「トークは全部撮影OKですよ」と担当の方に言われるがまま、本当に全部を撮影してしまいました(笑)。この情熱は何処から来るのか自分でも不思議ですが、映画祭の期間中に会場内だけで感じられる独特の「解放感」だとか「あたたかい雰囲気」を、少しでも会場外に流出させたくなったんでしょうね。その結果、映画祭終了後もいつまでも連載を続ける羽目になったわけですが(爆)。

 やってみて思わぬ発見もありました。YouTubeを通じて特に映画祭関連の映像にはコメントやメッセージが世界中から寄せられており、こうした「国際的にも汎用性のあるLGBT関連情報」の発信の大切さを感じる機会にもなりました。

 暑かった夏も終わり、秋の気配が強まる中。すでに映画祭のプログラマーの方々は来年の準備に取り掛かり始めていることでしょう。これからも「LGBT映画の多様性」を紹介して欲しいし、独特の「手作り感覚のあたたかさ」を残したままで、無理のない程度での発展を映画祭には続けて欲しいです。そのために、僕も熱狂的ファンであり続けようと思っています。

 なによりも映画祭期間中、セクシュアル・マイノリティーである自分を思いっきり開放して友人たちと映画についてワイワイ語れる充実した時間を過ごせることが、本当に嬉しいです。理屈を超えたところで「自己受容」出来るし、世界のリアルな現状が伝わってきて思考もやわらかくなります。出来ればこうした場が、どんどん日本中に広がるといいですね。

 実行委員会の皆さん、今年は本当にいろいろとありがとうございました。そして、来年以降もまた再会しましょう!

<第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭>記事INDEX
(作っとくと後々便利そうなんで、作ってみました。)

01●オープニングは初の「新宿バルト9」で華やかに開催
02●「シェイクスピアと僕の夢/Were the World Mine」監督・プロデューサーTALK
03●「後悔なんてしない/No Regret」主演イ・ヨンフンさんTALK
04●「誓いのKiss?/Kiss ths Bride」監督C・ジェイ・コックスさんTALK
05●「愛のジハード/A Jihad for Love」監督・プロデューサーTALK
06●7996人を動員し閉幕!・・・眠らずに全作品観ました。(←こわっ・・・)
07●動員最終確定数は8,230人。映画祭史上最多!
08●「彷徨う花たち(漂浪青春)/Drifting Flowers」監督・主演女優TALK
09●「特異なカップル」「月のかげ」上映後TALK
10●「フリーヘルド/Freeheld」上映後TALK~尾辻かな子さん、山下敏雅さん
11●「誓いのKiss?/Kiss the Bride」出演者・監督TALK(前半)
12●「誓いのKiss?/Kiss the Bride」出演者・監督TALK (後半)
13●「シェルター/shelter」監督TALK~新しい「家族」の形
14●レインボー・リール・コンペティション 監督・出演者TALK
15●レインボー・リール・コンペティション グランプリと特別賞発表
16●「カミングアウト・ウエディング/ Out at the Wedding」出演者TALK01●嘘から生まれた不思議な関係
17●「カミングアウト・ウエディング/ Out at the Wedding」出演者TALK02●カミングアウトして良かったこと、悪かったこと
18●「カミングアウト・ウエディング/ Out at the Wedding」出演者TALK03●世界中のコミュニティーとつながっていきたい
19●「カミングアウト・ウエディング/ Out at the Wedding」出演者TALK04●女優以外にやって行きたいこと

上映作品MOVIEレビュー
(今後も思い立ったら更に書き足すかも。)

トーマス・ガスタフソン「シェイクスピアと僕の夢/Were the World Mine 』●MOVIEレビュー
マルコ・S・プッチオーニ「あたたかな場所/Shelter(Riparo - Anis tra di noi)」●MOVIEレビュー
パーヴェズ・シャルマ「愛のジハード」●MOVIEレビュー
シンシア・ウェイド「フリーヘルド / Freeheld 」●MOVIEレビュー

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