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フツーに生きてるGAYの日常

やわらかくありたいなぁ。

2023-10
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トランスって?14●トランスジェンダーではない人の社会的特権02●「同性愛」と「性同一性障害」の社会での扱われ方



 僕はゲイなのでついつい「同性愛者/非同性愛者」というところに線を引いて世の中を眺めがちなのですが。「トランスジェンダー/非トランスジェンダー」というところに線を引いた場合、僕は圧倒的なマジョリティ側に属することになるわけですね。〈性別違和がありませんから。)

 そうしたことは個人の意志や悪意には関係なく、社会の仕組みの問題として「そうなってしまう」という指摘が、前回の映像部分では行われました。(話者はひびのまことさん。 )

 さて今回は、そういった問題をさらに深く考えてみるために。「同性愛がたどった歴史」と「性同一性障害(トランスジェンダー)のたどった歴史」の双方を見比べるところから始まります。

03●同性愛・性同一性障害・トランスジェンダー史
  

04●性同一性障害・GIDを妊娠・出産と同じ位置付けに
  
このシリーズを最初から見る場合はこちらから。

 日本のトランスジェンダーに関する状況は、ある意味でかなり特殊なものとなっており、諸外国と比べても一長一短があって、簡単に「なにが正解なのか」を述べることはできません。しかし確実に、日本社会で生きる当事者たちは、こうした社会状況をしたたかに「活用する」方向に進んでいることは、間違いないようです。



 そう考えてみると。特権を「持つ者/持たざる者」の線引も「何に着目するか」によって変化します。「同性愛」と「トランスジェンダー」に限って比較してみても、どちらが、より「社会的に特権的な立場であるか」というのは、簡単には語れないわけです。あ~ややこしい。そして、この複雑さって、楽しい~♪。

 「LGBT」っていう広くて大雑把な枠組みで、性的少数者の協働を目指し、社会の中での存在の可視化を果たそうという看板を掲げているならば。大事なのは、なにを語る際にも単純に「白」「黒」を付けてしまわないことなんでしょうね。

 自分の立ち位置や見方を変えれば状況は、いかようにも変化して見えてきます。その常識は常に刷新することが求められます。それを「当たり前のこと」と感じて面白がれるかどうか。そして、その中から自分なりのビジョンを発見できるかどうか。それが、「真に多様性のある社会」を楽しめるかどうかの鍵となることでしょう。FC2 同性愛 Blog Ranking
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トランスって?13●トランスジェンダーではない人の社会的特権01●意志に関係なく持っている「特権」を意識せよ



 「自分が鈍感だったなぁ」と、感じさせられた時にはショックを受けますし、「どうしてそうだったのか」を僕なんかは知りたくなります。知的好奇心って、そういう時に刺激されますね。

 2008年5月31日(土)に京都大学で開催された第1回京都トランスジェンダー映画祭。上映の合間に行われた、ひびのまことさんの講演を聴きながら、自分は性的少数者という「マイノリティ側」に居るだけではなく、「マジョリティ側」に居る局面も、たくさんあるんだなぁと気付きました。

 自分の意志には関係なく「特権を持つ側に居てしまう」とは、どういうことなのか?知的好奇心がバリバリに刺激されましたよ~。

01●その「場」が、何を中心に動いているか?
  

02●意志に関係なく持つ特権
  

★01の映像内で言及されているYouTube映像(2007年9月9日公開)はこちら。

パフナイト★選挙戦をふりかえる18●性同一性障害でなくトランスジェンダーです。
  
パフナイト★レインボーは蜃気楼だった?~選挙戦をふりかえる~

・・・2007年当時のまめたの言ってる事って、パフナイトや尾辻選挙関連等、僕が出入りしていた「コミュニティ活動」的な場の中では、かなり「浮いている感じ」 が漂っていたような気がします。その中で必死に言葉を紡ぎ出す姿がありました。僕なんかはきっと、その「整理できていない言葉のほとばしり」に惹かれたからこそ、まめたをたくさん撮影していたのかもしれないです。

 この頃の僕は、関西パレードや尾辻選挙の取材などで大阪・神戸のコミュニティ活動にもよく通っていたのですが。関西ではトランスジェンダーの存在って、わりと「ありふれたもの」として溶け合っていたし、楽しそうに過ごしている人に、たくさん出会いました。しかし東京に帰ってくると、ゲイやレズビアンが大勢を占める中で、まめたが悲壮感を漂わせながら孤軍奮闘していた・・・。

 多様な性的少数者を「LGBT」という言葉で、ざっくりとまとめることに「罪」があるとすれば。内部における多数派にとっては「居心地のいい場」ができやすく、少数派にとっては「居心地の悪い場」が、いつの間にか出来やすいことではないでしょうか。

 ひびのさんが講演で指摘しているように、多数派 は居心地がいいわけですから、自分がその場で特権を得ていることに、なかなか思いが至りません。思いが至らないということは、すなわち「鈍感」 なのだと言い換えることができると思います。

 いつも、人知れず「敏感」 になるのは少数者 。存在の不安に怯えてビクビクしながら、必死に小さな声を絞り出すのは少数者の側。そのことは、「対世間」との関係において、いつもゲイやレズビアンが意識させられていることなのですがね。

 ・・・自分に突きつけられる大事な「気付き」でした。FC2 同性愛 Blog Ranking

トランスって?13●関西クィア映画祭「トランスペアレント」上映後トーク03●親とは?子育てとは?


 妊娠して子どもを生むFtMトランスジェンダーが19人出てくる映画「トランスペアレント」。1月25日に第4回関西クィア映画祭で上映されたわけですが、上映後のトークでは日本で実際に子育てを経験した坂上レイさん(FtM)と、森村さやかさん(MtF)が体験談を語ることで、より親しみが感じられる好企画でした。

 今回は、「性同一性障害特例法」の制定時から活動に関わってきたという、森村さやかさんから。法律の問題点に関する指摘です。

03●森村さやかさん~性同一性障害特例法の問題点
  

04●親とは?子育てとは?
  

 ひびのまことさんもトークで語っているように、この映画は幅広い人たちに「親とは?」「子育てとは?」ということを改めて考えさせ、発見することを促しています。

 セクシュアル・マイノリティであることによって、いわゆる世間でいうところの「当たり前」の状態を「当たり前」とは感じられないからこそ、自らの方法論を「発明」する。

 そしてその体験談の共有は、多くの人々に新鮮な刺激を与え、新たな「発見」をもたらすことにもつながっていく。だから「セクマイのこと」について考える事って、面白いんですよね。FC2 同性愛 Blog Ranking

トランスって?12●関西クィア映画祭「トランスペアレント」上映後トーク02●坂上レイさん「良い親に性別は関係ない」



 第4回関西クィア映画祭で上映された「トランスペアレント」上映後のトーク。前回に引き続き、FtMトランスジェンダーの坂上レイさんが妊娠・出産を振り返るお話です。(インタビュアー・ひびのまことさん

02●坂上レイさん「良い親に性別は関係ない」
  

 こうして人前で体験を喋れるようになるまでには、妊娠・出産の過程においてたくさんの「乗り越えなければならないもの」があったことが察せられます。自分は「母親教室」には入れなかったという坂上さん。社会に「トランスペアレント」の存在がもっと認知されれば、そうしたときに孤絶感を抱えずに済むようになるわけで。

 「良い親に性別は関係ない」という自らの体験に基づく「気付き」と、日々向き合っている坂上さんの人生に幸あれ!FC2 同性愛 Blog Ranking

トランスって?11●関西クィア映画祭「トランスペアレント」上映後トーク01●FtMトランスジェンダーとして語る妊娠・出産



 大阪のHEP HALLで開催された第4回関西クィア映画祭。1月25日(日)には「トランスペアレント」が上映され、19人の「親になったトランスジェンダー」が登場し、様々な人生模様がスクリーンに映し出されました。多様な価値観や人生観の「てんこ盛り」で、豊かさに満ちた映画でした。(→MOVIEレビューはこちら。

 上映後にはアフタートークとして「子を持つトランスジェンダー」である、坂上レイさん森村さやかさんのお2人が壇上に上がり、自身の生活や活動について語りました。司会は関西クィア映画祭共同代表のひびのまことさん。このシリーズでは昨年6月の第1回トランスジェンダー映画祭「男子であること」上映後トークで遠藤まめた君とトークをしていたことでお馴染みですね。

 今回はまず、お2人による映画の感想と、坂上レイさんのライフヒストリーです。「心の性」「身体の性」が食い違っているような違和感を感じながらの妊娠・出産というのは、いったいどのような体験だったのでしょう。

01●FtMトランスジェンダーとして語る妊娠・出産
  

 娘さんからの呼ばれ方が面白いですね。「当人からの目線」と「娘からの目線」がミックスされたかのような新語。自分たちなりのライフスタイルを築いている渦中である、坂上さんたちの親子関係が想像できるなぁと感じました。

 まだ「トランスジェンダー」だとはっきりと認識していなかった頃の妊娠体験。「母親教室」という文字を見てガーンと来た坂上さんのその後のエピソードは、次回に続きます。FC2 同性愛 Blog Ranking

トランスって?10●京都トランスジェンダー映画祭10●最近うれしいことがあって・・・



 10回にわたって連載してきた第1回京都トランスジェンダー映画祭の『男子であること』上映後トーク。ひびのまことさん遠藤まめたくんによる対話は今回が最終回なのですが、最後になってまめたくんが目を輝かせながら「最近うれしいことがあって・・・」と語り出しました。

11●最近うれしいことがあって・・・
  

 友人が、その子なりに考えた挙句、最終的には「自分なりのリアリティー」を大切にして、呼び名を選択してくれたことに喜びを感じる。・・・これって、すごく実感のこもった嘘のない話だなぁと思いました。「まめたって呼んでくれなきゃイヤだ!」という風に相手に押し付けないところが、すごく「まめたらしいなぁ」と感じたし。だからこそ今、いろんな場面で付き合ってて面白い存在なんだよなぁと、改めて感じたトークでした。自分のリアリティーを何よりも大事にしながら日々を過ごしているからこそ、相手のことも尊重できる。そんなことを感じました。

 実は僕、このトークを撮影するために5月31日、東京から日帰りで京都に出かけたんですよ(爆)。それほど強烈に「なにかに呼ばれている」感じがしたんですよねぇ・・・。行ってみたら本当にその通りで、すごくたくさん心に栄養と刺激をくれる映画祭でした。

 昨年から今年にかけて。自分が関わってきた活動で感じつつも、置き去りにしてきた色んな思い。それを整理するきっかけにもなったし。周囲に流されず、自分の感じる「違和」をこそ大切にし、そこから逃げずにこだわって考え続けることの面白さと大切さに、改めて気付かされた日となりました。おかげで最近、自分がこれから「何を大切にして行くべきか」も、どんどん見えて来ています。FC2同性愛 Blog Ranking


★第1回京都トランスジェンダー映画祭「男子であること」上映後トーク
01●「わからないこと」「揺らぐこと」を面白がりながら繋がろう。
02●レズビアンなのかトランスなのか、はっきりしろ!?
03●本当の意味での「ミックスの場」とは。
04●「ラスト・フレンズ」はレズビアンでもいいじゃない。
05●いわゆる「女」じゃない→「ブッチ」?「トランス」?
06●「性別なんて関係ない」なんて言いつつ、バリバリこだわってたりして。
07●恋愛の場の「女役割」を引き受けるのが非常に苦手で・・・。
08●「女であること」を無邪気に遊ぶことは出来るかもしれないけど、「男であること」を無邪気に遊ぶことのハードさよ。
09●トランスジェンダー」という看板を掲げて行う集まりの「弊害」
10●最近うれしいことがあって・・・

トランスって?09●京都トランスジェンダー映画祭09●トランスジェンダー」という看板を掲げて行う集まりの「弊害」



 第1回京都トランスジェンダー映画祭で行われた、ひびのまことさん遠藤まめたくんのトークもいよいよ佳境となりました。今回は、ひびのさんが「すごく気になるんですが・・・」 という前置きで語り始めた内容が面白かったので、紹介します。

10●「トランスジェンダー」という看板を掲げて行う集まりの「弊害」
  

 「性別移行」を完全に行い、そのことがわからないようにして日常で過ごす人のことを、「パスした人」と呼んでいるようですが、そうした人々はそもそも、コミュニティーの活動の場で「私はトランスジェンダーですっ!」という風に、名乗り出ては来にくいという現実があります。

 物事には必ず「光と影」の両面があるものです。「光」ばかりを見て猪突猛進していると、いつの間にか無理が生じますし、現実からは乖離してしまいます。シビアに「影」の存在を意識し続け、用心し続ける「クールな思考」が、なにをやる際にも必要ですね。FC2 同性愛Blog Ranking

トランスって?08●京都トランスジェンダー映画祭08●「女であること」を無邪気に遊ぶことは出来るかもしれないけど、「男であること」を無邪気に遊ぶことのハードさよ。



 5月31日に関西クィア映画祭の主催で行われた京都トランスジェンダー映画祭での、ひびのまことさん遠藤まめたくんのトーク。今回も会場の参加者からの発言です。

★冒頭で「トランスジェンダーの医療との関わりを、妊娠出産の医療と同じように位置付ける(べきではないかという提案をする)ときに、中絶という言葉を付け加えた方がいいのではないか」という発言がありますが、これは当日、このトークが行われる前に開催されたひびのまことさんの講演『「トランスジェンダーではない人」の社会的特権』内での、ひびのさんの発言を受けての内容となっています。講演の模様は後日、当ブログでも紹介させていただきます。

09●「女であること」を無邪気に遊ぶことは出来るかもしれないけど、「男であること」を無邪気に遊ぶことのハードさよ。
  

 この映像のタイトルに付けた言葉は遠藤まめた君の発言を引用させてもらったのですが・・・本人が生活の中で感じている「リアル」なのでしょう。

 FtMとMtFの「非対称性」は、レズビアンとゲイの「非対称性」の問題とも関連しています。さらに言うと、日本社会においてはまだ現実問題として厳然としてある男と女の「非対称性」の問題でもあります。

 また、たとえば「同性パートナーの法的保障」を切実に求めて実際にアピール・アクションを起こしているのは、圧倒的に「レズビアンが多い」という最近の傾向とも関連しているのではないかと思います。

 さて。このトークは『男子であること』という海外のドキュメンタリー映画の上映後に行われたのですが、その前には日本のドキュメンタリー映画『We are Transgenders.~性別を超え、自分らしく生きる!~』(尾川ルル監督/1998年)の上映と、監督トークもありました。(作品解説は映画祭公式サイト参照)

 そちらの映画で僕が面白いと思ったのは、約10年前の関西の活動家たちの姿が記録されているという史料価値。そして、まだ「性同一性障害」という言葉が全く使われていなくて、当事者たちがコミュニティーの中で「トランスジェンダー」という言葉を、徐々に使い始めた頃の新鮮な雰囲気が伝わってくる点です。

 まさかその数年後には「性同一性障害特例法」が成立するとは、夢にも思っていなかっただろう当時の活動家たちの、ちょっと肩肘張った生真面目さと素朴さも印象的でした。今、こうした活動に関わっている人たちってもう少し、テキトーさとか遊びの精神を身に付けているのかもしれません。時代状況がそれだけ和らいできているという証なのでしょう。FC2 同性愛Blog Ranking

トランスって?07●京都トランスジェンダー映画祭07●恋愛の場の「女役割」を引き受けるのが非常に苦手で・・・。



 いろいろありすぎて記事が神出鬼没になっているこのブログ(爆)。新たな出来事を撮影したりすると、シリーズ掲載の記事が後回しになってしまったりするんです、ゴメンナサイ。

 さて、5月31日に関西クィア映画祭の主催で行われた京都トランスジェンダー映画祭での、ひびのまことさん遠藤まめたくんのトークは、今回を含めてあと3回分残っております。いちばん最後には、まめた君の口からすごく素敵なエピソードが飛び出したりもしますのでお楽しみに。今回の映像は、会場の方の発言が中心です。(掲載許可、ありがとうございました!)

08●恋愛の場の「女役割」を引き受けるのが非常に苦手で・・・。
  

 「男」と「女」という、まるで「白と黒」しかないような区分けの仕方に、そもそも無理があるんですよね。しかし、そのことに全く疑問すら抱かない人たちも、かなりたくさん存在しているようですし、テレビから流れるCMや、雑誌に溢れる情報は、「白か黒か」に染まることを強制しているかのようにも感じられます。

 そういう強迫観念から自由になって、逆に笑い飛ばせるようになったら・・・世の中が面白く感じられるのかもしれません。染まりたい人は染まればいい。染まりたくない人は染まらなければいい。その「どちらも」等価に選択できる世の中であれば、いいんですけどね。「どちらが、より優れている」という、自らの「イデオロギー」という色眼鏡に当てはめてばかりだと、大切な何かを見失ってしまうような気がします。FC2同性愛 Blog Ranking

トランスって?06●京都トランスジェンダー映画祭06●「性別なんて関係ない」なんて言いつつ、バリバリこだわってたりして。



 第1回京都トランスジェンダー映画祭で上映されたドキュメンタリー映画『男子であること』関連トークですが、前回まででトークはとりあえず終わり、会場との質疑応答になりました。

06●クリアに分けることは困難で、悩みながらコミュニティーがある。
  

07●「性別なんて関係ない」なんて言いつつバリバリこだわってたりして。
  

 「複雑な自己のありよう」って、見方を変えてみるとけっこう面白かったりなんかして。そして、こんな風に矛盾した気持ちをそのまま投げ出せる場があり相手が居るのって、なんて素敵なことなんだろう。FC2 同性愛Blog Ranking

トランスって?05●京都トランスジェンダー映画祭05●いわゆる「女」じゃない→「ブッチ」?「トランス」?



 前回に続いて「レズビアンが減るのではないか」関連の話題です。

05●「女」じゃない→「ブッチ」?「トランス」?
  

 「性同一性障害」「トランスジェンダー」の認知が進むにつれ、「レズビアン」の男性ジェンダー寄りの人、「ゲイ」の女性ジェンダー寄りの人が「トランス」だと自己認知するケースが増えました。この現象を「レズビアンが減る!」「ゲイが減る!」と捉えるのではなく、当事者たちにとって、より「しっくりと来やすい選択肢が増えた」のだと捉えて歓迎すべきなのではないかと思います。

 心の性や身体の性は、その境目が「グラデーション」であることから人の数だけ種類があるのだとも言えます。「自分をどう名づけるのか」の選択肢は本来、多くあっていいのではないかと思います。FC2 同性愛Blog Ranking

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