尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ008●雨の中。東京国際レズビアン&ゲイ映画祭・東京ウィメンズプラザ前での演説

7月14日(土)は、朝から晩までず~っと雨が降り通しでした。
ちょうどこの日は青山で「第16回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が開催されていました。12:40からは尾辻さん出演映画「No Border~世界のLGBTからのメッセージ」の上映があったわけですが、かわいそうに(笑)尾辻さんはそのまま外で選挙活動を続けなければなりません。そんな姿を撮影していたら、ついつい僕は上映時間に遅刻してしまったのでした~(←アホじゃん。爆)。
08●東京国際レズビアン&ゲイ映画祭・東京ウィメンズプラザ前での演説
上映を観終わって外に出たら、尾辻さんはまだ居ました(爆)。というより、スパイラルホールとウィメンズプラザの上映の「前後」を狙って、何度も行ったり来たりしていたようです。この映像の後は「ハッテン★サマー」の上映終わりを狙ってスパイラル・ホール方面に移動することになります。
これはあまり知られていないことかもしれませんが、尾辻さんの街頭演説の内容は、場所によって内容を柔軟に変化させていました。この日は映画祭の会場周辺に「LGBT当事者」が多く居るであろうことを見込み、「当事者に向けてのメッセージ」が発せられていたわけですが、いつもこのような内容ばかりであったわけではありません。今後徐々にご紹介する映像では、その辺にもぜひ、御注目ください。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ007●いよいよ旅立って行くポスター・チラシ

映像を見返す作業を進めていて面白いのが、自分では撮ったことすら忘れていた「なんでもない場面」に面白みを発見できること(笑)。7月12日の公示日に新宿駅前で行われた第一声を終えたボランティアの一行は、新宿二丁目の尾辻かな子事務所に戻って早速、ポスターやチラシにシールを貼り、配布にとりかかったのでした。
ところで。尾辻事務所の向かい側のビルにある「ルミエール」の壁にポスターを貼ったのはパフナイト『知ってたつもり!?「ゲイ」「ビアン」』で爆裂トークを繰り広げた水月モニカさんだったんですね!どうやらこの時が初対面だったようで、映像を通してインタビューなぞしてしまっています(笑)。まずはその模様を御覧くださいませ~。
06●選挙ポスターの横には全裸の男が!(笑)~ポスターをルミエールに貼る水月モニカさん
ちなみに、モニカさんは漫画家さんでもあり、女優でもあり、パフォーマンス・アーティストでもあり…と、様々な顔を持つ人です。11月25日にはパフスペースで「S/A/Y ver.3~聖≒政~贖いの聖者・不在の街 大田リョウ」を開催予定。2002年に亡くなった活動家の大田リョウさんについてのパフォーマンスです。詳しくは水月モニカさんのブログを御覧ください。

↑う~ん。なかなかシュールな光景。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ006●選挙戦アーカイブ02●公示日の朝。街頭での第一声

パフナイトのエロトークもいいけれど、なんだか最近、演説の映像が懐かしく思えるようになって来たのは僕だけでしょうか(←たぶんそう。爆)。参議院選挙から3ヶ月以上の時が経ち、やっとあの頃のことを冷静にふりかえることが出来る時期が来たように思います。撮りためた映像を見返す際にも「撮った時の生々しい感情」抜きに、ある意味、即物的に眺めることが出来るようになってきました。
嵐のような怒涛のスケジュールに追われていた渦中では見えなかったことや、感じられなかったことが浮上してくるかもしれない。そんな思いを込め、尾辻かな子さんの選挙期間中に撮影した映像で公開可能なものを、ネット上に「アーカイブ」として蓄積する作業は続けようと思います。結果は残念でしたが、あれだけの大きなチャレンジをしたことは、これから様々に問い直されて語り継がれるべきです。そうすることで、後世に繋がって行くものだと思いますから。
さて前回の選挙戦アーカイブでは、7月12日(木)の公示日の朝、新宿二丁目の尾辻かな子事務所での出発式の様子を紹介しましたが、いよいよ街頭での「第一声」へと移ります。この日を皮切りに17日間、全国のあちこちで尾辻さんは自らの思いを、同性愛者であるということを、そして国会議員になって実現したいことを、おもいっきり街頭で語り続けることになるのです。
02●公示日の朝。街頭での第一声
・・・これも一つの「歴史的瞬間」です。
03●公示日の朝。家西悟さんの応援演説
・・・薬害エイズの被害者として「カミングアウト」した思いと、国会議員としての経験を語ります。
→家西さとるさんホームページ
04●公示日の朝。福島光生さんの応援演説
・・・新宿二丁目のことを「開いた言葉で」説明している姿勢、サスガだと思いました。
05●公示日の朝。出発の光景
・・・メディアの取材攻勢も、あの頃は「見慣れた光景」でした。
平日の午前中で、天気が小雨だったということもあり新宿駅東口・アルタ前広場の人通りはそれほど多くはありませんでしたが、ボランティアスタッフ15名ほどが、承認シールを貼りたての「選挙ビラ」を配りに集まりました。

とても丁寧にたくさんの映像を撮りためていた取材クルーだったので、たくさん放送されることを期待していたのですが…6月に自民党の大臣たちの「失言問題」が毎週のように起こった関係で、放送予定日は延期されるばかり。結局、選挙戦突入直前の放送となってしまったために、放送時間がすごく短くなってしまったのが残念でした。なんでも、テレビ報道界の慣例として、選挙が迫れば迫るほど「特定の候補」を扱うことが難しくなるらしいんです。
あの時期の自民党の「失態続き」は民主党に大きな追い風を吹かせたわけですが、その風が尾辻さん個人の当選のために効果的だったのかというと、微妙だった・・・と言えるのかもしれません。選挙戦前に全国ネットで尾辻さんを取り上げたテレビのニュース番組は「NEWS ZERO」だけだったわけですから。

尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ005●公示日の朝。事務所での出発式

7月12日。当初の予定よりも一週間遅れましたが参院選の公示日がやってきました。新宿二丁目の「尾辻かな子事務所」には朝早くから、尾辻さんの第一声を聴こうと支援者・ボランティア約20名が集まりました。
この後、一行は新宿駅東口駅前に移動します。そして、選挙戦初日。街頭での「第一声」が行われることになります。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ004●知ることによって偏見は溶ける

七夕の日に立川で大河原まさこさんの応援スピーチに参加した翌日、新宿駅東口での民主党・合同演説会に参加した尾辻さん。まずは、あの「さくらパパ」や蓮舫さん、すずきかんさんらの演説があったのですが、さすがは党のイチオシ候補としてテレビ露出をバンバンしているだけあって大勢の人が野次馬的に足を止め、「キャ~さくらパパだぁ~」と、携帯のカメラで撮影する光景が繰り広げられました。
「さくらパパ」の、正直なにを言ってるのかわからないスピーチ(←失礼。爆)が終わり、3人はそのまま歩行者天国へ練り歩きに行きます。続いて尾辻さんの番になったのですが…残念ながら「野次馬的」に足を止める人は、あまりいませんでした。「う~ん。やっぱりまだまだ東京での知名度は低いなぁ」とシビアに感じさせられながらも、真摯に通行人に向けて語りかける尾辻さんのスピーチを聞きました。東京で行う街頭スピーチとしては高田馬場(映像はこちらとこちら)・新宿東口(映像はこちらとこちら)・立川に次いで4回目。まだまだ始まったばかりという段階でした。
尾辻かな子さん街頭活動@新宿駅東口2007.7.8●義務は果たせど権利がないから
続いてこの日は、品川区議のあべ祐里子さんが、尾辻さんの応援スピーチを行いました。日本教育新聞社で記者をしていた経験から、教育問題について関心が高いとのこと。LGBTの子どもたちのことについても言及しています。また、ポーランドのアウシュビッツ収容所に行き、ユダヤ人や障害者とともに同性愛者も迫害されたことが、街行く人々に向けて語られました。
あべ祐美子さん(品川区議会議員)●知ることによって偏見は溶ける
尾辻さんの選挙戦では、たくさんの方々の「応援スピーチ」を聴くことが出来、楽しみの一つではありました。笑わされたり、時にはジーンとさせられたり。しかも必ず「同性愛者」「レズビアン」という言葉を含みながらのスピーチなのです。僕はそれが「街頭で」「不特定多数の人に向けて」行われているという事実に、けっこう興奮したりもしてました…。そのうち慣れたけど(爆)→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ003●共感の輪を広げて行くこと ~Oh my news主催「激論!居酒屋トーク」でのアピール

新宿の街頭で鳩山由紀夫さんと一緒に演説した日、そのままの足で尾辻さんは四谷にある居酒屋に向かいました。市民インターネットメディア「Oh my news」のネット配信番組に生出演するためです。
尾辻かな子さんの選挙戦●Oh ny news「激論!居酒屋トーク」2007.6.30
今回の選挙戦中に尾辻さんはレズビアンとして、LGBTコミュニティーの外に向かって発言する機会がたくさんありました。レズビアンをはじめて見るような人たちも居る中で、どのように彼女が語っていたのか。冷静な目で見つめ返してみると、いろんなことが感じられると思います。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ002●変えられない世間は無い

前回に引き続き、7月7日に立川で収録したインタビューです。街頭活動を直後に控えた慌しい中ではありましたが誠実に応えてくれた尾辻さん。公示日を4日後に控えた時点での対話です。
尾辻かな子さんインタビュー@立川02●政治アレルギーについて
尾辻かな子さんインタビュー@立川03●当事者に伝えたいこと
な~んか支離滅裂な言葉で思いを一方的に喋っただけだったんですが、拾って応えてくれてありがとうございましたぁ~(爆)。この映像、本当は公示日前に公開したかったんですけどね、いろいろあって間に合わなかったんです…残念!。
さて、この収録後に尾辻さんは立川駅前での民主党・街頭活動に参加します。立川駅前ってものすごく人通りが多いんですね~驚きました。
尾辻かな子さん街頭活動@立川駅前●どうしてわざわざ国会を目指すのか
当日は七夕ということもあり、民主党の用意した短冊に願いを書き、笹の葉に結び付けたりもしていました。そしてすぐさま電車に乗り、関西へと向かった尾辻さん。東京ではまだ単独での街頭活動が出来ていない焦りを抱えつつも、日本全国をあちこち飛び廻る超多忙な日々が始まるのでした。→FC2 同性愛Blog Ranking
尾辻かな子さん’07参院選アーカイブ001●「これから」のために。映像でふりかえります。
「レズビアンだ」って言ってしまったら、聴く側にひとつの価値観を押し付けてしまうんじゃないか、という迷いがずっとあったのは事実。でも、「レズビアン」と言わないで、ほんとに伝えたいことが伝わっていかないのも事実。だって、この世の中の大半の人は、それこそレズビアン自身でさえ、「レズビアンがこの社会に生きている」っていう現実を信じていないんだから。

選挙結果に関しては、さまざまな見方が出来ると思いますし、さまざまな議論が巻き起こるべきだと思います。彼女は「結果のわからないチャレンジ」をしました。そして、多くの人々やメディアを巻き込みムーブメントを起こしました。結果的に「勝負」には負けたかもしれないけれども、この現象がもたらした世の中へのインパクトは、決して小さなものではなかったはずです。
その真価が問われるのは、これからのことでしょう。また、このムーブメントに「足りなかったもの」が冷静に分析されるのも、これからのことでしょう。それはきちんと成されなければならないことでしょう。

今日から少しずつ長期にわたって、これまでどおり僕は尾辻かな子さんの映像を掲載し続けようと思います。「これから」のために、ぜひ少しでも活用していただければと思います。まだまだ、これからですから。はじまったばかりですから。

2007年7月7日。7が3つ並んだ七夕の日に、尾辻かな子さんは立川駅前で行われた民主党の街頭活動に参加しました。この日は東京選挙区から立候補した大河原雅子さんの応援弁士という立場。駅に早めに着いたため、立川駅前で15分ほどインタビューを収録させてもらいました。まずはその映像から。
尾辻かな子さんの選挙戦01●多様化している社会を、「政治」が認めるのかどうか
インタビューは次回にも続きます。収録後、まずは南口にて街頭活動が始まりました。周辺の自治体から応援にかけつけた民主党の議員に混ざり、尾辻さんも3分程度、コンパクトな演説を行いました。
尾辻かな子さんの選挙戦02●共に生きる社会
この演説を行う前後から少しずつ、チラシ配布のボランティアが増えはじめます。立川は新宿からJRで30分ほどかかるのですが、いつも事務所にボランティアに駆けつけるメンバーが参加し、賑やかなものになりました。
実は尾辻さん、まだこの時点では「単独での街頭活動」が東京では行えていませんでした。なぜなら公認決定が当初の見込みよりも大幅に遅れて5月中旬になってしまい、さまざまな事務作業に忙殺されてしまったからです。一般への知名度が高くはないにも関わらず、全国比例に「新人」として出馬する候補として、この「出遅れ」は相当に大きな影響をもたらしてしまったことも、忘れてはならない事実だと思います。
本当は「年明けにも下りる」と見込まれていた民主党からの公認。しかし3月11日の「九州男」でのキックオフイベントにも間に合わず、5月5日の大阪でのイベントにも間に合わず、5月15日になってようやく下りました。4月末まで大阪府議会議員としての職務を行いながら、何度も陳情に足を運ばなければならなかった本人の心労は、相当に高かったことでしょう。
公認が遅れた理由としては「同性愛者を公認したら保守派の票が逃げる」との意見が党内にあったり、その他にもさまざまな動きがあったようです。どうやら単純に語ることは出来ない問題であるようです。この問題は、尾辻かな子さんの選挙結果を論じる際に、外してはならない要点だと僕は思います。→FC2 同性愛Blog Ranking