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2023-12
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あれっ・・・もう風化しちゃったの?~アメリカで原発再評価

原油価格の高騰が問題になっている昨今ですが、その煽りでしょうか。アメリカで新しい原子力発電所の建設が本格的に再開されようとしています。<11/27(日)の読売新聞19面「21世紀の選択~エネルギー」より>

アメリカでは1979年のスリーマイル島事故や1986年のチェルノブイリ原発事故の影響から、27年間にわたり新しい原発が作られることはありませんでした。80年代から90年代にかけては原油価格が低下していたということもあり、火力発電のコストがかからなかったという理由もあるようです。ところが今年の「エネルギー政策法」で急に、原発の建設支援策が盛り込まれたのです。

原発の運営や放射性廃棄物の処理に関する問題点は、まだまだ解消されていません。ほんの些細な人為的ミスが、とり返しのつかない大事故を引き起こすことは歴史的事実が証明しています。

日本国内で言えば東海村の臨海事故が起こったのは1999年。2002年の8月にはトラブル隠しが問題となり福島第一原発一号機に停止命令。昨年の夏には美浜原発蒸気漏れ事故がありました。いずれも初歩的なミスが引き起こしたことであり、死者が出た事例もあります。まかり間違えば大事故に至るところだったのです。

残念ながら読売新聞の記事ではこうした問題点に一言も触れていません(おそらく意図的でしょう)。それどころかアメリカの推進政策を手放しで評価しています。読売新聞といえば1000万部という世界第一位の発行部数を誇る大メディア。その影響力は多大なるものがあります。

今までの原発事故の時もそうでしたが、メディアは事故直後には大騒ぎして世論を喚起しますが、別のニューストピックが出来るとサーッと潮が引くかのごとく扱わなくなります。そして今ではすっかり風化してしまいました。その後も相変わらず小さな事故や設備の老朽化による故障は起こり続けているのですが、社会面の隅っこに小さく掲載されるだけです。もし事故の直後だったらその一つ一つのトラブルはもっと大きく報じられ、我々の危機意識を高めていることでしょう。

アメリカのこの流れを受け、イギリスでも推進政策に転換することが最近発表されました。アメリカ→イギリスと来れば、次はまぎれもなく日本。政策転換するのは確実でしょう。現に12月になってから、各新聞には元総理の中曽根康弘氏をキャンペーンキャラクターにした、日本原子力文化振興財団による「原発推進PR広告」が全面広告として順繰りに掲載されています。世論を刺激しないように様子を窺いながら、ジワリジワリとPRが始まっています。

エネルギーが必要なのはわかります。電気が発電されなければ我々の現在の生活は成り立ちません。しかしそれは非常に高いリスクを背負いながら営まれているということを無視してはいけないでしょう。設備や管理体制の問題点だけではなく、原発が生み出す高レベル放射性廃棄物の最終処分場は決まっていません。処分に困った放射性廃棄物は海洋投棄され、その管理を子孫に押し付けているのです。放射能は長年に渡り危険であり続けるものです。最終的な処理方法がわからないまま、いわば「見切り発車」をしているわけです。

このように、わざわざリスクを背負ってまで推進される政策には必ず「利権構造」が絡んでいます。本来、ジャーナリズムというものはそうした権力の暴走を監視し、批判的な立場を保ちながら我々に考えさせるのが役割であるはずなのですが・・・残念ながらその構造に取り込まれているかのように、大手マスメディアは骨抜きになっているのが現状のようです。

原発でのトラブル隠しの実態が次々と発覚した夏を憶えていますか?全国で原発が一斉に停止されたけれども、政府やメディアが「節電」を呼びかけて真夏の電力不足を乗り切ったではありませんか。やれば出来るはずなんです。

人間が人間である以上、ミスや不正や間違いを犯すのは防ぎようのないことです。だからこそ原発でそれが起こったら計り知れない被害をもたらすということを、もっと認識すべきです。
原発は「神」ではありません。管理しているのはあくまでも生身の人間です。しかも国による管理・検査体制がいかに杜撰でいいかげんなものかということは、マンション設計偽造問題等でも明らかではありませんか。

地震のメカニズムや被害想定の研究もまだ発展途上。原発の耐震性についても「安全だ」と神聖視できるかどうか怪しいものです。危険なものを推進してリスクを高めるよりも、リスクを負わずに済む方向を模索することに政府は労力と資金を投入するべきではないでしょうか。

目先の利権にしがみつく体制は、もういいかげんにして欲しい。人類の未来がかかってるんですから。

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コメント

この記事へのコメント

う~ん、残念です。確かに公共的なものには利権に群がる悪質なものが付きまとっている事は事実でしょうが、原子力発電の安全性はほとんど確立されているものだと思います。フランスの電力はほぼ百パーセント原子力エネルギーによるものである事はご存知でしょうか。地球科学を大学で学んだのですが、自然界に放射性物質はごく普通に存在します。今日の緑豊かな地球になったのも、地球の中にある放射性物質の熱エネルギーによって水蒸気が大気に放出された事によるものだと教わりました。人間の体の中にも燐などの放射性物質が存在します。これも人間が核爆弾を作る前、太古の昔から存在するものです。古代の人間が火を制御出来るようになったのと同じように、現代の人間は原子力エネルギーを制御出来るようになったと判断して間違いはないと思います。逆に原子力施設での事故に関して過剰な反応を起こしすぎているのではないかと思います。原子力エネルギーについてのキチッとした認識を持つ事によって、鉄腕アトムのようなロボットが今世紀中に活躍するのも夢ではないと考えます。

●antsuanさん。コメントありがとうございます。
「残念」とか「残念でない」ということではなく、
もし意見があるようでしたら今回のようにお書きくださると嬉しいです。
大歓迎ですよ。
フランスはアメリカのように産油国ではないので
原子力エネルギー大国であることは知ってましたが100%なんですね、驚きました。
ただ、フランスの放射性廃棄物が大量に海洋投棄され続けていることについては、
無視できない懸念材料だと思っています。
そもそも、最終的な処理方法が研究途上のままで稼動していて、
日々生み出される廃棄物を、とりあえず封印して海底に捨てているということ自体、
未来に対して無責任なことではないかと感じます。
東海村の事故で作業員は「被曝」により亡くなっています。
チェルノブイリでも広大な地域が立入り禁止となり、ガン患者が多発しています。
放射線はもともと自然界にあるから安全であるという論理は
原発推進派のパンフレット等にもよく書いてありますが、
人為的に作り出すものと自然界のものは違うのではないでしょうか。
何度聞いても、納得できない論理だと感じるのですが・・・。

原発ですか・・・。私は、茨城県東海村ですが、10年前、原発の偉い方のお話を聞いたことがあります。「毎日のように小さい事故は起きている。それは、専門の技術者がいないからだと。兼業農家の方々が作業員として働いている。器具を釜に落としてしまうことなんてしょっちゅうだ」彼は、このことを告白したあと、すぐに亡くなりました。全身にガンが転移されていたのです。決死の覚悟での告白でした。今となっては、その真偽は闇の中に埋もれてしまいましたが。
そのとき、聞かせていただいたエピソードを一つ紹介します。
「好きな女性ができたと。彼は、彼女を親に紹介したところ、猛反対された。そのときの理由は『あなたは○○(原発のある地域)で育った。白血病の孫を見たくはないんだ。』という理由だった。自殺するんじゃないかと、弁護士にその彼女のもとに行って、慰めてもらった。とおっしゃっていた。

お気遣い有り難う御座います。お言葉に甘えてTBいたしました。
宜しくご了承下さい。

いつも読ませていただいてます。
こういう話題で、私が言いたいなあと感じていることをずばっと言ってのけてくださるので、うれしくなります。
戦争やら原発やら、やりたい人は儲かって、迷惑をこうむるのは利権とは無関係の人で。
たくさんの人が死んでも、国やメディアが消そうと思えば人々の記憶から徐々に消し去ることができるというのは恐ろしいことですよね。
私は、消し去られないように踏ん張ろうと思います。
最近、大企業の広告って、「地球にやさしい」とか「環境を守ります」といった善人面のものが多いですけど、
「原子力や水力などの地球にやさしいエネルギー」という表現をしても何の批判も起きないのはおかしいんじゃないかと感じています。

●日刊ゲイ新聞編集長さん。はじめまして。
原発の下請け作業員の方々についての問題は大手のメディアでは
なかなか取り上げられませんよね。(目立った事故でもない限り)。
電力会社は大口のスポンサーだし、大手電機メーカーが開発に関わっていますから。
「平和利用」というクリーンなイメージで推進する裏では
実際の現場で働きながら実態について疑問を持っても
言いたいことも言えずにひっそりと過ごしたり
亡くなっている人もいるのではないかと思います。
書いていただいたエピソードのように、
不条理な差別意識も、特に田舎という土地柄ではあるのでしょうね。
いつも思うのが、原発問題について意見を言うと、それだけで
「あいつは左翼だ」「危険な奴だ」「思考停止してるんじゃないか」というような
妙なレッテルを貼って封じ込めようとする風当たりを感じることです。
自分達の生活を支えている基本的なことなのに、どうしてもっと
オープンに気軽に世間話レベルで語れないのでしょうかね。

● あやこん さん。はじめまして。
そうですね。
「原子力が地球にやさしい」だなんて、どうして言えるのでしょう。
温暖化抑止という目先の問題では言えるのかも知れませんが、
放射性廃棄物を未処理のままで増やし続けているという面では
環境的なリスクを生み出し続けている存在でもあります。
物事はなんでも、良い面と悪い面があって当然であり
エネルギーの問題については、まったく「クリーン」であり得る方法などありません。
PRをするのならば、正直に「リスク」の面まで示した上で、
「われわれの生活はこういうリスクの上で成り立っています」と
皆の危機意識を喚起することの方が本当だし大切なことなのではないかと思います。
こんな大事な問題なのに、嘘で夢を見させるのはやめて欲しいと思っています。

>いつも思うのが、原発問題について意見を言うと、それだけで
>「あいつは左翼だ」「危険な奴だ」「思考停止してるんじゃないか」というよ>うな
>妙なレッテルを貼って封じ込めようとする風当たりを感じることです。
>自分達の生活を支えている基本的なことなのに、どうしてもっと
>オープンに気軽に世間話レベルで語れないのでしょうかね。
まったく同感です。
悪い面、危険なことを考えたくないというのは理解できるけれど、
避けてばかりいてはまずいはずですよね。
最近「大地震」については「必ず起きる」「そのときあなたは」みたいな特集がやたらに多いですが、
原発について「事故が起きたら」「放射能が漏れたら」などの問題提起は、ないですよね。

●あやこん さん。
日本中、どこで大地震が起きてもおかしくないし、
今までの建築基準法が適切な基準だったのかどうかも問題視されてますよね。
ということは、原発は大丈夫なのか?と、どうしても気になります。
その辺の建物が壊れるのとは、わけが違いますからね~。
長周波地震と大型の建物の被害関係についても、
最近危険性が本気で問題視されはじめました。
数年前まではまったく想定されていなかったことであり、
原発は当然、その時期の耐震基準で設計されているわけですよね。

はじめまして。nanakoと申します。
数年前、大学で核の研究をしている方とお話したときのことですが、
原子力発電の限界はもうわかっている事なんだと言っていました。
廃棄物のことを考えれば、コストの面でも割に合わないんだと言っていました。
私は専門的なことはわからないのですが、風力発電などいろいろなエネルギー政策に本気で取り組めば、原子力発電の比重を下げることは可能だと思います。

●nanakoさん。はじめまして。
廃棄物の処理について「限界が見えている」ということなのでしょうか?。
現状は「いつか処理法が発見されるだろう」という希望的観測で
見切り発車しているに過ぎないわけですから、そこに限界があるのなら
由々しき事態ですね・・・。
僕も、「風力」とか「太陽光」とか・・・
コスト面で採算が取れないからという理由で主力になれない発電方法について
もっと政府がバックアップして予算を投入して、研究を進めるべきだと思っています。
あるいは最近では「燃料電池」の進化等、新しい可能性が出てきてますよね。

親戚が原発の技術者でした。

戦後日本が世界に追いつく為に。そんな気概から海外で原子力発電の技術を学び、定年まで働いた親戚がいます。彼は戦時中から核物理学に興味があって、平和的利用ということで熱心に取り組んだようです。
定年後、のんびりと自給自足の農業で晴耕雨読の生活を楽しんでいますが、パソコンはインターネットで原子力発電所とずっと、繋がりっぱなしだそうです。毎日のようにアドバイスをし、事故には現場に駆けつけると言っていました。やめても、気になっていたし、また、技術者が不足しているようでした。
↑の記事とコメントは、とても耳の痛い話です。身内に関係者がいるので。東海村の事故の時には、どきっとしました。どうか、最小限の被爆でありますように。祈る気持ちでした。
私は、個人的には原子力発電には反対です。
彼の二人の息子も、お祖父さんの強い勧めにもかかわらず、化学とバイオ関係の研究に就職してしまいました。父親である彼は、何も言わなかったそうです。

●秋さん。

戦時中から核物理学をやっていたというのは、すごいですね。
本気で熱中していたのでしょうね、「平和利用」に結び付けようという情熱で。
原発は、下請け労働者の問題とかを知るとかなり深刻な人手不足みたいだし、
問題をたくさん抱えているにも関わらず、公にせずに「隠している」ような気がします。
閉鎖的な体質だから疑心暗鬼を喚起する。
純粋な研究者の方から見たら、企業や国のそういう体質、歯痒いのかもしれないですね。
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